2024年

3月

19日

シンガーソングライター 新沢としひこ

今日は、お別れピクニックです。年長園児11名で近くにある「三橋総合公園」へお弁当を持って出かけました。三橋公園までは、歩いて20分ぐらいですが、「ピクニック楽しみにしてたんだ。お弁当は○○」と、子どもたちの楽しい会話が聞こえてきます。公園に到着すると、まずは水辺の生き物観察です。「エビを捕まえたぞ!なんだ、この生き物は?この小さな貝はタニシ?ヤゴはトンボの幼虫だね」と、生き物には慣れた子どもたちです。6歳男の子は、ミミズも素手で触っていました。

 

「園長先生・・・おなかすいたよ~」で、お弁当タイムです。ニコニコ顔で完食すると、自由遊びタイムです。土手の草の上をゴロゴロと回転して降りる子どもたち。目が回っても楽しくてたまりません。アスレチックや遊具で体を動かして、メタセコイヤの木の実を集めます。防虫効果があるクスノキの葉の香りをかいで、楽しいピクニックとなりました。こどもたちの大切な時間になりました。

 

そんな、卒園児が、卒園式で歌う曲の一つは、「さよならぼくたちのほいくえん」です。全国の多くの保育園や幼稚園の卒園式で、この曲が歌われます。その歌詞に、姿に、親は涙するのです。

 

♪たくさんの毎日を ここですごしてきたね

 なんど笑って なんど泣いて なんどかぜをひいて

(略)さよなら ぼくたちのほいくえん(ようちえん)

 ぼくたちの 遊んだにわ(ホワイトきゃんばすでは「おくじょう」です)

 

この曲を作詞したのは、新沢(しんざわ)としひこさんです。多分知らない人が多いと思います。でも、次の曲は知っていると思います。

 

♪世界中のこどもたちが いちどに笑ったら 空も笑うだろう ラララ 海も笑うだろう

そう、「世界中の子どもたちが」です。知っていますよね。また、一昨年の保育園ホワイトきゃんばすのクリスマス発表会で歌った「虹」も、新沢さんの曲です。コロナ禍になった頃にテレビで毎日のように流れていました。

 

新沢さんは、「子どもの歌は、『詠み人知らず』の雰囲気が強くて、無名性が高いです。保育園に歌いに行くと、目の前に座った子どもたちに『おじさん、どうして僕たちの歌を知っているの?』と言われることがよくあります。子どもの歌は、僕の持ち歌じゃない。みんなが歌うもの。我ながら不思議な仕事だと思います(笑)」と言います。

 

新沢さんは、国際基督教大学(ICU)付属高校が開校した1期生で入学します。新設校だから、生徒会もない、部活もない、上級生もいない、夢のような3年間を過ごします。すべての選択が自由という環境で、新沢さんの感性が研ぎ澄まされていくのです。大学時代には、保育園でアルバイトをします。しかし、現実は甘くなかったようです。天使のような子どもたちが若いお兄さんを大歓迎してくれると思っていたら、目の前に現れたのは、超絶悪ガキ集団で、節分では、紙の棒でバンバンぶたれ、子ども同士のケンカも日常茶飯事です。「びっくりしたけど、すっごく面白かった。子どもだって人間で、大人と何ら変わらない。そのことに気づくことができたのは、大きかった」と振り返ります。

 

シンガーソングライターは、名前を憶えてもらって、ヒット曲を出すことが幸せなのかもしれませんが、新沢さんは、大スターではありません。子どもたちは、新沢さんの名前は知らなくても、全校児童が「虹」を歌い、卒園式で「さよならぼくたちのほいくえん」が大合唱され、式は涙で包まれます。なんだか、これって、すごく幸せで、豊かな人生だと思いませんか。

 

でも、せっかくですので、これを機に、「新沢としひこ」。覚えてくださいね。

2024年

3月

18日

19年破られなかった日本記録

せっかく春らしくなってきたと思ったものの、今日は一転して強風の寒い一日でした。桜の開花が、当初の予定よりも少し遅れるようですね。保育園のお花見は、3月末か、新年度4月になってからか・・・満開から桜の花が散り始めた頃を見はからって行います。

 

さて、ある女性アスリートのコメントです。「これまでの感謝を込めて、夢を追いかける

ことの素晴らしさを伝えていきたい。それと、美味しい酒を飲むためにも走り続けたい」と語る人。誰かわかりますか。現役を引退されているので、美味しい酒も許してください。(笑)

 

そうです。今日は、2004年のアテネ五輪女子マラソンで金メダルを獲得した、野口みずきさんの話です。野口さんは、翌2005年、ベルリンマラソンで2時間19分12秒の日本記録を樹立します。

 

この記録は、なかなか破られませんでした。そして、ついに、今年1月の大阪国際女子マラソンで、前田選手によって、2時間18分59秒のわずか13秒差ですが、日本記録が更新されました。この間、19年間、野口さんの記録は破られなかったのです。前田選手は、途中からペースメーカーを置き去りにする圧巻の走りでした。それを野口さんは、解説者として乗り込んだ中継車の中でワクワクしながら見届けたのです。

 

自分の記録が破られるのに、野口さんはワクワクしていたのです。そして、「日本記録が塗りかえられた、その現場に立ち会えたことが幸せだった」と言うのです。普通なら、自分の日本記録が抜かれてしまうので、残念な気持ちになるのが普通でしょうが、野口さんは、喜ぶのです。

 

実は、野口さんが高校卒業後にずっと指導を受けてきた岩谷産業陸上部の廣瀬監督のもとへ、日本記録を樹立した前田選手の武富監督が出向いて、野口さんの現役時代の練習メニューなどを参考にしていたようです。監督同士がリスペクトしあっていたようです。

 

最近の陸上界では、練習量が多すぎると故障につながるから、質を重視する傾向が強まっているようです。しかし、二人は、やっぱりマラソンには思い切った練習が必要と考える監督同士なのです。野口さんも前田選手も、圧倒的な練習量の中で、日本記録が生まれたのです。

 

野口さんが、陸上を始めたのは中学1年の時です。37歳で引退するまでの25年間の競技人生は、良いことばかりではありませんでした。金メダルを獲得した次の2008年北京五輪を欠場した時には、バッシングを受けます。そして、2016年3月、リオ五輪の選考レースに破れ、引退を決意します。その年に結婚し、「普通の生活」をする中で、異業種の仲間もできたそうです。

 

そして、ついに、自分の日本記録が破られ、「日本記録保持者」という重荷がはずれて、心から、普通に走ることが楽しくなってきたようです。野口さんが、アテネ五輪で獲得した金メダルは、全国各地を一緒に走っていて、日焼けしているようです。(笑)

 

これからも、野口さんは、解説者として活躍をしながら、明日の日本を背負うアスリートたちを育てていくのです。

2024年

3月

17日

宇宙は「宝の山」

昨夜は、保育園が終わって、前の会社仲間と「おやじ3人」で飲んでいました。世代としては、「不適切にもほどがある」のドラマの主人公とかぶる、バリバリの昭和世代です。昨年4月に入社した新入社員への対応は、令和を意識して、プライベートなことへの介入はしないスタンス・・・でも、辞めてしまう若者が多いとのこと。「会社が合わない」という理由よりも、「同じ会社で長く働く気持ちなどさらさらない」という感じのようです。こうなると、採用の段階での人材の見極めと、採用してからの育成ビジョンが課題になります。う~ん・・・難しい世の中ですね。

 

さて、今日は「宇宙」の話です。壮大です。先日、日本の民間企業「スペースワン」の小型ロケット打ち上げが失敗する映像を見たばかりですが、宇宙開発には、失敗が伴うのが常です。失敗原因を分析し、次につなげてもらいたいですね。

 

昨年10月にNASAの新型探査機が打ち上げられました。目的地は、「プシケ」と呼ばれる小惑星です。約36億キロメートルの旅を経て、2029年に到着予定です。まだ、5年もかかりますね。このプシケは、小惑星の中でもひときわ変わった星で、金属だらけだそうです。全体体積の半分以上は、鉄やニッケルなどで占められていて、あくまでも単純計算ですが、このプシケの資源価値は、日本円にして、ゼロが20個並ぶ15垓(がい)円(1兆の15億倍)です。全世界のGDPを優に上回るという天文学的な数字です。

 

宇宙にある小惑星はこれまでに、ざっと130万個見つかっているそうです。日本でも「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から持ち帰った土は、炭素でできた有機物を含む「C型」と言われるもので、水も豊富に含まれていると見られています。

 

月への移住計画なんて、一昔前なら夢物語だったでしょうが、今では、本気に考えている宇宙開発者が多く出てきました。ただし、ロケットで地球から月に水を運ぶには、水1リットルあたり1億円ほどの費用がかかると言われています。水は日常生活で使うほか、電気分解して水素燃料や酸素を生み出せます。月面開発で、世界各国が水資源の探査を急いでいるのも、水の確保が重要課題の一つだからです。

 

専門家の試算では、リュウグウに含まれる水は、月で1000人が500年暮らせるほど大量にあるそうです。

 

このように、宇宙は「宝の山」ですね。ただし、宇宙資源利用の最大のハードルとなるのが輸送コストです。また、現実的には、その資源をめぐっての争いも起きることは間違いないですね。

 

保育園のサマーキャンプでは、夜に天体観測を行います。かつては、土星の輪を見ることもできました。そんな、夢がたくさんつまった宇宙開発・・・子どもたちの世代が、平和的に進めてもらうことを期待したいですね。

2024年

3月

16日

親は名脇役

昨日は、さいたま市内の公立中学校の卒業式でした。保育園ホワイトきゃんばすの卒園児第一号が、4月から高校生になります。なんだか、うれしい気持ちになってきますね。

 

そして、本日3月16日は、JRの全国ダイヤ改正です。北陸新幹線の金沢ー敦賀間が開業しました。ということで、今日の園長課外授業は、大宮駅で新幹線を見よう!です。小学生と年長園児を連れて、電車で大宮駅に到着。入場券を購入して、賑わっている新幹線ホームへGO!・・・いきなり、はつかり号の細長い先頭車両に子どもたちは大興奮です。小4男子が「あれは、カモノハシからヒントを得て、風の抵抗を受けないようにしたんだよ」と知識を出してきます。こまち号、つばさ号が続々と入線し、いよいよ「敦賀行きのはくたか号」がやってきました。ま新しい「敦賀」の文字が光ります。

 

能登半島地震からの復興に向けて、富山県・石川県・福井県に元気になってもらいたいですね。大宮駅のコンコースには、福井県の象徴でもある「恐竜」がにらみをきかせていました。(笑) 

 

さて、受験シーズンが終わり、4月に向けての入学準備が始まっていますね。ある大学受験の親子のやりとりです。「試験当日、息子は『やらかした』と笑いながら帰宅。夕食を食べながら、息子の笑顔はいつしか引きつり笑いになり、気づけば必死で涙をこらえていた。そんな息子を前に、どう対応しようか悩んだ。息子が自分で失敗を悟り、悔やみきれない渦中にいる。とっさに口をついて出たのは、『大丈夫、これで終わりじゃないから。また次があるよ』後に、息子から『あの言葉で救われた』とお礼を言われた」と母親は、うれしい気持ちで話します。そして、こう言います。「どれだけ不安で頭がいっぱいでも、受験で親ができることは本当に限られている。あの時、ぐっと感情を飲み込んで、息子に『大丈夫』と言えた時が、私にとって受験の最大のハイライトだった」

 

中学受験は、「親の受験」と言われるくらい、親が関わることが多くなりますが、高校受験、大学受験と進んでいくと、主体は、あくまでも子どもです。このように、親のかかわりが上手にいけばいいのですが、受験をする子どもと同じくらい、親も緊張しプレッシャーを感じるのが現実です。

 

昭和のシーンでは、3食栄養バランスのとれた食事を作り、夜食も用意するのが受験生の母親の役割とされてきたのでしょうが、令和では、働く母親が当たり前ですので、こうはいきません。まさに、時代に合わせて変えないといけませんね。

 

そう考えると、令和の支え方は、あえて働く親の姿を子どもに見せることが大事なような気がします。子どもにとって、受験の目的は「○○大学に合格すること」で止まってしまうことが多いですが、実際は、「○○大学に合格し、そこで何をして、どんな将来を作っていくか」まで考えることが大切です。そこで、親の背中とか役割が発生するのです。

 

親子の絆はとても深いですが、親子の価値観は違うものですし、子どもには「子どもの世界がある」ことを心得て、親の仕事は、主役を支える『名脇役』でありたいですね。

2024年

3月

15日

エビフライのしっぽ食べますか?

今年度の夕方の寺子屋時間は、本日で終了です。年長園児にとっては、3年間、「寺子屋なんだから・・・」と言われ続け、夕方の異年齢での学び合いや体操教室の経験。そして、配膳や手洗い、寝かしつけなど、小さな園児の世話までずっと頑張ってきました。子どもたちは、毎日の活動の中で、気がつかないうちに色々なことができるようになったのです。

 

さて、突然ですが、あなたはエビフライのしっぽを食べますか。今日は、「エビフライのしっぽ 食べよう クラブ」という本を紹介します。

 

主人公のともちゃんは、さくさくで香ばしくて、スナック菓子みたいなエビフライのしっぽが大好きです。給食の時間に「エビフライのしっぽが一番おいしい」と言うと、隣の席の子に、「ともちゃんはなぜ、しっぽも食べるの?」と驚かれてしまいます。

 

ともちゃんは、しっぽを食べないなんて信じられない。でも、他の子に聞いても食べないと言われます。そして、仲良しの友だちにも笑われてしまうのです。家で、その出来事をおうちの人に話すと、エビフライのしっぽのおいしさを伝えればいいと言われます。そこで、考えたともちゃんは、「エビフライのしっぽたべようクラブ」をつくり、会員を募ります。

 

こんなストーリーですが、この童話は、「多様性」と「エビフライのしっぽ」を結びつけて、多様性を考える童話です。ともちゃんは、自分が大好きなエビフライのしっぽなんだから、自分が属する2班の仲間もみんな大好きだと思い込んでいたのです。しかし、聞いてみると、「そんなの食べないよ」という人ばかり・・・ともちゃんは、こうして、自分の考えとは違う人が多くいることを知るのです。

 

今の世の中では、会社でも学校でも、あらゆる組織で「多様性」という言葉が、「優先順位ナンバーワン!」のごとく輝いています。昨日、札幌高裁は、同性婚を認めていない現行制度の違憲性が問われた訴訟で、2審として初めて違憲であるとの判断を示しました。原告らは「思いに正面から応えてくれた。待ちに待った判決だ。あとは国会。明日にでも結婚できるようになってほしい」と、涙ながらにコメントする姿をニュースで見ました。

 

また、最近のテレビドラマや映画は、同性の恋愛や結婚に踏み込むストーリーが多いですね。まさに、「多様性を認めよう!」を訴えているかのようです。今は、「多様性キャンペーン」のような世の中になっていますが、あと数年たてば、「多様性」は当たり前で、議論する余地もなくなっているかもしれませんね。

 

本日、年長の女の子同士が抱き合って「○○ちゃんと結婚するんだ!」と言っていました。6歳の子どもたちが、18歳になった時には、たぶん日本でも同性婚が法律で認められる世の中になっているのでしょう。

 

保育園の子どもたちには、「自分の考えと違う人がいるけど、それは悪いことではなくて、世の中には様々な考えがあるんだよ」を分かりやすく伝えていきたいですね。

2024年

3月

14日

農業で未来をひらくプレーヤー育成

今日は、風もなく、ようやく「あったか屋上遊び」ができました。キタアカリという人気品種のジャガイモの植え付けをし、ビートルハウス横の木に、カマキリのたまごを発見しました。チビちゃんたちは、「えっこれがカマキリなの?」という顔をしますが、寺子屋園児になると、このたまごの中から、赤ちゃんカマキリが続々と生まれてくることを知っています。今まで、何度も保育園で観察してきました。

 

さて、今日は広島県立庄原(しょうばら)実業高校の話です。この高校のキャッチフレーズは、「農業で、未来を拓(ひら)くプレーヤーを創出しよう」です。文科省のマイスター・ハイスクールの指定校でもあります。

 

入学すると、最初に「10年後どんな農業を創りたいか」を問い、3年間を通して、フィールドリサーチやプロジェクト課題などに取り組んでいきます。特色的な活動の一つは、先進的な取り組みをしてる人物による授業です。通常の教員以外に「産業実務家客員」として任命し、より専門的な授業を行っているそうです。

 

例えば、「ドローンでの農薬散布」「GPSを活用して田植えを自動化する」「農業でもテレワーク導入」など、かつての「農業=3Kのイメージを払拭させる」ことも、これからの農業の大きなテーマと捉えています。生徒たちに、農業の世界は大きく進歩しており、多様な能力を持った人が集まって成立していることを伝えます。

 

生徒たちは、こうして最先端の技術を学びながらも、伝統的な農業もきちんと体験するそうです。それぞれの長所と短所を知り、視野を広げ、総合的に物事を考えられるようにしています。

 

3年生の生物生産学科の今年度のテーマでは、「牛舎の暑熱対策」「和牛の調教」「ホタルを増やし、人を集め、庄原のことを知ってもらおう」「激辛トウガラシで庄原をアツくする」などがあがりました。ホタルのグループでは、人が増えるとホタルが住みにくくなるという矛盾も経験します。失敗もまた、生徒たちにとっては大きな財産となるのです。

 

庄原実業高校の生徒たちの多くは、このような環境で学ぶことによって「自分の力で未来を創ることができる」と本気で考える生徒が多いそうです。最近は、就農する若者を取り上げるテレビ番組も多くなり、「自分の生き方」として、他の仕事を経験したうえで、就農を選択する人が多くなりました。過疎化という日本が抱える大きな問題も、「農業」を通じて、打開策が見つかるかもしれませんね。

2024年

3月

13日

フェアトレード拡大

卒園式の練習が進んでいます。卒園児の中には、「泣きそうになっちゃうよ」と言う園児もあれば、年中園児の男の子は、お世話になった先輩との別れがカウントダウンになってきたので、気持ちは複雑のようです。

 

さて、「フェアトレード」という言葉をご存じですか。保育園のあるショッピングセンターのコーヒー売場には、フェアトレード商品が並んでいます。先進国の企業や消費者が、発展途上国の生産者に適正な対価を払って商品を購入する仕組みです。かつては、途上国からの買い付け金額を叩いて、労働者を搾取するようなことが多くの国や企業で行われていました。コーヒー豆はその代表的な商品です。

 

日本のフェアトレードの草分け的な店舗は、1998年に開店した「ピープルツリー自由が丘店」です。店内には、バングラデシュの籠や、ボリビアのカカオのチョコレートなど約1000点が並びます。現在は、18か国の145の生産団体と取引しているそうです。

 

「『収益は、子どもの就学支援に使われます』など、1つ1つの商品にストーリーがあるのが、フェアトレード商品の魅力です」と店主の鈴木さんは語ります。私たちは、買い物で「モノ」を買うわけですが、そこに、購買意欲がそそられるような「コト」があると、買い物が楽しくなりますね。理由もなく(コトがなく)安いだけでは、モノは売れません。

 

フェアトレードの歴史は意外と古くて、1946年、アメリカのキリスト教系のNGOが、プエルトリコの貧しい女性が作る刺しゅう製品を購入し、教会で販売したことが始まりと言われています。途上国の生産者と家族が人間らしい生活を送れるように、公正な対価を支払うのが基本です。

 

日本でのフェアトレードの市場規模は、2022年は196億円です。「少ない!」と思った人が多いと思いますが、それでも、前年比124%で、2015年の倍になったようです。SDGs(持続可能な開発目標)や、環境や社会に配慮した商品を選ぶ「エシカル消費」への消費者や企業の関心の高まりが要因です。

 

しかし、国際フェアトレード機構の本部があるドイツの市場規模は日本の17倍です。欧米でフェアトレードが盛んな背景について「植民地にしていた途上国へのしょく罪意識もあるのでは」と言われていますが、まだまだ日本の市場規模は、大きくなることは間違いなさそうです。

 

名古屋市では、毎月5月に、全小学校で、フェアトレード食材を使った給食を提供しているそうです。神奈川県逗子市も5月に、飲食店約30店と協力してフェアトレード食材と地元の野菜や豚肉を使ったランチを出したそうです。

 

意識の高い人が、少しずつ増えているようですね。フェアトレード商品は、安い価格ではないことが多いです。でも、10回に1回の買い物でもいいので、無理のない範囲で、フェアトレード商品を買ってみてほしいと、関係者は語ります。

 

私が買うのは、コーヒー豆ぐらいですが、さらに意識を高めようと思います。

2024年

3月

12日

断食宿泊体験

今日の寺子屋では、卒園児一人一人の「いいところ・すごいところ・かっこいいところ」をみんなで答えてもらいました。年少園児の中にも、積極的に意見できる子がいました。「スポーツが得意で足が速いところ」「いつも優しくて、助けてくれるところ」「電車のことをよく知っているところ」「三つ編みの髪がかわいいところ」「足が長いところ」「こびとのことが一番詳しいところ」「女優さんみたいにかわいいところ」「着ている洋服がいつもカワイイところ」「お片付けをいつもいちゃんとしているところ」「イケメンなところ」「お絵描きがとても上手なところ」…などなど、たくさんの意見が出てきました。子どもたちが、他の園児のいいところをちゃんと見ていることに、うれしい気持ちになりました。ステージに立つ卒園児に対して、「フレーフレー!」とエールを送って、素敵な「ほめちぎり」時間となりました。

 

さて、みなさんなら、「旅行」での楽しみは何ですか。多くの人が、その土地の料理と酒と答えるのでしょう。しかし、少し理解に苦しむところではありますが、今、断食を組み込んだ宿泊プランが人気のようです。

 

静岡県伊東市にある「ファスティングホテル海の杜」のオーナー吉田さんは、約20年間市内の断食道場に勤務し、多くの人の体が改善されるのを見て効果を確信し、満を持して2020年にこのホテルを開業しました。「東京から適度に離れ、仕事のストレスを忘れられる。近くに飲食店やコンビニもなく、断食に集中できる」環境だそうです。ファスティングの意味は、一定の固形物をとらずに断食することです。水などの水分はOKという考えだそうです。

 

断食中は、食事の代わりに1日3回、インド原産の植物・モリンガの粉末が入ったリンゴジュース2杯と梅干し、レモンを口にします。モリンガは栄養素を多く含む「スーパーフード」だそうです。意外においしいとのこと。

 

ある会社員は、年に4回ほど、3泊4日滞在するそうです。外で飲むことが好きで、食生活が乱れたらリセットしに来るそうです。「胃が小さくなり、少量で満足できるようになる。空腹になると神経も研ぎ澄まされ、脳が若返る感覚になる」と言います。

 

「イスラム教などの宗教的な断食を除けば、一昔前の断食は、やせるために行うことが多かった。しかし、今はデトックス(体の中の老廃物を出す)したい、ストレスを解消したいなど、心を整える目的で行う人が増えている」と専門家は解説します。「現代人は何を作るか、誰と食べに行こうか考えるなど、1日のうちに食に費やす時間が長い。たまに断食し、余った時間で自分に向き合えば、ビジネス上のひらめきにつながることもある」とも言います。

 

どうですか・・・ちなみに、ファスティングホテルの1泊料金は、1万5000円~とのこと。断食明けには、重湯と具なしみそ汁、大根おろし・梅干しの朝食が出るそうです。

 

私の辞書には、今のところ「断食」の文字はありませんが、体も心も良くなるのであれば、一度やってみようかなぁ~と、思えたらいいですね・・・みなさんはいかがですか。

2024年

3月

11日

イエナプラン学習会

今日は、3・11です。2011年3月11日に東日本大震災が発生し、13年が過ぎました。いまだに故郷に帰れず、県外含めて避難生活を送ってる人も多くいます。元日の能登半島地震を受けての交流も見られますね。

 

朝の会では、子どもたちに「2011・3・11 14:46」というタイトルのスライドショーを見せました。ただ数字が並んでいるだけなのに、3月11日がわかった園児が何人かいました。続けて、津波・被災した街や家・レスキュー隊での救助シーン・避難所生活・コンビニの棚が空っぽ・駅で電車を待つ会社員・復興シーン・・・などの画像を観ながら、子どもたちとのやり取りが続きます。子どもたちには、「お家に帰ったら、ママパパに、3・11の時は、何をしていたか聞いてごらん」と話します。戦争と違って、すべてのママパパが経験した3・11です。それぞれの家庭で、親子の会話をすることが大切ですね。

 

さて、昨日は、コロナ禍でずっとできていなかった、イエナプラン学習会に参加し、約4年ぶりに、学習会のメンバーと会うことができました。イエナプランとは、オランダで行われている「学習スタイル」の一つです。このブログで何度も話をしていますので、詳細は、ネットで調べてください。

 

日本イエナプラン教育協会さいたま学習会の取りまとめ役が、何と、長野県にある日本初のイエナプラン校の「大日向(おおひなた)小中学校」で、教員として勤務しているとのこと。男の子3人のママですが、大宮から新幹線通勤でがんばっているそうです。彼女のオランダでのイエナプラン校の視察ビデをを観ながら、「あーだこーだ」語り合います。

 

オランダのイエナプラン校は、日本の学校とは全く違うイメージで、学校内のいたるところに「アート作品」があり、いつでも子どもたちが話し合える、ソファーがたくさんあります。日本の保育園や幼稚園にあたる、幼児クラスの教室は、まるでテーマパークのように、遊べる環境が整っています。日本との大きな違いは、「すべて、子どもたち本人に選択をさせる」という環境です。

 

幼児クラスのには、ボードがあり、自分の名前をそれぞれの遊びのところにセットします。「今日私は、○○で遊ぶ」と、自分で選択するのです。小学生になれば、1週間の時間割は、自分で決めることになります。もちろん、日本の学校で行っていることでいいこともたくさんありますが、オランダでの「自分で決める」という習慣は、小さなころからの積み重ねですので、社会に出て大いに役立つことになります。

 

今回は、小学校教員、高校教員、そして世田谷区の区議会議員が新たに参加されました。議員さんは、教育改革の柱に「イエナプラン」を考えているようです。結局は、教育委員会のトップである教育長のやる気次第のようなので、いかに、教育長に「イエス!」と言わせるプランが出せるかですね。広島県や愛知県では、公立のイエナプラン校がありますので、上手に、他県を参考にすればいいのでしょう。

 

子どもをど真ん中にした話し合いができ、有意義な時間を昨日は過ごすことができました。

2024年

3月

10日

福井県坂井市

いよいよ、3月16日に北陸新幹線が「金沢ー敦賀間」開業となります。能登半島地震で、石川県を中心に復興もままならない地域が多いですが、少しでも明るい方向へ進んで欲しいですね。

 

今日は、そんな福井県にある「坂井市」の話です。福井市のとなり、東尋坊があるところです。人口では、福井市に次いで、福井県第2の都市です。そこには、小玉さんというスーパー公務員がいます。

 

坂井市も「人口減」に直面する地方自治体です。全国の多くの自治体は人口減を食い止めようと、移住者の募集に注力するところが多いですね。住宅や雇用に対する支援を積極的にアピールし、地方への移住を後押しするといったイメージです。

 

しかし、小玉さんは、「地域に定住してもらえる施策を打ち出すのも行政の仕事だ」として、自分たちが暮らす地域の魅力を認識することで、地域への愛着を持ってもらうプロジェクトを提案し、進めています。今年度は、福井県坂井市の魅力を言語化するブランディング推進事業を手がけています。市内に暮らす高校生や大学生など計40人で、地元の魅力についてワークショップ形式で語り合うことから始めます。初回は、一人20個の坂井市の魅力をリストアップすることです。

 

40人×20個で、合計800個の魅力から、もっと深掘りしたい「ヒト」や「モノ」を選び出します。例えば、「竹田地区のキャンプ場の管理人さんが面白いから会いに行ってみよう!」といった具合に、地元の人でも知らないことばかりが出てきます。

 

市民の投票も経て、ブランドメッセージは「らしさ、かがやく。」に決まりました。小玉さんは、坂井市には、自分らしさを大切にして、生き生きと暮らしている人が多い。そんな思いが、この言葉に込められていると言います。そして、ブランドメッセージから派生したロゴマークや公式キャラクター(名探偵をめざす探偵犬のかわいいイラスト)もできあがりました。

 

玉井さんは、入庁4年目でふるさと納税の担当になり、特産品を製造する企業を取材するうちに、地元の魅力を肌で感じるようになったそうです。「坂井市には何もないという人もいるが、それは違う。何でもある。ただ、価値が言語化されていないだけだと気づいたんです。若者が集まり、地元のことを知る機会をどんどん作っていきたい。少なくとも魅力を知らないまま都会に出ていく若者は減らせるはずです」

 

どうですか・・・こんな「まちおこし」もありですね。私たちは、自分が住んでいる町の良さをもっと深掘りできるかもしれません。そして、人口減の最大要因の「若者が都市に出ていく」を食い止めることにつながるのです。

2024年

3月

09日

四国アイランドリーグ

笑わないで聞いてください。卒園児の中には、小学校で「トイレの花子さん」が出るんじゃないかと、心配する園児が数名います。本日登園した小学3年生の卒園児は、何と「3階にある3年3組」です。女子トイレの入口から3番目のトイレに、花子さんが出るというのが物語のストーリーです。卒園児が、「何度も3番目のトイレを使っているけど、今まで一度も花子さんには会ったことがないよ」と言うと、年長園児に笑顔が広がりました。「何だ!トイレの花子さんなんかいないじゃないか!」となったのです。月曜日に、本日登園した年長園児が、伝言ゲームで伝えてくれるでしょう。(笑)

 

さて、連日報道される野球の話題といったら、大谷翔平選手ですが、日本野球機構(NPB)にも属さず、独立リーグという形で、四国4県で4チームが所属するのが、「四国アイランドリーグ」です。3月30日の開幕で、20年目を迎えます。このリーグは、元西武ライオンズの「ミスターレオ」こと石毛宏典さんが主導して発足したので、覚えている人も多いと思います。

 

四国アイランドリーグからは、昨年秋のドラフト会議で、過去最多の9名が指名されました。プロ野球のドラフト会議は、高卒・大卒・社会人という枠がメインでしたが、最近では、育成枠で獲得する制度ができたことにより、四国アイランドリーグに限らず、各地域の独立リーグからドラフトにかかることが多くなったのです。千葉ロッテマリーンズで首位打者になった角中外野手や読売巨人軍の増田内野手も四国アイランドリーグの出身です。

 

しかし、四国アイランドリーグの選手が食べていくには、厳しい現実が待っています。月給は約10万円でオフシーズンは無給です。選手は、大半は2年で入れ替わる厳しさだそうです。それでも、NPBのプロを目指して努力を続けるのです。

 

地域の支えあっての四国アイランドリーグですが、2023年の1試合平均の来場者数は314人です。当然、入場料を柱としての経営は成り立たず、スポンサー費が球団収入の多くを占めることになります。選手は、野球教室やイベントに参加し、オフには飲食店や農家などのアルバイトで人手不足の解消に一役買っているようです。この地道な営業や地域密着で、各球団のスポンサー数は、数百にもなるそうです。

 

高知の選手に寮を提供する高知県佐川町の片岡町長は、「年に40人ほどしか子どもが誕生しない町に、30人の若い選手がおり、大いに活気をもらっている」といいます。また、「応援が生きがいになっている」とう町民も多いそうです。まさに、地域に健全な娯楽として、「野球」が根付いていることがわかりますね。

 

しかし、コロナ禍で、解散せざるを得ないリーグもあり、独立リーグを維持していくことは、資金面では、かなり苦しい環境にあることは間違いありません。それでも、2021年には「九州アジアリーグ」が4チームで開幕し、2022年には北海道フロンティアリーグも設立されました。3チームでのスタートですが、地域に賑わいと与えているそうです。

 

私が小学校6年の時の担任だった星野先生は、大の広島カープファンでした。広島出身ではありません。星野先生はいつも、「いいか。日本のプロ野球球団は、必ずチーム名の最初に会社の名前が付くだろ。でも、広島カープだけは、球団名が『広島』から始まるんだよ。広島の人たちがみんなでカープを応援するのがわかるだろう」と言っていました。

 

どうですか・・・たまには、大リーグのドジャースの話題ではなく、日本のプロ野球でもなく、独立リーグに目を向けてみませんか。きっと、人間臭い、感動の物語があるはずです。

2024年

3月

08日

女性と社会の変化 つづき

今日は天気予報通り、深夜から雪が降りました。火曜日の雪は「聞いてないよ!?」でしたが、今日は「予報通りだな」ですね。1週間で2回も雪が降り、春のような気候だった2月と違って、3月に入ると、春がなかなか来ませんね。

 

さて、昨日の「女性と社会の変化」のつづきです。

 

2003年に、酒井順子さんの著書「負け犬の遠吠え」がベストセラーになりました。「30代以上・未婚・子ナシ」の女性の生き方が肯定的に書かれた本です。一方、少しずつですが、大手企業を中心に、産休・育休制度が充実し、時短勤務の導入も始まってきました。そんな世の中の環境の変化で、女性が働き続けることのハードルは下がり、ワーキングママが多数派になってきました。2015年には、女性活躍推進法が成立し、政府もメディアも待機児童問題、ワンオペ育児問題など「子どもを産んだ女性をどう支えるか」ばかりを取り扱うようになります。

 

保育園ホワイトきゃんばすは、2012年に開園しましたが、まさに、待機児童問題がこれから大きくなっていくというタイミングでした。私は、「子どもに関わる仕事で社会貢献をしていきたい」という気持ちで、保育園ホワイトきゃんばすを立ち上げましたが、現実的なモノサシでは、需要が見込めるという判断がありました。

 

「仕事と子育てを両立させる女性を守る!」に報道が偏ると、その結果、独身や子どものいない女性たちが居場所を失います。「働くママはそんなに偉いですか?」「子なしハラスメント」「子ども=幸せの図式が息苦しい」という意見も出てきました。

 

もうこうなると、産んだ女性も産んでいない女性も、独身も既婚も、すべての女性たちが苦しむような感じになっていたのかもしれません。ただし、この段階では、男性側の意識は、ほとんど変わっていなかったのです。

 

そんな中、2015年に「資生堂ショック」と言われる事件が起きます。女性が働く理想の会社と言われた資生堂が、育児中の女性にも夜間や土日の出勤を促すよう方針転換したことをNHKが報じたことで大きな話題となりました。

 

実は、資生堂はキャリア支援の意義があると考えたのです。「過剰な配慮よりも、働きに対する評価が欲しい」と考える女性が多かったからです。潜在的に、働きながらキャリアを積みたいと考えていた女性たちの支持を得るのです。

 

そして、ようやく、家事育児に男性が主体的に参画すれば、女性はもっと自由に働くことも生きることもできるという、当たり前のことに気づく契機となったのです。保育園ホワイトきゃんばすでは、ここ2年で出産した家庭のパパの多くは、長期育児休暇を取得しています。「子どもが生まれたから、父親も休むのが当然」という意識からです。

 

多様化の時代と簡単に言ってしまえばそれまでですが、女性といってもひとくくりではありません。子育てする人も、シングルを選ぶ人も、働く人も、いまはプライベートを重視したいという人も、いろいろな『自分らしい』選択が柔軟にできるようになれる社会。そして、それは、男性を含めたすべての人が働きやすく、生きやすい社会であるのです。

 

「そんなの理想だよ」と笑うなかれです。私たちは、時代の流れの中で、良い社会を作り続けることが必ずできるのです。

2024年

3月

07日

女性と社会の変化

屋上遊びでは、ドッジボールブームが続いていますが、小学生になっても休み時間には、よく遊ぶスポーツですので、園長は、熱く指導しています。といっても、保育園児のドッジボールですので、逃げ回っている子がほとんどです。きちんとボールをキャッチできる園児は、年長男子の一部だけです。しかし、今日は女子が初めて、男子が投げるボールをキャッチすることができました。試合を中断して、皆で「拍手!」です。こうして、自信を持って、さらに上達していくのです。

 

さて、明日3月8日は「国際女性デー」ですので、ここ、ざっと30年の、女性と社会の変化について、考えたいと思います。かなり深いテーマです。そして、男性である私の話ですので、女性が読むと「ちょっと違う」があるかもしれませんが、おつきあいください。

 

