江戸時代の寺子屋

今日は、令和3年度最初の「寺子屋」を行いました。年少の寺子屋3番さんにとっては、ワクワクドキドキしながら、クレヨンで好きな絵をかきました。「今から寺子屋をはじめます・・・おねがいします」「これで、寺子屋を終わりにします・・・ありがとうございました」と、寺子屋のあいさつも今日から覚えていきます。

 

保育園ホワイトきゃんばすの寺子屋は、年長・年中・年少の3学年が学び合いながら成長することがねらいの一つですが、江戸時代の寺子屋は、どんな感じだったのでしょうか。

 

論語などの書物を声に出して読み、生徒たちは、それを暗唱できるように努めるシーンをテレビの時代劇などでよく見ますね。この学習法を「素読(そどく)」と言うのだそうですが、実は、もう一つの「会読(かいどく)」という学習法が注目されています。

 

今風に言えば、江戸時代にアクティブラーニングのような授業が行われていたのです。ビックリですね。

 

会読とは、生徒たちが一室に集まり、所定の書物などについて互いに問題を持ち出したり、意見を戦わせたりして、集団研究を行っていたというのです。つまり、車座になって互いに切磋琢磨する共同学習です。

 

この流れが、真剣な討論で勝ち負けを競う「遊び」となったそうです。今でいうディベートですね。そして、幕末には歴史を突き動かす大きな原動力となっていくのです。福沢諭吉も大久保利通も西郷隆盛も、この会読を経験しています。

 

会読が注目されるのは、江戸時代の身分制社会にあって、身分や門閥を超えて参加者の対等性が確保された相互コミュニケーションが図られる場であったことです。もちろん、政治的な話も議題になり、明治維新へのパワーとなっていったのです。

 

若者たちが、学歴や家柄などの「縁を離れて」学問と向き合ってみたら、きっと歴史をつくり、世界が変わるのかもしれませんね。江戸時代の会読は、現代へのメッセージなのかもしれません。