ランドセルの呪縛

ゴルフの松山選手が快挙達成ですね。世界のメジャー大会のマスターズで、アジア人初の優勝を飾りました。グリーンジャケットがよく似合っていました。「ついに!この日がやってきた!」と、私たち日本人は大騒ぎですが、印象に残るのは、松山選手の冷静さです。彼のメンタルの強さをあらためて感じました。すばらしいですね。

 

さて、小学1年生の卒園児が、保育園に遊びにくる時は、「ランドセル姿」です。在園児は、「わ~い!ランドセルだ。○○色でかっこいいね!」と言いながら、ランドセルの中を見せてもらいます。A4の大きさのノートが入るように、大きくなっていて、様々な機能が付いています。

 

実は、すでに、2022年度入学のランドセルの展示会もスタートしているようで、ランドセル争奪戦は、まだ1年以上もある3月に、最初のピークを迎えるそうです。

 

ランドセルを購入するための活動は、近年「ラン活」と呼ばれ、ヒートアップしています。ランドセル工業会のデータでは、2020年のランドセルの平均価格は、5万3600円だそうです。10年前の3万5000円の1.5倍以上になりました。購入金額を払ったのは61%が祖父母です。

 

「ランドセルに夢と希望をいっぱいつめて頑張ってくださいね」と、幼稚園や保育園の先生たちがよく言うセリフですが、どうやら、夢ばかりではないようです。

 

ランドセルにまつわるモヤモヤは、結構あるようです。「重いので革のカバンではなく、アウトドアブランドのナイロンのバックパックで代用しよう考えたら、まわりと違うということで、家族でもめた」「子どもの意見で個性的な色にしたかったけど、いじめにあうといけないので、赤や黒に近い色にした」「ラン活が早すぎて、支援学校(ランドセルではない)か支援学級(ランドセル使用)か悩む人にとっては、つらい」「祖父母世代からのお祝いだとしても5万円は高すぎる」

 

私も、保育園にランドセルをお披露目にくる卒園児を見ると、夢と希望を感じ、心も楽しくなりますが、現実には、そうではない世界があることを認識しないといけませんね。少し考えすぎかもしれませんが、ランドセルには「画一化」「ジェンダー」「格差」などの社会の問題が詰まっているのかもしれません。