1996年に「インスタントラーメン離婚」が話題になったのを知っていますか。午後10時過ぎに、残業を終えて帰宅した会社員の女性(29歳)は、先に帰宅していた夫から「ラーメン作れ!」と言われ、口を一文字に結んだまま、買い置きのインスタントラーメンを一人分作って、どん、とテーブルの上に置いたのです。そして、「こんなことぐらい、やってくれて当然だ」と思っていた夫に、離婚届が付きつけられるのです。今の時代なら、「モラハラ夫」として、バッシングを浴びるのでしょうが、約30年前では、「インスタントラーメン離婚」という名前まで付くような事件となったのです。そして、この話題以降、「女性の生き方」が語られるようになったのです。今までは、働く女性は少数派で、結婚・出産で寿退社という路線が当たり前の選択肢だったからです。

 

そして、2000年代に入ると、女性の未婚率が上がり始めます。同時に、共働き世帯数が、専業主婦世帯数を上回り、その差がますます広がり、女性が働くことが当たり前になっていきます。

 

そうなると、「働く女性の出産」「働く女性の子育て」「専業主婦VS働くママ」といった、出産や子育てが、仕事をする女性に与える影響が大きく取り上げられます。まだ、保育園の数も今のように多くなかったので、仕事は続けたいけど、会社を辞めざるを得ない女性が出てきます。その後、「35歳以上の出産」など、働く女性に対して、「キャリアか子どもか」という二者択一が迫られるようなるのです。

 

今では、女性の第一子の平均出産年齢は30歳を超えていますが、つい、20年前までは、キャリアのために子どもを諦めるとか、育休が認められないとか、高齢出産で参観日におばあちゃんと間違えられることに怯えるといった、ウソのような本当の話もありました。働く女性の多くが、周囲の心無い言葉や対応に傷ついていました。

 

私が、新入社員研修を受けた時の話です。本社人事部に女性の課長がいました。独身だったので、「○○課長はオールドミスだ!」なんて、私は心無い発言をしていました。私は、1987年入社ですが、この時は、誰一人「おまえ!なんてこと言うんだ!言葉を慎め!」と私を説教する人がいませんでした。私の心ない発言で、女性課長の心に大きな傷を負わせてしまったのです。「白石課長・・・本当に申し訳ございませんでした」

 

ここまで、まだ2000年に入ったばかりです。この後も女性と社会はどんどん変化していきます。つづきは、「国際女性デー」のあした・・・

2024年

3月

06日

頼る者と頼られる者

「えっ!?雪が降るって言ってたっけ?」と、今朝は多くの人が思ったことでしょう。私も、起床して新聞を取りに行こうとすると、外がやけに明るく、玄関を開けると驚きの銀世界です。

 

こうなったら、保育園では、屋上で雪遊びだ!としたのですが、雨が降り続いて、雪はほとんど解けてしまいました。それでも、子どもたちは、畑や草むらから、雪を集めます。感動したのは、こんな天気の中で、菜の花がつぼみを広げて、まさに咲こうとしているではありませんか。植物の生きる力に魅せられました。

 

さて、私はそれなりに人生経験を積んでいますので、リーダー論にも持論があります。「リーダーシップ=影響力」が私の考えです。声が大きくて「俺についてこい!」タイプがリーダーとは限りませんね。リーダーは、周りの人にどれだけ影響力を与えることができるか・・・という考えです。もちろん、どんな行動が影響力につながるかは、その人なりに違いがあるものです。

 

人は、職場などの組織の中で、経験年数を重ねたからといって、すべての人がリーダーになれるというものではありません。どうしても、リーダーに向く人と向かない人がいます。では、その分岐点は何なのか。それは、いざという時に、人に頼るか、人から頼られるかの違いという考えがあります。あくまでも、リーダー論の一つと思ってください。

 

ある企業での中堅社員Aさんは、人の考えをよく聞いた上で、自分の考えをしっかり持って相手に伝えます。常に自分の考えを相手に分かりやすく伝える姿勢は、謙虚ながらも、頼りがいがある人として見られていました。おのずと、仕事やプライベートでも、彼はしばしば相談されたり、考えを聞かれたりしています。

 

それとは反対に、何か問題にぶつかると、その解決のために努力することなく、人に頼る人もいますね。どう考えても、このタイプは、いくら経験を重ねてもリーダーには不向きと言わざるを得ません。

 

どうですか・・・リーダーになることが、組織での存在価値を高めることに、直接つながるわけではありませんが、他人に頼ってばかりの人になるよりも、他人から頼られる人になりたいものですね。

 

このリーダー論・・・なかなか、的を得ていると思っています。保育園の子どもたちを見ていると、頼られる園児は、他人のことやチーム全体のことを見ることができる子です。この春、小学生になる年長園児たちには、「小学生になったら、人から頼られる人」になってもらうように、残り少ない時間を過ごしていきます。

2024年

3月

05日

さよならチェルシー

新年度の6月に予定している、1回目の社会科見学が決まりました。ロッテ「お菓子の学校」です。武蔵浦和にあるロッテの工場見学です。「お菓子の学校」は、とても人気があって、学校などの団体は、3月1日14:00から、令和6年度分の年間予定の受付となっていました。ネットではなく電話受付です。私も電話をかけまくったのですが、「ただいま電話が大変込み合っています。時間を置いてかけなおしてください」が続きます。でも、ようやく予約が取れました。年長と年中園児を連れて、お菓子工場見学です。今から楽しみですね。

 

さて、お菓子といえば、明治製菓から、チェルシーの販売を3月末で出荷終了するという発表がありました。昭和世代にとっては、懐かしいお菓子がまた消えてしまうと、悲しい気持ちになりますね。

 

「チェルシー」は、英スコットランドの伝統的なキャンディをヒントに、1971年にバタースカッチ味とヨーグルト味で発売されました。黒地に花柄の包装も親しまれましたね。そして、何といっても、小林亜星さんが作曲したCMソング「♬ホラ、チェルシー もひとつチェルシー♪」「あなたにも チェルシーあげたい」のフレーズは、広く世の中に浸透し、私も自然と口ずさんでいました。

 

しかし、販売が低迷します。データでは、売上のピークは2002年度の約25億円。しかし、2022年度は約5億円まで落ち込んだそうです。明治製菓は、これでキャンディ事業から撤退となります。時代の流れで、キャンディに代わって、現在売上を伸ばしているのが「グミ」だそうです。あと数年で、市場規模でもグミがキャンディを追い抜く見込みだそうです。

 

昨年6月に、明治製菓の坂戸工場へ工場見学に行ってきました。ここでは、主にアポロチョコレートなどのチョコレート菓子を製造していますが、つい数年前までは、あの「カール」を製造していたのです。坂戸工場には、まだ「カールおじさん」のオブジェが記念撮影用に残されています。

 

カールは、東日本エリアで販売が休止となりました。「何であのカールが!?」と思った人が多いと思いますが、カールもまた同様に売上低迷商品だったのです。1968年に発売が開始されたカールの売上の最盛期は1990年代で、年間190億円も売っていました。ところが、2017年には約60億円と、1/3以下になってしまったのです。特に、東日本エリアは、人口が少ない九州エリアよりも売上額が少なく、工場を四国の1か所に絞ることで、生産性と物流コストを下げ、西日本のみの販売としたそうです。

 

カールの売上低迷の一番の原因は何だと思いますか。

 

カールはトウモロコシから出来ていますが、ジャガイモから作る「ポテトチップス」に大きくシェアを取られてしまったのです。スーパーの棚には、ポテトチップスの種類が、数えきれないほどありますね。

 

菓子業界にとって、発売以来「ずっと愛され売上も落ちていない」商品は、ごくわずかです。ましてや、洋菓子は「ブーム」となって話題に上がることも多いですが、すぐに飽きられてしまうリスクが伴います。

 

ともあれ、昭和の懐かしいお菓子がなくなるのは、寂しいですね。カールは、まだ西日本やネットで購入できますが、チェルシーは、本当に「さよなら」です。私は、今日買って帰ることにします。(笑)

2024年

3月

04日

こどもの本総選挙

今日はあったか屋上でした。園長は久々にノックバットを振ります。外野からの返球を内野へ中継プレーができるようになってきました。ボールを後ろにそらし、返球も暴投ですが、夢中の子どもたちです。まだまだ、野球とは言えないレベルですが、昭和の野球部監督のように「ケツバット」はしません。(笑)

 

さて、先月「こどもの本総選挙」の発表がありました。NPO法人こどもの本総選挙事務局が主催し、全国14万人の小学生が選んだ本です。絵本も含むすべてのジャンルが対象です。見事、1位に輝いたのは、ヨシタケシンスケ作の絵本「りんごかもしれない」です。知っていますか。

 

ある日、男の子が学校から帰ってくると、テーブルのうえにリンゴが置いてありました。

しかし、そのりんごを見て、とある疑問を抱いてしまった男の子。

「もしかしたらこれは、りんごじゃないのかもしれない」

りんごがりんごであることを疑う男の子の想像は、とどまるところを知らずにどんどん大きくなっていきます。

これはりんご型のメカかもしれない!?機能満載、リンゴメカの解剖図!

らんご、るんご、れんご、ろんご!?奇妙キテレツな形のりんご兄弟たち!

ほんとはオシャレがしたかった!?いろんな髪形、りんごのファッションショー!

はたしてこれは本当にりんごなのか??

男の子が思い切って、ひとくちかじってみると……

 

たった一つのりんごなのに、男の子の発想が広がっていって、読んでいる子どもが、どんどん引き込まれていくような内容です。これは、作者のヨシタケシンスケさんが10年前に発表したデビュー作です。

 

ヨシタケさんが、「りんごかもしれない」の完成エピソードを語ります。「最初は、りんごをいろんな国の言葉で言いかえてみたり、だれがいつりんごを食べ始めたのか歴史をさかのぼってみたり、教科書みたいな絵本を考えていたんです。でも、それじゃ全然面白くなかった。で、思いついたんです。『りんごに見えているけど、そうじゃないかもしれない』っていろいろ考える話にすれば、面白いなぁ~って。頭のなかで想像するのは、自由ですからね」

 

私たちは、大人になればなるほど過去の先入観にとらわれて、決め込んだり、思い込んだりすることが多くなります。その点、子どもの発想は自由で、大人の想像を超えて、「はッ!」とさせられることが多いですね。

 

小学生14万人の総選挙で、見事に1位になった「りんごかもしれない」を、一度読んでみたらいかがですか。

2024年

3月

03日

お寺プロレス

今日は朝からいい天気です。何より風がないのがうれしいです。この1週間は、強風との戦いを子どもたちは強いられました。今年は暖冬でしたが、冬らしい寒さを今になって感じますね。

 

さて、寺の境内でプロレスラーが宙を舞い、激しい技を繰り出す「お寺プロレス」が、昨日、埼玉県越谷市の「安国寺」で開かれたそうです。主催は、安国寺の副住職で現役女子プロレスラーでもある「雫 有希(しずく あき)」さんです。

 

雫さんは、ある時は仏様の前で念仏を唱える僧侶。そしてある時は実力派の女子プロレスラーです。まるで、キューティーハニーのようですね。(笑)

 

実力派と言ったのは、彼女が大学時代に、全日本レスリング選手権大会67キロ級で銀メダルを獲得するという結果を残し、女子プロレスラーへの道を歩み出したからです。中学生の時にプロレス観戦をし、その魅力にはまり、母親に「プロレスラーになりたい」と訴えると、まずは「アマチュアレスリングに挑戦しなさい」と言われます。母親は、厳しい練習に音を上げて、プロレスへの道を断念すると考えたそうですが、結果は、実力派女子レスラーが誕生したのです。現在は、伝説の女子レスラー、長与千種さんの「マーベラス」に所属しています。

 

そして、もう一つの雫さんの顔は僧侶です。親の実家である安国寺はもともと親戚が継いでいたようですが、その方に子どもがなく、雫さんの父が住職を引き継ぐことに。それによって雫さんが18歳の時に寺の後継者となったのです。「仏教のことも知らないし、すごく反発しました。でも好きでもないお坊さんと結婚して継がされるくらいなら自分が僧侶になった方がいいと思って、僧侶の資格を取ったんです」と言います。月に1回行う「念仏会」や法要など、僧侶の務めにも力を注いでいます。

 

お寺プロレスは、チャリティーで行われ、集まった募金は、「きらきら太陽プロジェクト」という事業団体を通じて、乳児院に寄付されています。この慈善事業団体の主宰も雫さんが務めています。3足のわらじを履いているのです。

 

雫さんは、静と動という対極にも思える僧侶とプロレスラーには共通点があると言います。「僧侶は人の悩みや苦しみを受け止めて導くのが役割。プロレスは相手の技を受け止める中で勝機を見出すスポーツ。他者を受け入れるという姿勢は同じなので、私の中では

2つの仕事に違いは感じません」

 

一度、レスラー雫有希のラリアットを境内で観戦したいですね。

2024年

3月

02日

「うさぎや」のどら焼き

今日の昼時間、運動会を行う西文ひろばで、小学生と年長園児で「鬼ごっこ」などをして遊んでいました。すると、昨日卒業式だった高校3年生のサッカー女子が、一人で練習にやってきました。小学校4年の男の子が、中学生になったらサッカー部に入りたいというぐらいサッカーにハマっているので、指導してもらったのです。彼女に色々と話を聞いていくと、凄い選手であることが分かりました。さいたま市西区の宮前小学校の卒業です。新潟のサッカー強豪校で、高2の時に全国大会にスタメンで出場します。大学はサッカー推薦で、全国を狙う強豪大学に入学が決まったそうです。彼女のポジションは、センターバックです。全体の動きが良く見えるので、司令塔の役割を担っているようです。

 

将来は、指導者の道に進みたいというビジョンを持っていました。言葉遣いもとても礼儀正しく、将来設計もきちんとあって、とても感心しました。小4の男の子は、「ボールの回転がいつも同じで、まっすぐパスを返してくれる・・・凄い」と言っていました。大学でも、大いに活躍してもらいたいですね。

 

さて、今日は「どら焼き」の話です。私は、洋菓子も和菓子も大好きですが、どら焼きと言えば、すぐに思い浮かべるのが、「うさぎや」のどら焼きです。創業100年以上の上野にある和菓子屋さんです。看板商品のどら焼きを求めて、朝から行列ができるお店です。

 

うさぎやには、伝統の味を守る、餡一筋30年の橋本さんという職人がいます。どら焼きは、一日に7千~1万個を作るので、朝6時から4台の釜をフル稼働させ、前日から水に浸しておいた小豆を煮始めます。そこから3時間半、釜から目を離すことはないそうです。火加減、水加減、甘味を調整しながら、木べらから伝わる感覚だけで、ほど良い練り具合へと仕上げていきます。

 

橋本さんは、「すし職人が手袋をつけて、すしを握らないのと同じで、和菓子の味を決めるのは手」と言って、素手で蒸したての饅頭を触るそうです。「煮る時は、支度を万全にする。必要な道具を事前に用意していなければ、取りに行く間に煮詰まってしまう。作る目的を明確にしておかないと、正しい段取りで作れない。どのように煮たかで、正直に結果が出る」とも言います。

 

実は、15年ほど前に、誰でも作れるようにレシピを作ったそうです。しかし、完璧と思われたレシピは意味をなさず、味が変わってしまったそうです。「うさぎや」のどら焼きは、職人による手作業が、伝統の味を守っているのです。

 

1個240円・・・私は、決して高いとは思いません。どうですか・・・「うさぎゃ」のどら焼き、食べたくなりましたか。

2024年

3月

01日

血液型を知らない子

大谷選手の結婚報道で、世界中が大騒ぎですが、2月29日が入籍日なら、結婚記念日は4年に一度ということになりますね。はい、誰も話題にしませんね。(笑)

 

今年は、3月3日のひな祭りが日曜日なので、保育園のおやつの時間は「ひな祭りスイーッ」を楽しみました。ひし餅にちなんで、3層のババロアの上に、生クリームとイチゴをトッピングします。お昼の勉強タイムに、年長園児がパティシエになって、園児全員分のトッピングを行いました。おいしいだけでなく、「自分で作った」ことが、さらに強い思い出につながったようです。

 

さて、「あなたの血液型は何ですか?」に、答えられない子どもが多いのを知っていますか。保育園の入園手続きの際に、母子手帳の血液型の欄が空白の園児が多いです。かつて、病院が行っていた出生時の血液検査を現在は行っていないからです。私の次女も、しばらくは血液型が不明でした。献血をした時に、A型であることが判明し、私と同じということに、意味なくうれしかった記憶があります。(笑)

 

血液型を知らなくても、手術などが必要になった時には医療機関がちゃんと調べるので問題ないのだそうです。

 

ところで、私のような昭和世代は、血液型で性格が決まるとか、血液型占いなどが大好きです。A型は几帳面で、B型はズボラだけど天才肌。AB型は変人が多いと、初対面の人に血液型を聞いて、その話題で盛り上がることも多かったですね。元会社の先輩のSさんは、相手の血液型を当てるのが得意でした。並んだ順番に、次々とA型・B型・O型と当てていくのです。正解率は99%くらいで、ビックリするくらい凄かったです。

 

例えば、アナウンサー教育では、「血液型で性格が決まるという、いわゆる血液型占いには、科学的根拠がないにもかかわらず、広く信じられている。わかままとかおおらかとか血液型で性格を決めつけてかかったり、仲間はずれにすることもある。放送で誤った情報を拡散しないように」と教育されています。学校の先生なども、子ども同士で血液型の話になったら、耳を傾けないといけませんね。

 

それでも、血液型と性格は関連性があると信じる人は少なくないような気がしますね。こればっかりは、時代の流れの中で、今の子どもたちが大人になる頃には、「ねぇ、何型?」なんて言う会話は、死語になっていくのでしょう。

 

でも、やっぱり血液型が気になる、昭和世代の私です。(笑)

2024年

2月

29日

昭和がうらやましい

3日続いた台風並みの強風が落ち着いて、今日は思いっきり屋上で遊びました。畑仕事にも子どもたちは参加します。長ネギを植えました。「ネギ大好き!」という園児は、皆無ですが、6月ごろに、この長ネギが収穫となり、子どもたちへのお土産になると、おうちでバクバク食べてしまうのです。収穫体験などが、子どもの「食べたい」につながることは、ホワイトきゃんばすでは、日常茶飯事です。(笑) 

 

さて、「不適切にもほどがある!」のドラマの影響もあって、にわかに「昭和」にスポットが当たっているようです。体罰やセクハラを経験した人は、「昭和なんて嫌だ!」と思うかもしれませんが、いいところがたくさんあって、「懐かしく」思えてきたという人が増えています。私もその一人です。

 

困った時には助け合い、徹夜もいとわず仕事に打ち込む人がそこら中にいたあの頃の「昭和」・・・令和の現在は、コンプラコンプラと言うわりには、「勝ち負け」がすべて。格差も拡大し、ネットの世界では「自分がやられて嫌なことは人にはしない」という最低限のルールさえ守られない。

 

こう考えると、当時は少し窮屈と思った昭和社会の雰囲気も「むしろよかったかも」と感じるのは、私だけではないようです。

 

昭和と令和の違いが顕著なのが「大阪万博」に対する国民の反応です。来年2025年(令和7年)に予定されている大阪万博は、「パビリオンの建設が間に合わない」「インフレと円安で経費が膨れた」「アンバサダーの松本人志が活動休止」など悪い話ばかりで、国民の反応も鈍いままです。一方、1970年(昭和45年)の万博は違いました。日本国民の大勢が、万博に行きたいと夢を見ました。私も、記憶にないですが、新幹線に乗って大阪万博に行ったそうです。岡本太郎さんの「太陽の塔」が象徴的な存在で、政治家だけでなく、あらゆる職種の人が懸命に協力し合ったのです。

 

時代が流れ、当然、人にとって「良かれ」と思う方向に進んでいるはずですが、どうも、昭和は「困った人がいたら助ける」と心の底から多くの人が思っていたのに、令和では「人の役に立つ仕事に就きたい」と言っておきながら、どこまで本心なのか?と思ってしまいますね。

 

もう一度、昭和のいいところを探してみませんか。

2024年

2月

28日

保健室

3日連続で、屋上は強風です。しかし、多くの園児が「子どもは風の子」になって、風を切って走っている姿に、なんだか、うれしくなりますね。

 

先日、小学校1年生の授業参観に出席し、卒園児の男の子のクラスに行ってみると、「○○君は、給食の時に具合が悪くなって、保健室にいるよ」とクラスの子が教えてくれた。保健室を訪れると、男の子は、ベッドで静かに寝ていました。保健室には、3つベッドがあり、ソファでは、子どもの話を聞いている養護教諭の姿がありました。

 

学校の中で、保健室は子どもたちにとって、欠かせない「居場所」ですが、今日は、東京都足立区にある小台橋(おだいばし)高校の保健室の話です。保健室の役割は、心身の不調で駆け込む生徒の訴えに耳を傾け、校内で共有。教員らと一緒に、生徒の成長を話し合う場ともなっているようです。

 

小台橋高校の保健室には、毎月延べ約100人の生徒がやってきて、二人の養護教諭が対応します。「他の高校と比べて、人数は多くない。けれど、対応に時間が必要な生徒が多い」と言います。

 

「教室に入れなくて、話を聞いてもらえますか」と一人の生徒がソファにぐったり座り、小さな声で切り出します。「朝、どうしていいかわからなくなって。また朝からやっちゃった」・・・手首に、刃物で傷つけた痕があります。二人の養護教員は傷を確認し、包帯を巻きながら「それで、落ち着いたの?」と尋ねます。家族や友人との関係、将来への不安、など生徒の話を丁寧に聞いてから言葉をつなぎます。「しんどいのは分かるけど、下手すると取り返しがつかなくなることもあるからね。そのことだけは、わかってほしいな」と、否定せずに諭すように語ります。生徒は落ち着いて30分ほどで保健室を後にしました。

 

もはや、養護教諭の役割は、傷の手当にとどまらず、心理カウンセラーでもありますね。二人の教員は、「私たちの対応は、先回り過ぎでは」「面倒を見るだけでは学校として不十分ではないか」と生徒たちへの接し方を意識します。「少し休んでいく?」と生徒に提案するのではなく、「あなたはどうしたいの?」と聞いて、生徒が自分の考えをまとめて言葉にし、自発的に動くのを辛抱強く待つようにしているそうです。

 

保健室には、生徒だけでなく教員も相談にやってくるそうです。ある教員は、「何でもやってあげて『優しい先生』と思われたい気持ちはある。でも、そのまま社会に送り出すのは、教員として無責任かもしれない。だから生徒が成長できるよう、背中を押したい」と言います。

 

心に傷を負ってしまった生徒の対応は、とても難しいですね。一人一人、かける言葉も違います。しかし、最後は、「自分で考えて自分で答えを出す」ことにつながるような対応ができれば、生徒の前に立ちはだかる壁が、1枚かもしれませんが開かれたことになります。保健室の先生の役割は大きいですね。

2024年

2月

27日

火災報知器点検の仕事

昨日の寺子屋は書道だったのですが、年長園児の課題は「そつえん」です。保育園の壁面に、子どもたちの「そつえん」の作品が並ぶと、いよいよだなぁ~と思ってしまいます。特に、卒園児の保護者にとっては、卒園式迄の日々は、感慨深いものになると思います。

 

さて、保育園の教室内には、ちょうどキッチンの上の天井部分に、火災報知機が設置されています。幸い、保育園が開園してから、この火災報知機が反応して、天井にある複数のスプリンクラーから放水されたことはありません。保育園の火災報知機は、年に2回ほど、長い棒のような機器で定期点検が行われます。皆さまも、オフィスなどで見たことがある人も多いのかと思います。

 

火災報知機がきちんと作動するかどうかの定期点検は、消防法で義務付けられています。そして、定期点検ができるのは「消防設備士」の資格がある人です。私は、誰でもできると思っていましたが、資格がないといけないそうです。消防設備士は、建物の管理者の依頼を受けて、火災報知機だけでなく消火器などの設備もチェックします。マンションやオフィスのほか、劇場やごみ焼却施設なども対象だそうです。

 

保育園ホワイトきゃんばすが入る、ショッピングセンターのような施設は、当然、グループ内の関連業者できちんと行われていますが、その他の施設では、「火の気がないから大丈夫」と点検をしないところも多いそうです。少し古いデータですが、2010年度の全国の点検報告率は、わずか40%だったそうです。6割が定期点検を怠っていたのです。

 

実は、この消防設備の定期点検をする業界は、もともと、大手デベロッパーや管理会社の下請けとして点検をする、多重下請け構造だったのです。6割も定期点検されていないというのは、大手デベロッパーに属していないビルや企業が、定期点検をどこに頼めばいいのか、わからなかったのです。

 

これをビジネスチャンスにしたのが、テックビルケア社長の茶橋(ちゃばし)さんです。もともと父の経営する会社は、ビルクリーニングでしたが、メイン事業を防災インフラ事業に変えたのです。

 

業界のからくりと、どこに需要が眠っているのかが分かれば、行動は見えてきます。まずは、自社のホームページを充実させると、全国の法人や建物オーナーから依頼が舞い込みます。下請けではないので、中間マージンなどがカットできて適正価格を設定でいるようになります。そして、10年で利益を10倍にしたそうです。

 

2023年の全国点検報告率が、55%にアップしたのもテックビルケアの受注が増えたからです。でも、45%が定期点検をしていないので、まだまだ需要がありそうですね。

 

もし、あなたが「起業」を考えているのでしたら、一番は「やりたいこと」を追求すべきでしょうが、こうして、業界のすき間を調べるのもありですね。そう簡単ではありませんが、ふと身近なところにチャンスが転がっているかもしれません。

2024年

2月

26日

セルフレジ使っていますか?

今日は、昨日よりも間違いなく気温が上がっているはずですが、北風が強く、屋上遊びは、「寒~い」中で行われました。それでも、北風に向かって自転車を走らせる寺子屋園児やファームに咲いているホトケノザの花を摘むチビちゃんたち・・・本当に、子どもは風の子ですね。そして、今日は連休明けでしたが、体調を崩して欠席する園児は、一人もいませんでした。

 

さて、スーパーやコンビニ、100円ショップなどで導入が進むセルフレジですが、みなさんは、どのようにかかわっていますか。

 

私などは、昭和の古い人間ですので、「店が人員削減のために、客に作業をさせるのだから、値引きやポイントアップもなくて、有人レジと同じだなんて、納得いかないよ」と、セルフレジが登場した頃には、こんな風に思っていました。

 

しかし、人間はすぐに慣れてしまう生き物ですね。そして、2023年のスーパーマーケット統計調査によると、回答があった283社のうち、セルフレジを設置している店舗があると回答した企業は31.1%だそうです。私の感覚では、もっと多いような気がしますが、年々セルフレジが増加傾向にあるのは事実です。また、「スーパーでふだん使うレジの形式は?」の問いに、「セルフレジ」と答えた人が66%もあったそうです。

 

「並ばずに支払いが早くできて便利。導入はうれしいですね」「レジには近所の知り合いパートで入っていることも多い。買った商品を見られたくない気持ちもあるので、セルフレジはありがたいです」というのが、賛成派の意見です。

 

ある100円ショップでは、従業員4人でまわしていましたが、有人だとレジに3人とられてしまうそうです。忙しすぎて、品出しが追いつかず、倉庫に品物があるにもかかわらず、棚がスカスカでお客様にお叱りを受けることも。しかし、セルフレジ導入で、お客様の買いたいものが売り場にないという状況がなくなったといいます。

 

こう考えると、セルフレジ投入は、人件費削減や人員不足対応という、企業側の利点だけでなく、サービスアップに、少しはつながっているようです。

 

セルフサービス化に追いついていかないお客様は、高齢者だけでなく、それぞれの年代で一定数存在すると言います。苦手な人にとっては、買い物するのに、「努力」を求められるということになるのです。さっさと買い物を済ませたい人もいれば、ゆっくりしたい人もいます。どちらにしろ、買い物とは楽しくあるものだと思うのは、私だけではないでしょう。そう考えると、「複数の速度」に寛容な場所が理想なのでしょう。でも、そうすると、企業側の論理では、セルフ化のメリットがないということにもなるし・・・

 

セルフレジ問題・・・あなたならどう考えますか。

2024年

2月

25日

災害で消えるローカル線③

只見線の「下」部分、線路や駅舎の維持管理費の負担が、福島県や沿線自治体の負担になるのであれば、「上中下分離方式」がいいのではないかという専門家の意見があります。「上」はJRなどの鉄道事業者が行うのは変わりありませんが、「下」を二つに分け、「中」として車両の保有を地元の自治体が担い、「下」の線路や駅舎などの施設を国が引き受けるという考えです。

 

国に費用を押し付ければいいのか。と思われるかもしれませんが、鉄道は道路と同じで交通インフラと考えると、国に関与してもらおうという考えです。例えば、バス会社であれば、バス会社が買うのはバスだけで、道路をつくるお金を払うわけでも、信号機の維持費を払うわけでもありません。鉄道会社は、現状すべてを負担する構造なので、赤字、廃線に追い込まれることが多いのです。

 

2011年の東日本大震災で、燃料不足になった東北にガソリンや灯油などを運んだのは鉄道です。鉄道の優位性は、少ない人数で大量の輸送ができることです。貨物列車は最大26両編成で10トントラック65台分の貨物を運べます。トラックなら65人の運転手が必要のところ、鉄道なら運転手1人です。

 

2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた「三陸鉄道」は、NHKの連続ドラマ「あまちゃん」のモデルになったことで全国的に有名なローカル線です。しかし、あまちゃん効果がなくなってくると、再び危機に陥ります。「こたつ列車」「お座敷列車」そして、「震災学習列車」などを走らせ、何とか打開策を考えます。2021年からそのガイドを務めるのが2019年入社の若い社員千代田さんです。

 

彼女は、今月1月に、初めて企画から当日の運行までを手がけた「女子が楽しむ日本酒列車」を成功させます。三陸鉄道には、「三陸鉄道で仕事がしたい」という「若い力」が、毎年入社しているそうです。現在、三陸鉄道の「自慢」は、沿線で農作業中の人や歩いている人たちが、走る列車に向かって自然と手を振ってくれる日常の光景だそうです。なんだか、いいですね。

 

日本のローカル線は、これから、ますます高齢化や過疎化で苦境に追い込まれます。鉄道の在り方をどう考えるか?を見直さないと、経営困難という理由で、時刻表から鉄道路線がなくなっていきます。

 

国鉄が、民営化してまもなく40年を迎えようとしています。私が高校時代に使っていた「JTB国鉄時刻表」には、まるでクモの巣のように鉄道路線が日本中にありました。特に私がハマった北海道には、魅力ある路線がたくさんありました。でも、それは旅人にとっての魅力で、地域の人たちにとっては、どうだったのか・・・この問題は、私の頭の中でぐるぐるまわって、すっきりしません。三陸鉄道のように、若い力に頼るしかありません。

 

結局は、納得できるような結論は出ませんが、3日間ローカル線の話にお付き合いいただきありがとうございました。

2024年

2月

24日

災害で消えるローカル線②

今日のお昼の課外授業は、「演劇鑑賞」です。第18回東大宮演劇祭に子どもたちを連れて行きました。劇団レインボウ城!や演劇ワークショップの演劇2本を観ました。普段は、公務員・会社員などの仕事をしているメンバーが、大好きな演劇を通じて、「もうひ一人の私」を演じ、楽しんでいます。テレビドラマや映画に出演するような劇団ではありません。しかし、子どもたちにとっては、インパクトが大きかったようです。コメディ作品を2本観たのですが、子どもたちはストーリーは、なかなか理解できないものの、役者のセリフやリアクションが面白ければ、大笑いです。客席で、役者のセリフを真似して大声でオウム返しするので会場がどっと笑いに包まれました。いい経験になったようです。

 

さて、昨日の「災害で消えるローカル線」の続きです。只見線は、2011年の集中豪雨で、会津川口ー只見間でバス代行となったのですが、2022年、約11年ぶりに鉄道が再開したのです。俳優の六角精児さんはじめ、只見線を愛する全国の人たちのエールもありましたが、再生の切り札が、「上下分離方式」です。車両の運行を「上」、線路や駅舎などの施設管理を「下」とし、「上」はJRなどの鉄道会社が行い、「下」は自治体が引き受ける方式です。線路や鉄道施設などの維持管理がなくなる分、鉄道会社の経営負担が軽くなるという仕組みです。JR東日本は、この「上下分離方式」でなければ、只見線の廃線区間は、永遠にバス代行か廃線にしたことでしょう。ただし、福島県と沿線自治体が存続を主張し、「上下分離方式」が採用されたのです。

 

私は、バス代行区間も乗りましたが、今年1月の「おやじ旅」で、開通後の雪の只見線に乗車しました。只見ー会津川口間では、台風で流れた3つの橋を渡り、橋が流れた原因となった、ダム放流を行った本名(ほんな)ダムを通過しました。ダムの放流をしなかったなら、橋は流されずにすんだかもしれませんが、ダムが崩壊しもっと大きな被害につながっていたかもしれません。複雑な気持ちで、車窓を眺めていました。

 

この「上下分離方式」は、JR只見線の他にも、茨城県ひたちなか市を走る第三セクター「ひたちなか海浜鉄道」が導入して、経営を立て直しています。しかし、只見線の場合は、毎年3億円とされる「下」の施設維持管理費は、福島県と会津17市町村が負担することになります。鉄道ファンは、「只見線を残して!」と簡単に言えますが、地元住民はこれだけの負担が強いられるので、「只見線を復活させて良かった!」という存在意義が必要になるのです。

 

う~ん・・・なかなか難しいですね。何か、他にいい方法がないものか。つづきは明日です。

2024年

2月

23日

災害で消えるローカル線①

3連休初日は、冷たい雨が降っていますね。さて、元日の夕方、能登半島を襲った最大震度7の地震が、金沢と能登地域を結ぶ「JR七尾線」(金沢ー和倉温泉、全長約60キロ)を襲いました。列車や乗客は無事でしたが、線路や駅が大きな被害を受けました。しかし、ここは観光拠点でもあり、復旧作業が進み、2月15日には全線開通となりました。また、和倉温泉の先、穴水までの「のと鉄道」も4月中旬までには、全線開通する見通しだそうです。私が高校の時に、父が能登半島の工場長として単身赴任していて、夏休みに遊びに行った時に、フグの刺身をたらふく食べた記憶があり(フグ調理の免許を持っていない人が作ったので命がけでしたが・・・)、「良かった!」と素直に思っています。しかし、現在、台風や地震などの災害で不通となっている鉄道区間は、9か所もあります。太宰治で有名な「津軽鉄道」の一部やSLで有名な「大井川鉄道」の一部などです。

 

あの伝説のテレビドラマ「北の国から」を思い出してください。ドラマの初回で、東京から富良野に移住してきた黒板五郎と、兄の純・妹の蛍の3人を草太兄ちゃんが出迎えるシーンの駅が、「布部(ぬのべ)」駅です。富良野駅の隣の無人駅です。

 

私が高校の時に「北の国から」にはまり、この布部駅から黒板五郎さんが移住した「麓郷(ろくごう)」という集落まで歩き出しました。3月でしたので、まだ雪が多く、雪に慣れていない私が歩いていると、地元の人が麓郷村まで車で乗せてくれたのです。そして、五郎さんたちが最初に住んだ廃屋に行くと、たまたま北海道新聞の取材で来ていた、田中邦衛さんと純と蛍がいたのです。私は思わず「ほたる!」と、当時小学生だった中嶋朋子さんを抱きしめていました。(笑)

 

その「布部」駅がある、JR北海道・根室線の富良野ー新得(しんとく)の82キロが、この3月末に廃線となってしまいバスに転換します。ここも、東鹿越(ひがししかごえ)ー新得間の42キロが、2016年の台風で被災し、ずっと不通になっていました。結局、この路線は復旧することなく廃線となってしまうのです。

 

被災した鉄道がそのまま廃線への道をたどってしまうのは、ずばり、金と時間がかかるからです。状況によっては新設と変わらない時間と費用がかかり、利用客も見込めないことから、バス代行となるのです。

 

なんだか、話が重くなってしまいましたが、ここで、鉄道再生の「切り札」として、登場したのが「上下分離方式」です。福島県と新潟県を結び、秘境路線として知られるJR只見線は、2011年の集中豪雨で会津川口ー只見間の約28キロで、3か所の橋が流れてしまったのです。それが、2022年10月に11年ぶりに開通したのです。全国区のテレビニュースでも大きく取り上げられましたね。

 

つづきは、あした・・・

2024年

2月

22日

予習で見通し・安心感

今週は雨続きで、なかなか屋上で遊べません。今日は、マットやトランポリン、とび箱を使って、寺子屋以外の小さい園児も参加した、プチ体操教室を行いました。2歳児、1歳児にとっては、初めてのとび箱体験です。恐怖と勇気と心が揺れ動きます。「大丈夫・・思いきって飛ぶんだ!」が、勇気につながる園児もいれば、不安になってしまう園児もいます。あらためて、子どもたち一人一人の違いを感じました。逆立ち選手権は、別名「負けず嫌い」選手権です。体力よりも気持ちが強い方が勝利します。保護者の中でも、「やるからには勝ちにこだわって欲しい」と考える親もあれば、「楽しくできればそれでよし」の親もあります。もちろん、どちらかが正解ではありません。

