もの言う「アスリート」

保育園の子どもたちには、「自分で思ったことは、ちゃんと口に出して言いなさい」と、園長は何度も言っていますが、寡黙を美徳とする日本人の文化が、過去にあったとすれば、これからの時代、今の子どもたちが大人になる頃には、「黙っていてもダメさ」というのが、当たり前になっていることでしょう。

 

先日、全豪オープンを優勝し、23歳という若さでグランドスラムを通算4度優勝している大坂なおみ選手は、まさに、もの言う「アスリート」です。

 

昨年の全米オープンでは、黒人襲撃事件で犠牲となった人たちの名前が書かれたマスクを着用したことで、世界での注目を一気に集めました。大坂なおみ選手は、日本人ですが、この行動に、世界中から賞賛の声があがっているのに、一部の日本人が冷ややかな目で見ていたのは、残念なことですね。

 

アスリートは、プレーに専念しなさい。「本業」と関係ないことをしゃべるな。という批判です。しかし、大坂選手は、黒人やアジア人に対する人種差別に抗議します。そうした姿勢を「政治的だ」と批判する声に対しては、人権擁護の姿勢をはっきりと示します。

 

「スポーツが命の輝きなら、差別や暴力は、命への攻撃。コートでのプレーと差別に対する抗議は、人の命を尊ぶことにおいては地続きです。何ら、矛盾がないこと」と毅然としています。

 

人間という生き物は、どうしても、「同調圧力」に屈してしまいがちです。しかし、大坂選手は、圧力に対して声を上げる勇気を私たちに示しているのです。これからの若きアスリートたちは、大坂選手のように、もの言う「アスリート」が多くなっていくのでしょう。

 

そう・・・大坂選手の魅力は、プレーや主張だけではなかったですね。インタビューでの「お茶目な発言」です。ユーモアを忘れないことも、私たちは見習わないと。(笑)