フレデリック

レオ・レオニ作 谷川俊太郎訳の「フレデリック」という絵本は、「ちょっと かわった のねずみの はなし」というサブタイトルが付いています。

 

野ねずみたちは、冬ごもりの準備のために食べ物を運ぶなど、せっせと働いてます。そんな中、フレデリックだけは働かず、じっとしています。

 

「きみは、なぜはたらかないの?」という問い掛けに、フレデリックは「こうみえたって、はたらいているよ」と言い、寒くて暗い冬のために「おひさまのひかりをあつめている」と答えます。光だけでなく、色や言葉を集めているとも答えました。

 

みんなは腹を立てます。そして冬が来ました。食べ物もだんだん尽きてきて、みんなも暗い気持ちになります。そこで、フレデリックの出番がやってきます。フレデリックの言葉で、みんなのイメージの世界に温かい光や鮮やかな色が描き出され、詩人のような言葉がみんなを驚かせ、幸せな気持ちにさせたのです。

 

アリとキリギリスのような展開を期待した人は、この話には納得できないかもしれません。また、素敵なことだと感じる人もいることでしょう。


今、保育園ではクリスマス会に向けての練習がスタートしています。劇やダンスの練習では、このフレデリックのように、ジャングルジムやおもちゃで遊んでしまうマイペース園児が現れます。


ここは、カリカリと「ちゃんとやりなさい!」と言っても仕方ありませんので、フレデリックのようなすごいことを本番でやってのけてくれることを期待することにします。集団を外れてしまう子の思いを少しでも理解しないといけません。


なんだかんだ言っても、クリスマス会の舞台に立てば、ママパパの前で、かっこいいところを見せてくれるでしょう。(笑)