 

さて、もう20年以上前の話ですが、私がサラリーマン時代に「ミドルマネジメント研修」に参加させてもらったことがあります。社内ではなく外部研修でした。「住友商事」「日本IBM」など、一流企業で管理職になったばかりのメンバーと一緒でした。

 

この研修は、過去に日産自動車でマーケティングを担当していたなど、実戦経験を持つ講師が、毎回のテーマに合わせて担当します。1コマ2時間の講義内容ですが、事前の予習を行わないと、まったくついていけないスキルの高さでした。講義内容は、グループ討議やテストなどがあり、講師は参加したメンバーの評価を行い、参加企業にフィードバックされました。私の評価は、下から数えた方が早かったようです。落ちこぼれでした。(笑)

 

このように、「予習」は、私たち大人の世界だったり、中学生以上ならば、見通しが立てられるし、何といっても安心して授業に打ち込めることができますね。予習をすることで理解度も高まります。

 

これを小学校で取り入れている先生がいます。たぶん「小学生で予習だなんて、考えられないよ!」と思う先生が多いかもしれません。しかし、この先生は、私たちが認識している予習(学習に先立って行う予備的な学習)だけでなく、答え(結論)も先に与えるそうです。どういうことかと言うと、明日の授業で展開する教科書のページの「まとめ」をノートに書き写させます。その内容を子どもたちは、事前に予習して頭に入れるのです。まずは、算数と理科から取り入れたそうです。

 

私も「小学生で予習なんて早いんじゃないの?」と思ったのですが、冷静に考えると、社会科見学などの校外学習では、見学する施設について事前に調べさせ、予備知識を持たせますね。目的は、見学を充実させるためです。

 

実際に予習を導入した先生たちからは、「子どもの反応がすごくよかった」「答えがわかっているところからスタートする授業っていいね」との意見が出たそうです。

 

もう少し深く考えて見ると、小学校の授業では、一斉授業かつ学力差がある子どもたちが集まっています。授業の入り口で、児童が思考停止してしまうリスクを少なくするには、一人でも多くの児童の「分かる」を保障しなければいけません。

 

予習で、保護者も我が子の授業に関わるかもしれません。そして、何より安心感を持って翌日の授業に入ることができるのです。「はい。教科書の○○ページを開けて!」で、思考停止してしまう児童が減ることは、間違いありませんね。

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、年間最低2回は社会化見学を行っています。工場見学や、先月行ったのは造幣局です。今まで、事前の予習はやったことがなかったのですが、この話を聞いて、保育園の園児も「予習」の効果が期待できることを確信しました。

 

皆さんは、様々な立場でお仕事をされているでしょうが、「予習」を意識してみませんか。

2024年

2月

21日

サンリオ時間

今日の寺子屋園児は、久々に「階段レース」を楽しみました。ショッピングセンター3Fにある保育園ホワイトきゃんばすは、地震や火災などの災害に備えて、階段を利用して避難する訓練をするのですが、これをゲーム化したのが階段レースです。単純に、階段のぼりの競争です。不思議なもので、足が速い園児が必ずしも階段レースでも勝利するわけではありません。今日は、一段とばしにもチャレンジしました。子どもたちの体力強化にもつながったようです。

 

さて、今日は「サンリオ」の話です。保育園の子どもたちからは、ハローキティやマイメロディなどのメジャーなキャラクターはもちろんですが、クロミやこぎみゅんなど、私の知らないキャラクターの名前も出てきます。そんなサンリオですが、ディズニーのように、創業以来ずっと右肩上がりで成長してきたと思われるでしょうが、実は、山あり谷ありの経営を繰り返す会社でした。

 

1960年に創業し、ハローキティという最強キャラクターで、大きく成長しました。しかし、2003年には株式運用が失敗し、193億円もの赤字を出してしまったのです。私が、駆け出しの営業マンだった頃に、銀座松屋百貨店の隣に、サンリオのテーマパーク的なビルが建ったのですが、大赤字の経営で、すぐに撤退したのを覚えています。

 

創業者の息子が、副社長となり、経営を立て直しました。キャラクター販売が中心の売上構成を、「ロイヤリティ」ビジネスに変えていったのです。ハローキティのキャラクターを使ったグッズを作ってもいいけど、売上の〇〇%をロイヤリティとして徴収する仕組みです。私が働いていた洋菓子メーカーでも、ハローキティのチーズケーキを百貨店のサンリオイベントのタイアップで販売したことがありました。通常1000円のチーズケーキが、ハローキティのデザインでデコレーションされると、1200円になります。つまり、200円をロイヤリティとして、サンリオに支払うのです。こうして、サンリオは、自ら販売して売上を作らなくても、効率よくロイヤリティが徴収でき、直接営業利益につながったのです。

 

しかし、2013年に副社長が急死してしまうと、父親である創業社長は、ライセンスビジネスから再び販売重視の会社に戻すと宣言するのです。またまた、サンリオの迷走が続きます。そして、亡くなった副社長の息子(社長の孫)が、2020年に社長となったのです。当時32歳という若社長です。

 

創業者の孫に何ができるのか?という評判の中でのスタートでしたが、前社長の祖父との対話を続ける中で、強行ではなく、理解してもらいながら、改革を進めていったのです。キャラクターの開発には、ファンを巻き込みます。ファン投票でキャラクターのデビューを決める「ネクストカワイイプロジェクト」などを始めます。2022年に営業利益を黒字に転換させ、2023年も増収増益、2024年3月期では268億円の営業利益を見込んでいます。

 

今は、利益だけでなく「サンリオ時間」を増やそうという取り組みを行っているそうです。もちろん、非財務指標ですが、多くの人がサンリオに関わる時間を増やそうという目標です。

 

今まで、サンリオが開発したキャラクターは450種類になるそうです。保育園の子どもたちも大好きなキャラクターが多いので、サンリオが歩む道は、注目していきたいですね。

2024年

2月

20日

マインドセット

今日は、本当に暖かくて、屋上のカメ池を覗くと、何とクサガメが5匹も日向ぼっこをしていました。とても気持ちがよさそうです。ところが、また明日から寒くなる予報です。このまま春になることはないとは思っているものの、こうも寒暖差が大きいと、子どもたちの体調管理が大変です。

 

さて、私たち大人は子どもたちに対してこう言います。「これから君たちが生きる時代は、多様化、グローバル化、電子化、情報化が進み、非連続的で予測困難な世の中です。より良い自分になるために、今、何をしたらよいのかを思考し、道を選び、現状の自分に変化を起こしていく。それを繰り返して、人は成長していきます」

 

すると、賢い子どもがこう言うでしょう。「先生は、そう言うけど、先生だって、パパやママだって、大人たちだって、同じじゃないの?」

 

どうですか。図星ですね。私たち大人だって、固定化された概念や自分の信念に固執して新しいものを受け入れられないなら、これからの世の中を生きていくのは、しんどいかも知れませんね。

 

皆さんは「マインドセット」という言葉を知っていますか。その人の行動のベースとなる、物事の考え方、思い込みや先入観、思考パターンや価値観のようなものを表す言葉です。マインドセットには、ポジティブなものとネガティブなものがあります。よく、ビジネスの世界で使われることが多く、課題に直面した時に、解決策を模索し、即座に行動に移すような前向きなマインドセットを持った人であれば、未知の業務にも積極的に取り組むことができます。一方、新しいことに不安を持ち、失敗を恐れるようなマインドセットを持っている場合には、消極的な取り組みに留まってしまう可能性があるのです。

 

こう考えると、「失敗を恐れずに、どんどんチャレンジしていこう!」と相手を励ましたところで、相手が、ネガティブなマインドセットを持っているなら、効果が期待できないかもしれません。企業の採用では、「人のマインドセットはそう簡単に変えられない」と考え、ポジティブなマインドセットを持っている人を採用することを意識する会社もあるようです。

 

じゃ・・・ネガティブシンキングの人は、ダメなの?

 

とんでもありません。人生は、どう転んでも常に「選択と挑戦の連続」です。自分が、ネガティブなマインドセットであると思ったなら、ここは、自分を変えるチャンスと考えるのはいかがでしょうか。人間ですから、180度違うポジティブ人間に変わることはできません。少しだけでもいいのです。

2024年

2月

19日

日韓教育交流

今日は朝から雨でしたので、久しぶりに教室内で大ゲーム大会です。チームに分かれて、雑巾がけレースや玉入れなどで盛り上がりました。2歳児以上は、全員参加できました。1歳児園児は、今まではベビールームでおもちゃで遊んでいたのですが、今日は「やりたい園児」は参加させます。なんと2人が参加しました。ルールを覚えるのが難しいですが、先輩たちを見て頑張りました。

 

さて、先月、日韓の経済団体による共同事業として、「教育交流」が行われました。韓国の高校教師50人を日本に招き、日本の教師や生徒と交流を深めるプログラムが行われたそうです。韓国での参加希望者は定員の4倍の200人だったそうです。観光で日本に来たことがある先生も「日本の学校現場を見たい」と多くの希望があったようです。

 

韓国の先生たちは、都内の中学校や高校を訪問。授業を見学し、韓国でも加速する少子化などをテーマに生徒の討論に参加したり、教師や生徒と昼食を共にし交流を深めたそうです。

 

韓国のある教師は、「保護者への対応が難しいこともあり、教師の志望者が減っている。日本の先生たちと日頃抱える悩みを語り、どのように問題を克服したかを共有したい」と言います。そう、日本と韓国か抱える課題には、共通点が多いのです。

 

韓国では、受験時間に間に合うように、パトカーや白バイで、受験生が会場入りするシーンをよくテレビで見ますね。教育熱心な親が多く、高学歴志向も強い韓国では、学級担任になると受け持った生徒全員を大学へ合格させなければならないという大きな重圧がかかります。ただし、日本以上に、出欠管理や教科指導でデジタル化が進んでおり、授業では、それぞれの教科と社会のつながりを説明するので、「なんでこの授業が大事なのか」を理解して生徒は授業を受けてると言います。日本の教員が学ぶことも多いですね。

 

そして、日韓交流で、避けられないのが「歴史問題」の認識です。もう20年くらい前の話ですが、私は韓国からの留学生と話をしたことがあります。歴史問題については、「日韓のこれからのことを考えることが必要」と未来志向の考え方でした。

 

韓国の若者は、日本のアニメ文化に憧れ、韓国音楽界のレベルの高さに、素直にファンになる日本の若者も多く、文化面では、とっくにお互いをリスペクトする関係になっていますね。韓国の歴史教師は「日韓の歴史認識の差は、双方の努力が不足していたためだと思う。韓国の生徒が日本について正確に理解する機会は少なく、帰国したら、未来志向の日韓関係をあなた方が、日本の若者とつくるんだよ、と呼びかけたい」と言います。

 

一方で、日本の若者だって、日本史の授業は、せいぜい明治維新ぐらいまでで終わってしまい、近現代史を学ぶ機会が少ないのが実態です。

 

8月には、日本の教員が韓国へ訪問して教育交流を図るそうです。こういった、1つ1つの積み重ねで、隣の国同士、理解を深めることができればうれしいですね。

2024年

2月

18日

仲間と課題へ挑む

昨日登園した小学4年男子の母親から、7月に2泊3日で行われる林間学校の説明会の話を聞きました。さいたま市西区の小学校では、5年の林間学校に「舘岩(たていわ)少年自然の家」で宿泊体験を行います。福島県の山奥で、自然以外には何にもないと言っていいくらいの場所です。ここは、さいたま市の教育委員会が管轄しているので、人事異動では、教員が2年限定とかで赴任するのです。小学5年の林間学校と中学2年のスキー教室で、児童生徒を指導するのがメインの仕事になります。

 

全国には、このように教育委員会が管轄する「○○青少年自然の家」のような施設がありますが、今日は岐阜県高山市にある「乗鞍青少年交流の家」に赴任した教員の話です。先生は、愛知県内で20年間保健体育教員をしていました。「生徒の様子は、この20年間で大きく変わってきている。インターネットで欲しい情報を簡単に手に入れることができる一方で、実体験を通した学びの機会が減っているように感じる」と語ります。

 

先生は、ここで多くの体験活動を通じての子どもたちの成長を見てきたそうです。小学校5・6年のアドベンチャーキャンプで、滝つぼに飛び込む活動を実施したところ、はじめは、なかなか飛び込めない子が多かったようです。すると、友だち同士で話し合い、慣れるために低い岩場から飛び込んでいき、徐々に高い岩場から飛び込む工夫で、最後には全員が目標の高さから飛び込むことができたのです。「頑張れ!」と声を出し合いながら、目を輝かせて楽しんでいた姿に感動したそうです。

 

この話を聞いて、保育園ホワイトきゃんばすでのサマーキャンプのあるシーンが蘇ってきました。嵐山渓谷の岩の上から、川へ飛び下りるミッションが、3年位前から定着しているのですが、ここでは、まわりの園児たちが、挑戦する園児に「大丈夫・・・ライフジャケット来ているから、浮き上がってくるよ。俺にもできたから○○君も大丈夫」といったエールが飛び交います。そして、成功すると賞賛の拍手が待っています。水の中から顔を出した園児の達成感に満ちた笑顔は、本当に最高です。

 

土曜日に登園する小学生は、サマーキャンプのことは鮮明に覚えていて、これからサマーキャンプを経験する後輩たちに、目を輝かして体験談を話しています。岩の上から川への大ジャンプは、「怖かったけど・・・1回成功すれば、面白くなるよ」と。

 

自然を通した体験活動で、仲間と協力し、意見を出し合い、挑戦する経験は子どもたちの成長にかけがえのないものを残してくれます。大人になるまでに、積極的に挑戦する心や、仲間と協力して問題解決をしていくような人になっていくのです。

 

保育園でも、さらに体験活動を充実させて、子どもたちが自分で、豊かな未来を切り開いていけるような、そんな力になりたいですね。

2024年

2月

17日

電動キックスケーターは必要?

今日の昼時間は、川越美術館に行ってきました。市内の小中学生の作品展が開催されていたのですが、なんだか、見入ってしまいますね。ちぎり絵で、川越のシンボル「時の鐘」を描いた作品は、本当に素晴らしかったです。

 

さて、保育園の屋上には、電動ではありませんが、キックスケーターがあります。自転車に乗り飽きた園児が、スイスイ走らせたくなるようです。最近では、電動キックスケーターをよく街中でみるようになりました。日本では、昨年7月の改正道路交通法施行で、今までは、「原付バイク」に分類されていたのが、運転免許なしでの走行が可能になり、ますます身近な移動手段になっています。現在国内での保有台数は1万5400台で、2035年には43万台が見込まれているそうです。

 

実は、電動キックスケーターは、ヨーロッパで先駆けて普及しました。ドイツの首都ベルリンでは、欧州で電動キックスケーターの利用が最も多い都市です。2019年にシェアリングサービスが導入されると、瞬く間に普及しました。利用料金は、10分の利用で3.5ユーロ(約560円)で、同じ10分ならタクシー料金の1/4程度だそうです。また、地球温暖化対策にも優れていて、電気が動力なので、温室効果ガスの排出量は自動車の約40分の1とする試算もあるようです。利用者の多くは、20~25歳の若者ですが、今後利用年齢層は、どんどん高くなることが予想されています。

 

しかし、同じヨーロッパでも、フランスの首都パリでは、昨年9月にシェアリングサービスが廃止されました。4月の住民投票で、9割が禁止を支持したのです。理由は、交通マナーの悪さが引き起こす事故です。死亡事故が多発し、社会問題に発展したのです。

 

反対派は、急速な拡大にマナーが追いついていなかったとして、規制強化の必要性を訴えます。反対を訴えるほとんどは中高年で、賛否をめぐる論争は「新しい技術に対する世代間の論争」になっているようです。私も、自動キックスケーターに乗っている人を見ると、「かっこいい!」とは、これっぽっちも思いませんね。「危ないなぁ~」と感じてしまいます。

 

あなたは、電動キックスケーターをどう思いますか。少ない環境負荷で、短い距離では新たな交通手段となることが、メリットですが、交通マナーを守らない若者が多く、事故につながるというデメリットもあります。現実的には、今後増えていくのでしょうから、安全な乗り物にしていかないといけませんね。

 

そう言えば、今日の川越美術館での作品展で中学1年生が、「50年後の川越のまち」を描いていて、蔵の街並みの上空に、空飛ぶ車が描かれていました。電動キックスケーターどころではありません。空中で自動車が衝突したら・・・危険度はさらにアップですね。

 

夢を追いかけるには、安全が保障されないといけません。まさに、私たちの人生と同じで、アクセルを踏みながら、同時にブレーキを踏むことをやらないといけないようです。

2024年

2月

16日

知育玩具を選ぶ

昨日、例年よりも早い「春一番」を観測しましたが、その後夜になって、北風の暴風となりました。私も、夜中に風の音で起こされましたが、「風が凄くて、怖い夢を見たと思って起きちゃった」と言う園児もいました。

 

さて、将棋の藤井聡太さんが、幼少期に遊んだ知的玩具が話題になったことがありました。スイス製の「キュボロ」という木製の玩具です。玉の通る溝のついた5cm四方の立方体のパーツを積み上げて塔を作り、上から落とした玉が下まで落ちてくる道を工夫して作る玩具です。外からは見えない塔の内側に玉の道をつなぐことがキュボロの特徴で、遊びの中で3次元の考え方が自然と身につくということで、世界の多くの国に普及した玩具です。環境に配慮し、計画的に植林された高品質のスイス産ブナ材を使用するところは、スイスらしいですね。セットについている玉は、日本製のビー玉だそうです。

 

値段は、結構高くて39600円もします。それでも、この玩具で遊ばせたら、「藤井聡太のようになれるかも?」と親は、我が子に夢を託すのです。

 

おもちゃ売り場には、キャラクターなどのたくさんのおもちゃがありますが、知的発達を促すとされるものを、いつの間にか「知育玩具」と呼ぶようになりました。もちろん、明確な定義はありませんが、思考力や判断力、問題解決能力などを高めることを目的に開発されているものが多いですね。

 

あるある・・・なのは、親が我が子の知的発達のためによかれと買い与えたのに、子どもがすぐに飽きてしまって、おうちには使わなくなったおもちゃが増えていく。実際に確かめないで、ネットで買うとこうなることが多いですね。また、与えっぱなしにするのではなく、まずは大人が最初に遊び方を楽しそうに見せることが大事だと言われます。そうすれば、子どもに、自分でやってみようという気持ちが芽生えるのです。

 

専門家によると、親は子どもが上手にできたら「褒めないといけない」と思いがちですが、過剰にほめると遊び方がそれに限定されてしまう。「できたね」と認めるだけで十分だそうです。そうすれば、子どもの遊び方が広がり、自由に遊びようになるといいます。

 

これは、通常の子育てと全く同じですね。ただし、褒めると叱る(アメとムチ)のバランスは、子どもによって違ってくるので、親が考えないといけません。

 

おもちゃは、子どもが成長するうえで、欠かせないツールであることは間違いないです。ただし、大事なのは、おもちゃを介しての親子のやりとりだと思います。ゆえに、おもちゃ選びは、親も実際に使ってみることが大切ですね。

2024年

2月

15日

学校まるごと図書館

インフルエンザB型が広がっています。合計7名の感染となってしまいました。早く、元気になって登園できることを祈るばかりです。一方、屋上遊びでは、ドッジボールで汗だくになって盛り上がっています。ルールを覚えていくと、年長リーダー男子は円陣を組んで「作戦会議だよ」なんて言っています。いい感じです。

 

さて、全国の様々な小学校で、「どうすれば、子どもが本好きになるか」を実践しています。今日は、広島県府中町の府中小学校の取り組みを紹介します。全校児童871人のマンモス校です。

 

2時間目の終わりを告げるチャイムが鳴ると、20分の休み時間に入ります。すると、児童たちが勢いよく教室から駆け出し、玄関前の図書コーナーに集まります。このコーナーには約6000冊の本が並び、設置されたソファやベンチ、畳の上など好きな場所で読書を楽しんでいます。ここは図書室ではありません。

 

府中小学校では、2018年から図書室とは別に、校舎内の計7か所に図書コーナーを整備したそうです。低学年向けには絵本を中心に用意し、高学年向けには伝記や小説、学習本をそろえるなど、子どもの読む力に合わせて本を配置しています。保護者や地域住民でつくる「図書ボランティア」が壁の装飾やブックカバーの取り付けなどで協力しています。学校予算で購入した図書に加え、保護者の協力を得て、これまでに約4000冊を購入したそうです。

 

校長は、「本に囲まれ、ページをめくりながら丁寧に思考を深める経験は、集中力や考える力を養える。スマートフォンやタブレット端末が普及する現代こそ、子どものうちに本を読む経験を積むべきだ」と話します。

 

週2回の「朝読書」や、児童同士で好きな本を紹介しあう取り組みなどを進めた結果、校内アンケートでは、1か月に3冊以上読む児童の割合が、19年度の59.6%から21年度は99.9%まで向上したそうです。児童一人当たりの平均読書冊数も月9.9冊になったそうです。

 

買い物では、目的購買の他に、ブラブラしているだけで、とんだ掘り出し物に出くわすことががありますが、校舎内にたくさん本があることで、思わぬ出会いが生まれ、読書習慣につながっていくのです。

 

本を読むことは、集中力・粘り強さ・積極性などの「非認知能力」を鍛えることにつながります。他の園児に、自分が読んだ本を紹介することは、まさにプレゼンテーションの練習にもなります。

 

この「学校まるごと図書館」作戦・・・他の小学校でもマネできますね。

2024年

2月

14日

富士山登山鉄道!?

今日は、久々にドッジボールで汗を流しました。あったかくて風もないので、子どもたちも汗だくです。そんな屋上からは、雪景色の美しい富士山を見ることができます。今日は、そんな富士山の話です。

 

富士山が2013年に世界遺産に登録されてから、10年が経ちました。コロナ前の2019年の来訪者数は、世界遺産登録前の2倍以上に増えています。テレビでは、大渋滞の登山道や、半そでなどの軽装で弾丸登山をする外国人の姿が、たまに放映されていますね。

 

「いま、富士山は悲鳴を上げています!」と、地元関係者は警鐘をならします。世界遺産登録のユネスコからの宿題は、①ひとが多すぎるのを何とかしなさい!②観光大型バスの排気ガス&ごみだらけで、環境負荷が大きすぎる!③信仰の場である富士山の景観が損なわれている!の3つですが、10年たって、解決どころか悪化しています。

 

世界の宝「富士山」を未来に引き継ぐために、「富士山登山鉄道」の構想が動き出しています。「えっ!電車なんか走らせたら、さらに環境破壊につながるんじゃないの?」と思ったあなた。イメージは、ヨーロッパのアルプス登山鉄道です。山梨県が中心になって進めています。

 

新たに鉄道を引く工事をするのではなく、現在、5合目まで、自家用車や大型バスが通行している、富士スバルラインを車両通行止めにして、次世代型路面電車(LRT)を走らせる構想です。宇都宮市内に開通した超モダンな路面電車のイメージです。登山鉄道なら、乗客数や運行本数を決められるので、来訪者数を確実にコントロールできます。冬場についても、悪天候でなければ運行ができ、現在は夏場のみに集中する来訪者を1年通して、魅力的な観光地にできるというわけです。もちろん、5合目から先は、徒歩になります。

 

世界の登山家たちが「いろんな山を登った中で、富士山が一番汚かった」と話すようになってから、富士山は、その美しい姿と裏腹に、「汚い山」の代名詞になっています。登山鉄道を走らせることで、電気と上下水道のライフラインも整えます。現在5合目には、電気と上下水道が整備されておらず、発電機用の重油やトイレの水は、麓(ふもと)からタンクローリーで運んでいるそうです。実現すれば、タンクローリーが不要になるだけでなく、処理が追いつかず不衛生になりがちだったトイレも気持ちよく使えるようになります。

 

山梨県は、昨年11月から富士山周辺の住民説明会を始めたそうです。この構想を進めるにあたっては、予算の問題だけでなく、現在商売などで、生計を成り立たせている人への対応など、クリアすべきことが山ほどあるでしょう。

 

どんな形にしろ、この美しい「富士山」を未来に残していくには、現状のやり方ではいけないことは明白です。屋上遊びの合間に見える富士山を愛でながら、日本人の一人として

考えないといけませんね。

2024年

2月

13日

修学旅行で企業訪問

連休中はバレンタインデーのチョコレート作りをしたという子どもたちが多かったですね。手作りチョコレートは、チョコレートメーカーが作るチョコレートに比べて、とびきりおいしいわけではありません、チョコレートを湯煎してからの温度管理や、トッピングする材料など、素人の域は出ませんね。しかし、「心がこもっている」ので、もらった方は、格段においしく感じるのです。(笑)

 

連休明けの火曜日ですが、体調不良の園児が増えてしまいました。インフルエンザB型に感染する園児もあり、保育園では、子どもたちの体調管理に十分注意しなければなりません。

 

さて、最近は、修学旅行に企業訪問を組み入れる中学校、高校が増えているそうです。都内のベンチャー企業のスパイスファクトリーでは、「企業が教育に参画することで社会全体で子どもを見守る新たな構造を作りたい」と考えます。この会社は、今まで約300人の生徒を受け入れたそうです。「働くとは何か」を生徒に語り、生徒からは「この仕事をやってよかったことは」「今まで一番大変だった仕事は」といった質問が相次ぎます。IT企業への就職を目指すという生徒からは、「高校生のうちにやっておくべきことは」などの具体的な質問もあったようです。

 

スパイスファクトリーは「子どもたちの働くことへのイメージを好転させたい。当社のありのままの姿を公開すれば、大変ながらも楽しくやりがいを持って働けることを伝えられる」と語ります。子どものキャリア形成につては、「今すぐ夢を決める必要はない。働きながら徐々に形づくる楽しさも伝えたい」と話します。企業訪問後のアンケートでは、「将来について明るい見通しを持ってるか」の質問に対し、「明るい・どちらかといえば明るい」と回答した生徒は、企業訪問の前後で44%から96%に上昇したそうです。

 

しかし、学校が直接企業と連携するには教員の業務負担が増えます。実際には、学校と企業をつなぐ、教育系事業を行う企業が間に入ることが多いようです。例えば、3泊4日の行程のうち半日をキャリア研修に充て、「IT・貿易・投資・環境・映像・精密機器・宇宙開発」など多岐にわたる企業との橋渡しが可能になります。

 

学校の先生の中で、民間企業で働いた経験を持つ人はわずかです。先生自身も企業訪問を通じて、子どもたちのキャリア教育に今まで以上に深くかかわることができますね。学校教育の中に、このように、社会を体験できる具体的な取り組みが加わることで、子どもたちの未来が開けることでしょう。

 

修学旅行の形も、時代と共に、多様化しているのです。

2024年

2月

12日

三崎のマグロ

突然ですが、まぐろのことを「マグロ」とカタカナで書くことが多いのはどうしてだか分かりますか。まるで、正解のないクイズのようですね。青森県大間のマグロが、初セリで正月の話題になりますが、実は、日本人が食べているほとんどマグロは、日本の近海で獲れたマグロではありません。地中海やオーストラリアで水揚げされて、冷凍されて日本の漁港に入ってきます。そんな外国から来る「MAGURO」ゆえに、いつの間にかマグロとカタカナ表記されるようになったとか。もちろん、これは、諸説ある中の一つです。

 

そんな、冷凍マグロが日本で最初にやってきた漁港が、神奈川県の三崎港です。「三崎のマグロ」で超有名ですが、三崎港は、マグロの水揚げ量が日本一ではありません。でも、冷凍マグロの扱い量は日本一です。三崎港には、世界中のマグロが集まるのです。

 

ウンチクはこれくらいにしまして・・・昨日は、「三崎のマグロ」を食べに行ってきました。かみさんのリクエストに応えてです。(笑)

 

アルコールは飲まない!として、車で三崎港へ向かったのですが、京急三崎口駅からずっと渋滞です。連休でもあり、コロナ禍の反動で、外国人も多く、とにかく大勢の人で、三崎港は賑わっていました。冬ということもあり、三崎港の海は澄んでいて、魚が泳ぐ姿にずっと見入ってします。生き物を見ていると、それだけで私は何時間でも大丈夫です。

 

人気店には、行列ができていましたが、路地裏の店に入り、マグロを堪能しました。赤身やトロも美味しくいただきましたが、三浦でしか食べられないような、希少部位を堪能しました。マグロの皮はコリコリしていて、たぶんコラーゲンもたっぷりのような気がしました。マグロの卵は、味はほとんどタラコですが、初めて食べました。ほお肉やカマの部位など、マグロは捨てるところがない魚ですね。

 

三崎港がある神奈川県三浦市は、「三浦大根」でも有名ですね。独特の形をした大根ですが、荷崩れしにくいので、煮物でおいしくいただけます。三浦市は、日本の市町村で全国1位の大根収穫量を誇ります。ただし、三浦大根は栽培が難しいので、全体の数パーセントしか作られていません。ゆえに、幻の大根といわれるのです。

 

道沿いに、農家直営の販売店があり、三浦大根・キャベツ・そして、赤大根を買いました。赤大根は、外の皮も中身も真っ赤な種類で、大根おろしにすると辛みがなくほんのり甘いのです。おうちで、真っ赤なからみ餅を食べました。そして、キャベツは獲れたてですので、そのまま食べます。ほのかな甘みが最高です。

 

三浦を走っていると、一面に「キャベツ畑」と「大根畑」が広がっています。キャベツは、収穫時期をずらしながら、この先5月くらいまで収穫されます。その後は、三浦で有名な「スイカ」にシフトするのです。

 

そんな、三崎のマグロと三浦市のキャベツ畑と大根畑に感動した、素敵な1日となったのです。

2024年

2月

11日

おにぎりの可能性

保育園の給食で食べている、地元の農家さんからの米を、昨日小学生と年長園児を連れて、精米しに行きました。30キロ袋には玄米が入っています。子どもたちは、精米を見るのが初めてだったようで、「わ~すごい。お米が白くなっている」と驚きます。給食で食べるコメは、完全白米ではなく7分で精米しているので、栄養を少し残しています。

 

そんなお米ですが、総務省の家計調査によると、2人以上の世帯が1年間に米にかけた金額の平均は、2000年は4万256円だったそうですが、2023年は2万397円とほぼ半減しているそうです。我が家の朝食も、長男以外は全員パン派です。米びつの米がなかなか減らない家庭が多くなっています。

 

ラーメンやパスタ・うどん・そばに目がない「麺派」が増え、ダイエットで炭水化物を取らない人も増えています。「日本人の主食はお米」であると、私たちは認識していますが、すでに平成22年には、パンの購入費がお米を上回っています。日本人のお米離れが加速するということは、日本の食糧自給率の低下や農業の衰退にも拍車がかかっていくことが明白です。農作放棄地も増えていきます。日本の未来にとっては、好ましい状況ではありませんね。

 

そんな「お米」が危機的な状況の中で、救世主が現れました。それは「おにぎり」です。近年、国内外でおにぎり専門店が一大ブームとなっています。保育園の近くにできた「おむすび屋」は大盛況ですし、駅構内には必ずパン屋さんがあるように、おにぎり専門店も欠かせない存在です。昔ながらの「しゃけ・うめぼし・たらこ」といったシンプルな具もおいしいですが、おにぎり専門店ブームのキーワードは「ごちそうおにぎり」です。ある家計調査では、「おにぎり」にかけた金額は2023年は5909円で増加傾向にあるようです。

 

私のサラリーマン時代の話です。新潟出張の夜は、古町(ふるまち)という、昔からある繁華街で飲んだ後に、必ず最後の締めで立ち寄るのが、ラーメンでなく、「おにぎり専門店」でした。米どころ新潟ですので、とにかく米がおいしかったですね。

 

保育園では、朝食が食べられなかった園児が、ママが握ったおにぎり持参で登園し、おいしそうに食べる姿がたまにあります。おにぎりにすると、なぜか食が進むのが不思議ですね。

 

農産物の中で、ほぼ100%の自給率を誇る「米」は、「組み合わせと味付けでの無限大の可能性」を持つ「おにぎり」で、復権をめざします。どんな具を入れるか?どんな味付けのごはんにするか?家族で、「今日の夕食はおにぎりパーティーにしよう!」という日がやってくるような予感です。

2024年

2月

10日

「普通の人」でいること

まだ先日の雪が、屋上に残っていました。砂場側の最後の雪を子どもたちは集めています。さいたまの子どもたちは、年に数回しか雪に触れることがないので、名残り惜しむように、最後まで雪遊びを楽しんでいますが、冬場、常に雪がある地域での子どもたちは、雪をどう思っているのだろうかぁ~なんて思ってしまいます。

 

さて、先日、定年退職を迎えた私の仲間の話をしましたが、彼は、61歳になったからといって、「若いやつらとは話が合わん」などと言って、一人でいることなどありません。常に、彼の周りには、様々な年齢の人たちが集まってきます。その理由は、彼が「普通の人」だからだと私は思っています。何のことだかわかりませんね。(笑)

 

定年間際のある男性の悩みを聞いてください。「あと3年で定年ですが、職場が嫌でたまりません。周囲は30~40代中心で興味のない話題で盛り上がっていて、入る気もしません。向こうもそんな私に距離を置いている感じです。散々身を粉にして働いてきて、バブル期も知っていますし、早く引退したいです。しかし、母の介護もあり、まだ頑張るしかありません。どうしたら平穏に暮らせるでしょうか」

 

どうですか・・・これに似たような経験をしたことはありませんか。相手の対応があまりにもクールで不愛想の時に、こちらから折れればいいものの、「そっちがそんな態度をとるんだったら、絶対にこっちからは話しかけないぞ!」的な感情です。なんだかのボタンの掛け違いから、「あいつとは分かり合えない!」と勝手に決めつけて、ギスギスしたままにすることは、よくあることかもしれません。私もしかりです。

 

こんな時には、「普通の人」でいることが大事だと思っています。普通とは、わからないことがあれば、年下だろうが素直に聞く。相手が困っていたら「どうされたんですか」と聞く。そんな、当たり前のことを普通にするように意識してみると、案外うまくいくのかもしれませんんね。

 

人間には、欲があるので「もっと感謝してほしい」とか「自分が苦労してきたことに気がついてほしい」という気持ちが出てしまうものです。あと3年で定年の男性も、そんな気持ちがあるので、素直になれないのです。

 

「普通の人になる」「普通のことをする」をもっと大事にしたいですね。

2024年

2月

09日

小学生になること

本日、さいたま市立指扇小学校の保幼小連絡協議会があり、これで、年長園児11名が通うすべての小学校への訪問が終了しました。

 

コロナが落ち着いたので、今年は、1年生の授業参観にも出席させてもらいました。保育園ホワイトきゃんばすを卒園した児童が、頑張っている姿を見るのも楽しみですし、授業内容そのものに興味がありますね。

 

コロナの前に、すでに児童一人1台のパソコン端末が与えられており、コロナ禍でのリモート授業でも活躍したのですが、今回の授業参観では、タブレットを活用した授業が目立ちました。あるクラスの授業は、「ワンワン・ニャンニャンなど、2回続く言葉と、それを絵に描いて」という課題が先生から与えられます。子どもたちは、タブレットを簡単に操って、色をつけたり、消しゴムを使ったりして完成させます。それを提出ボックスにドロップアウトすると、黒板横の大きなテレビ画面に30名分に分割された作品が映し出されるのです。子どもたちのタブレットからも、他の児童の作品を見ることができます。

 

ホワイトきゃんばす卒園児の女の子は、キラキラの文字と黄色で星の絵を描いていました。そして、先生から「今から3分間・・・他の友だちの作品を見て」と指示があると、子どもたちは、自分のタブレットで他の子の作品を見ています。

 

なんだか、授業スタイルも時代の流れで変わってきたなぁ~なんて思いながら、教頭先生に、「先生のパソコンスキルの違いで、授業スタイルには差が出てしまうものですか?」と聞きます。「いやいや・・・たいがいさいたま市の共通プログラムを使っているので、どんな先生でもできますよ」とのことでした。

 

また、1年生も3学期になれば、深い学びができるようになっており、「隣の席の子と答え合わせをして」とか「今からグループで話し合って、代表者を決めて発表して」などの、いわゆるアクティブラーニング形式の授業も行われていました。 先生たちは、様々な工夫をしながら、自分の授業スタイルを確立しているようです。 

 

そして、同時並行で、保護者出席の入学説明会が行われています。連絡ノートでの保護者のコメントでは、初めて我が子が就学することに、心配の種はつきません。しかし、昨年のクリスマス発表会で、小学校1年生の担任をしている保護者から話をしてもらったことで、安心して話を聞けたとあります。我が子に「目覚まし時計」を買って、自分で目覚ましをセットして起きる習慣ができた男の子もありました。今までは、ママが叩き起こしてもなかなか起きなかったのに、自分でやるようになるとできるのです。そんな感じで、保護者も我が子への生活習慣をアップデートしているようです。

 

小学校入学まで、あと少し・・・私たちの役割は、「小学生になるのが楽しみだね」と言って、背中を押すことです。小学生になってから起きた問題は、その都度解決すればいいのであって、今は、あらぬ心配をしてはいけませんね。

2024年

2月

08日

いまを生きるアイヌ文化

昨日、社会科見学で行った「造幣局さいたま支局」の話が、連絡ノートにびっしりと書かれていました。子どもなりに、貨幣工場見学の様子を親に伝えることができたようです。電車やバスに、友だちと乗ったことも大きな思い出ですね。

 

さて、今、アイヌ民族とその文化に対する関心が高まっているようです。映画化された「ゴールデンカムイ」が上映中ということもあります。映画は、明治時代の北海道を舞台に、元陸軍兵士とアイヌ民族の少女が金塊をめぐって争奪戦を繰り広げる壮大なストーリーです。映画では、どうしても俳優に注目が集まりますが、アイヌの民具や衣装、宗教儀礼に用いる道具などが、模様ひとつをとっても、かなりリアリティーをもって描かれていることで話題になっています。

 

アイヌという言葉は知っていても、アイヌ民族ってどんなものなの?今でもアイヌ民族は堂々と生活しているの?と、漠然と思っている人が多いと思います。2020年には、北海道白老町に国立アイヌ文化発信拠点「民族共生象徴空間(愛称:ウポポイ)」がオープンしました。

 

ウポポイとは、アイヌ語で「おおぜいで歌うこと」だそうです。国立アイヌ民族博物館や国立民族共生公園などからなり、歌や舞踊など、アイヌの伝統文化や宗教儀式、日常の食べ物等を体験することができるそうです。コロナがあったものの、入場者は延べ100万人を超えました。

 

日本は、様々な国籍の民族が共生する国ではないので、民族差別という実感は、少ないですが、アイヌに対する差別や偏見は今でもあります。「あ、犬(アイヌ)」と呼ばれるのが典型的な侮蔑語です。バスの中で、相手がアイヌだと知っている場合に「あ~犬が座っている~」と歌いながら通り過ぎたり、逆に「アイヌなんていまはもういない」と断言されることも、差別の1つです。

 

アイヌへの差別をやめよう!なんて、簡単には言えません。民族的にマイノリティーであるアイヌは、自分の属性を伏せてる人も多いのです。アイヌ文化への注目が集まる中で工芸や舞踊の分野でメディアに登場する人も増えています。でも、そういう人と、自分との距離を感じ、自身のアイデンティティーに自信を持てず「自分のことをアイヌと言ってもいいのだろうか」と感じる人も、現実的には多いのだそうです。

 

単純に少数民族への差別問題だけでなく、アイヌ民族同士でも「もやもや」を抱える裏の実態があるなんて、私は考えたことがありませんでした。

 

高校生の頃に、「北の国から」で北海道にハマり、アイヌのことも、にわか知識で学びながら、知床半島にある「カムイワッカの滝」の滝つぼにわく温泉につかりながら、「カムイとは神を意味するんだ。俺は今、神の滝につかっているのだ!」とあまりにも軽いセリフを吐いていました。

 

アイヌを語るには、まだまだ知識不足です。日本での少数民族は、アイヌ民族・琉球民族しか私は浮かびませんが、いまを生きている彼らの葛藤は、理解したいですね。

2024年

2月

07日

造幣局に行ってきました

今日は、年長・年中園児19名を連れて、社会科見学に行ってきました。さいたま新都心にある、「造幣局さいたま支局」です。前日まで休んでいた園児も、今日は19名全員元気に登園しました。イベントになると、元気になる子どもたちです。(笑)

 

保育園から西大宮駅まで、ざっと20分歩き、電車に乗ります。大宮駅で乗り換えて、さいたま新都心駅から徒歩10分で造幣局に到着です。今回、初めて電車に乗る子がいましたが、車窓からの景色を楽しむことができたようです。

 

造幣局では、お金を製造しているのですが、紙幣は作っていません。1円から500円までの貨幣と勲章、記念硬貨などを作っています。同じお金でも、紙幣には「日本銀行券」と印刷されており、下の方に小さく「国立印刷局製造」の文字が入っています。日本で発行されるすべてのお札は、用紙製造、印刷ともに国立印刷局が行っています。日本銀行は、国立印刷所から新しい銀行券受け取って、これを本店や地方の支店から世の中に払い出しているのです。

 

しかし、硬貨については、日本に3か所ある造幣局で作られています。「桜の通り抜け」で有名な、大阪の本局と広島支局、そして、今回訪問したさいたま支局です。地震などの天災の被害に遭っても、日本にある3か所のどこかが稼働できるように、東日本と西日本に配置されているそうです。さいたま支局では、通常の硬貨製造の他に、コレクターが集める「ブルーフ貨幣」と勲章の製造を中心に行っています。

 

説明はこれくらいにして、まずは、工場見学からスタートです。最初にビデオを見たのですが、「ニセモノを出さないようにする」というテロップが流れたものの、何がニセモノなのか?につながらないストーリーだったので、5歳男の子が「ビデオの途中で、ニセモノというセリフがあったけど、それがよくわからなかった」という質問をしました。鋭い洞察力にビックリです。

 

工場では、実際に職人さんたちが、ブルーフ硬貨を作っているシーンを見学します。初めて、お金を作っているところを見た子どもたちは、じっと見入っていました。また、勲章を作成する職人のところでは、ほぼ手作業なので、「こんなの作っちゃうんだ」と、思ったことを口に出す子どもたちです。

 

博物館では、子どもたちの興味をそそる展示がたくさんありました。ゲゲゲの鬼太郎やアンパンマン、ドラえもんなどの記念硬貨に目が釘付けになり、都道府県別の記念硬貨では、お正月に遊びに行った、おじいちゃんおばあちゃんの住む、新潟・山形・青森・宮城など、カラフルで美しい硬貨を発見します。

 

一番人気は「体験コーナー」です。千両箱は、子どもたちの力では上がりません。また、1円から500円までの硬貨がいっぱいに詰まった袋は、なかなか持ち上がりませんが、なんだか、大金持ちになった気分になるようです。

 

造幣局見学は、通常は小学生の社会科見学として行われる内容ですが、ガイドの方に、就学前の園児でも分かり易いように解説していただき、楽しく学ぶことができました。子どもたちの感想は「お金のことが勉強できてよかった」です。

 

今回の社会科見学のもう一つの狙いは、公共交通機関を使っての移動です。先回、プラネタリウム見学で、年長園児は経験しましたが、やんちゃ男子が揃う年中園児が、団体行動をきちんととれるか心配でした。しかし、問題なく、電車・乗り換え・バスと安全に行動ができました。年長園児の声がけも頼もしかったです。

 

お弁当は、青空の下、造幣局前の公園で食べました。弟の出産で里帰り中のママに代わって、パパがお弁当作りを頑張った5歳女の子は、パパの愛情を感じながら嬉しそうに完食です。園児たちが、丸くなって会話が弾んだ楽しい時間となりました。

 

来年度の「社会科見学」も子どもたちのワクワクドキドキ・・・好奇心をしっかりと引き出す企画を考えたいですね。今日は大成功です。

2024年

2月

06日

叱れない社会

今日は思う存分屋上で雪遊びをしました。昨夜は東京23区内でも大雪警報が出るくらいに降ったのですが、朝から雨まじりで、屋上は「ぐちゃぐちゃ白銀」です。それでも、雪だるまを作り、雪合戦で熱くなり、ソリも楽しみました。小さい園児は、ただただ雪の上を歩くだけでもテンションアップです。昨シーズンは、積もるほどの雪がなかったので、久々の雪遊びは、子どもたちのいい思い出になったようです。 

 

さて、宮藤官九郎脚本のドラマ「不適切にもほどがある」では、主演の阿部サダヲ演じる中学の野球部顧問が、ノックでしごき、ミスがあれば「連帯責任!」といって「ケツバット」が連発されます。笑ってしまうシーンですが、昭和の野球部では結構あるあるです。監督は「叱って、しごくからこそ、お前たちは競争を勝ち抜ける」と本気で思っていました。

 

令和の今、夏の甲子園で優勝した慶應高校の森林監督は、かなり違います。練習メニューを説明後に、当時の主将が「この練習は必要ないと思います」と言い、監督と対等に会話を交わします。森林監督は、選手の意見を一通り聞くと「試合でこの状況になる確率が低いなら、この練習はやめて、他のことをして構わない」と言うのです。「私はたまたま、慶應の先輩ということで野球の指導をしているだけです。生徒たちも野球に一生懸命ですから、しっかり話を聞くことは大前提です。あそこで、私が話を聞かなかったら、もう主将は提案してくることはないでしょうね」と語ります。

 

ここまで読んで、「やっぱり、令和のやり方が正しいじゃん!」と思いましたか。しかし、昭和の場合も令和のやり方もうまくいく時もあれば、失敗する事もあります。

 

子育てについても、親の悩みは尽きませんね。3歳児男児を育てるママ。外で棒を振り回す息子に穏やかに言い聞かせます。「目に入ると危ないからやめようね」しかし、息子にはまったく気持ちが届かないようで、やめません。コップを倒してママの服がずぶぬれになった時は、本人は楽しそうに笑っています。「床もびしょびしょになって、ママ悲しいなぁ~」と言ってみても伝わりません。外食先で子どもが騒いだ時には「ここはアリさんの声ね」と言っても騒いだままです。

 

子育てマニュアル本には、「頭ごなしにダメと叱っても、怖いという感情だけが残って効果がない」と書いています。しかし、ネットには「叱らない系の人たちが、遊戯施設で子どもを放置」という書き込みもあり、周りの視線が気になります。「放置しているわけじゃなくて、危険がない限りは自由に遊ばせたい。他の保護者と価値観の違いはあると思う」と、そのママは考えるのです。

 

まだ就学前の子ども3人を持つパパは、「叱らない子育てという理想はわかるけど、家事も仕事も育児も忙しい毎日。3人いると叱らないわけにはいかない。でも、感情的になってしまい、なかなか上手に叱れない」と言います。子育てママパパなら、誰もが経験することですね。

 

よく、「命の危険につながるような危険な行為に対しては、しっかりと叱り、そうでないときはできる限り見守るのがいい」と言われますね。多くの子育てマニュアルにも書かれている内容です。でも、子どもといる時間で、命の危険にかかわらない「悪さ」は、山ほどあります。そんな時に、ママパパは困ってしまうのです。現代社会は、子育てはもちろんのこと、学校や会社においても「叱りづらい風潮」が蔓延しています。「虐待」「パワハラ」と簡単に言われる世の中です。

 

このブログでは、マニュアルのように「○○したらいい」とう結論は出せません。叱られる側の性格や叱る側との信頼関係・・・様々な要素を考えると、一人一人違うからです。ただし、これだけは言えます。「相手に本気や必死さをどう伝えるかを実践する」が大切です。鬼のような形相で、大きな声で叱ることが必要な時もあるでしょうし、説得する叱り方だって、すべて、相手に本気が伝われば正解です。

 

そして、叱った時に、「相手が自分で考えられるようになるかどうか」も大切なことですね。「叱られちゃった!次は、叱られないようにしよう」で終わったら、次も同じことをするでしょう。「どうして叱られたのか?では、次はこうしよう」と思ってもらえるような叱り方を実践したいものです。

 

「叱らない子育て」という言い方は、今風で、カッコイイ響きがあるかもしれませんが、

「どうやって叱るかが大事」だと思っています。子どもに限らず、社会人の若者含めて、一人一人違うから難しいのです。

2024年

2月

05日

小さなまちの奇跡の図書館

天気予報通りに、お昼から雪が降り出しました。今日の寺子屋は、屋上で雪遊びです。まだ雪は、多くは積もっていませんが、子どもたちは、雪に触れて、その感触を味わっています。明日のことを考えると、大人たちは「積もらないでくれ!」ですが、子どもたちは「明日は大きな雪だるまを作ろうね!」となります。(笑)

 

さて、地方の小さな自治体で、駅前はさびれているように見えても、図書館に足を踏み入れたら、大人も子どももたくさんいて、それぞれが、読んだり書いたり、調べ物をしたり勉強している姿を見ることがります。今日は、そんな図書館の一つである、鹿児島県指宿(いぶすき)市立図書館の話です。保育園に指宿出身のママがいます。私も、指宿名物砂風呂に入り(砂をかけられて、地熱であたたまる)、「開聞(かいもん)岳」という美しい山に登り、イっシーという恐竜の目撃情報がある「池田湖」にも訪れました。とてもいいところですが、この指宿市立図書館は、数年前までは、すっかりさびれた危機的状況だったそうです。

 

そこで、NPO法人「そらまめの会」が指定管理者として名のりをあげます。そらまめの会が実践したことは、「図書館は、ただ本がある場所ではない。本や情報を介して、人と人をつなぎ、その人生を豊かにすること」でした。

 

図書館で様々なイベントを開催して、地元の小中学生の居場所になっていきます。ジェンダーギャップや地球環境問題など、子どもたちが自主的に学ぶような場所にもなっていきました。クラウドファンディングにより、移動図書館「ブックカフェ号」が誕生します。そんな、小さな取り組みの積み重ねから、大きな改革まで、熱い情熱で進めていくのです。そして、2021年のライブラリー・オブ・ザ・イヤーを受賞したのです。

 

本来の公共図書館は、行政が運営するのが当たり前と考える人も多いでしょうが、こうして、外部委託することで、活性化される事業は多くあります。ここはどちらがいいという話ではありませんね。

 

4月からの新年度を前に、保幼小連絡協議会で、近隣の小学校を訪問することが多いのですが、学校の図書室も、図書館司書による熱い思いが伝わってきますね。「図書室は本がある場所」から、「本を通じて子どもたちの可能性を広げる場所」と考えれば、今以上に、魅力的な図書室に変えることもできますね。図書館や図書室が子どもたちの大好きな場所であって欲しいものです。

2024年

2月

04日

定年お疲れさまでした

私の元会社の仲間が、1月末を持って61歳の定年を迎えました。しばらくは、嘱託社員として仕事を続けるとのことですが、定年はサラリーマン人生の1つの区切りです。世の中の流れとしては、65歳もしくは70歳まで仕事は継続する時代となりましたが、学卒で定年まで1つの会社を全うすることは、本当に凄いことだと思っています。

 

私のまわりの同年代で、定年まで仕事を続けた人は、たった2人しかいません。今の若者が、定年まで1つの会社で務めることはほとんどないのかもしれませんね。生き方の多様性の中に、「仕事を選ぶ」という要素は大きいです。

 

定年を迎えた彼の話をします。保育園ホワイトきゃんばすにも何度も足を運んでくれ、酒を飲みかわす朋友です。(笑)

 

1986年4月に入社した彼は、配属先が神戸の本社となります。当時は、福利厚生が整っておらず、埼玉在住の彼は、会社都合の辞令にもかかわらず、引っ越し費用も家賃も自費となります。家賃38,000円のボロアパートでの生活がスタートしました。そして、初任給でSONYの当時の最上級のビデオデッキを購入します。しかし、ひと月後に空き巣に入られ、ビデオデッキを盗まれてしまいます。その後、阪神淡路大震災があったのですが、このボロアパートは跡形もなく残っていなかったようです。

 

入社4年後の1990年に東京支店配属となった彼は、ずっと事務職として勤務します。会社の制度として、管理職になるには、管理職試験に合格しなければなりません。40歳の時に、彼は管理職試験に合格します。しかし、当時管理部門には、管理職のポストが埋まっていて、「お前は管理職試験に合格したから事務職に置いておくわけにはいかねえんだ」と当時の支店長から、現場経験なしの営業職に異動させられます。

 

私は、ずっと営業の仕事をしていたのですが、この人事に「どうして?管理部門を仕切る人事にしないの?」と、社員の育成よりも、組織の都合による人事に、彼の仕事人生は180度変わってしまいます。次第に彼は、メンタル的に追い込まれてしまいます。

 

約3週間仕事を休むことになります。そして、4月に仕事を復帰した際に、会社が利益確保のためにショッピングセンター専任の営業部門を作りました。そこを私が任され、彼と同じチームとして働くことになったのです。

 

彼と同じ部署で仕事をするのは初めてだったのですが、すぐに自分の営業スタイルを作り上げていきました。彼が担当するグループの売上が、右肩上がりに増えていき、得意先の信頼を大きなものにしていったのです。百貨店と量販店の需要の違いもあり、同じものを販売していては、会社のブランド力も低下してしまうので、目玉になる新商品を作ったのですが、そのネーミング「ハッピーパーティー」は、彼が考えました。いまでも、量販店のロングセラー商品です。

 

そして、営業部門に異動してから14年後、事務職に復帰し、定年間近の昨年4月から再び営業部門に異動します。組織ですので、会社都合での人事異動はやむないところですが、彼の会社人生は、そんな会社都合人事に翻弄された38年間だったのです。

 

でも、仕事をしながら、彼は世界中を旅する趣味を実践してきました。人生を大いに楽しんできたのです。定年退職の日には、入社時の社員証の「若い自分」を眺めながら、ひとりウイスキーを傾けたそうです。

 

バレンタイン・ホワイトデーと今は、忙しい時期ですので、落ち着いたら、彼とじっくり酒を呑みかわします。「おもいで」を語ることは、人生の幸福の一つです。今は、心から、「お疲れさまでした。あなたは、立派な仕事をしてきました」と言いたいですね。

2024年

2月

03日

バレンタインは「自分へ」需要

お昼の園長の課外授業は、川越にある「埼玉県初のクラフトジン蒸留所」のマツザキに行ってきました。「お酒を造っている場所に行ってみるかい?」と誘ってみると、「行きた~い!」と言うのです。パパやママがお酒を飲むので、子どもなりに興味があるようです。マツザキは、もともと酒販店ですが、令和元年にクラフトジンの蒸留所が完成し、ジンを製造販売しています。ジンは、ストレートでもおいしいですが「ジントニック」「マティーニ」「シンガポールスリング」「ピンクレディ」「ブルームーン」など、誰もが耳にしたことがあるカクテルのベースのお酒です。メニューにはないけど「ジンバック」を注文すると、かっこよくて粋だと言われます。 マツザキのジンは、棘玉(とげだま)というブランド名で売られています。子どもたちには悪いですが、今日の晩食で、ストレートからのソーダ割りで楽しむことにします。もちろん、恵方巻がおつまみです。(笑) 

 

さて、今日はバレンタイン商戦の話です。かつては、女性から男性への「愛の告白」という、今の時代では、なんとも恥ずかしいキャッチフレーズが、まさにメインの需要でした。世の男性は、もらったチョコレート数を競い・・・男性自身も「お返しが大変だよ~」なんて言いながら、本音では、チョコレートをもらって大喜びだったのです。

 

今では、日本中に世界のチョコレートが集まるお祭りとなった、バレンタイン商戦ですが、実は、私が勤務していた会社が、このバレンタインデーを仕掛けたのです。戦前の昭和11年に、「バレンタインデーに、チョコレートを」日本で最初に新聞広告に出したのが始まりです。実際に百貨店などのイベントが広がっていったのは、昭和30年代です。

 

今年のバレンタイン商戦の大きな環境変化は、「新型コロナウイルスの5類移行」「円安による海外ブランドの縮小」です。そして、「需要」という点では、「自分へ」の需要が大きく増えているようです。

 

ある百貨店の調査によると、チョコレートを実店舗で購入する人の平均予算は、1万4157円だそうです。昨年よりも1361円も上回っています。実は、旦那さんや恋人へプレゼントするチョコレートの金額よりも自分への金額の方が上回っているとのことです。

 

バレンタインの楽しみ方も多様化の時代です。本命チョコ・義理チョコ・気配りチョコ・友チョコ・逆チョコ・・・そして、右肩上がりで売上が伸びているのが「自分チョコ」です。新たな需要が見つかれば、日本のバレンタイン商戦は、永遠に続くのでしょう。

2024年

2月

02日

「獣医病理学者」って?

明日の節分は土曜日ですので、本日屋上で豆まきを行いました。園児は、紙のボウルとカラーペーパーで作った1本角の鬼の帽子をかぶります。もちろん、手作りですので、色もテイストも微妙に違ってきます。そこに、先生が扮するリアル赤鬼が登場です。チビちゃんたちは号泣するものの、大きい園児は、「○○先生でしょ」とすぐにばれてしまいましたが、楽しい豆まきになりました。豆まきに参加したのは、子どもたちだけではありません。ハトやカラスも参戦です。(笑)

 

さて、獣医病理学者というのをご存じですか。獣医である動物のお医者さんであることが多いですが、それだけではありません。獣医病理学者とは、動物の遺体を預かって、解剖や顕微鏡検査を行い死因を突き止めるのが仕事です。

 

ある朝、ペットとして飼われていた10歳の犬の遺体が持ち込まれました。まずは、飼い主から事情を聞きます。「一年前から疲れることが多く、咳を繰り返していた。やがて散歩にも行きたがらくなった。もう年のせいだろうと思っていた。そして、昨日突然倒れて呼吸困難に陥り死亡した」

 

獣医病理学者が解剖による検査を行います。胸部と腹部を開き内臓を見ると、肺の半分が侵されていた。心臓には「そうめん」状の生物がひしめいていたのです。これはフィラリアです。飼い主には、ちゃんとフィラリアの予防をして、動物病院に連れて行ってさえいれば、苦しまずにもっと延命できたかもしれないことが伝えられます。

 

獣医病理学者は、動物だって、早期発見・早期対応が必要であること。飼い主にも問題があったことを伝える義務があると考えています。「年だからしかたがない」で終わってしまうのはむなしいと言います。生物の死を無駄にせず、そこから学ぶべき教訓を引き出し、同じ過ちが繰り返されないようにすることが獣医病理学者の使命なのです。

 

今度は、小学生から「みんなで有精卵から育てていた鶏が急死したので死因を調べてほしい」との依頼がありました。依頼を受けた、獣医病理学者は、出張解剖を行い、その様子を小学生に見せたそうです。すると、小腸にぎっしり小松菜が詰まっていたそうです。どうやら餌が偏っていて低栄養に陥っていたようでした。子どもたちは、真剣な眼差しで一部始終を見守ったそうです。

 

私たち大人は、子どもたちに、生き物の死をできるだけ感じさせないように、遠ざけることが多いですね。しかし、生があるかぎり死があり、死があるから生の意味がある。死から目をそむけてはいけないのです。

 

保育園では、犬や猫は飼っていませんが、カメをはじめ、多くの生き物を飼っています。今まで、子どもたちは、何度も生き物の死を見てきました。まだ「死があるから生がある」とう意味はわからないですが、生き物には必ず死があることは、ずっと教えていきたいですね。

2024年

2月

01日

藤井聡太の鉄道愛

今日の昼時間。年長園児と小学校についておしゃべりをしている中で、給食の話になりました。小2の兄をもつ女の子が、「園長先生知ってる?給食当番の給食は、自分で配膳すると思う?」と、細かいシチュエーションの問題です。「答えはね・・・当番でない、他の友だちが配膳するんだよ」だそうです。おうちでは、こんな、誰もが気にとめないような話をしているのですね。

 

さて、前人未到の将棋の「八冠」を達成した藤井聡太さんは、大の鉄道好きでも知られています。昨年11月に「ことでん」琴平駅を訪れ、制服に着替えて車掌体験をします。いつも、冷静で物静かなイメージのある藤井聡太さんですが、鉄道のことになると、目をキラキラさせて饒舌になるようです。

 

「ことでんは、レトロな車両が結構多く活躍してるので、最近の車両とは違う雰囲気があって、とても面白かったです」と語ります。「ことでん」とは、香川県内を走る地方鉄道「高松琴平電気鉄道」の愛称です。「お待たせしました。本日はことでんをご利用いただきありがとうございます・・・」と車内アナウンスまで行ったそうです。

 

昨年5月は、岩手県の三陸鉄道宮古駅で一日駅長に就任しました。宮古市で開催された対局に臨んだ際です。昨年12月には、竜王の防衛を祝う会に出席するために秋田県を訪れ、JR大曲駅で、白い駅長制服に着替えて「こまち」の出発合図を出したそうです。

 

藤井聡太さんの鉄道好きは有名で、自他ともに認める「乗り鉄」で、子どものころの夢は「電車の運転手」だそうです。棋士にならなければ鉄道の運転手になりたかったとあちこちで公言しています。5歳で将棋を覚える前から鉄道好きで、近所の踏切で電車を1時間見ていても飽きず、電車に乗れば先頭車両の最前部に立ち、運転士の気分になっていたそうです。小学校高学年になると、東海道新幹線や名古屋近辺の私鉄の時刻表をほとんど暗記していたそうです。高校生になると、友人と「青春18きっぷ」で旅に出ます。地元の愛知県から在来線を乗り継ぎ、中央線の小淵沢に向かいます。そこから小海線に乗るのです。八ヶ岳や南アルプスの雄大な峰々やのどかな高原の景色を車窓から眺めて楽しんだそうです。

 

将棋のタイトル戦では、わざわざ遠回りしてでも、乗りたい列車で会場入りすることもあるようです。こうして、藤井聡太さんが鉄道を楽しむ様子がメディアを通して紹介されることで、地方鉄道も盛り上がるというわけです。

 

藤井聡太さんは、若くして、自分は将棋界の『顔』という自覚を持っています。しかも、八冠という立場になれば、色々なところでファンサービスをするのは自分の義務で、それが将棋の普及につながるとも考えているのでしょう。

 

そして、「乗り鉄」を名乗り、岐路に立つ各地の地方鉄道が盛り上がるために、自分も力になれれば・・・と思っているに違いありませんね。藤井聡太さんは、将棋界の救世主であると同時に、地方鉄道の救世主になることを期待したいですね。

2024年

1月

31日

プロレス新時代へ

ここにきて、体調を崩す園児が多くなってきました。近隣の小学校では、インフルエンザやコロナの感染拡大で、学級閉鎖も目立ってきました。保育園では閉鎖はありません。しかし、集団生活ですので、感染リスクはどうしても高くなってしまいます。職員も含めて、感染対策をしっかりと行っていきます。

 

さて、今日はプロレスの話です。また私の趣味の世界ですみません。戦後、街頭テレビで、日本中が外国人レスラーを空手チョップでやっつけた「力道山」に夢中になりました。この時代は、私はよく知りません。その後、日本のプロレス団体と言えば、アントニオ猪木が旗揚げした「新日本プロレス」と、ジャイアント馬場の「全日本プロレス」の両団体が、長くライバル関係にありました。この時代は、両団体が歩み寄って、「プロレス界を盛り上げよう」なんて思う人はなく、外国人レスラーの引き抜き合戦を繰り広げていました。新日のタイガージェットシンが全日に、全日のアブドラザブッチャーが新日に。スタンハンセンとブルーザーブロディの大物外国人レスラーの引き抜きもありました。

 

新日本プロレスに、初代タイガーマスク(佐山聡)が登場した時は、プロレスブームとなりましたが、プロレス業界が盛り上がったのではなく、「新日本プロレスブーム」が実態でした。その後、総合格闘技に押され、プロレスはテレビのゴールデンタイムを外れます。この苦しい時代に、新日本プロレスを支えた一人が、昨年12月26日に社長に就任した、棚橋弘至(たなはしひろし)です。

 

そんな中、プロレス界では興味深い発表が行われました。新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノア、東京女子プロレスなど主要9団体が参加して、業界団体「日本プロレスリング連盟」が設立されたのです。初代会長には、新日本プロレス相談役の坂口征二が就任しました。

 

この団体が設立されたことにより、業界が抱える課題の解決に向けた意見や情報交換の場ができたのです。かつて、バチバチに対立していた新日本VS全日本のような図式は、時代とともになくなりました。

 

新日本プロレスの棚橋社長は、日本プロレスリング連盟の意義や役割について、こう答えます。「今はプロレス団体がたくさんありますが、ファンのためにはなるべく開催地が集中せず、全国の人が見られる方がいいですよね。また興行日程が重なるのもファンのためにはならないので、そういった部分も話し合っていきたいですね」と、お客様目線です。

 

各団体がそれぞれの個性を出し合って健全な競争を展開することは必要です。しかし、人々の娯楽に対する価値観も多様化しています。プロレス文化を継承していくために、業界全体で取り組むべき課題は山ほどあります。これからのプロレス界は、新たな時代をむかえようとしているのです。

 

まだまだ、言いたいことは山ほどありますが・・・コアな話は、これくらいにして、みなさんも趣味を深掘りする生活を大事にしましょう。(笑)

2024年

1月

30日

週1回・1日丸ごと「探究の日」

今日は、屋上で「何でも30メートル走」を行いました。別名を「多様性レース」です。参加は自由で、自転車・ストライダー・キックスケーター・三輪車・かけっこなど、何で参加してもかまいません。優勝は、どの乗り物だったでしょうか?

 

はい。かけっこです。30メートルの距離だと、自転車が加速する前に、かけっこはゴールです。園長は、自転車で一緒に走りましたが、本気でペダルをこがないと、かけっこには勝てません。(笑)

 

さて、今日は東京都中野区にある「新渡戸(にとべ)文化高校」の話です。そうです、1984年~2007年まで5千札になった、新渡戸稲造が初代校長だった学校です。この学校は、教員の事をデザイナーと呼び、教員は多様な経験がある方が生徒に還元できるものが大きいとの考えから、副業を認めています。教員の約半数が、他の肩書をもっているそうです。

 

注目すべきは、毎週水曜日に「1日まるごと探究の日」を設定しています。生徒の自律的な活動を目指しています。自ら考え、判断し、行動する学習者を育てるために、5年前にカリキュラムを一新し、他の学校では、なかなかできない革命的な取り組みを続けています。

 

これは、学年や教科と言った枠を取り払って、生徒自らが学ぶ内容を選択する時間となっています。現在、「空き家の再生」や「古着を利用した卒業証書制作」など、年間で100を超えるプロジェクトが同時進行しているようです。いずれも、生徒自らが立ち上げた内容です。

 

このプロジェクトで、学校が重視していることの一つに「100人の大人につながる」というコンセプトがあります。生徒がさまざまな現場の大人と出会うことを重視し、学校が意図的に機会を創出します。例えば、全国20か所から自分で行き先を選択する「スタディツアー」では、山村地域での森林管理や地方病院でのインターンを体験させ、現地の大人との交流を通じて、探究テーマを生徒が見つけます。

 

これも、教員畑一筋ではない、民間企業出身や副業を行う教員たちの多彩なバックグランドが生かされます。生徒の興味に応じて、外部の大人を直接紹介することもあるようです。そして、従来の期末テストに代わって、プレゼンテーション・小論文・動画作成などで、学んだ成果を発表するそうです。

 

どうですか・・・期末テストで高い点数を取ることよりも、社会に出るための実践的な学びが行われていると思いませんか。そして、何より、自分で決めたことなので、楽しい学びであることは想像できますね。

 

こんな学びが、ますます増えていけば、日本の学校が「社会に出る」ための、本質的な学びの場所になっていくことでしょう。

2024年

1月

29日

半世紀ぶりにブロッコリーが・・・

先週金曜日、5歳女の子に妹が誕生しました。まだママは病院にいるので、少しの間、パパと娘の二人きり生活を送っています。パパは育休をとっているので、楽しい娘との生活になっているようです。パパが育休を取って、姉とおうちで留守番する。今でこそ、保育園パパが育休を取得するのは普通になりましたが、これも時代の流れですね。

 

さて、今から14種類の野菜を挙げます。「キャベツ」「キュウリ」「サトイモ」「ダイコン」「タマネギ」「トマト」「ナス」「ニンジン」「ネギ」「ハクサイ」「ジャガイモ」「ピーマン」「ホウレンソウ」「レタス」・・・どれも、日常私たちがよく口にする野菜ばかりですね。これらの野菜を「指定野菜」と言います。指定野菜とは、農林水産省が、特に消費量の多い野菜として定めたもので、品目ごとに一定規模の産地を「指定産地」とし、価格が下落した場合に国が生産者に補給金を出して生産量を確保します。このたび、1974年のジャガイモ以来、約半世紀ぶりに、15品目目として「ブロッコリー」が国民生活に欠かせない野菜として「指定野菜」に追加されたのです。2026年度から適用されます。

 

指定野菜を作る農家は、国から守られる形になるので、参入農家も増えて、結果的には、市場に多く出回るようになり、消費者には安く提供されるようになります。

 

皆さんの「ブロッコリー」のイメージはどうですか。保育園の給食でも頻繁に登場します。日本の人口は、減少に転じているので、野菜の生産量もじわじわと右肩下がりになっています。しかし、ブロッコリーは、過去10年で3割も出荷量が増えているそうです。ちなみに、都道府県別生産量ベスト3は、1位北海道で、2位には、我らが埼玉県で、3位には愛知県と続きます。埼玉産のブロッコリーが全国に出荷されているようです。

 

私が小学生くらいの頃に、野菜では「ブロッコリー」、果物では「キウイフルーツ」が、珍しい野菜&果物として、登場した印象があります。母親からは、カリフラワーよりもブロッコリーのほうが、栄養があるので、どんどん食べなさいと、よく言われていましたね。カリフラワーのポジションは、ブロッコリーに取って代わったのです。

 

ブロッコリーは、茹でてマヨネーズで食べるだけでもおいしいですね。高タンパクで、低脂質・そして豊富な栄養素がいっぱいで、野菜の王様と言われています。みなさんは、どんなレシピでブロッコリーを食べていますが。我が家で飼っているネコも、ブロッコリーが大好きです。ダッシュで食べにきます。(笑)

2024年

1月

28日

不適切にもほどがある

宮藤官九郎脚本・阿部サダヲ主演で、史上最低の視聴率とうたわれた大河ドラマ「いだてん」と比較されて、今年の大河ドラマ「光る君へ」は、それに迫る勢いと揶揄されていますが、令和の時代に20%を超えるような高視聴率を求めること自体、無理な話ですね。モノサシが全く違います。まさに、現代は多様性の時代ですので、テレビを観ない若者が多くなりました。1人暮らしをしている私の次女の家にもテレビはありません。YouTubeなどオンラインの配信があれば十分なのです。

 

でも、私を含め、昭和バリバリ世代は、やっぱりテレビを観ます。新番組のドラマ「不適切にもほどがある」では、昭和の迷場面がたくさん出てくるようだったので、楽しみに初回の放送を観ました。100%娯楽作品として笑いに浸ろうと思っていたのですが、とんでもありません。令和の今を考える深い番組だったのです。

 

クドカン&阿部サダヲのコンビが、最も得意とするシチュエーションですね。

 

ファーストシーンから「おい!起きろブス!盛りのついたメスゴリラ」「うるっせいなあ!クソじじい!」「うるせいよ、クソチビ!」と、父と娘の不適切なセリフの応酬です。公共交通機関や学校の応接室で、プカプカとたばこを吸い、野球部のシーンでは、「ウサギ跳び1周」「水を飲むとバテル」「連帯責任のケツバット」と、今の科学的なトレーニング方法とは真逆のシーンに、私は「懐かしい!」と思ってしまいます。昭和のやり方からでも多くのプロ野球選手は生まれましたが、大リーグへの道を切り開いた野茂英雄や、世界の大谷翔平にはあり得ない光景です。

 

設定は1986年です。私は、大学生として就職活動をしていました。学生時代に、先輩に意味なく「個人面談」と呼び出され、意味なく「ケツバットだ!」とバットでケツを強打された恨みを、夏合宿最終日の夜の宴会で酔ったふりをして、その先輩をサソリ固めでやっつけたことは言うまでもありません。長州力の必殺技です。(笑)

 

喫煙については、今では「全車禁煙」が当たり前ですが、当時の電車は、禁煙車両が一両あったくらいです。タバコを吸わない人がカッコイイと言われるのは、まだまだ先の事でした。

 

こんな感じで、笑いながらドラマを見ていたのですが、最後の方で、考えさせるシーンが現れます。阿部サダヲのセリフですが、「頑張れって言われて、会社休んじゃう部下が同情されてさ、頑張れって言った彼が責められるって、何か間違ってないかい?だったら彼は、何て言えばよかったの?」「何だよ寄り添うって、ムツゴロウかよ。そんなんだから時給あがんねーし、景気悪いんじゃねーの?挙句の果てにロボットに仕事取られてさ」「こんな未来のために、こんな時代にするために俺たち頑張って働いてるわけじゃねぇよ!期待して、期待に応えてさ、叱られて励まされて頑張って、そうやって関わり合って強くなるんじゃねの?」

 

時代の流れというのは、過去をすべて否定して、新しいものを作り上げるのではありませんね。過去のいいところを残しながら、新たに変えなくてはいけない部分を作っていくような気がします。そう考えると、このドラマは、ざっと9割くらいは笑って楽しむのですが、1割は、昭和のいいところを令和でも引き継いでいかねば・・・を探す楽しみもありますね。

 

保育園ホワイトきゃんばすの園長は民間企業で働いていましたので保育園畑出身ではありません。でも、過去から続く保育園で決してなくしてはいけないことを保育園畑を経験した先生たちから学びます。でも、「これって本当に必要?」を変える決断をしやすいのは、保育園畑出身でないからです。

 

この「不適切にもほどがある」のドラマ・・・昭和って、本当に変だなぁ?と大いに笑いながら、「昭和から学ぶこともあるんじゃないの」という視点で観てみませんか。

2024年

1月

27日

ケンカは、子どもの成長のチャンス

今日の屋上は、強風です。小学生は、迷わず凧あげをチョイスします。走ることなく、簡単に大空を舞ったのはいいのですが、風が強すぎて、凧が崩壊してしまいました。(笑)

 

さて、2022年の国民生活基礎調査で、初めて全世帯に占める児童(18歳未満の未婚)のいる世帯の割合が20%を割り込み、18.3%となったそうです。今から38年前の、1986年には、児童のいる世帯の割合が、ほぼ半数だったことを考えると、少子化だけでなく、家族の在り方も大きく変わったと言えますね。

 

さらに、きょうだいのいる世帯も大きく減少しています。20年前の2004年までは、一人っ子より2人兄弟の世帯の方が多かったですが、現在は、2人、3人きょうだいを合わせても、一人っ子のいる世帯とほぼ同数の割合だそうです。ホワイトきゃんばすの場合は、一人っ子世帯の割合は44%です。

 

保育園、幼稚園、小学校では、生活空間や時間の共有により、葛藤や軋轢(あつれき)が多く、それがケンカへと発展していきます。同時にそれらの密な関係性の中で、仲直りや解決の方法が作られたり、ルール化されたりしていきます。ケンカをしながら対人関係や人との距離感、そしてケンカしなくても済む方法などが磨かれていくのです。AIなら、最初に「ケンカをしないためには」という結論を出してくれるでしょうが、人なら、まずはケンカを経験してから学んでいくのです。

 

保育園では、それらは承知の上ですので、子どもたちのケンカが始まると、「成長につながるだろう」と安心したりもします。ただし、0~2歳児と寺子屋園児では、ケンカの質が異なります。乳幼児は、おもちゃを取られたり、自分がいた場所に他の人がいたりした時に、自身の欲求や思いが満たされず、手が出るのです。

 

それが、年長クラスになると、自己の思いと相手の思いのズレや違いに対する対立や、正義を貫く戦いです。双方にそれなりの正義が存在することが多いですね。それを、当事者同士で折り合いが着けられるようになると、うれしいですね。保育園では、なかなかこのレベルにはたどり着きませんが、まずは、相手に「イヤ」と伝えることが大事です。

 

「自分が嫌と思ったら、イヤ!やめて!と言うんだよ」とよく子どもたちに言いますが、先日は、ちょっと前までは赤ちゃんだった1歳の女の子が、「やめて!」と叫んだときはビックリしました。

 

大人のケンカは、一歩間違えると取り返しのつかないことになりますが、子どものケンカは「成長のチャンス」と、私たち大人は、肯定的な視点を持つことも必要ですね。

2024年

1月

26日

秘密基地「らぼる」

昨日参加した、「小学校は楽しいよ の会」について、保護者からの反響が大きかったですね。「家に帰るまで、ずっと、小学校での話をしていた」「楽しかったと嬉しそうに話してくれた」「このような企画を考えてくださった宮前小学校に感謝したい」などなど、小学生になる年長園児と同じくらい、保護者も「小学校生活大丈夫かな?」と不安に思っているので、あらためて、有意義な時間となったようです。

 

さて、人間には、偏差値やテストの点数のように数値化できる力だけでなく、協調性やリーダーシップなど数値化しにくい力も備わっています。これらは、「非認知能力」と呼ばれ、他人と関わり合いながら生きていく上で大切な力とされています。

 

最近は、「非認知能力」という言葉が、ずいぶんと浸透されてきました。このブログでも、何度も話をしてきました。そんな非認知能力を伸ばそうと、独自の授業を行っている専修大付属高校の話です。

 

この高校では、非認知能力を高める選択科目があり、その科目の名前は「秘密基地『らぼる』」です。経験したことがないことを実験するという意味を込め、実験室を意味する「ラボラトリー」から名付けられたそうです。ある授業のテーマは「やりたいことを実現させるためには」です。

 

非認知能力の育成に関する著書がある岡山大の中山教授によると、非認知能力とは客観的数値では測定できない能力総称で、向上心や共感性、忍耐力などが含まれる。AI(人工知能)と人間が関わる社会では「人間だから求められる能力」として、幼児教育や学校教育などで関心が高まっていると言います。非認知能力は、AIでは対応できませんね。

 

専修大付属高校で、「らぼる」が始まったきっかけは、卒業生の言葉だったそうです。「高校で学んだことが大学で役に立たない」つまり、高校までは生徒は受け身でも通用するけど、大学生活やアルバイト、就職活動などでは、主体性やコミュニケーション力が求められる。「従順でまじめな『いい子』ほど、卒業後につまずくことが多い」のです。

 

「らぼる」の授業で大切にしてるのは、気兼ねなく意見を言い合える雰囲気だと言います。それがなければ、生徒は批判を恐れて発言しづらくなり、自発的に取り組む意欲がそふがれるのです。そして、その雰囲気作りに大きな役割を果たすのが、卒業生のサポートだそうです。大学生や社会人が参加し、生徒の議論の輪に加わります。教師と生徒は、どうしても上下関係が生じますが、年齢が近い卒業生とは、『斜めの関係』が築けて、発言しやすい雰囲気につながっているようです。

 

この「らぼる」を受けた生徒は、受けなかった生徒と比較して、「考えの違う人とうまく付き合う力」や「トラブル処理力」などで、差が出たという研究結果もあるようです。

 

「らぼる」の話は、高校生の話ですが、非認知能力を身に付けるためには、幼児教育からが大事になってきます。友だち同士でケンカをし、自分の思い通りにならないことをたくさん経験し、また、一緒に遊んで、考えて、協力して、励まし合う経験が大事になってきます。

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、子どもたちに「自分で考えて自分で答えを出せる人」になって欲しいと願っていますが、それには「非認知能力」は欠かせません。そして、社会に出ても自分らしさを発揮し、他者の魅力も引き出せるような人を育てたいですね。

2024年

1月

25日

「小学校は楽しいよ」の会

年長園児が、朝からわくわくしています。「小学校ではどんなことをするんだろう!?」という気持ちでいっぱいです。今日は、さいたま市立宮前(みやまえ)小学校で、年長園児がお招きいただき、「小学校はたのしいよ の会」を開いてくれました。

 

保育園ホワイトきゃんばすを含む近隣の幼稚園、保育園6園の年長園児が集まりました。小学校の生活や学習について、現役の小学校1年生に教えてもらいながら、楽しい時間を過ごすという内容です。

 

ホワイトきゃんばすから宮前小学校までは、園児の足で20分くらいです。散歩にはもってこいの距離です。宮前小学校に到着すると、校庭にある「つきやま」というタイヤを使った遊び場や、ウサギ小屋を見ながら過ごします。すると、休み時間になった1年生が、校庭に出てきました。その中に、ホワイトきゃんばすの卒園児の男の子がいて、園児たちは、いきなり大盛り上がりです。

 

そして、いよいよ1年4組の教室に向かいます。1年生が使用している机に座って、その横には、机の持ち主である1年生が付いてくれました。マンツーマンでのフォローです。まずは、手作りのメダルが首にかけられました。ひまわりのデザインですが、「ひまわりの花びらの数をかぞえてみよう」となります。ここは算数です。そして、「小学校は楽しいよ の会」がスタートしました。

 

「はじめのあいさつ」は、1年生が掛け合いで年長園児たちの緊張をほどいてくれます。司会2名の自己紹介が終わり、「ランドセルを背負ってみよう!」「ランドセルの中の教科書を机の中にしまってみよう!」「体操着をたたんでみよう!」を実際にやってみます。隣の1年生にやり方を教えてもらいながら、園児たちは、とても楽しそうです。

 

1年生から、歌のプレゼントがありました。宮前小学校の校歌と「さいたま市のうた」です。市歌は、さいたま市在住の「タケカワユキヒデ」さんが作曲した曲です。

 

そして、1年生の感想がありました。「体操着をたたむのもしっかりできていて凄かったです」「小学校は楽しい所だから、待ってるね」・・・今度は、年長園児に感想を聞いてみます。何人かの園児が手を挙げます。4人ぐらい連続で「楽しかった!」という感想が続いたのですが、ホワイトきゃんばすの女の子が、「今日は、1年生に色々なことを教えてもらいました。ありがとうございました」と感謝の意を伝えたのです。素晴らしい発言に、私は、心の中でガッツポーズです。(笑)

 

この企画は、宮前小学校の1年生の担任の先生の発案で、昨年末に、わざわざ保育園ホワイトきゃんばすにお越しいただき、案内を承りました。素晴らしい企画に、即決で「是非とも参加させていただきます」となったのです。

 

保育園、幼稚園から小学校入学については、大きな環境の変化に、戸惑う子どもたちが毎年多く発生します。不安いっぱいの年長園児が、「小学校って楽しい所だね」と思うだけでも、今回の取り組みは大きな意義があります。この企画を校長先生にプレゼンした○○先生には、感謝ですね。

 

本日参加した、11名の年長園児たちは、おうちに帰って、マシンガントークのごとく、ママやパパに今日の出来事を話すことでしょう。小学生になる自覚が、ますます大きくなっているようです。

2024年

1月

24日

卵の力

屋上では「やった!○○ちゃんよく頑張った!」「凄いぞ!」「ずっと乗ってる・・・ビックリしたよ」「おめでとう!・・・」などの言葉が飛び交い、大きな拍手が起こりました。3歳の女の子が、自転車に乗れるようになったのです。これで、3・4・5歳児の寺子屋園児25名全員が自転車に乗れるようになりました。今年度末まで、あと2か月を残して、今年度も寺子屋園児全員が、自転車免許証交付という快挙です。今日は、園児全員、麦茶で乾杯です。(笑)

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、異年齢でのかかわりの中で、年少でも自転車に乗れるようになるのが当たり前になっていますが、冷静に考えると、補助なし自転車に乗れるようになる平均は、小学校1年生ですので、いかに凄いことかおわかりいただけると思います。はい。これは、子ども同士の影響力による偉業です。

 

さて、今日の話は、私が子どもの頃から親しんだキューピー人形の、3分間クッキングは今でも続く長寿番組。そうです・・・キユーピーについて語ります。1925年に日本初のマヨネーズを作ったのがキユーピーです。マヨネーズで知られるキユーピーは、年間約42億個の卵を使って様々な商品を販売しています。でも、子どもたちにとって、卵アレルギーは避けられない問題ですね。保育園でも、今まで何人かの園児へ、卵を除去した給食を提供してきました。キユーピーは2013年にアレルギー低減卵の研究を始めたそうです。

 

ここまで読んで何か気がつきましたか。キユーピーのユの字が小文字ではないですね。知る人ぞ知るですが、正式名称は、キューピーではなく「キユーピー」です。デザイン上の理由だそうです。崎陽軒のしゅうまいを「シウマイ」と呼ぶのと似ていますね。

 

私たちの食卓に当たり前にある「卵」ですが、料理をする時に、たいがい殻は捨ててしまいますね。しかし、卵は捨てるところが一つもなく、キユーピーでは100パーセント有効活用しているそうです。黄身はマヨネーズに、卵白はお菓子やかまぼこ、膜は化粧品やサプリメントに使用し、年間2万8千トンも出る殻は、肥料やタイヤの滑り止め、壁などの建築資材に使われます。殻には多くのカルシウムが含まれているので、お米に混ぜて一緒に炊く商品も販売しています。卵の研究を追求するキユーピーでも、卵に含まれる未知なる素材の研究は、まだまだ続くようです。

 

昔、鶏は木の上で生活をしていて、巣から卵が落ちないように、あえて、あの卵形に産んでいると言います。どうですか・・・何だか、今まで以上に、卵を丁寧に扱わないと!と思いましたか。

 

物価安定の優等生として、よく卵が取り上げられますが、昨年は、鳥インフルエンザ問題で卵の値段が高騰しましたね。ここにきて、少し落ち着きましたが、私たちの食生活に欠かせないのが卵です。

 

私がかつて勤務していた菓子メーカーの看板商品の一つが、「カスタードプリン」です。原料は「卵・牛乳・砂糖」だけです。プリンが固まるのは卵の力です。日持ちをさせたり、原価を抑えるために、原材料表示に色々なものが入っているプリンはスーパーなどでは多く見られますね。

 

このシンプルな原料で、抜群においしいカスタードプリンは、全国津々浦々、かなりの数量に及びますので、工場ではライン化していますし、卵の殻を1つ1つ割って作っていません。パックに入ったキユーピーの卵黄を使用しています。この卵がおいしさの秘密でもあります。

 

今日の買い物では、「卵」を意識してくださいね。

2024年

1月

23日

進化するレトルトカレー

今日の年長お昼タイムは、お掃除の練習です。紙のちりくずを床にまいて、実際にほうきとちりとりを持って、ゴミを集めます。小学生になって、ほうきでゴミを散乱させないように、しっかり練習です。

 

さて、みなさんの昨日の夕食は何でしたか?我が家はカレーライスでした。たいがい鍋にいっぱい作るので、今日は2日目のおいしいカレーを食べることになりそうです。もちろん、スパイスにこだわって・・・ではなくて、市販のルーを使います「○○〇バーモンドカレー」ですが、とてもおいしいですよ。

 

お正月のお節料理に飽きたころに、無性に食べたくなるのがカレーライスですね。「おせちもいいけどカレーもね」と昭和の時代に西城秀樹さんがカレーCMで叫んでいました。そんなカレーですが、今ではレトルトカレーがかなり進化しているようです。

 

世界初の市販用レトルト食品、大塚食品の「ボンカレー」が誕生したのが1968年です。もう50年以上前になります。1972年に「3分待つのだぞ」という笑福亭仁鶴さんのCMで一気に食卓に広がりました。最近まで、レトルトカレーと言えば「なんだよ・・・レトルトかよ!」なんて思っていた人が多いかもしれませんが、今では、スーパーや食料品店の棚には、有名店とのコラボ、ご当地カレー、高級食材を使ったもの、エスニック風のものから、近年人気のスパイスカレーまでさまざまな種類のレトルトカレーが並んでいます。こうなると、これまでは保存食、非常食的存在だったレトルトカレーが、今は日常食になっている感覚です。ものによっては、高級カレーです。最近では500円を超えて1000円前後の物が人気で、「あのお店のカレーがレトルトに!?すごい!」という時代になっています。

 

我が家もそうですが、家族で食べるカレーは、鍋でたくさん作ったものをみんなで食べるものでした。それが、2017年にレトルトカレーの購入額とカレールーの購入額が逆転したのです。これは、ルーの需要が減ったのではなく、レトルトの購入額が増えたということです。カレーの孤食化もも進むのですが、家族がそれぞれ好きなカレーを選んでシェアしたり、最近流行のあいがけにしたり、新しい楽しみ方が出てきているようです。

 

やはり、日本人の多くが「カレー大好き」人間なので、これからも、さらにレトルト含めて、カレーの魅力が広がっていくような気がしますね。

2024年

1月

22日

「かるた」は遊んで学べる芸術品

保育園には、「こびとかるた」と「妖怪かるた」があって。子どもたちが自由に使っています。読み手も園児がやるので、読み手も含めて、楽しみながら、ひらがなを覚える、絶好のツールとなっています。

 

今日は、お昼の年長勉強タイムに、新たに「恐竜かるた」をデビューさせて、楽しみました。読み聞かせの絵本にも恐竜はたくさん登場するので、子どもたちは、恐竜の種類をよく知っています。白熱の戦いとなりました。見事優勝した年長女子に「どうしたら、かるたで勝てるようになれますか?」と質問すると、「少し離れたところから、全体をよく見ていれば、取れるようになる」とのことです。大人になると、ヤマを張らないと、すばやく手が動きませんが、子どもの反射神経は大したものです。

 

ある小学校の教員は、かるたが大好きで、気がついたら800種類も集めたそうです。集めたかるたは、小学校の授業などに取り入れ、百人一首以外にも昆虫や食育などの多様なテーマのかるたを教え子に触れさせています。「短くリズムの良い文章で、美しい日本語の響きや、さまざまな知識を楽しく吸収できる」と言います。例えば、歴史を学ぶときは、太平洋戦争中に作られたかるたを使い、戦時下の社会の様子を伝えます。「愛国いろはかるた」の「い」の読み札には、「イセノカミカゼ テキコク コウフク(伊勢の神風 敵国 降伏)」と戦意高揚の言葉が並びます。また、戦時下のかるたは紙質が悪く、厚みもないことも、子どもたちに気付いてほしいそうです。

 

日本のかるた文化は、平安時代からの上流階級の遊び「貝覆(かいおおい)」と、16世紀後半にポルトガルから伝来したトランプに近い「カルタ」が融合して生まれたと言われています。「貝覆」とは、二枚貝を別々に分けて、和歌の「上の句」と「下の句」や挿絵などを書き、ペアを探し出すという遊びです。平安時代末期から鎌倉時代頃に遊びとして始まり、後に「貝合わせ」と呼ばれるようになったそうです。

 

戦後は、復興を目指し、地元の文化などを学べる郷土カルタがブームとなりました。1947年に制作された「上毛かるた」はその代表例です。群馬県の人たちは、老若男女問わず、上毛かるたを暗記しています。

あ 浅間のいたづら・・・とくれば、下の句の「鬼の押し出し」がすぐに出てきます。

い 伊香保温泉・・・なら、下の句「日本の名湯」です。

こんな感じで、群馬県民は、郷土愛が強い県民となったのかもしれません。

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、今後も「遊んで学べる芸術品」である「かるた」をしっかりと学びの手段として活用していきます。

2024年

1月

21日

さいたまヨーロッパ野菜研究会

自分が住んでいる街のいい所を見つけるのは、なかなかいいものですね。埼玉県は、一番ではないけど、讃岐うどんの香川県に次いで、全国2位のうどん県でもあります。そして、私が住んでいるさいたま市は、これまた一番ではないですが、パスタ・チーズ・ワインの一世帯あたりの購入量は、全国平均を大きく上回り、外食での洋食比率も高いのです。

 

そんなさいたま市の自慢の一つに、「さいたまヨーロッパ野菜研究会」があります。さいたま市内で、現在13軒の農家が、年間約70種類のヨーロッパ野菜を生産、出荷しています。さいたま市内のイタリアン・フレンチをはじめとする洋食レストランから「新鮮なヨーロッパ野菜が欲しい!」という声に応え、若手農家グループ、地元シェフ・トキタ種苗(株)、食料品卸会社などが協力して、ヨーロッパ野菜の地産地消を実現しています。2013年に発足したので、かれこれ10年になります。

 

ヨーロッパ野菜は思い浮かびますか。ビーツ・ズッキーニ・ケールなどは、一般のスーパーでも見ることができますね。やけに平らで大きい「平さやいんげん」やカリフラワーをステック状にした「カリフローレ」はよく見ますね。茎の部分はアスパラガスみたいな味がします。「白なす」は、ホワイトきゃんばすファームでもこの夏トライしました。猛暑で、5本ぐらいしか収穫できませんでしたが、『トロナス』と言われるように、とてもおいしかったです。

 

さいたまヨーロッパ野菜研究会の取り組みは、行政も巻き込んでいます。さいたま市内の小中学校では、ヨーロッパ野菜を使った給食が人気だそうです。ミネストローネが出ると完食です。学校菜園でもヨーロッパ野菜を栽培し、給食で食べる小学校もあるようです。また、小学校の社会科副読本にも「ヨーロッパ野菜」が登場します。毎月1月には「さいたま市長杯さいたまヨーロッパ野菜料理コンテスト」が開催され、県内の若手シェフたちの登竜門となっています。今年は、本日最終審査が行われるようです。

 

先日、岩月の人形会館に行った時に、同じ敷地内に「ヨロ研カフェ」というおしゃれなショップでランチを食べたのですが、そこで初めて「さいたまヨーロッパ野菜研究会」の存在を知りました。ヨーロッパ野菜研究会を「ヨロ研」と略すそうです。

 

みなさんが住んでいる街には、まだまだ知らない「自慢できるモノやコト」があるかもしれませんね。

2024年

1月

20日

だでうめぇ!!北のハンバーグ

本日登園した4歳&2歳の姉妹園児のママは、教員で小学校1年生の担任です。今日は、学校公開で授業参観があったそうです。子どもたちの発表会ということで、何と80人の保護者が集まり、教室は大人でギューギューです。土曜日ということで、両親そろってやおじいちゃんおばあちゃんまでも孫の姿を見に来ました。子どもたちの発表に、うるうるする保護者の姿もあったそうで、4月には「小学校生活は大丈夫かな?」で始まった我が子が、大勢の前で発表できるところまで成長した姿を見たのです。

 

私の経験上、1年生の授業参観が、もっともギャラリーが多くて、6年生になるとチラホラにまで数が減っていきます。是非とも、親には、我が子の6年間の成長を見守って欲しいと思いますね。

 

さて、商業高校の生徒らが、地域の特産品を使って企業と開発した商品の全国一を競う「商業高校フードグランプリ」で、昨年見事に最高賞の文部科学大臣賞に選ばれたのは、北海道函館商業高校の商品でした。「だてうめぇ!!北のハンバーグ」です。

 

第10回大会は、全国23校からの応募があったそうです。最高賞を受賞した函館商業高校は、幅広い世代に人気のハンバーグで商品開発を行いました。ジャガイモでボリュームを持たせ、柔らかい食感にするために豆腐を混ぜるなど、独自の工夫があったようです。

 

本選のプレゼンで、綿密な市場調査の結果を発表し、開発経緯を説明します。消費者のコストパフォーマンス重視の傾向などを踏まえて、価格を設定します。廃棄率の削減やフードロスの解消に向け、賞味期限を21日間にしたようです。

 

実は、この北のハンバーグは、先輩たちの代から3年かけて開発した商品で、すでに、1年間で3万7千パックを出荷したそうです。1パック270円です。パッケージはとてもインパクトがあり、写真はステーキのようなイメージです。「函商生コラボ」と明記されているので、何だか応援したくなるような気になりますね。

 

今回23校の商業高校がフードグランプリに参加したわけですが、商品開発には、民間企業の力を借りないといけません。マーケティング含め、高校生にとっては、1つの商品が発売されるまで、多くのことを学んだに違いありません。社会出て、すぐに役に立つスキルですね。

2024年

1月

19日

キャッチボール

今年もいただいた年賀状の「お年玉くじ」の当選番号があるかどうかを確認しました。いただいた年賀状は、お正月に一度読んで、お年玉くじの時にもう一回目を通します。そして、12月の年末に翌年の年賀状を書くときに、もう一度読むので、少なくとも3回年賀状には目を通すことになります。「年賀状じまい」は、今年は2通ありました。年賀状にある一言メッセージが、ずっと会っていない相手との言葉のキャッチボールです。「元気にしているようだな・・」と安心する時間です。

 

さて、昨年末から大谷翔平選手のグローブが届き始めました。3月末までには、全国の小学校に左利き用1個を含めて3個のグローブが届きます。合計約2万個です。各小学校では、この3つのグローブをどう使うかで、話し合いも始まったようです。この話し合いは、まさに言葉のキャッチボールになりますね。

 

大谷選手は、このグローブで「キャッチボールしようぜ!野球しようぜ!」のメッセージを送りますが、子どもたちの中には、初めてグローブをはめた子もいるかもしれません。キャッチボールが続くためには、ボールを相手の取りやすい所に投げることが必要です。とんでもない所に飛んだときは「ごめん」の言葉があると、うれしいですね。

 

昨日、保幼小の会議で訪問した小学校の「ボールクラブ」の顧問と話をしました。ホワイトきゃんばすの卒園児で、小4の男子が「先生・・・ドッジボールで、6年生の顔にボールを当てちゃったんだけど、謝っておいた方がいいかなぁ~」との話があったそうです。「もちろん、○○君の口でちゃんと謝った方がいいなぁ~」と答え、彼はきちんと「ごめんなさい」を伝えることができました。素敵な言葉のキャッチボールができたようです。

 

保育園の年長園児は、お昼の勉強タイム(勉強以外のことをやっている事が多いですが)に、耳を傾けると、様々な言葉のキャッチボールが行われています。勉強を教える声であったり、好きなキャラクターの話だったり、それは色々ですが、子どもたち同士で考えを深め、友だちとの考え方の違いも知ることになります。やがて、この子たちが大人に成長する過程で、SNSがどんな進化になっているかわかりませんが、誹謗中傷がなくなることはないでしょう。相手の顔を見ながら言葉のキャッチボールをする力を育てることが、必要だなぁ~とつくづく思う次第です。

 

子どもたちの会話に耳を傾けながら、その会話に介入しすぎないように、できるだけ子どもたち同士で話し合いを完結させるように見守りたいですね。大谷選手の豪快なプレゼントは、野球のキャッチボールだけでなく、「言葉のキャッチボールもたくさんやって!」というメッセージとして受け止めたいですね。

2024年

1月

18日

キャッシュレス募金

昨日、石川県輪島市の中学生258人が白山市内の県内施設に集団避難しました。また、21日には、珠洲市、能登町の中学生で、保護者が同意した生徒144人が、金沢市内の施設に集団避難するそうです。教員や職員が、施設内で授業を行います。予定は約2か月です。突然、今まで通っていた中学校に行けなくなり、大変な状況ですが、この経験をきっとプラスに活かせるよう、願うばかりです。

 

そして、保育園では、本日から保幼小連絡会議がスタートしました。4月に小学生になる年長園児が通う小学校に行き、1年生の授業参観に出席しました。あるクラスは「せいかつ」の時間で、「もうすぐ2年生になるけど、4月からやってくる新1年生にどうすれば喜んでもらえるか?」の授業でした。「パソコンを教えてあげる」「折り紙でパックンちょを作ってあげる」「学校探検をしてあげる」「一緒にお絵かきをする」「何かプレゼントをする」などの意見がありました。昨年4月に入学した1年生は立派に成長しています。

 

さて、「赤い羽根共同募金」をしたことがありますか。私のイメージでは、子どもたちが箱をもって街頭で募金活動をするイメージです。ところが、神奈川県共同募金会は、スイカなどの交通系ICカードで募金ができるそうです。

 

もともと、寄付金額については、日本と欧米との差は大きくて、2021年寄付白書によると、2020年のアメリカでの個人寄付は約34兆6000億円で、日本の1兆2126億円と比べると28倍です。人口数の違いを考えても、日本の個人寄付額は少ないのが現状です。

 

欧米では、キリスト教によるチャリティー活動が盛んで、幼少期から日常生活における寄付活動が根付いています。また、アメリカでは日本とは異なり、個人所得を個人の責任で確定申告する義務があり、そのための寄付控除制度も浸透しています。

 

日本人は、「寄付金がちゃんと使われているのか?」と疑っている人が多く、寄付が広がらない要因にもなっています。そこで、クラウドファンディングなど、寄付の「見える化」が、寄付金額の増加に効果を発揮しているようです。

 

今回の能登半島地震には、多くの芸能人やスポーツ選手からの寄付がありましたが、一般の人々もデジタル化によって寄付先の活動を手軽に確認できるようになってきたのです。

 

近年、個人寄付の後押しとなったのが、自治体に寄付をする「ふるさと納税」です。私の長女も長男もふるさと納税を活用しているので、「なんかカニが届いたぞ!」と私が大騒ぎすると、返礼品だったりします。現状は、返礼品目当てのふるさと納税が主流ですが、返礼品目当てではない寄付に積極的に取り組む自治体が現れているようです。

 

長野県では、原則として返礼品を送らない直営サイト「ガチなが」を開設したそうです。サイトには、山岳避難防止やライチョウの保護など、長野らしい事業が並び、開始から9か月半で約9000万円を集めたそうです。

 

どちらにしろ・・・時代はキャッシュレス募金にシフトしており、日本人の個人寄付活動も活発になっていくようですね。

2024年

1月

17日

ドムドムバーガー

現在大相撲初場所が行われていますが、昨日の寺子屋では「ホワイトきゃんばす初場所」を行いました。私が小6の時の担任が、大の相撲好きで、年に4回ほど、通常の授業をつぶして、丸々1日「相撲大会」をやってくれました。ちゃんと15日分の取り組みがあります。私は「置大蛇(おきおろち)」というしこ名で横綱を張っていました。(自慢)

 

そして、保育園の子どもたちも相撲が大好きです。年長園児は6歳男の子が絶対王者で、昨日は一度も負けませんでした。元横綱の園長VS子どもたちの戦いは、押し倒しで園長の負けです。(笑)

 

さて、日本で一番古いハンバーガーショップはどこか知っていますか?

 

マクドナルド・モスバーガー・ロッテリア・・・どれも違います。マクドナルドよりも1年早い1970年に、日本最古のハンバーガーチェーンが誕生していました。その名は「ドムドムバーガー」です。ドムドムバーガーを知っている人は、たぶんバリバリの昭和人間ですね。(笑)

 

私が小学生の頃に、近くのダイエーでよく食べました。とにかくポテトがおいしくて、親におねだりして、よく食べていました。ドムドムバーガーは、もともとダイエーの子会社として設立され、当時のダイエー企業理念「安い品をどんどん安く」から最初は、ドンドンバーガーという名前を予定していましたが、ドンドンはすでに商標登録してあったので「ドムドム」になったそうです。

 

1990年代には全国に約400店舗があったそうです。現在マクドナルドは全国に約2900店舗あるので、今のマクドナルドの1/7と考えると、なかなかの店舗数でした。しかし、ダイエーの凋落とともに、経営不振が続き、親会社も変わり、現在は全国に29店舗ほどの、超レアなハンバーガーショップです。保育園ホワイトきゃんばすがある埼玉県には店舗はなく、一番近いショップは、赤羽(東京都北区)です。

 

そんなモスバーガーの社長に2018年、藤﨑忍(ふじさきしのぶ)さんという女性が就任すると、流れが変わります。1個900円もする「丸ごと!!カニバーガー」のようなインパクトのある商品が出てきたり、ドムドムバーガーのゾウのキャラクターの商品化などを異業種とタイアップするなど、盛り返しているのです。

 

あのレトロ遊園地、浅草花やしきの中には、この「ドムドムバーガー」があります。浅草コロッケバーガーという限定バーガーが人気だそうです。

 

ドムドムバーガーは、とっくに消滅したと思っている昭和世代のあなた。また、ドムドムバーガーを知らない平成世代のあなた。もう覚えましたか。「ドムドムバーガー」を一度は食べてみてください。私も食べたくなりました。(笑)

2024年

1月

16日

森の教室

今日は、今シーズン初めて屋上に氷が張りました。カメ池に氷を発見した園児が大騒ぎです。「園長先生!大変だ。氷ができている!」また、天然のスケートリンクもできていました。スケートリンクといっても、1.5メートル四方のスペースですが、子どもたちは、氷の上で大はしゃぎです。

 

パソコンやスマホで、氷の映像など、いつでも見ることができますが、今日保育園の子どもたちが見て触った氷は、デジタルでは得られない「本物」です。そんな、本物に触れる教育に関心が高まっています。

 

長野県にある伊那市立伊那西小学校での「森の教室」は、とても魅力的です。

 

野鳥のために準備した、ヒマワリの種などをラードで固めたエサ「バードケーキ」が吊るされています。「バードケーキを食べに、鳥は来ているかな」と理科の先生が問いかけます。「わからないよ~」「じゃあ、鳥が来たか調べよう。刑事になったつもりで、証拠を集めて着て」と促します。木の下にしゃがみこんだ子どもたちは、バードケーキのかけらや、ヒマワリの種を見つけ、「あった、あった」とタブレット端末で撮影し、ピンセットでシャーレに集めます。「種が割れていたのは、中身だけ食べようとしたからじゃないかな」など、子どもたちの推理が進みます。

 

また、「ゴムの力」の授業では、一般的な学校では、「教材キット」を使い、ゴムを何センチ引くとおもちゃが何センチすすむかを測る実験をします。しかし、この学校では、Y字形の木の枝にゴムを張り、パチンコを制作します。弾はドングリです。何度も飛ばすうちに、「ゴムを大きく引いたほうが遠くまで飛ぶ」ことを学びます。デジタル化が進んでも、それが本物かどうかは、本物を知らないと分からない。子どもたちが、本物に触れる価値は、ますます上がると校長は言います。

 

テレビや教科書を見るのではなく、実際に自分の手を使って勉強することで、子どもたちの記憶に深く残ることは間違いないですね。

 

理科室でアルコールランプを使う代わりに、学校林で材木を燃やして湯を沸かしたり、国語の授業の読み物「くじらぐも」は、学校林で雲を眺めながら音読をする。雨が上がった後に、クモの巣についた水滴がキラキラ輝く美しさを感じる・・・まさに、子どもたちは自然にあるものを感じ取る力を育んでいるのでしょう。

 

ホワイトきゃんばすでは、長野県の伊那のようにはいかなくても、屋上遊びで子どもたちの5感は、大きく伸びていると思っています。冬の屋上で、たくさんの自然を子どもたちと感じてみることにします。

2024年

1月

15日

うんち博士

お昼の勉強タイム・・・雑巾しぼり選手権を行いました。絞った水の量が多い園児が勝ち上がっていきます。小学生になると、給食を食べ終わってからの掃除タイムがあります。ここで、まともに雑巾が絞れない子が多いとのこと。理由は簡単で、普段やったことがないからです。勝ち抜き形式にすると、子どもたは燃えるようで、しっかりと絞ることができました。

 

さて、今日は「うんち」の話です。その前に、現在小中学校のトイレにどれだけの和式トイレがあるかご存じですか。文部科学省の調査では、昨年9月時点で、全国の公立小中学校にあるトイレ約133万個のうち、3割に当たる約42万個が和式だそうです。小学校入学までに、和式便所の利用経験が全くない子もいます。約3割をすぐに洋式トイレにするのは難しいので、子どもたちに「和式便所の使いかた」を教える必要がありますね。

 

福島県白河市の市立表郷(おもてごう)小学校には「うんち博士」がいるそうです。正体は、養護教諭の鈴木さんだそうで、うんちから子どもたちの健康を考える面白さにひかれ、排便教育を定期的に行っているそうです。

 

イラストを使って、児童に自分のうんちがどれに近いか尋ねます。体の調子がいい時に出るのは「バナナ」の形に似ているなどと説明します。快便のコツは「朝にコップ1杯の水を飲む」「好き嫌いなく食べる」「体を動かす」とアドバイスします。冒頭の和式トイレの使い方も教えます。

 

こうして、「うんち博士」は、うんちの話題をタブーにしないで、周りの大人が明るく真面目に話すことで、子どもたちに安心感を与えると言います。NPO「日本トイレ研究所」が昨年10~11月、全国の小学校122校児童約1万2000人を対象に、1週間の排便状況を確認したところ、排便が週に0~2回の便秘の児童が、全体の9%だったそうです。

 

保育園や幼稚園と異なり、小学校では、トイレに行ける時間が決まっています。環境の違いによる緊張感は腸の動きを悪くします。そして、私が小学生の頃もそうでしたが、男子がトイレで大便をすると、「○○がうんちしたぞ!」と言われるので、我慢してしまうのです。これも便秘を悪化させますね。

 

学校では、我慢しないでトイレに行ける環境作りが必要ですね。メンタル面での改善が、まだまだ大きいような気がします。

2024年

1月

14日

ビール伝道士

昨日夕方、さいたま市も雪が降りました。お迎えのママが、「みぞれになって寒いですよ」と言いながら、雨がっぱがびしょ濡れでした。積もることはなかったですが、今シーズンは暖冬ですので、次は雪が降るのかなぁ~?という感じです。保育園の子どもたちには、屋上で思いっきり雪遊びをさせたいですが、大人の本音は違います。(笑)

 

さて、お酒の中では「ビール」は最もよく飲まれていますね。「とりあえずビール」です。(笑)

 

そんなビールの中で、今では「クラフトビール」が注目されていますね。前はよく「地ビール」なんて言っていましたが、どう呼ぶかは明確な定義はないそうです。日本では、1994年の酒税法改正により、ビールの最低製造数量基準が、2000キロリットルから60キロリットルに引き下げられたことを機に、全国各地に小規模醸造会社が登場して「地ビール」と総称されるようになったそうです。一時は300社以上の自ビール会社があったそうです。

 

しかし、「地ビール」は、観光土産的な要素が強く、おいしさの追求については、技術者のレベルもままならず、値段が高かったり、味もくせが強すぎで、決しておいしいとは言えないビールもたくさん出てきました。どちらかというと「地ビールブーム」の中で拡大しましたが、ブームはやがて終息します。その後、ビール職人が精魂込めて、品質重視で作られたビールに淘汰され、現在は「クラフトビール」と呼ばれる150社ほどに落ち着いたようです。

 

今日は、そんな埼玉県のクラフトビールを代表する、COEDOビールの話です。埼玉県川越市の特産品のサツマイモなどを使った独自レシピでつくられる、コエドブルワリーという会社のクラフトビールです。COEDOビールも規制緩和の波に乗って、1996年に生まれたのですが、地ビールブーム終焉後は厳しい経営を強いられたようです。

 

そこで、2006年から「ビール伝道士」という専属営業職を作り、地道に飲食店や酒販店との関係を強くしていったのです。飲食店との商談が成立すると、普通なら問屋を通さずに直接取引をして利益率を確保する手法が一般的ですが、酒販店に入ってもらうことで、流通全体のことを考える営業戦略をとったそうです。

 

ドイツのビール職人を招き、その技を受け継ぎ、川越の食材を活用した付加価値で、プレミアムクラフトビールとしての商品力を磨き、そして、「ビール伝道士」が、市場に広めていく・・・・まさに、もの作りと営業力が連携して、日本を代表するクラフトビールになったのです。

 

このビールは、地元川越の多くの人たちの愛情に支えられているのです。川越まつりでは、COEDOビールを提供する店が多すぎて・・・他のビールはないのか?と思うほどです。こんな、広がり方の商品は、いいですね。

2024年

1月

13日

平安時代のリアル

今日は、小学生と年長園児を連れて、近くの公園のアスレチックコーナーで遊びました。年長女の子は、あまり運動が得意ではないのですが、高いところまで登ったり、ターザンロープにチャレンジしたり、最後は「楽しかった!」とチャレンジ成功です。

 

さて、今年の大河ドラマは、平安時代に活躍した紫式部が主人公です。きらびやかな衣装を身に付けて、さぞ華やかな映像になるかと思いきや、いきなり、安倍晴明が出てきて、迷信を信じる人々が描かれていました。

 

どうも、テレビに出てくる平安時代の描き方は、リアル平安時代ではない部分が多いようです。「平安 もの こと ひと辞典」の著者、砂崎良さんによると、平安女性は、何かと「隠す」話が出てきます。牛車の乗り降りで姿が見えないように隠れるとか、部屋にいても顔を見られないように扇子などで隠すとかです。

 

女性が人に姿を見せないなんて、現代の日本では想像しにくいですが、中東圏では、よく似たことを今でも普通にやっている国がありますね。宗教的なこともありますが、中東圏の場合は歴史的に治安が悪かったので、女性は狙われるから奥に隠れていなさいということだそうです。

 

平安時代も、同じように危険だからです。当時は警察もなければ消防もない。それこそ、貴族のお姫様が、男に目をつけられてさらわれて地方に連れていかれてしまっても、「親は泣き暮らしました」で、話は終わってしまうのです。また、同じくらい恐れられていたのが、魔物だそうです。こんな美しいお嬢さん、魔物が見たら魅入られてしまう。「隠せ・・・」となったようです。

 

もう一つ、平安時代は食べるということが、非常に下品だと考えられていたようで、言葉は悪いですが、排泄行為のようなものだと思われていたようです。しかし、不思議なことにお化粧は怠らず、男性も化粧をするのが当たり前だったようです。つまり、見せちゃいけないけど、万が一見えたときには恥ずかしくない姿、というのが基本だったのです。

 

また、テレビなどで出てくる十二単(じゅうにひとえ)は、あくまでも儀式装束で、生活するための服とは違います。平安時代の服はすべて女房の手作りで、洗濯もしないので、きらびやかな日常ではなかったことだけは、間違いなさそうです。

 

さて、大河ドラマでは、この平安時代がどう描かれるのか楽しみですね。紫式部が顔を隠すことだけは、決してないと思いますが。(笑)

2024年

1月

12日

たんぱく質で体重オフ

今週から、お昼寝をしなくなった年長園児は、お昼寝タイム=勉強タイムとなります。日替わりで先生が指導するのですが、小学校1年生が行う勉強の先取りではありません。昨日は、廃材工作で「弓矢」を作り、今日は「洋服のたたみ方」をやりました。集中して取り組む習慣を身につけることや、仲間と楽しい時間を共有することが目的です。

 

12月のクリスマス発表会で、小学校1年生の担任をしている保護者からお話をしていただき、小学1年生の1日の流れや、何が大切かを教えて頂きました。その一つが「自分のことは自分でやる」です。本日の「洋服のたたみ方」などは、まさに大切な学びです。

 

さて、今日は「たんぱく質をとろう」という話です。ダイエットで一番いいのは、バランスの良い食事をとって、毎日の運動で体を動かすことがいいに決まっていますが、それができずに、食事を中心にダイエットを考えた時に、最近よく言われるのは、「たんぱく質から食べなさい」です。

 

ごはんなどの糖質を全くとらないダイエットもありますが、筋肉の維持には、糖質も脂質も必要になるので、食事の最後に回すのです。食べる順番を変えるだけで、ダイエットにつながることが、かなり多くの人が認識するようになりました。私も、最初に肉や魚を食べ、豆腐などの副菜や野菜を食べ、最後に納豆ご飯で〆る。意識的に、こんな感じの順番です。

 

たんぱく質をとることで、筋肉・血管・内臓・肌・髪・爪など、あらゆる部位に好影響をもたらすのです。人は運動をしなくても、体温の維持や臓器の活動のために消費するエネルギーの基礎代謝があります。基礎代謝の20%が筋肉によるものですので、たんぱく質も含めて食事を制限してダイエットすると、筋肉が少なくなり、エネルギーの消費効率が低下します。その結果、逆に太りやすく痩せにくい体になってしまうのです。

 

このような理由で、減量中でも意識してたんぱく質をとらないといけないのです。年齢よりも老けて見えるのもたんぱく質不足が原因です。

 

次は、たんぱく質と一緒に食べたい野菜です。野菜100g当たりの栄養コスパランキングでは、ダントツ1位が「モロヘイヤ」だそうです。しかし、なかなかモロヘイヤを手に入れることはできませんね。そこで、2位以下ですと、にんじん・春菊・ほうれんそう・ニラ・小松菜・かぼちゃ・チンゲン菜・水菜・ブロッコリーの順だそうです。

 

もちろん、ダイエットには、たんぱく質を中心にバランスの良い食事がいいという、教科書的な結論になるのですが、これからの寒い冬に、あえて、肉×野菜の食材2つだけの鍋を食べるとしたら、こんなのがいいようです。①牛肉とニラのすき焼き風パワー鍋 ②豚肉と水菜のさっぱりコク塩鍋 ③鶏肉とほうれんそうの和カレー鍋 ④サバ缶とブロッコリーのピリ辛ごま鍋 ⑤鮭と小松菜の味噌バター鍋

 

いかがでしょうか。

2024年

1月

11日

合格してからが肝心・・・

今日の屋上遊びでは、タイヤと板を組み合わせて、アップダウンのある自転車コースを作りました。勇気ある5人の園児がクリアーしました。怖くてゆっくり走ると、登り坂で止まってしまい自転車ごと転倒します。スピードを緩めないで走り切るには、まさに「勇気」が必要なのです。5歳男の子は、何度も失敗し、5回目でようやく走り切りました。あきらめないでよく頑張りました。

 

さて、今週末は、「大学入学共通テスト」ですね。以前のセンター試験です。いよいよ入試シーズンが到来します。保育園と同じフロアにある学習塾も、なんだかピリピリしているように感じます。今日は中学受験の話です。

 

全国の子どもたちが中学受験をするわけではなく、首都圏などの都市部が中心ですが、年々、スタート時期が低年齢化しているそうです。低学年から塾に通わせる親が増えています。

 

受け入れる学校は、「入学がスタートですから、中学受験合格がゴールのような状態で入ってきてしまうのが一番困るんです」とベテラン教師の本音です。また、私立の中高一貫校に受験する場合「いま頑張れば高校入試がないから楽だ」などと親に言われて中学受験に挑んだ子ほど、注意が必要だと言います。中学受験が終わって楽になると思ったら大間違いで、授業について行けずに、不登校や中退するケースも多いと言います。

 

一方、思った以上に入学辞退者だ出た時に、繰り上がり(補欠合格)の家庭に電話をすることになります。電話口では、涙ながらに喜ぶ親の声がします。繰り上がりの場合は、学力順位は最下位グループであることがわかっています。最下位からの入学で、「頑張らないと!」と思い、やる気に満ちた学校生活を送った生徒もいるようです。

 

要は、当たり前のことかもしれませんが、中学入試で肝心なのは、合格の先ということです。入学してから、どんな学校生活を送るか・・・です。ゴールの見えないマラソンを走り続けることほどつらいことはありません。42.195キロで終わることが分かっているからこそ、どんなペース配分で勝負をかけるかなど、戦略が立てられるのです。

 

とうことは、中学受験での学校選びは、「有名校」「難関校」へのチャレンジよりも、入学後の生活が思い描ける学校かどうか?が大切になると言えるのです。

 

親も受験生も受験を前に緊張しています。親は、我が子に何を声掛けすればいいのか、難しいところですね。いい言葉が見つからないときは、黙って見守るのが、一番いいのかもしれませんね。

2024年

1月

10日

色と言葉

今日は屋上で凧揚げをしました。風がなかったので、子どもたちは全力で走ります。市販のビニール凧ですが、いとも簡単に大空を舞ってくれました。最近は、お正月に子どもが、凧あげや羽根つき、駒遊びをすることも少なくなってきたので、広い屋上で、思う存分楽しめたようです。

 

さて、「草木染め」の話です。人間国宝の染織家(染めることと織ること両方行う)に志村ふくみさんがいます。志村家の染織は、植物染料を使う「草木染め」です。志村家は、その技を伝えるために、アルスシムラという学校を開きました。そこでの生徒たちのエピソードが、とても興味深いのです。

 

新人の生徒は、まず自分の思い描いたデザインがあって、それに合った色を出そうとしますが、たいていうまくいかないそうです。三代目が言うには「それは結局、順番が逆だからです。自分があって、それに植物を合わせるのではなく、まず植物があって、そこに自分を合わせていく。草木の持つ、本来の命の色をどうしたらこちら側に宿すことができるのか。そういう気持ちでないと、染めはうまくいきません」とのことです。

 

これは、学校教師や幼稚園、保育園の先生たちにも言えることで、自分の思いに子どもを合わせるのではなく、子どもには、子どもが持つ本来の命の色があると言います。機織りでは、たて糸をまず計画通りに張り、あとはよこ糸を入れながら織っていきます。そのよこ糸を入れる時に失敗をするそうです。しかし、講師は「何で間違えたんだ」などとは言わず、意気消沈した生徒に「いいのよ、いいのよ」と声をかけます。失敗したところから全体を設計し直し修正していく。そして、全体の設計図が変化していくのだそうです。

 

三代目は「目標は目標としてあっても、途中の出来事によっていつでも柔軟に変えていくことができる。それは、生きた仕事の仕方であり、ひいては生きていることそのものにも当てはまる」と言うのです。なかなか深い言葉ですね。

 

どうしても、伝統工芸の世界は、「先祖代々守りぬいた技」をかたくなに守るイメージがありますが、三代目は、「時代にあわせて変化に対応していけるような生きた思想がなければ、やがてその組織の生命感は失われ、色あせていくに違いないでしょう」と考えています。守ることと変化することのバランスが、絶妙なのですね。

 

志村家の「色と言葉」は、こうして、時代の変化に合わせて、ずっと受け継がれていくのでしょう。

2024年

1月

09日

先生はロボット!?

昨日の成人の日で、若者たちは何を宣言したり、祈ったり、誓ったりしたのだろうか。と、屋上で遊ぶ園児たちを見ながら考えていました。目の前の子どもたちが20歳になるのは、14年~19年後ですが、その時には、世の中が大きく変わっているのでしょう。今の頭では、想像できない変化が起きていることだけは、間違いありません。

 

そして、今日の寺子屋では、なかなかできない珍しい体験をしました。「化石の採集」です。5歳男の子が週末に、栃木県那須塩原にある「木の葉化石園」に行ってきて、葉っぱの化石の発掘体験をしたそうです。ママから化石が入っているであろう原石を5つもらいました。子どもたちで、ハンマーやマイナスドライバー、キリを使って採集です。原石の地層に沿って、きれいに割れて、葉っぱの化石が出てきました。まさに、子どもたちのワクワクが120%くらいになった瞬間です。(笑)

 

さて、広島県三次(みよし)市立青河小学校では、4年生の算数の授業にAIロボットが登場します。分数の計算方法を音声で解説し終えると、子どものような少しぎこちない口調と声で「理解できたかな。問題Ⅰをやってごらん」と指示し、児童に問題を解かせ始めます。

 

三次市教育委員会では2年前から算数の授業で実験的に導入しているそうです。青河小学校は児童数20人の小規模校で、1人の教員が複数の学年を同時に教える複式学級が導入されています。ただし、複式学級では、同じ時間に2つの学年を1人の先生で教えます。片方の先生を思いきってロボットに任せることで、教えることに集中できるようです。

 

ロボットは、算数などの定型的な授業を得意としますが、人間の教員にしかできないことも見えてきたようです。例えば、児童が誤答したとき、ロボットは「正しい解き方」を教えることしかできません。しかし、誤りの原因は「問題文が理解できなかった」「計算を間違えた」など様々です。教員は誤答の原因を子どもたちと対話しながら見つけることができるし、子どもに気づかせることができます。

 

青河小学校の校長先生は、「問題の解き方を教えるだけならロボットにもできますが、私たちには子どもの『いいところ』を見つけ、発揮する場を作り、子ども自身に『いいところ』を気づかせるという役割もあります」と言います。

 

10年~20年先の将来では、現在の約半分の仕事が、AIなどのロボットに代替可能と言われていますが、教員や保育士の仕事は、代替えは難しいです。こうして、補助的な役割として有効活用することで、子どもたちの学びが大きく広がります。要は、AIをどう活用するか・・・を考えることが大切ですね。

2024年

1月

08日

女性の35年年表⑨ ジェンダーギャップ指数

今日は成人の日ですね。成人年齢は18歳になりましたが、式典は、今まで通り20歳の集いですね。振り袖姿を見ましたか。しかし、能登半島では、式典ができる状況ではないですね。何とか、あらためて故郷に集まる機会ができることを願いたいです。

 

さて、今日は続けてきました「女性の35年年表」の最終回です。今では、男女ともに18歳が成人で、結婚できるのも18歳で、選挙権も18歳になってからです。でも、あらゆるところにジェンダーギャップがあるのが現実です。

 

ジャンダーギャップ指数とは、世界各国の男女平等の度合いを数値化したものですが、2023年の世界経済フォーラム(WEF)では、日本は対象146か国中125位と、過去最低の順位となったそうです。私のイメージとしては、昭和の時代ならともかく、日本はジャンダーギャップが大きいとずっと前から言われていたので、改善が進んでいるのでは。と思っていましたが、過去最低となったのは、女性の国会議員の数とか女性管理職が増えていないということなのでしょう。でも、それだけではありませんね。

 

ある父親の息子に対する言葉です。「男の子なんだから泣くな。ぐっと我慢しろ」これは、私も息子によく言っていました。泣きそうになる息子も、この言葉を聞くと「わかった」と素直に応じ、涙をこらえることが多かった記憶があります。しかし、これは、完全に親の価値観を子どもに押し付けていることに他なりません。

 

幼児期に偏った価値観を植え付けられると、どうしても影響を受けやすくなりますね。やはり、我が子には、いろいろな考えがあることを伝えるのが大切です。

 

昨年12月に行った、保育園のクリスマス発表会で、私はこんな話をしました。「卒園児の中1の女の子が、反抗期に入り、親とはまったく口をきかなくなりました。その理由の1つは、親と自分では価値観が違うことです。でも、よく考えれば、愛する我が子であっても、一人の人格者として認めなければなりません。実は、親と価値観が違う子どもの方が、社会に出て新たな活躍をする傾向が高いのです。ですから、『ママと同じ考えだよね』という押しつけは絶対にしないで、『ママはこう考えるけど、○○ちゃんは別の考えを持っていいんだよ』という会話をしてください」と、かつては我が息子に「男の子なんだから」と言っていた園長が、シャーシャーと述べました。今だからこそ、こう思う次第です。

 

現在、教育現場では、ジャンダー平等を授業に取り入れる動きは、男子校で広がっているようです。テレビドラマなどを題材に、女性の働き方や結婚観などを考えさせる授業を展開することが多いようです。女性の生理を取り上げることもあります。「パートナーができた時に、いたわれるようになりたい」と思う若い男性が増えているようです。

 

「夫が外で働き、妻が家庭を守る」とか「男性に養ってもらう」「デート代は男性が払うもの」という無意識の偏見に気付く若者が多くなれば、今の日本も変わっていくのでしょう。

 

昭和世代バリバリのおやじ園長は、「社会に出て、活躍するには、どうしても競争に勝たなければならないことが多い。だから、負けないように頑張ることが必要だ」と考えてしまうことが多いです。でも、理想かもしれませんが、一番いいのは「競争しなくてもいい社会を作れる人間」になるのが、最も求められることです。

 

「自分で考えて自分で答えを出せる」人を育成する、保育園ホワイトきゃんばすですが、「どうしたら勝てる」ではなく「どうしたら競争しないでいけるか」を考える子どもたちが育つようにしないといけませんね。

2024年

1月

07日

女性の35年年表⑧ 保育園落ちた日本死ね!!!

今日明日は、連休となりますので、年末から続けてきた「女性の35年年表」を続けます。2016年に「はてな匿名ダイアリー」に投稿された一文が、当時は社会現象となるくらい、話題となりました。この年の流行語大賞トップ10に入ったのが「保育園落ちた日本死ね!!!」という言葉です。この何とも汚い言葉づかいで、インパクト大となったのは否めませんが、意外と全文が知られていませんので、紹介します。

 

何だよ日本。

一億総活躍社会じゃねーのかよ。

昨日見事に保育園落ちたわ。

どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。

子供を産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに

日本は何が不満なんだ?

何が少子化だよクソ。

匿名(アカウント名:保育園落ちた人)、保育園落ちた日本死ね!!!

 

こんな内容です。この言葉が独り歩きをして、日本全国が待機児童にあふれかえっていると勘違いした人も多かったようですが、この当時も、現在も、日本の約9割の自治体には待機児童はありません。待機児童が解消されない自治体は、首都圏・近畿圏・地方都市といったエリアです。

 

対象となる自治体は、この言葉に影響されるように、「待機児童ゼロ」をやみくもに目指すようになります。市長や区長といった首長が、公約にするには、とても分かりやすい目標になるからです。「子どもの幸せを第一に!」とか「働く女性が活躍できるようにします」という公約は、抽象的であいまいなのに対して、「ゼロにします」は明確です。仮にゼロにできなくても、待機児童数を前年比30%まで下げました・・・と言えますね。

 

といった感じで、2016年以降現在に至るまで、保育園の建設ラッシュになった自治体も多く出てきました。しかし、現実的には少子化は止まらず、そろそろ保育園が余ってくる自治体も出てきています。10年先の保育園を見据えた行政の対応が必要だったのです。

 

「保育園落ちた日本死ね」と言ったママは、おそらく4月から職場復帰をして、子育てと仕事を両方頑張ろうと思っていた矢先に、「入れる保育園がありません」と2月に通達されたのでしょう。気持ちは痛いほどわかるし、汚い言葉にもなるでしょう。しかし、この言葉が予想外に独り歩きしてしまったことは、保育園を経営する園長としては、複雑な気持ちになるのです。

2024年

1月

06日

一時保護所

今日は、ショッピングセンターの1Fイベントスペースに「白バイ」がやってきました。1月10日が110番の日ということで、埼玉県警の警察官がアピールです。本日登園した12名の子どもたちが、目をキラキラさせて白バイにまたがります。ただし、2歳男の子だけが、女性の警察官に抱っこされながらも、かたくなに拒否です。(笑)

 

さて、今日は少しショッキングな話です。「一時保護所」という場所をご存じですか。ここは、児童相談所に付設し、虐待通告などを受けて、保護が必要になった子どもを一時的に保護する施設です。幼児から高校生までが保護を受ける対象です。

 

保育園ホワイトきゃんばすでも、今まで、一時保護を受けたことがある園児が、4名ほどあります。ネグレクト、アルコール依存、その他の理由で一時保護所に入るのですが、私の認識は、精神的にダメージを受けている子どもたちのために、手厚い保護を受けていると思っていました。

 

ところが、実態は「まるで刑務所だよ」とも言うべき環境のようです。狭い部屋で大人数で寝起きする生活。私語は禁止。自分の家庭事情を他の子に話すのは厳禁で、常に職員の目が光る。食事中はひたすら黙食。スマホやお気に入りのぬいぐるみなどの私物は、別保管で一切持てず、学校には通うことができないという、厳しい管理の下で自由を奪われた日常があるのです。「風呂に入りなさい」「早く寝なさい」と命令されるまま、子どもたちは動く。・・・すべてではないでしょうが、こんな環境だそうです。

 

学校に通えない理由は、虐待している親が、子どもを取り戻しに学校に乗り込んでくるのを防ぐためです。一時保護所での学習は、渡されたプリントをやるだけだそうで、学力が身に付きませんね。家庭で虐待を受けている子どもにとっては、学校での時間が唯一の逃げ場所であったのに、一時保護所での生活は、苦痛でしかないようです。

 

刑務所と感じるのは、小学校高学年以上の子どもたちでしょうが、現実的には、一時保護所から出て里親の下で暮らすも、すぐに別の一時保護所にたらいまわしになることが多いようです。

 

なんだか、切なくなりますね。一時保護所の職員への研修は義務ではなく、児童福祉への理解が不十分な職員もいるようです。また、非行の子に対する養育を導入して、厳しく指導にあたるところもあるようです。

 

しかし、今年4月に「改正児童福祉法」が施行されます。一時保護所の設備・運営に初めて基準が策定されるようになります。一時保護所は、子どもにとっては「逃げ場」です。その逃げ場が安心できる場所になるよう、願いたいものです。

2024年

1月

05日

校内にコンビニをオープン

今日から令和6年の保育がスタートしました。さっそく朝の会では、「お正月で楽しかったこと。がんばったことは?」のインタビューを寺子屋園児に行いました。おじいちゃんおばあちゃんのお家に遊びに行ったり、お年玉をもらった話やアイススケートに挑戦した園児もいました。そして、地震の話もありました。保育園ホワイトきゃんばすは、実家が新潟県という保育園ママパパが多いのですが、元日に北陸新幹線乗車中に地震が発生し、4時間車内で過ごした姉妹、新潟のおじいちゃんおばあちゃんの家でくつろいている時に地震発生。翌日何とか動いた上越新幹線で帰ってきた兄妹。とにかく、元気に登園できてよかったです。

 

さて、千葉県にある特別支援学校の「市川大野高等学園」では、昨年11月に、校内にコンビニエンスストアがオープンしたそうです。セブンイレブンやファミリーマートが校内に開店したのではありません。生徒が運営する「スマイルマート」です。

 

農業コースの生徒が栽培した野菜、ソーイングコースの生徒による染織製品といった学校製品が並びます。おにぎりやパン、文房具は、学校から徒歩10分のファミリーマートからあらかじめ用意してもらった商品を引き取って販売します。ここだけ、大手コンビニの商品を活用しますが、商品管理や接客担当は、流通コースの生徒たちです。金銭管理は教員が行います。

 

どうですか、特別支援学校での活動というのが凄いところです。このような形態で、学校内にコンビニがあるケースは、全国でも初めてのようです。きっかけは、「コンビニを作りたい」との声が生徒から上がり、検討スタート。ファミリーマートの接客講座を受講して接客方法を学び、店名は「コンビニに関わるみんなが笑顔になる場所にしたい」と願いを込めて、スマイルマートと名付けられたそうです。

 

コンビニチェーンのように、24時間営業ではなく、火曜日は、午前11時から午後1時20分と短時間で、曜日によって営業時間は異なるようですが、一般の人も来店可能だそうです。お客様も、近所の人たちが、学校で栽培した野菜などを楽しみに買いに来るようで、地域の方々にも見守られて、生徒たちは、やりがいをもって働いているようです。

 

私たちも、応援したくなりますね。

2024年

1月

04日

女性の35年年表⑦ イクメン

昨日は、大宮氷川神社にお参りに行ってきました。埼玉県民としては、毎年初詣は欠かしませんが、1月3日にもかかわらず、大混雑です。午後の時間帯でしたが、本殿まで100メートル以上の行列です。正月用のお賽銭箱は、横20メートルくらいもあったので、お参りの回転率はすこぶる高かったです。大行列をさばくためには、仕方がないのかもしれません。神様にせかされてきました。(笑)

 

元日から、甘酒が飲みたかったので、氷川神社の屋台で「300円もするか!?」と思いながらも、おいしくいただきました。そして、大宮公園方面をブラブラ歩いていると、いつもの売店があって、甘酒が200円で売られていました。「やられた!100円も高い甘酒を買ってしまった!」と思う私です。人間が小さいですね。(笑)

 

さて、今日は「イクメン」の話です。ご存じのように、子育てに積極的に関与する父親、男性を指す言葉です。顔がいいイケメンが転じてできた俗語ですね。2000年くらいから使われるようになったようです。私も、子どもが小さいころには、子どもたちをいろいろなところに連れていくお父さんでした。(自分が行きたかったからですが)自称「イクメン」でした。(笑)

 

こんな感じで、自称イクメンが増え始め、今では、イクメンという言葉も使われないほど、男性が子育てにかかわるのが当たり前になったのです。保育園では、送り迎えにパパが来るのも日常ですが、時々ママの愚痴も耳にします。

 

今年は、辰年ですね。龍に似ていることで、辰年のマスコットになった「タツノオトシゴ」ですが、これが、超イクメンの生き物だそうです。

 

タツノオトシゴ属のオスの腹部には、育児のうという袋があって、ここでメスが産んだ卵を稚魚になるまで保護します。タツノオトシゴの体は、デコボコで堅いイメージがありますが、育児のうの表面は、滑らかな皮膚に覆われているので、雄雌を判別することができるそうです。

 

他にもイクメンの動物として有名なのは、皇帝ペンギンです。産卵後のメスは、自身の体力回復のために海へエサを獲りに行ってしまいます。その間、オスはマイナス60度の極寒の地で、卵を脚に乗せてお腹で包むようにして4か月も絶食状態で温め続けるそうです。また、エミューのオスは2か月間、飲まず食わずで卵を抱き続け、ヒナが生まれれば、口移しでエサを与え、エサの取り方まで教えるそうです。その間、メスは子育てに関わらないばかりか、他のオスと浮気をするそうです。ということで、イクメン動物のウンチクを今日はインプットしてください。

 

いよいよ明日からは保育園がスタートします。子どもたちのお正月話をたっぷり聞くことにします。

2024年

1月

03日

女性の35年年表⑥ 草食男子・肉食女子

元日に起きた能登地震での被害状況が、続々とわかってきました。珠洲市、輪島市、七尾市など能登半島へつながる多くの道路が分断され、余震も続いています。石川県、富山県、新潟県には、私がお世話になった人たちがたくさん住んでいますので心配です。そして、昨日は、新たに羽田空港で日航機が炎上するという衝撃的な映像が入ってきました。乗客全員が脱出できたことは安心しましたが、海上保安庁機の乗員が5名も亡くなり、言葉がありません。新年早々、悲しい出来事が多いですが、私たちは、元気に新年をスタートさせることが大切です。 

 

さて、2009年に命名された言葉に「草食男子・肉食女子」があります。草食男子は、家庭的で優しく男らしさを求めない男性だそうです。恋愛の優先度が低く、没頭できる趣味を持ち、自分の感情や過去をあまり多く語りません。頑張って女性を追いかけようともせずに、リードするより一緒に歩きたい派で、自分に自信がない男子という意味ではないようです。一方、肉食女子は、恋愛にも仕事にも積極的な女性だそうです。女子の先頭に立ち、外見の良さに惑わされず、相手との距離が近い。ドラマのような色仕掛けをナチュラルに行い、次の約束を取り付けるのが早い。相手の喜びそうなことが自然とできて、自分の意思をしっかりと伝えることができます。そして、酒はガソリン。(笑)

 

今でも、時々使うことがありますね。今日は「肉食女子」について語ることにします。グイグイ押しまくり、派手で恋愛経験も豊富みたいなイメージがあるので、どちらかと言うと、マイナスイメージが先行しますが、日本の女性は、時代とともに、「肉食女子」の比率が多くなってきたのではないか・・・と、私は勝手に思っています。

 

草食女子を定義すると、恋愛は控えめで、おとなしいタイプ。自分から男性に告白することなどあり得ないような、昭和の女性のイメージとしましょう。実際に、当時の社会が求める女性がこうであったかもしれません。

 

そこに登場したのが「肉食女子」です。いいことを挙げてみますね。

 

まずは、気持ちの切り替えがすぐにできること。失恋して落ち込んでも、翌日には新しい彼氏を作っているイメージです。だからといって、物事を真剣に考えていないわけではありません。どうにもならないことは、前向きに諦めます。頭の回転も速く、物事を合理的に考えられます。好奇心が旺盛で、何事に対しても肯定的で偏見を持ちません。気になるスポットがあれば一人でも出かけていき、気になる人には自分から話しかけます。

 

そして、何といっても「ポジティブ」で「明るい」のです。周囲を元気にさせてくれるし、笑顔を絶やさないので、職場でも好感が持たれることが多いですね。

 

「肉食女子」は、自分なりの価値観をしっかりと持っていて、「自分の幸せは自分でつかみ取る」を実践するので、同性からも支持が高いですね。自分が嫌いなタイプは、男女問わずに直感的に判断できるので、自分からは近づきません。 そして、何といってもコミュニケーション能力が高く、職場では目立つし、仕事ができる存在・・・といったところでしょうか。

 

色々と書きましたが、私がサラリーマン時代の話です。バレンタイン商品の企画を担当していた先輩女子の行動パターンが、まさにこれです。社内での打ち合わせ中や、商談中でも、キーマンに携帯で電話をかけて、その場で仕事を解決していくタイプで、「このスピード感は大したものだ!」と、今後の自分の仕事に役立てました。「肉食女子」から学ばせていただきました。

 

さぁ~「肉食女子」がどれだけ素晴らしいか・・・そして、肉食女子の仕事ぶりは、男性も真似すべき点が多くあることを認識する必要がありますね。

 

 

2024年

1月

02日

女性の35年年表⑤ 婚活

昨日の夕方は、ちょうど猪苗代湖の周辺を車で走っていました。すると、緊急地震速報の聞きたくないアラームが一斉に鳴ります。すぐに、ナビの画面をテレビ画面に切り替えると、石川県を中心に、大きな地震があったことを告げています。すぐに、固定カメラやドローンでの映像、そして、一般の人たちからの投稿映像がアップされます。画像での情報が、すぐに伝わる時代になったことを感じましたね。同じ1月に起きた29年前の「阪神淡路大震災」では、携帯も普及していない時代でした。具体的な情報が伝わるまでに、ずいぶんと時間がかかった記憶があります。

 

元日なので、帰省で石川県や富山県、新潟県でのんびりとお正月を過ごす予定の人も多かったと思います。新潟県上越市に実家がある保育園ママがいます。上越市の津波で、川を伝って橋を走行するタクシーを津波が襲う映像には驚きました。すぐにタクシーが動き出したので、本当に良かったです。具体的な被害状況がこれからわかってくると思いますし、新幹線や在来線、高速道路も早く運転運航再開を願います。避難所で過ごす方々の気持ちを察すると、なんとも言いようがありません。

 

さて、私の学生時代は、就職活動を「就活」と略して言うことはありませんでした。2000年に入ってから、言われるようになったようです。同じように「婚活」という言葉が、広がったのが2008年です。結婚をすることを目的に意識的な活動をすることを意味する言葉が「婚活」です。就職活動の略が就活ですが、婚活は結婚活動の略ではないようです。

 

中央大学(家庭社会学)の山田昌弘教授とジャーナリストの白河桃子さんの共著「『婚活』時代」がきっかけで、広がった言葉です。

 

女性の結婚観は、時代ともに変化します。70代後半から80年代前半にかけて、雑誌「クロワッサン」がかかがるシングル賛歌が、一部の女性の支持を集めます。「結婚して子供を産むことだけが、女の幸せではない。仕事を続け、シングルを謳歌しよう」といった考えです。しかし、結果として婚期を逃す「クロワッサン症候群」という言葉も生まれました。結婚するかどうかで女性や社会で議論があった時代から、いつの間にか結婚や妊娠を歓迎するムードに時代が変わっていきます。それを象徴するのが「結婚潮流」という1983年に大阪で生まれた、平均年齢24歳の女性編集者陣の女性誌です。一般的な女性誌は、当時恋愛を多く扱っていましたが、「結婚潮流」は、理想の恋愛と切り離して「結婚」を読者に提示したのです。「恋愛と結婚は違う」「理想の妻と理想の恋人」といった言い方をするようになったのも、この頃ですね。

 

そして、1990年代に女性の生き方を象徴する雑誌が「Hanako」です。会社からも家庭からも解放されバブルの時代を謳歌した女性は、「子どもを産むために結婚はするけれど、それまでは仕事も遊びも楽しむ」それが、「Hanako」の時代の結婚観だったようです。でも、「Hanako」では結婚特集はほとんど組まなかったそうです。1993年に結婚雑誌に特化した「ゼクシィ」が登場すると、どんな結婚式を演出するか…までも注目されるようになったのです。

 

時代は繰り返されるとは言いますが、私の両親は「お見合い結婚」です。おせっかいなおばさんがいたかどうかは聞いていませんが、現代の婚活アプリは、信用できるものを選べば、かつての「おせっかいおばさん」の役割と一緒かもしれません。いや、それ以上に相性がいい組み合わせをAIが考えてくれるのです。

 

ここまで、女性の立場での「婚活」の歴史をたどってきましたが、男性の場合は、このような解説ができません。やはり、「婚活」は、女性がリードしてきたライフスタイルなのでしょう。そして、結論は簡単で、人それぞれ・・・色々な考え方があるので、こうあるべきという押しつけは不要なのです。

2024年

1月

01日

明けましておめでとうございます

2024年、令和6年がスタートしました。今年も、義理の母が住む福島県でお正月を迎えました。初日の出も美しかったですね。今年の元旦は、開運日が3つも重なる日だそうで、何かを始める・チャレンジするにはもってこいの日だそうです。初詣で、今年やりたいことを誓うのもいいかもしれませんね。

 

そして、今年もおやじ園長のブログで、保育園のことや世の中のことを語っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、昨日の大晦日は、いつものように、普通に「紅白歌合戦」をおいしいものを食べ、お酒を飲んで見ていました。

 

昭和世代のおやじとしては、昭和の歌手が出てきて、知っている曲を聴くのがとても心が落ち着くのです。私の高校の先輩でもある「伊藤蘭」さんが、どんな演出をするか楽しみにしていましたが、そのまんまキャンディーズ時代の振り付けで歌っていたのが、ホッとしました。K-POPや若いグループの凄いダンスには、もうついていけません。キャンディーズ時代の振り付けが私には居心地がいいのです。(笑)

 

けん玉を失敗した16番の方には、「自分のせいで大変なことになってしまった!」と落ち込んでいるでしょうから、「失敗したっていいじゃないか。そもそも紅白に何でけん玉なの?気にしないで!」と言いたいですね。

 

画面に歌詞がでてきますね。どうしても歌詞を追ってしまうのですが、昭和の歌は、もちろん知っている歌詞ということもあって、安心して見ることができます。Official髭男dismのチェスボードの歌詞は、「まぁ~よくこんな歌詞が書けるなぁ~」と感心ばかり。YOASOBIのアイドルは、「これが世界のトップになった曲なのか~」とじっくりと歌詞を追いました。ここら辺までは、昭和おやじもついていけたのですが、Adoとanoが、同一人物だと思っていた昭和おやじは、初めて別々という事実を知り、歌詞を追っても、まったく意味が分からないことに、呆れるしかありませんでした。この意味不明の歌詞がネット配信で凄い数字をはじき出すのは、私の理解を超えた世界ですね。

 

年齢を重ねると、特に音楽においては、新しいジャンルの曲を聴くことをしなくなるといいます。私も、昭和の曲にホッとするように、数年前に、自分が聴く曲が固定されてしまったようです。(笑)

 

年が明けて、近くの神社にさっそく初詣に行くと、多くの人で賑わっていました。令和6年は、完全にアフターコロナの年として、コロナ前に戻るのではなく、新たに挑戦を始める年ですね。1つでいいので、「今年は○○に挑戦する」を誓ってみませんか。

2023年

12月

31日

女性の35年年表④ 女性専用車両

昨日あたりから、鉄道は帰省や行楽で混雑がピークとなってきました。報道では、コロナウイルス感染症が5類になった初めての年末年始ということで、前年を大きく上回る人出になっているようですね。今日は、そんな鉄道の「女性専用車両」の話です。

 

私は一度だけ、ぼっ~としていて、先頭車両の「女性専用車両」に乗ってしまったことがあります。鼻につく化粧の匂いと周りの女性たちの白い視線に、すぐに隣の車両に移動しました。(笑)

 

そんな女性専用車両は、2005年に関東ではほぼ全鉄会社で導入されたそうです。関西では、それ以前に導入されています。自動改札や歩く歩道は、関西の方が早く導入されていますね。ちなみに、関西では「女性専用車両」、関東では「女性専用車」と呼ぶことが多いようです。マクドナルドのことを関西では「マクド」と呼び関東では「マック」と呼ぶようにです。(例えが変ですが・・・)

 

女性専用車両と言っても、小学生以下、身体障碍者、介護をする男性も乗車可能です。母親と小さい息子が別々の車両というわけにはいきませんね。女性専用車両ができた理由は、ずばり痴漢対策です。よって、混雑する朝の通勤時間帯や深夜に設けられます。また、先頭車両か一番後ろの車両の場合が多いので、乗り換えには不便という声もあります。関東では、横浜市営地下鉄で、車両の真ん中に女性専用車両を設けていますが、間違える男性客が多いのと、車両を移動する際に一度車外を通らないといけないなど、不便もあるようです。

 

日本で最初の女性専用車両は、明治45年に当時の中央線で、通勤通学ラッシュの時間帯に運行した「婦人専用電車」と言われています。また、戦後は乗車率が300%にも及ぶ状況で、中央線の東中野駅付近で、乗客が走行中の電車のドアから神田川に転落して死亡する事故が起きたのを機に、通勤ラッシュから働く女性と子供を守る目的から昭和21年に「婦人子供専用車」が導入されたそうです。これは、昭和48年9月15日の敬老の日より導入された「シルバーシート」(優先席)と入れ替わる形で廃止されたそうです。

 

現在の形になったのは、2000年12月に京王電鉄で平日深夜帯に新宿駅を発車する下りの臨時電車の最後部の車両に「女性専用車両」の名で試験的に導入され、2001年3月のダイヤ改正で本格導入されたそうです。以後、関西で広がり、2005年には関東のほとんどの鉄道会社が導入したのです。

 

国土交通省はじめ多くの鉄道会社が、「女性専用車両」についてのアンケートを今まで行っていますが、概ね賛成の声が多いので、今後も継続されるものと思われます。一部に「男女差別だ!」とか、そもそもこれは女性を守るという目的ではなく、ある政党の力で導入されたものだ・・・などと、批判もありますが、女性と子供が安心して公共交通機関である鉄道に乗車できる環境は大事ですね。あなたが女性なら、「女性専用車両」を使用していますか。

 

ということで、いよいよ令和5年もおしまいです。保育園ホワイトきゃんばすも大きな事故もなく、子どもたちの元気な姿を継続することができました。この「いつも通り・・・普通に・・・」ということが大切に思えるようになりました。そして、今年も多くの方々に「おやじ園長のブログ」を読んでいただきました。これからも、気軽にいつもの日常の習慣として、目を通していただければありがたいです。

 

では、良いお年をお迎えください。

2023年

12月

30日

女性の35年年表③ ストーカー規制法

大谷翔平選手のランドセルが、年内に届いた小学校では、子どもたちの嬉しそうな笑顔がありましたね。私にとっては、それと同じくらい素敵な話題がありました。かつては、侍ジャパンの4番として横浜ベイスターズで活躍した筒香選手が、自分の出身地の和歌山県橋本市に私財を投じて本格的な球場を作りました。今月、帰国した筒香選手が出席して完成記念式典が開かれました。

 

地元の少年野球チームの子どもたちや保護者を前に「子どもたちの将来を第一に考え、責任を持って世界で活躍できるような人材を育てていきたいです」と語りました。そして、「野球選手になることがすべてではないと思っています。自ら考えて、行動に移せる人材を送り出していきたいです」と言うのです。プロ野球選手になれる人は、ほんの一握りですね。でも、すべての子どもたちの未来への素敵なメッセージです。筒香選手が、もう一度大リーグの舞台で花を咲かせてくれることを期待します。

 

さて、ストーカーという言葉は、今では当たり前に使われていますが、1999年に「桶川ストーカー殺人事件」が発生しました。まだ記憶に残っている人も多いと思いますが、女子大学生が、元交際相手の男を中心とする犯人グループから嫌がらせ行為を受けた末、1999年(平成11年)10月26日に埼玉県桶川駅前で殺害された事件です。

 

この事件を契機に、「ストーカー規制法」が2000年に制定されました。桶川ストーカー殺人事件では、女子大生とその保護者が、所轄の埼玉県県警上尾署に被害相談をしていたにもかかわらず、極めてずさんに取り扱っていたことが明らかになり、警察不祥事としても注目されました。結果、3人の警察官が懲戒免職され15人の処分者が出ました。そして、報道の在り方についても、問題とされました。個人情報があらわになったり、そんな男と関係を持った女性の自己責任といった報道です。

 

この2000年のストーカー規制法を機に、警察も世の中も「ストーカー行為」について、認識を持ち目を光らせるようになったのです。

 

そして、23年が経過した現在では、このストーカー規制法も何回か改正され、時代に合った内容に変わってきました。しかし、現在のストーカー行為は、ネットでの行為も含め、さらに複雑になってきています。

 

なんであんな男と付き合ったの?なんであんな女に?なんて後悔しても、その時はわからないのが男女の関係です。しかし、事件が起きる前に、いかに防ぐか・・・自分一人で抱え込むことだけは避けなければなりませんね。

 

2023年

12月

29日

女性の35年年表② 初めてのセクハラ裁判

今日は、今年最後の「燃えるゴミの日」でした。11月に保育園で行ったゴミスクールの影響で、「火曜日と金曜日は燃えるゴミの日」と覚える園児やゴミ出しをする園児も出てきたり・・・効果が継続しているようです。

 

さて、セクシャルハラスメントという言葉は、今では当たり前に使われるようになりました。私のような昭和の人間にとっては、ついつい失言をしてしまうことがあります。サラリーマン時代は、「今の発言は、セクハラですよ(笑)」なんて、冗談で済む内容でしたが、女性から指摘をされることもありました。

 

1989年に、日本で最初の「セクハラ裁判」が行われたのをご存じですか。当時は、セクシャルハラスメントという言葉はありません。

 

福岡県でライターをしていた当時32歳の晴野さんが、性的な誹謗中傷を繰り返し行い、退職に追い込んだ上司(編集長)と会社(出版社)を相手に、日本初のセクハラ裁判を起こしたのです。3年後には、晴野さんの完全勝訴となりました。この裁判は、日本におけるセクシャルハラスメントの問題を広く認知させる契機となり、1997年の男女雇用機会均等法改正で、セクシャルハラスメント防止のための事業主の配慮義務規定が盛り込まれるきっかけとなったのです。

 

「結婚したら、寿退社だね・・・」「妊娠したから、もう仕事はできないね」といった発言は、現代ではあまり言う人は少なくなりましたが、男女雇用機会均等法の改正により、「完全アウト!」となったのです。

 

私の認識では、このような発言は、男性だけでなく、少なくとも同性の女性からもあったような気がします。セクシャルハラスメントは、男性から女性が一番多く悪質ですが、女性から女性、女性から男性にも起こりうる問題ですね。

 

晴野さんは、当時上司だった編集長が、得意先との約束を破ったり、あまりにも仕事をきちんとしなかったので、自分が尻拭いをし、得意先からの信頼も大きくなったのです。それが面白くない編集長が、性的なことも含め、晴野さんのあらぬ噂を得意先や職場に言いふらし、退職に追い込んだのです。晴野さんは、最初は、諦めずに頑張ったそうです。しかし、会社の専務にこのことを相談すると、衝撃の返答があったのです。

 

『晴野君は確かに仕事はできる。よく頑張っている。でも、男を立てることを知らない。だから、次の職場に行ったときに、まずは男を立てることを覚えろ』と言われたそうです。

 

どうですか・・・これを読んだ多くの女性は、怒り火の玉になりましたか。しかし、当時この発言をした専務は、おそらく何の悪気もなかったのかもしれません。この時代の多くの男性の価値観が、「女は男を立てるもの」だったのです。

 

ほんの34年前の1989年に、日本初のセクハラ裁判があり、セクシャルハラスメントという言葉が生まれたことを働く女性も男性も覚えておきたいですね。

2023年

12月

28日

女性の35年年表① アグネス論争

今日から保育園は、年末年始のお休みに入りました。私は男性ですが、保育園の主役は子どもたちだけでなく、働くママも、もちろん主役です。こうして、保育園に子どもを預けて、普通に仕事をする環境は、少し昔では、普通ではありませんでした。今から、ざっと35年前くらいまで戻って、今日から「女性の35年年表」を扱います。今日は、1988年に世間を大論争に巻き込んだ「アグネス論争」を取り上げます。

 

1987年、歌手・タレントのアグネス・チャンが第一子を出産しました。彼女がその直後に、この乳児を連れてテレビ番組の収録スタジオにやってきたことがマスコミに取り上げられ、今は日本大学の理事長となった、当時作家の林真理子さんからは「大人の世界に子供を入れるな」「周囲の迷惑を考えていない」「プロとして甘えている」と痛烈に批判されたのです。アグネス・チャンは、マスコミから「働くお母さん」の代表格として持ちあげられるのです。

 

私は、1986年に就職活動をしていました。男女雇用機会均等法が施工された年でもあったので、入社試験の面接では「あなたは、男女雇用機会均等法をどう思うか?」の質問がありました。「女性自身がどう考えるかの問題だと思います」なんて、偉そうに答えたのを覚えています。結婚後も出産後も女性の社会進出が当たり前になりつつあった時代でしたので、アグネス・チャンの行動が大きく取り上げられたのです。

 

1988年ということもあり、マスコミからは香港の芸能界の風習である子連れ出勤を批判的に取り上げることが多かったものの、社会学者の上野千鶴子さんは、朝日新聞で「働く母親の背中には必ず子供がいるもの」としてアグネス・チャンを擁護しました。ざっと2年間にわたって、アグネス論争として批判派と擁護派に分かれて、論争が続いたのです。

 

どうして2年も?と思いませんか。当時は、ネットで炎上とかないですから、ちゃんと肩書のある評論家などの著名人が、名前を出して意見を言うのです。今と違って、正々堂々とした論争です。

 

35年前のことですので、今の時代に「どうあるべきだったか」と語るのは難しいですね。実は、当時のアグネス・チャンは12本のレギュラー・準レギュラー番組を抱えており、テレビ局から「早く復帰してくれ。子供を連れてきてもいいから」などと説得を受け、不安に思いつつ職場に復帰したとうのが真相で、アグネス・チャンが自分の判断で子どもを連れてきたわけではないようです。しかし、結果的にはこれを機に、世の中は、職場における男女間の格差や、仕事と子育ての両立をどうするか・・・を考えるようになったと言えます。

 

保育園のママたちは、「アグネス論争」の時には生まれていないか、まだ子どもだったので、知らない人が多いと思いますが、35年前にこんな論争があったのです。

2023年

12月

27日

ルールと自主性の境界線

今日は、令和5年最後の保育園です。明日からの年末年始のお休みに、子どもたちは「○○するんだ」「おじいちゃんおばあちゃんのおうちに行く」などなど、予定もしっかりと頭に入っているようです。

 

そして、今年最後の屋上遊びでは、子どもたち全員で、聖護院(しょうごいん)大根の収穫をしました。普通の大根の他に、毎年保育園では聖護院大根を育てています。柔らかくておいしい大根で、大きなカブのようです。子どもの顔くらいの大きさの大根もありました。今日のお土産です。普段は野菜嫌いの園児も、自分で収穫した大根は、もぐもぐ食べるのです。普通にスーパーで買った大根よりも、付加価値が数倍です。「大根はどんなふううに畑で育ってるの?」「この大根を一人で引っこ抜いたの?」「葉っぱに青虫がいたね。これが何になるの?」・・・などなど、親子の会話は尽きません。そして、一緒に料理をすれば、さらに親子の素敵な時間になりますね。

 

今日は、そんな大根と格闘する子どもたちを見ながら、今年の屋上遊びを振り返っていました。屋上遊びは、ほとんどが見守り保育になります。とは言え、子どもたちがやりたい放題するのをそのままにしていると、ケガにつながることがあります。しかし、「○○してはいけない」と制限ばかりを設けると、子どもたちの創造力を止めてしまうことになりかねません。

 

子どもたちの自主性とルールを設ける境界線をどこに引くかが、保育者として、常に考えなければならない難しいところなのです。保育園での最低限のルールは決めているものの、さらに細かいところでは、職員一人一人で、あんばいが変わってきます。「好きにのびのびと遊ばせたい」けれど、「木のてっぺんから落ちたら大けがになる。制限しないと」の葛藤ですね。

 

小学生の交通事故で最も多いのは、自転車に乗っているときの事故です。極端な話ですが、小学生の交通事故を減らすにはどうしたらいいか。そうです。小学生が自転車に乗ることを禁止すればいいのです。でも、そんなわけにはいきませんね。ホワイトきゃんばすの子どもたちは、寺子屋園児25名中、24名が自転車に乗れます。最低限のルールは、ヘルメット着用と、小さい園児がいない自転車ゾーンで走ることの2つだけです。でも、転んでけがも起きるし、自転車同士で衝突もあります。そんな経験の中で、子どもたちは、次は事故を起こさない運転を心がけていきます。小学生になったら模範運転ができるようになることを祈っています。

 

リスクとリターンは、保育をする上で、どこで線引きをするか迷うところです。保育園ホワイトきゃんばすの屋上遊びは、自由度が高くて、あれしちゃいけない、これしちゃいけないが少ないです。令和5年は、たまたま大きな事故がなかったですが、引き続き、子どもたちの遊びを最大限に引き出してリターンを求める保育をしながら、リスクにも目を向けていきます。アクセルを踏みながら同時にブレーキも踏む・・・矛盾するようで、難しいですが、この難問に来年も挑んでいきます。

 

では、令和5年も多くの方々の力添えで、保育園ホワイトきゃんばすには、いつも子どもたちの笑顔がいっぱいでした。(ちびちゃんの泣き声もありますが・・・)この一年の「しあわせ」をかみしめながら、令和5年の保育園を終了させていただきます。ありがとうございました。

2023年

12月

26日

数学ゴールデン

昨日のクリスマスお楽しみ会は、「最高に楽しかった!」と子どもたちが、ママやパパに話していたようで、プレゼントの景品が豪華だったことが、子どもたちの心を射止めたようです。ぬいぐるみを抱いて寝た園児や、ミニカーでずっと遊んでいる男の子、シルバニアファミリーの人形が増えて大喜びの女の子もありました。これも、クリスマス発表会を頑張ったからこその気持ちです。昨日、保育園からクリスマス発表会のDVDをプレゼントしました。保護者は我が子の撮影にどうしても夢中になりますので、このDVDで他の園児の頑張りもじっくりと見ることができたようです。

 

さて、スポーツのオリンピック同様に、世界レベルの天才たちが、数学の超難問を解き競い合う「国際数学オリンピック」があるのをご存じですか。出場資格は、高校生以下の若者です。「数学ゴールデン」は、日本代表を目指し、突き進む若者を描いた「数学版スポ根」マンガです。

 

舞台は福岡市。主人公の小野田春一は、高校の入学式で「数学オリンピックの日本代表」を目指すと宣言し、一躍注目を集めます。一人で孤独に勉強を続けようとしたものの、講師に導かれ、多くの数学を愛する仲間たちと出会います。次第に他者と協力しながら問題を解いていく可能性と楽しさを見いだしていきます。

 

数学の楽しさは、ただ単に公式や定理を当てはめるだけでなく、自分の先入観や固定概念を乗り越え、視点変化を生みだすことそのものにあると作者は伝えます。自分一人で考えることだけでなく、他者と共同で問題に取り組むことで、自分になかった発想や、アイデアが生み出される。孤独な作業というイメージのある数学に対して、新たな捉え方を示した作品になっています。

 

私は、中学の時に、数学の公式についていけなくなり、迷うことなく文系を選択しました。「数学なんてやっていたら頭がおかしくなるよ!」と間違えた認識を持っていました。数学の大切さを知ったのは、社会人になってからです。営業の仕事で、得意先との商談では、言葉だけの抽象的な話では通用しません。具体的な数字が根拠として必要になります。社内でのプレゼンテーションもしかりです。

 

数字や数学の公式は、世界共通語です。この当たり前のことを考えるだけでも、数学の必要性は高いのです。

 

「数学ゴールデン」は、今までにない形で数学の面白さを伝えていますが、数学だけでなく、新しいことにチャレンジすることは、自分の「好き」や「面白い」という気持ちに従うことから生まれると訴えます。何かに夢中になって取り組むことの楽しさをこの本は教えてくれているのです。数学への苦手意識もなくしたいですね。

2023年

12月

25日

クリスマスお楽しみ会

今日の連絡ノートには、クリスマス発表会のママやパパの感想がびっしりです。1ページまるまるのコメントが多かったですが、2ページびっしりのママもいました。それぞれの保護者の皆様が、我が子の成長を感じ、他の園児の活躍も一緒に楽しんでいただいたようで、子どもたち全員を保護者全員で見守っている感じで、うれしかったですね。おじいちゃんおばあちゃんも孫の成長に涙を流し、パパママも涙が止まらなかったようです。

 

そして、本日3人の園児が体調を崩してお休みです。どれだけ、クリスマス発表会にエネルギーを使ったことか・・・ゆっくり休んでもらって、明日から元気に登園してほしいですね。今日は、そんなクリスマス発表会で頑張った子どもたちに、保育園からのプレゼントは、「クリスマスお楽しみ会」です。

 

まずは、クリスマスとうことで、今朝サンタクロースからのプレゼントを子どもたちに聞いてみます。今回は、事前にサンタにお願いしたプレゼントをもらった園児が多かったようです。ドラえもんが大好きな6歳女の子には、ちゃんとドラえもんが玄関先にあったそうです。「おしゃべりするドラえもん」だそうで、たくさん遊べそうです。4歳女の子は、「まだ、もらっていな~い」と悲しそうな顔で答えます。実は、サンタからのプレゼントは子ども用キッチンで、まだ組み立てていないだけのようです。聞いたことがないおもちゃの名前もあって、サンタクロースはシニア世代なので、ちゃんとわかったの?と心配してしまいました。(笑)

 

「箱の中身は何なの?」ゲーム・「どこが変わったでしょうか?」ゲーム・「私は誰でしょう?」ゲームを子どもたちが出題者になって楽しみました。5月の保育参観で行った「こびと探しゲーム」を今日もやってみました。こびと熱は、まだまだ冷めていないので、盛り上がりました。じゃんけん列車で丸くなって、最後のお楽しみは、クリスマスプゼントをゲットです。番号札を引いて、園児全員にプレゼントが行きわたりました。保育園でストックされている、たくさんのミニカー・おもちゃに、職員のおうちで、捨てられない「ぬいぐるみ」など、子どもたちは大喜びです。

 

最後に、クリスマス発表会で披露した曲をみんなで歌って、ニコニコのお楽しみ会となったのです。「すごく楽しかった!」という子どもたちに、先生たちもホッとしました。

 

運動会、クリスマス発表会と、子どもたちが「目標に向かって練習する」という日々を送りました。今、それを成し遂げた園児たちは、「成長」という大きな財産を自ら獲得したのです。本当に、よく頑張りました。

2023年

12月

24日

令和5年度クリスマス発表会 つづき

今年のクリスマス発表会では、前日にハプニングが起きました。「どんちょう」と呼ばれる、ステージの幕が動かなくなったのです。この週の水曜日・木曜日にリハーサルを行ったのですが、その時から調子が悪くて、ついに動かなくなってしまったのです。仕方なく、業者がどんちょうを取り外し(修理に1か月かかるとのこと)、今回は、どんちょうなしで行うことになりました。演目の切り替えは、場内を暗くして行います。しかし、こんなハプニングにも、子どもたちは冷静に対応できました。変化に強い子どもたちです。(笑)

 

スタートは、園児代表挨拶です。年長女子4人がステージのセンターに立ち、自分たちで考えた挨拶を行いました。「本日はお越しいただきありがとうございました。ピアニカの練習は大変でした。でもできるようになりました。応援お願いします」と、びっくりするくらい立派な挨拶でした。オープニングのうた「赤鼻のトナカイ」「ウィウィッシュユアメリークリスマス」では、2歳児も参加しますが、誰一人泣いていません。大きな歌声が会場を包みました。

 

合奏は、6種類の楽器がシンクロして、素晴らしい演奏となりました。そして、0~2歳のかわいいオバケが登場です。若干2名の動きが確認できませんでしたが・・・(笑)、存在自体がかわいい子どもたちです。癒されました。前半ステージの最後は、園児全員でダンス「やってみよう」です。ノリノリの曲調で、寺子屋園児の衣装は、自らチョイスした私服ですので、自由度200%の素晴らしいダンスとなりました。

 

後半ステージは、忍者になった寺子屋園児からスタートです。忍者の衣装を着るだけで、ピョンピョン飛び回る園児たち・・・「勇気100%」は、パパママたちもよく知っている永遠のヒット曲ですね。忍者たちが躍動する素晴らしい舞台となりました。

 

そして、今回も保護者に方に、講演してもらいました。「小学生になること」が題目です。話をしてくれたママのもう一つの顔は、小学1年生の担任の先生です。そして、2つ目の顔は、バレーボール日本代表を目指した元アスリートです。(笑)

 

先生らしく、紙芝居のようにフリップを用意して「自分のことは自分でやる」などと、小学生になるとやらなければならない3つの大きなことを話します。そして、保育園時代から大きく環境が変わる保護者へのアドバイスもいただきました。具体例を交えた話は、とても分かりやすく、かつ凄かったのは、メモなしで、全部頭の中に言いたいことをインプットしていたことです。通勤時に学校まで自転車で走らせながら、独り言練習をしていたそうです。来年4月に小学生になる年長園児だけでなく、多くの保護者の心に刺さったメッセージでした。ありがとうございました。

 

いよいよ、劇「こびとのくつや」「王様の耳はロバの耳」を残すのみです。応援に駆けつけてくれた13名の小学生は、自分もかつてはこの舞台で演じたことを思い出します。そして「劇が一番楽しみだよ~」と開演前に言っていました。

 

練習では、なかなか大きな声が出なくて、子声だった年少女の子が「はげてる」という笑いをとるセリフで、今まで見せたことがない大声で、大爆笑を誘いました。まるで女優の演技力を見せてくれた、年長女子を見てると、本当に子役のオーデションを受けた方がいいと思ったものです。園児全員が、しっかりと自分のセリフを自分の声で表現できました。練習の厳しさを本番では、自分の力で喜びに変えたのです。

 

ステキな発表会となりました。子どもたちの「素晴らしい」「かわいい」「凄い」「頑張った」「かっこいい」・・・そのすべてが詰まっていました。応援していただいた保護者の皆様のあたたかい気持ちも十分に伝わました。小学生が後輩を応援する姿も、ホワイトきゃんばすの名物ですね。

 

今年もたくさんの応援の中で、子どもたちの笑顔が輝きました。これが見たくて、先生たちも頑張ってきました。子どもたちを支えていただきました皆様に・・・感謝します。ありがとうございました。

2023年

12月

23日

令和5年度クリスマス発表会

寒い朝・・・でも青空が広がり、すがすがしい朝となりました。西部文化センターの大ホールでクリスマス発表会を行うのは、今日で10回目です。保育園ホワイトきゃんばすが開園した翌年に、保育園内でクリスマス発表会を行い、次は、もっと大きな舞台で子どもたちを輝かせよう!と、小さな保育園の挑戦が始まったのです。

 

そして、運動会が終わり、11月に入ってから毎朝の練習がスタートしました。ダンスは、子どもたちが大好きですので、早い段階で覚えてしまいました。後は、ひたすら完成度を上げていきます。うたは、教室内に歌詞プリントがいたるところに貼ってあって、先生たちも一緒に歌いながら覚えていきました。

 

合奏の楽器は、年長がピアニカ・年中がスズ・年少がカスタネットを演奏するのですが、木琴・タンバリン・トライアングルを途中から導入して、さらに楽器の種類を増やしていきました。楽器の担当指名は先生が決めます。新たな楽器「タンバリン」に選ばれなかった年中の女の子から「私もやりたい!」涙の訴えがあります。選ばれる、選ばれないには、ちゃんとした理由があります。女の子は、ここで、自分の思い通りにならないことが世の中にはたくさんあることを学びます。納得して、スズを頑張りました。

 

そして、発表会の最大の見どころの劇「こびとのくつや」「王様の耳はロバの耳」は、時間をかけて、練習をしてきました。配役が決まると、読み合わせをします。最初は、先生が言ったセリフを「オウム返し」して覚えます。3日目の練習で、羊飼い役の年長女の子が、セリフを完全に覚えました。なんとか劇らしくなったのは12月に入ってからです。その間「もっと大きな声で!」「早口になると何を言っているのかわからないから、ゆっくり話す!」と先生たちにゲキを飛ばされながら、必死に頑張る子どもたちです。衣装を着て練習をするようになると、子どもたちの集中力が増していきます。

 

今回は、お着替えの練習をしました。寺子屋園児だと、登園時の服装→うた・合奏の服→ダンス「やってみよう」の服→「勇気100%」の衣装→「劇」の衣装と4回もお着替えをします。練習をしたおかげで、スムーズに子どもたちのお着替えが進みました。楽屋で、楽しそうにお着替えをする子どもたちを見ていると、「練習をこれだけ頑張ったから、今日は大丈夫・・・楽しもう!」といった感じで、子どもたちは、とてもリラックスして、笑顔に満ちていました。

 

そんな、1か月半の練習期間を経て、いよいよクリスマス発表会当日を迎えました。出席予定の園児は、全員体調を崩すことなく元気な姿を見せてくれました。

 

いよいよ令和5年度保育園ホワイトきゃんばす「クリスマス発表会」の開演です。

 

つづきは明日・・・

2023年

12月

22日

ジビエ料理を楽しむ

クリスマス発表会前日は、朝からリラックスして練習はやりません。朝の会では、劇で演じる「こびととくつや」「王様の耳はロバの耳」の読み聞かせを始めると、子どもたちが自分のセリフをつないでいきます。寺子屋園児全員が、流れるようにセリフを言えました。朝から「ブラボー!」です。(笑)

 

どうも、保護者の方がソワソワしているようで・・・年長女の子は、「いっぱい練習したので大丈夫。あとは、明日、全力で頑張るだけ」なんて、頼もしいことを言っています。私も、子どもたちの活躍を楽しみにしていますが、実力以上のパフォーマンスを発揮する園児も、緊張で普段の実力を出せない園児も、両方「よくがんばった!」と声をかけるだけです。

 

さて、最近は、住宅街に「熊が出た!」「鹿が出た!」「猪が出た!」という報道が多いですね。それと関係するかはわかりませんが、野生のシカやイノシシなどの食肉を使ったジビエ料理の人気が高まっているようです。

 

牛・豚・鶏肉を食べ慣れている私たちは、どうも、ジビエ料理は味やにおいに独特のクセ

があると思いがちですが、最近は、気楽に楽しめるジビエ料理の提案が増えているそうです。

 

JR東日本グループのカフェ「ベックスコーヒーショップ」では、毎秋ジビエのカレーを展開。1万1000食を2か月で完売したそうです。無印良品でもイノシシやシカの肉を使ったレトルトカレーを限定販売するなど、身近に食べられるようになっています。

 

農林水産省では「全国ジビエフェア2023」を開設して、ジビエ料理を提供する飲食店やジビエ製品が購入できるサイトなど、約1500店の情報を紹介しています。こうして、国がジビエの消費を広げようと力を入れる背景には、野生動物による深刻な農作物被害があるようです。2022年度の被害額は156億円で、全体の6割をシカとイノシシが占めるそうです。「捕獲した野生鳥獣を地域資源と捉え、ジビエ料理に有効活用していきたい」と担当者は話します。

 

シカやイノシシの肉は、ビタミンや鉄分が多く、栄養も豊富とのこと。あと何年かすると、スーパーのお肉コーナーに、あたりまえにジビエ肉が並ぶようになるかもしれませんね。

 

どうですか・・・ジビエ肉、食べたくなってきましたか。

2023年

12月

21日

例年通りで行います

今日は、クリスマス発表会リハーサル2日目です。今年初めて、大ホールを経験する園児も、2日目となると余裕が出てきたようです。大人にも当てはまることですが、「慣れること」「経験すること」は、とても大事なことで、何とか、明後日の本番を楽しんでもらいたいものです。今日の連絡ノートでは、「親の方がドキドキ…ソワソワ…」というコメントもありました。(笑)

 

さて、企業の会議でも、学校の職員会議でも「これにつきましては、例年通りで行います」という言葉がたびたび聞かれますね。そうです、昨年までに経験していることなので、わりと簡単にできるからです。「変更したり、新しいことに取り組むのは面倒くさい」という人間の心理もあるでしょう。

 

おかげさまで、明後日行われる保育園のクリスマス発表会は、毎年行っていますが、園児も変わるし、演目も毎年変えるので、毎回「新たな挑戦!」となります。大変なことが多いですが、子どもたちの成長の姿を見ると、「やってよかった!」と職員一同大満足するのが、毎年継続されます。

 

でも、多くの企業や学校は、「前年踏襲型」で進められることが多いですね。しかし、どうやら、今年は「例年通り」が通用しなくなったようです。令和元年末からの新型コロナウイルス感染症の流行により、様々な行事が中止に追い込まれたからです。学校であれば、入学式、卒業式、運動会、家庭訪問、校外学習はどうするか・・・次から次へと改めて考え直さなければならないからです。

 

そして、組織の新人は、コロナ前のことを知らない世代かもしれません。こうなると、「コロナ前はどうやってたっけ?」なんて、以前のやり方を思い出さないといけませんね。

 

そうです。今はまさにチャンスなのかもしれません。コロナ前にやってきたことをそのまま復活させるのか・・・それとも、思い切って見直すのか。それを判断するキーワードは「その行事やイベントは何のために行うのか?」です。その会社や学校の方針や目標に合っているのか?

 

こうして、やめるものがあってもいいですし、新たに加えることがあってもいいですね。コロナ前に戻すことは、決して正解とは言えません。

 

私は、個人的には「前年踏襲型」が大嫌いで、同じことをすることは「何も考えていない」とまで思っていました。今も、その考えは強いですが、コロナ前とアフターコロナと今は、時代の境界線と捉えると、「何のために行うか」をしっかり考えることが大切ですね。

2023年

12月

20日

ドレミファソラシド

今日は、クリスマス発表会のリハーサルを「西部文化センター大ホール」で行いました。本番の会場です。子どもたちにとって、ぶっつけ本番では、実力が発揮できないかもしれないので、こうして本番同様の練習を行うのです。会場の設備スタッフにとっても、今日明日のリハーサルで照明の配色やスポットライトの確認を行います。ちょっとした劇団が行う舞台と比べても、そん色ない演出で子どもたちを舞台に上げます。初めて、この大ホールを経験する園児もいますが、本番に向けて、充実した練習ができました。

 

クリスマス発表会では、歌もうたうし、楽器も演奏します。私の娘は二人とも中学時代は吹奏楽部でした。関東大会に出場する機会があり、親バカの私は、もちろん会場に駆けつけます。演奏を始める前に、それぞれの楽器が音を合わせるためにチューニングをするのですが、一般的に、音合わせの音は「ラ」の音を使います。ドレミファソラシドの「ラ」です。

 

「ラ」の音は、440ヘルツという周波数で表されます。実は、ドレミファソラシドすべての周波数には違いがあります。「ド」は261.626ヘルツ、「レ」は293.665ヘルツと決まっているそうです。ちなみに高い「ラ」は880ヘルツで、低い「ラ」は220ヘルツだそうです。つまり、私たちが聞いているすべてのドレミの音は、それぞれ周波数が決まっていて、その空気の震え方を私たちの耳が捉えて音が聞こえるのです。

 

なんだか、「音楽」の話なのに、算数や理科のようですね。こう考えると、音楽は、その周波数の組み合わせで、メロディーができており、私たちは、その歌を聞いて、うれしくなったり、元気が出たり、時には涙を流すのです。子どもたちが楽器を演奏するのも、周波数の組み合わせでできているだけなのに、どうして、私たちの心をこんなにも揺さぶるのでしょうか。

 

クリスマス発表会では、子どもたちの歌声や楽器の演奏に、周波数だけはでない、人に喜びや感動を与える何かがあるのを探しながら・・・子どもたちの晴れ舞台を見守っていくことにします。

2023年

12月

19日

社会人の学び直し

今日は、明日の発表会リハーサルを前に、子どもたちは、練習はそこそこに、屋上でたっぷりと遊びました。1・2歳児の園児が大根を引っこ抜きます。まだ、一人では抜けませんが、園長が手伝って、大きな大根が出てくると「わぁ~だいこんだ!」と大喜びです。収穫体験は、子どもたちにとっては、スーパーで並んでいる野菜が、畑ではどうなっているのかを学ぶきっかけにもなります。私が子どもの頃は、近所の農家の仕事を手伝ったりしたので、野菜がどう土の中で育っているのか、当たり前に知っていましたが、今の子どもたちは知る由もありません。ホワイトきゃんばすの子どもたちは、屋上ファームで学んでいます。

 

さて、私の大学時代の同期の一人が、かつて50歳を前にして「俺、今大学に通っているんだよ」と、いいおっさんが、笑顔で目を輝かせながら言っていました。リスキリング(学び直し)をやっていたのです。「学生たちは、自分の子どもの年代だけど、しっかりしてるし、とても刺激があるよ」と言っていました。

 

今、社会人向けのリスキリング講座を開設する大学が増えているそうです。大学が持つ専門性や研究成果などの強みを生かし、デジタル人材育成など、企業側のニーズを取り込むのが狙いです。もちろん、その背景には、18歳人口が減少するなか、社会人教育を新たな収益源に育てたいという思惑があります。

 

確かに、少子化で大学運営は厳しさを増しています。文科省の推計では、2022年に約63万人だった大学入学者数は、2050年には約49万人にまで減る見通しです。現在の大学の定員の2割分が埋まらなくなる計算です。よって、社会人向けの履修証明プログラムを開設している大学は、2017年度の163校から、2021年度204校に増加しています。

 

テレビCMでよく目にする、転職サイトを運営する「ビズリーチ」が、30歳以上の会員に行った調査によると、リスキリングに取り組んでいる人の割合は67.6%だったそうです。受講する会社員の目的は、「知識とスキルを高め、会社に貢献したい」が多いそうですが、「自身の市場価値を上げ、転職する際の大きな武器になる」という人も多いのでしょう。

 

「地域イノベーションプロデューサー塾」「マネジメント実践講座」「公共政策リスキリング講座」「社内グリーン推進リーダー育成プログラム」・・・こんなところが、大学が提供するリスキリング講座です。

 

しかし、リスキリングは、わざわざ大学に行かなくたって、民間事業者が提供する講座でいいのではないか・・・私も、民間企業で働いていた時の社外研修では、マネジメントにかかわる研修を受け、仕事にも役立ちました。

 

大学の利点は、知識やスキルを体系的に学べる点だそうです。例えば、インボイス制度の概要を知りたいだけなら無料動画を見た方が早いですが、制度ができた法的な背景や会計について幅広く学び、知識を応用したい人にとっては、関連する講座の多い大学の方が役に立つのです。

 

「終身雇用」という概念が、多くの企業でなくなってきた現代社会では、会社に残る人も、転職して自分をアピールする人にも、付加価値となるスキルが多くあった方がいいのです。社会人の学びのニーズは、絶えず変化しているのですね。

 

あぁ~私たちは、死ぬまで学び続けるのです。

2023年

12月

18日

木こりのジレンマ

保育園では、毎年年賀状を作成して、子どもたちのおうちに届くようにしています。といっても、内容は、子どもたちが描いた作品ですので、保護者のお楽しみですね。現在、職員が手分けをして、宛名を作成しポストに投函していますが、衝撃の事実を知りました。まずは、年賀状を知らない子どもたちの話です。小学校6年男子の18.6%、中学3年男子の22.9%は、前年に一通も年賀状を受け取らなかったそうです。(令和4年度日本郵政調べ)そして、さらに驚くことに、小学6年で自分の住所を正しく言える児童は60.6%しかいないそうです。平成24年には84.5%だったので、2割減です。手紙を書く習慣がなくなったのが大きな要因だと思われます。個人情報の問題で、友だちの住所を知らないこともありますが、なんだか寂しい限りです。

 

さて、今日は「木こりのジレンマ」の話です。必死に木を切っている木こりに、通りかかった人が言います。「斧がひどく刃こぼれしているよ。刃を研いだらどうだい」。木こりは、「分かっているけど、そんな暇はないよ」と答えるというエピソードです。

 

目先のことだけにとらわれて効率を考えられなくなっている。タスク(課せられた仕事・職務)のことで頭がいっぱいでスキル(技能や技術)を磨こうとすることが気にならなくなってしまうこと。の例えです。

 

実は、私たちは、多くの時間を「木こり化」して過ごしているのかもしれませんね。毎年、同じことをして忙しい日々を過ごしてしまう。「じゃ~仕組みを変えてみよう。考え方を変えてみよう」と、働きかけようとしても、多くの人は「負担」と言って、手を止めて刃を研ごうとせずに、刃こぼれしたままで仕事を続けるのです。人間という生き物は、前年踏襲型が楽に感じるのです。

 

でも、そんな中に、新しい風を入れようと意欲を持つ人がいます。風当たりが強くても、手伝ってくれる人がいなくても、ここは辛抱・・・アンテナを立てて、情報をキャッチし、自らもアウトプットする。そうしていると、必ず同士が見つかり、つながりができるものです。

 

もうすぐクリスマスですが、私たち大人は、待っているだけでは「サンタクロース」は来ません。大みそかの夜に「かさじぞう」が小判やご馳走を持ってきてはくれません。誰かに変えてもらうのではなく、当事者意識を常に持っていたいものですね。

 

まずは、「木こりのジレンマ」に自分はなっていないか・・・時々考えることから始めませんか。

2023年

12月

17日

魔法の文学館

数年前に、さいたま市の大宮区役所が移転して、併設された大宮図書館に卒園児の小学生を連れて行ったことがありました。この図書館は、今までの図書館のイメージを一新するようなつくりで、フリースペースがたくさんあって、階段状のステップスペースで、リラックスしながら子どもたちは好きな本を読んでいました。こんな図書館なら、きっと本好きの子どもになるんだろうなぁ~と思ったものです。

 

そんな子どもと一緒に本をのんびり読みたくなるような場所ができたようです。江戸川区に「魔法の文学館」が開館しました。ここには、児童文学作家の角野栄子(かどのえいこ)さんが選んだ約1万冊の本が並びます。

 

角野さんは、ご存じの通り、ジブリの映画になった「魔女の宅急便」の作者です。魔法の文学館の中には、魔女の宅急便に登場する「コリコの町」が再現されています。いちご色の子どもたちがわくわくするような空間です。

 

角野さんは、子どもの頃に読んだ「アラジンと魔法のランプ」で、ランプをキュッキュッと磨いて願いを言えばなんでもかなえてくれる・・・これを「なんか嘘くさい」と思ってしまったそうです。なんでも魔法でできてしまうのは面白くない・・・それは「魔女の宅急便」のキキに反映されているそうです。キキは、ドジで失敗もする魔女ですね。

 

角野さんが終戦後に読んで印象に残っているのが、竹山道雄の「ビルマの竪琴」だそうです。実は、私も中学の時に、この本が読書感想文の課題に出されたので、内容はよく覚えています。ビルマは、現在のミャンマーです。

 

戦闘で多くの兵士が死んでいくのをまざまざと見た水島上等兵は、ビルマで僧侶になります。仲間に、「水島、一緒に日本に帰ろう」と言われるが帰りません。死んでいった者たちをビルマに留まって、その魂を鎮めようと祈り続けるのです。「仲間と一緒に日本に帰ればいいのに」と・・・なんて、悲しい終わり方をするんだろう。と角野さんは思ったそうです。そして、物語は「ハッピーエンドが良い」と言います。

 

「魔法の文学館」には、物語を中心とした本が並んでいるそうです。並べ方はバラバラでジャンルや時代で分類もしていません。「自分の読む本は、自由に見つけてほしい」という思いからだそうです。角野さんは、「お薦めの過ごし方やお薦めの本はありません。お薦めがないというのがお薦め」と笑います。

 

子どもと一緒にテーマパークやショッピングに行くのもいいですが、たまには、子どもに「魔法の図書館にいって、好きな本を探してみよう!」と声をかけて、一日ぼっ~としているのもいいですね。慌ただしい日常の中で、贅沢な時間かもしれません。

2023年

12月

16日

クリスマスケーキの値段は「甘くない!?」

今日は小学生がいるので、「クリスマスケーキは何を食べる?」で話が盛り上がりました。「生クリームが苦手だから、チョコレートケーキにするんだ」「手作りもいいんじゃない?」「えっ!クリスマスケーキって買うもんじゃないの」「保育園では、子どもと一緒に作るママがいるよ」「ピカチューのケーキがいいなぁ~」「それって、小学生になったら、もう卒業しないとね」「ケーキじゃなくてアイスクリームケーキをうちは食べるよ」・・・こんな感じで、子どもたちの甘いケーキの話が止まりません。

 

しかし、今年のクリスマスケーキは、どうやら甘くない値段のようです。昨年も「値上がりしたなぁ~」感が強かったですが、今年も物価高の波が押し寄せています。イチゴは最大50%増、鶏卵30%、砂糖15%、牛乳20%、バター12%と、10月時点ですでに原材料が高騰しているのです。それに加えて、化粧箱やフィルムなどの資材や人件費、電気・ガス代も値上げしているので、いくら企業努力をしても、現状維持ができないようです。

 

洋菓子メーカー・百貨店・コンビニエンスストアなど100社を対象にした調査では、前年よりも価格を引き上げたのは81社もあるそうです。

 

クリスマスケーキをかつては販売する側だった私は、12月24日の夕方、惜しみなく大金を財布から出して、高額なクリスマスケーキを購入するお父さんの姿を目にすることが多かったです。子どものため・・・妻に頼まれて・・・理由はいろいろでしょうが、明らかに、普段からケーキを購入する習慣がないおじさんたちが、列に並んで買っていくのです。

 

そんな今年の、クリスマスホールケーキの平均価格は、何と4468円です。これは、前年の平均価格よりも325年増だそうです。あるデパ地下では、クリスマスケーキにかける平均予算が6077円で、昨年よりも1169円増えたそうです。デパートで売られるクリスマスケーキは、有名パティシエの限定ケーキであったり、付加価値いっぱいですので、どうしても値段が高くなりますね。

 

1年間で、一番ケーキが売れるのが、クリスマスイブの12月24日です。次が25日のクリスマス当日です。どうやら、世間のお父さんたちは、コストパフォーマンスでクリスマスケーキを決めるのではなく、「見た目の良さ」のようです。おうちに帰って、「わー凄い!美味しそう!」と子ども奥様に言ってもらえるように、ガンバレ!

2023年

12月

15日

時代とともに変わる「ヒロイン像」

朝から年長女子を中心に、布でテントを作り、素敵なキャンプ空間を作っていました。保育園の園児の中には、キャンプがライフスタイルになっている家族が多いので、こんな遊びにつながったようです。

 

さて、ハロウィーンパレードでの女の子の仮装一番人気は、「お姫様」です。ドレスを着たいという純粋な気持ちですが、ディズニーのヒロインたちは、時代とともに、その生き方が変化しているのをご存じですか。

 

「白雪姫」「シンデレラ」といった、ディズニー初期の作品にみられるヒロインの法則は、「①プリンセスとプリンスが出会うと恋に落ちる②真実のキスを交わすと呪いが解ける③二人は末永く幸せに暮らしました」というストーリーが基本です。不幸な境遇にいるお姫様だけど、最後には王子様が救ってくれる・・・こんな感じです。シンプルでほのぼのとしたストーリーですね。

 

そして、ディズニールネサンスと呼ばれる作品が登場します。「リトル・マーメイド」「美女と野獣」「アラジン」といった作品です。ここに登場するヒロインは、おしとやかで清楚で王子様を待つ受動的なヒロインではなく、活発で意志の強いヒロイン像が強調されます。美女と野獣のベルは読書家で、アラジンのジャスミンは宮殿を抜け出して町へ冒険に出かけます。それだけでなく「王子となければ結婚できない」という法律を馬鹿げていると改正させもします。ここで登場するヒロインは、王子に頼るのではなく、自分で夢をつかもうと動くし、身分の違いやハンディキャップを乗り越えて恋をするのです。

 

そして、女子の仮装ナンバーワン人気の「エルサ」が登場する、「アナと雪の女王」では、さらに時代を反映させたヒロイン像が描かれます。「王子様は、実は思い描いた人ではなかった」「王子様と結ばれることが最上のエンディングではない」ストーリーとなっています。この作品は、ディズニーヒロインの大きな転換点と言われ、「ありのままで」いる自分を肯定することが示されたのです。恋よりも自由が欲しい。自分を変えるチャンスは、同性を含む他者との対話から生まれ、ありのままの自分を愛することから始まるというメッセージです。

 

最新作の「ウイッシュ」には、ヒロイン・アーシャの友人として、「松葉杖でメガネをかけた」少女や、「存在感の薄い」少女が登場します。これは、ヒロインやヒーローが中心の構成だけではなく、身近なコミュニティーとの関わりだったり、それぞれの登場人物が持つアイデンティティーと向き合う物語になっています。まさに、多様性を認めることが当たり前のストーリーですね。

 

もちろん、ディズニー作品を作り上げるクリエイターは、今までにないものを描写するのが当たり前です。それは、結果的に時代の変化を取り込んだストーリーとなり、ヒロインは、その時代の女性像とかぶるのです。

 

保育園の子どもたちには、まだ難しい話ですが、大人の私たちは、ディズニーヒロインから、各時代における女性像を考えるのも、面白いですね。

2023年

12月

14日

居酒屋新幹線

 連日クリスマス発表会の練習をしっかりと行っていますので、屋上遊びの時間がいつもよりも短くなります。でも、雪化粧した富士山を見ながら、子どもたちは元気に遊んでいます。今日は、30メートル走をしました。自転車でもストライダーでも三輪車でもかけっこでも何でもありの競争です。自転車が一番速いと思ったのですが、何と「かけっこ」が一番です。30メートルでは、自転車が加速する前に、走り抜けるのです。 

 

「僕の仕事は内部監査。日本中を回る日帰り出張の日々。身も心も疲れるが、僕には密かな楽しみがあった。発車ベルがなるまで酒と肴を探してまわる。そして始まる。主は俺、客も俺一人の居酒屋新幹線」・・・毎回決まったこのオープニングで始まるドラマ「居酒屋新幹線」をご存じですか。

 

主人公の進(眞島秀和さん)は、日帰り出張で内部監査の仕事をすませると、新幹線の時間まで、その土地の肴、うまい酒を仕入れて、東京までの新幹線の中で「居酒屋新幹線」が開店します。進は、三人がけの普通席の通路側に陣取り、テーブルクロスを新幹線の小さなテーブルに敷き、持参のおちょこ、箸を整え、手に入れた戦利品を並べます。そして、注いだ酒を掲げて言うのです。「お疲れ様、おれ」と。

 

シーズン1は、東北新幹線を舞台に、新青森・八戸・盛岡・新花巻・仙台・福島・郡山などの駅が舞台となりました。それぞれの駅で、進が街を歩き、人に会い、仕入れた酒と肴の話が展開します。この食材とお酒を手に入れるまでのストーリーが、なんとも味わい深いのです。脚本は4名が担当し、女性の脚本家もいます。酒と肴だけでなく、デザートのスイーツにもこだわることもあります。男性目線だけではないのが、観ていて、グッとくるのです。

 

進は、新幹線で偶然隣り合わせた初老の男(モロ師岡)が、いわば師匠で、彼のスタイルを参考に、「居酒屋新幹線」を思いつくのです。師匠はこんなセリフを言っています。「うまいだけなら東京でいい。流行りのものならネットが教えてくれる。売りたいものなら広告を見ればいい。私はね、自分が味わってみたいものを探して歩く。もちろん当たり外れもあるんですがね、それもこの店(居酒屋新幹線)の味わいの一つなんです」

 

どうですか・・・この感じ、私は大好きです。かつてのサラリーマン時代。関西出張の帰りの新幹線では、さすがに「居酒屋新幹線」の進まではこだわりが深くありませんが、ただの駅弁&缶ビールはNGです。大阪梅田の「阪神百貨店」か「阪急百貨店」のデパ地下をうろうろして、酒と肴を買い求めます。定番の「ネギ焼き」は外せません。そして、キオスクでは売っていない、2個入りの「赤福餅」がデザートです。お金をそんなにかけなくても、至福の時間となるのです。

 

来年1月9日から「居酒屋新幹線」シーズン2がスタートするそうです。今度は、北陸新幹線と上越新幹線の駅が舞台となります。北陸日本海には、うまいものとうまい酒がたくさんあるので、楽しみにしています。

 

興味を持った人は・・・一度見てください。

2023年

12月

13日

不登校は親の責任!?

発表会ダンス「やってみよう」は、子どもたちの私服が衣装です。男子はキャップをかぶり、女子はリボンでオシャレに、派手な格好で踊ります。音楽もPOPなので、子どもたちの自由な衣装が映えます。本番でも楽しいダンスになりそうですね。

 

さて、児童生徒の不登校が増えているという報道は、テレビなどでよく目にするようになりましたが、2022年度に30日以上登校せず「不登校」とされた小中学生は29万9千人と、6年連続で過去最高を更新しています。同時に、親は追いつめられます。10月に滋賀県のある自治体の市長が「不登校の大半は親の責任」と発言し、不登校に悩む多くの親や関係者から、驚きの怒りの声が上がりました。

 

NPO法人「登校拒否・不登校を考える全国ネット」の中村代表は、「いまだに、『不登校は親の責任』『甘やかし』と考える人が一定数います。そうした人たちは、不登校の親の声を聞いたことがないのだと思います」と言います。

 

学校現場の教員は、「学校に来なくてもいいですよ」という対応は、最近のことで、親を責めるつもりはなくても、「頑張って学校に連れてきてください」と働きかけることがあります。その結果、さらに状況が悪化し、親は自分が悪いと自らを責めることになってしまいます。

 

全国ネットは、不登校の子どもを持つ親にインターネットでアンケートを実施し、574人から回答がありました。「不登校がきっかけで親に生じた変化は?」を選ぶ問いでは、「学校や社会への考え方や価値観が変わった」「自分を責めた」「孤独感、孤立感が増した」「家族との関係が悪くなった」など、親自身が追い詰められる状況が明らかになったのです。

 

私のような昭和世代の親は、自分が子どもの頃は学校に行くのが当然と思っていた世代です。多様な生き方が大事だと思いながら、いざ自分の子どもが不登校になると、情報もないため孤立し、どうしていいかわからなくなってしまうのです。

 

そんな中で、全国ネットの中村代表は、「親の居場所」が重要だと言います。居場所になるのは、地元の不登校親の会、教育委員会の教育相談センターや児童相談所、各自治体の教育支援センターなどだそうです。

 

子どもの不登校をきっかけに、親は仕事を辞めざるを得なくなり、経済的にも苦しくなります。子どもの不登校を機に、収入が減った世帯は約34%にもなるそうです。子どもをフリースクールに通わせると、さらに家計の負担が増えますね。

 

不登校新聞の茂手木さんは「不登校の親は繋がりと情報の2点が重要」と言います。つまり、「子どもが不登校になると親が責任を感じ、その先どうなるか不安を抱えるのは、モデルケースがないからです。そのためには、同じ経験をした親同士が集まり、話ができ聞ける場が必要。繋がりをつくり、情報を共有していくことが大事です」と語ります。

 

そして、「不登校の子どもが何に苦しんでいるかといえば、親が自分のことで悩み苦しんでいること。子どもは自分のことで、親を苦しめたくないんです。親が自分の人生を楽しく歩んでいてくれることが、子どもが元気になる一番の近道です」

 

どうですか・・・親が悩む姿を子どもは見たくないことは、間違いないですね。簡単ではありませんが、親は、時には子どものことを考えず、遊んだり趣味に時間を使ったり楽しく生きることも大事だということですね。

 

保育園ホワイトきゃんばすを卒園した小学生が不登校になり、母親の相談に乗ったことがありますが、「無理に学校に行かせることもないし、どうして?と質問攻めも決してやらないように」とアドバイスしましたが、親が楽しい人生を見せることが大事であることを今回学びました。

2023年

12月

12日

開けて楽しいクッキー缶

今日の寺子屋は、「カブトムシの幼虫観察」です。8月に生まれた幼虫が、どこまで大きくなっているか。衣装ケースに腐葉土を入れて飼っていましたが、腐葉土の入れ替え作業をしながら、幼虫観察です。たくさんの糞とともに、約7センチ、太さはちくわぐらいにまで成長した幼虫が、ゴロゴロ出てきました。全部で15匹です。7月にサナギからカブトムシになるところを観察しましたが、久しぶりのまん丸幼虫に、半分の園児が腰を引きます。しかし、半分は、何のためらいもなく触りまくっています。腐葉土を新しくして、土の上に幼虫を置くと、するすると土の中にもぐっていきます。 ということで、ちょっぴりゲロゲロの観察会となりました。

 

さて、今クッキー缶ブームだそうです。昭和世代の私にとって、クッキー缶と言えば「泉屋のクッキー」がすぐに思い浮かびます。昭和27年に創業し、日本で最初にクッキーを販売した泉屋東京店では、創業当初からクッキー缶を取り扱っています。あのシンボルマークの「浮き輪」は、「母が子を守る」「人の輪」を意味しているそうですが、今でも泉屋の象徴ですね。

 

実は、現在のクッキー缶ブームは1970年代に続き2度目だそうです。以前は、贈答用に大きなものが喜ばれたのですが、現在は自分用やちょっとした手土産に向く小さめサイズが主流だそうです。百貨店のデバ地下スイーツコーナーには、クッキー缶を扱うブランドが増えています。クッキーに特化した催事を開く百貨店もあるそうです。それだけ、集客が見込めるマーケットのようです。

 

クッキー缶の楽しみは食べ終わった後にも続きます。カード入れやそのままインテリアに活用されたり、円形の缶は多肉植物の寄せ植えの鉢にしたり、六角形の缶を置き時計にリメイクしたりして楽しむ個性派が増えているようです。保育園の卒園児の一人は、クッキー缶を「宝物入れ」として活用しています。卒園式での「園長からの手紙」も、その缶に入っているとのことです。また、メルカリでは、「お古」のクッキー缶が、高額で取引されているようで、今年の取引は、3年前の2倍だそうです。

 

スイーツは、ご飯やパンなどの主食ではないので、食べなくても人は生きていけますが、スイーツを口にすると、「幸せな気持ち」になります。これが、心を落ち着かせたり、また明日がんばろう!という気持ちになるのです。人生には欠かせないものですね。

 

クッキー缶は、缶のデザインを楽しむのもいいですし、「中にどんなクッキーが入っているのだろうと蓋を開けたときにも驚きや喜びがあります。ベタな言い方ですが、幸せを引き起こす要素がたくさん詰まっているのかもしれませんね。

 

みなさんのおうちにも、お菓子の缶がどこかにあるんじゃないですか。今日おうちに帰ったら、缶が醸す懐かしさを楽しんでみませんか。

2023年

12月

11日

教科書を超えた学び

クリスマス発表会まであと2週間…これまでの練習の成果が出ています。劇では、流れるようにセリフを口にする子どもたちです。年少園児の中には、セリフがすぐに出てこなかったり、声が小さかったりする子もいますが、本番までに完成度をあげます。「王様の耳はロバの耳」の床屋役は、テレビに出てくる子役顔負けの演技力です。

 

さて、今日は、小学校高学年の理科の授業の話です。私が小学生の頃も、理科の実験は、ワクワクドキドキ・・・カエルの解剖など、今思えば残酷な場面も「好奇心200%」でしたね。

 

では、今の子どもたちは?

 

もちろん、どんな結果が出るだろうとわくわくしながら実験に取り組む子もいれば、「よく分からない」「教科書読んだから知っています」「塾で習ったよ」とつまらなそうな表情の子もいます。

 

そこで、電磁石の授業を担当した先生は、実験を通して、「流れる電流を大きくしたり、コイルの巻き数を増やしたりすると、電磁石の磁力が強くなる」と、教科書にあることを教えます。通常の授業なら、この結論をもっておしまいです。しかし、この先生は「では、同じ巻き数で同線の太さを変えるとどうなりますか」と子どもたちに問いかけます。

 

すると、子どもたちの表情は一変します。慌ててノートや教科書を開いて答えを見つけようとしたり、「電流が流れる道がひろくなるから・・・?」「でも、巻き数はおなじだよ?」と、子どもたちが活発に議論を始めます。塾で習ったというこの目付きも真剣です。やがて、「そうゆうことか!」「分かった」という声が聞こえ始め、理科室の空気が生き生きと変わっていくのだそうです。

 

まさに、教科書に掲載されている「答え」の先の問題ですね。教科書を超えた学びは、子どもたちが「自分で考える」という流れになっていくのです。この場合は、「分かる」を引き出す授業ですが、子どもたちが楽しみながら参加している光景が目に浮かびます。こんな授業が、もっとたくさんあるといいですね。

2024年

3月

19日

シンガーソングライター 新沢としひこ

今日は、お別れピクニックです。年長園児11名で近くにある「三橋総合公園」へお弁当を持って出かけました。三橋公園までは、歩いて20分ぐらいですが、「ピクニック楽しみにしてたんだ。お弁当は○○」と、子どもたちの楽しい会話が聞こえてきます。公園に到着すると、まずは水辺の生き物観察です。「エビを捕まえたぞ!なんだ、この生き物は?この小さな貝はタニシ?ヤゴはトンボの幼虫だね」と、生き物には慣れた子どもたちです。6歳男の子は、ミミズも素手で触っていました。

 

「園長先生・・・おなかすいたよ~」で、お弁当タイムです。ニコニコ顔で完食すると、自由遊びタイムです。土手の草の上をゴロゴロと回転して降りる子どもたち。目が回っても楽しくてたまりません。アスレチックや遊具で体を動かして、メタセコイヤの木の実を集めます。防虫効果があるクスノキの葉の香りをかいで、楽しいピクニックとなりました。こどもたちの大切な時間になりました。

 

そんな、卒園児が、卒園式で歌う曲の一つは、「さよならぼくたちのほいくえん」です。全国の多くの保育園や幼稚園の卒園式で、この曲が歌われます。その歌詞に、姿に、親は涙するのです。

 

♪たくさんの毎日を ここですごしてきたね

 なんど笑って なんど泣いて なんどかぜをひいて

(略)さよなら ぼくたちのほいくえん(ようちえん)

 ぼくたちの 遊んだにわ(ホワイトきゃんばすでは「おくじょう」です)

 

この曲を作詞したのは、新沢(しんざわ)としひこさんです。多分知らない人が多いと思います。でも、次の曲は知っていると思います。

 

♪世界中のこどもたちが いちどに笑ったら 空も笑うだろう ラララ 海も笑うだろう

そう、「世界中の子どもたちが」です。知っていますよね。また、一昨年の保育園ホワイトきゃんばすのクリスマス発表会で歌った「虹」も、新沢さんの曲です。コロナ禍になった頃にテレビで毎日のように流れていました。

 

新沢さんは、「子どもの歌は、『詠み人知らず』の雰囲気が強くて、無名性が高いです。保育園に歌いに行くと、目の前に座った子どもたちに『おじさん、どうして僕たちの歌を知っているの?』と言われることがよくあります。子どもの歌は、僕の持ち歌じゃない。みんなが歌うもの。我ながら不思議な仕事だと思います(笑)」と言います。

 

新沢さんは、国際基督教大学(ICU)付属高校が開校した1期生で入学します。新設校だから、生徒会もない、部活もない、上級生もいない、夢のような3年間を過ごします。すべての選択が自由という環境で、新沢さんの感性が研ぎ澄まされていくのです。大学時代には、保育園でアルバイトをします。しかし、現実は甘くなかったようです。天使のような子どもたちが若いお兄さんを大歓迎してくれると思っていたら、目の前に現れたのは、超絶悪ガキ集団で、節分では、紙の棒でバンバンぶたれ、子ども同士のケンカも日常茶飯事です。「びっくりしたけど、すっごく面白かった。子どもだって人間で、大人と何ら変わらない。そのことに気づくことができたのは、大きかった」と振り返ります。

 

シンガーソングライターは、名前を憶えてもらって、ヒット曲を出すことが幸せなのかもしれませんが、新沢さんは、大スターではありません。子どもたちは、新沢さんの名前は知らなくても、全校児童が「虹」を歌い、卒園式で「さよならぼくたちのほいくえん」が大合唱され、式は涙で包まれます。なんだか、これって、すごく幸せで、豊かな人生だと思いませんか。

 

でも、せっかくですので、これを機に、「新沢としひこ」。覚えてくださいね。

2024年

3月

18日

19年破られなかった日本記録

せっかく春らしくなってきたと思ったものの、今日は一転して強風の寒い一日でした。桜の開花が、当初の予定よりも少し遅れるようですね。保育園のお花見は、3月末か、新年度4月になってからか・・・満開から桜の花が散り始めた頃を見はからって行います。

 

さて、ある女性アスリートのコメントです。「これまでの感謝を込めて、夢を追いかける

ことの素晴らしさを伝えていきたい。それと、美味しい酒を飲むためにも走り続けたい」と語る人。誰かわかりますか。現役を引退されているので、美味しい酒も許してください。(笑)

 

そうです。今日は、2004年のアテネ五輪女子マラソンで金メダルを獲得した、野口みずきさんの話です。野口さんは、翌2005年、ベルリンマラソンで2時間19分12秒の日本記録を樹立します。

 

この記録は、なかなか破られませんでした。そして、ついに、今年1月の大阪国際女子マラソンで、前田選手によって、2時間18分59秒のわずか13秒差ですが、日本記録が更新されました。この間、19年間、野口さんの記録は破られなかったのです。前田選手は、途中からペースメーカーを置き去りにする圧巻の走りでした。それを野口さんは、解説者として乗り込んだ中継車の中でワクワクしながら見届けたのです。

 

自分の記録が破られるのに、野口さんはワクワクしていたのです。そして、「日本記録が塗りかえられた、その現場に立ち会えたことが幸せだった」と言うのです。普通なら、自分の日本記録が抜かれてしまうので、残念な気持ちになるのが普通でしょうが、野口さんは、喜ぶのです。

 

実は、野口さんが高校卒業後にずっと指導を受けてきた岩谷産業陸上部の廣瀬監督のもとへ、日本記録を樹立した前田選手の武富監督が出向いて、野口さんの現役時代の練習メニューなどを参考にしていたようです。監督同士がリスペクトしあっていたようです。

 

最近の陸上界では、練習量が多すぎると故障につながるから、質を重視する傾向が強まっているようです。しかし、二人は、やっぱりマラソンには思い切った練習が必要と考える監督同士なのです。野口さんも前田選手も、圧倒的な練習量の中で、日本記録が生まれたのです。

 

野口さんが、陸上を始めたのは中学1年の時です。37歳で引退するまでの25年間の競技人生は、良いことばかりではありませんでした。金メダルを獲得した次の2008年北京五輪を欠場した時には、バッシングを受けます。そして、2016年3月、リオ五輪の選考レースに破れ、引退を決意します。その年に結婚し、「普通の生活」をする中で、異業種の仲間もできたそうです。

 

そして、ついに、自分の日本記録が破られ、「日本記録保持者」という重荷がはずれて、心から、普通に走ることが楽しくなってきたようです。野口さんが、アテネ五輪で獲得した金メダルは、全国各地を一緒に走っていて、日焼けしているようです。(笑)

 

これからも、野口さんは、解説者として活躍をしながら、明日の日本を背負うアスリートたちを育てていくのです。

2024年

3月

17日

宇宙は「宝の山」

昨夜は、保育園が終わって、前の会社仲間と「おやじ3人」で飲んでいました。世代としては、「不適切にもほどがある」のドラマの主人公とかぶる、バリバリの昭和世代です。昨年4月に入社した新入社員への対応は、令和を意識して、プライベートなことへの介入はしないスタンス・・・でも、辞めてしまう若者が多いとのこと。「会社が合わない」という理由よりも、「同じ会社で長く働く気持ちなどさらさらない」という感じのようです。こうなると、採用の段階での人材の見極めと、採用してからの育成ビジョンが課題になります。う~ん・・・難しい世の中ですね。

 

さて、今日は「宇宙」の話です。壮大です。先日、日本の民間企業「スペースワン」の小型ロケット打ち上げが失敗する映像を見たばかりですが、宇宙開発には、失敗が伴うのが常です。失敗原因を分析し、次につなげてもらいたいですね。

 

昨年10月にNASAの新型探査機が打ち上げられました。目的地は、「プシケ」と呼ばれる小惑星です。約36億キロメートルの旅を経て、2029年に到着予定です。まだ、5年もかかりますね。このプシケは、小惑星の中でもひときわ変わった星で、金属だらけだそうです。全体体積の半分以上は、鉄やニッケルなどで占められていて、あくまでも単純計算ですが、このプシケの資源価値は、日本円にして、ゼロが20個並ぶ15垓(がい)円(1兆の15億倍)です。全世界のGDPを優に上回るという天文学的な数字です。

 

宇宙にある小惑星はこれまでに、ざっと130万個見つかっているそうです。日本でも「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から持ち帰った土は、炭素でできた有機物を含む「C型」と言われるもので、水も豊富に含まれていると見られています。

 

月への移住計画なんて、一昔前なら夢物語だったでしょうが、今では、本気に考えている宇宙開発者が多く出てきました。ただし、ロケットで地球から月に水を運ぶには、水1リットルあたり1億円ほどの費用がかかると言われています。水は日常生活で使うほか、電気分解して水素燃料や酸素を生み出せます。月面開発で、世界各国が水資源の探査を急いでいるのも、水の確保が重要課題の一つだからです。

 

専門家の試算では、リュウグウに含まれる水は、月で1000人が500年暮らせるほど大量にあるそうです。

 

このように、宇宙は「宝の山」ですね。ただし、宇宙資源利用の最大のハードルとなるのが輸送コストです。また、現実的には、その資源をめぐっての争いも起きることは間違いないですね。

 

保育園のサマーキャンプでは、夜に天体観測を行います。かつては、土星の輪を見ることもできました。そんな、夢がたくさんつまった宇宙開発・・・子どもたちの世代が、平和的に進めてもらうことを期待したいですね。

2024年

3月

16日

親は名脇役

昨日は、さいたま市内の公立中学校の卒業式でした。保育園ホワイトきゃんばすの卒園児第一号が、4月から高校生になります。なんだか、うれしい気持ちになってきますね。

 

そして、本日3月16日は、JRの全国ダイヤ改正です。北陸新幹線の金沢ー敦賀間が開業しました。ということで、今日の園長課外授業は、大宮駅で新幹線を見よう!です。小学生と年長園児を連れて、電車で大宮駅に到着。入場券を購入して、賑わっている新幹線ホームへGO!・・・いきなり、はつかり号の細長い先頭車両に子どもたちは大興奮です。小4男子が「あれは、カモノハシからヒントを得て、風の抵抗を受けないようにしたんだよ」と知識を出してきます。こまち号、つばさ号が続々と入線し、いよいよ「敦賀行きのはくたか号」がやってきました。ま新しい「敦賀」の文字が光ります。

 

能登半島地震からの復興に向けて、富山県・石川県・福井県に元気になってもらいたいですね。大宮駅のコンコースには、福井県の象徴でもある「恐竜」がにらみをきかせていました。(笑) 

 

さて、受験シーズンが終わり、4月に向けての入学準備が始まっていますね。ある大学受験の親子のやりとりです。「試験当日、息子は『やらかした』と笑いながら帰宅。夕食を食べながら、息子の笑顔はいつしか引きつり笑いになり、気づけば必死で涙をこらえていた。そんな息子を前に、どう対応しようか悩んだ。息子が自分で失敗を悟り、悔やみきれない渦中にいる。とっさに口をついて出たのは、『大丈夫、これで終わりじゃないから。また次があるよ』後に、息子から『あの言葉で救われた』とお礼を言われた」と母親は、うれしい気持ちで話します。そして、こう言います。「どれだけ不安で頭がいっぱいでも、受験で親ができることは本当に限られている。あの時、ぐっと感情を飲み込んで、息子に『大丈夫』と言えた時が、私にとって受験の最大のハイライトだった」

 

中学受験は、「親の受験」と言われるくらい、親が関わることが多くなりますが、高校受験、大学受験と進んでいくと、主体は、あくまでも子どもです。このように、親のかかわりが上手にいけばいいのですが、受験をする子どもと同じくらい、親も緊張しプレッシャーを感じるのが現実です。

 

昭和のシーンでは、3食栄養バランスのとれた食事を作り、夜食も用意するのが受験生の母親の役割とされてきたのでしょうが、令和では、働く母親が当たり前ですので、こうはいきません。まさに、時代に合わせて変えないといけませんね。

 

そう考えると、令和の支え方は、あえて働く親の姿を子どもに見せることが大事なような気がします。子どもにとって、受験の目的は「○○大学に合格すること」で止まってしまうことが多いですが、実際は、「○○大学に合格し、そこで何をして、どんな将来を作っていくか」まで考えることが大切です。そこで、親の背中とか役割が発生するのです。

 

親子の絆はとても深いですが、親子の価値観は違うものですし、子どもには「子どもの世界がある」ことを心得て、親の仕事は、主役を支える『名脇役』でありたいですね。

2024年

3月

15日

エビフライのしっぽ食べますか?

今年度の夕方の寺子屋時間は、本日で終了です。年長園児にとっては、3年間、「寺子屋なんだから・・・」と言われ続け、夕方の異年齢での学び合いや体操教室の経験。そして、配膳や手洗い、寝かしつけなど、小さな園児の世話までずっと頑張ってきました。子どもたちは、毎日の活動の中で、気がつかないうちに色々なことができるようになったのです。

 

さて、突然ですが、あなたはエビフライのしっぽを食べますか。今日は、「エビフライのしっぽ 食べよう クラブ」という本を紹介します。

 

主人公のともちゃんは、さくさくで香ばしくて、スナック菓子みたいなエビフライのしっぽが大好きです。給食の時間に「エビフライのしっぽが一番おいしい」と言うと、隣の席の子に、「ともちゃんはなぜ、しっぽも食べるの?」と驚かれてしまいます。

 

ともちゃんは、しっぽを食べないなんて信じられない。でも、他の子に聞いても食べないと言われます。そして、仲良しの友だちにも笑われてしまうのです。家で、その出来事をおうちの人に話すと、エビフライのしっぽのおいしさを伝えればいいと言われます。そこで、考えたともちゃんは、「エビフライのしっぽたべようクラブ」をつくり、会員を募ります。

 

こんなストーリーですが、この童話は、「多様性」と「エビフライのしっぽ」を結びつけて、多様性を考える童話です。ともちゃんは、自分が大好きなエビフライのしっぽなんだから、自分が属する2班の仲間もみんな大好きだと思い込んでいたのです。しかし、聞いてみると、「そんなの食べないよ」という人ばかり・・・ともちゃんは、こうして、自分の考えとは違う人が多くいることを知るのです。

 

今の世の中では、会社でも学校でも、あらゆる組織で「多様性」という言葉が、「優先順位ナンバーワン!」のごとく輝いています。昨日、札幌高裁は、同性婚を認めていない現行制度の違憲性が問われた訴訟で、2審として初めて違憲であるとの判断を示しました。原告らは「思いに正面から応えてくれた。待ちに待った判決だ。あとは国会。明日にでも結婚できるようになってほしい」と、涙ながらにコメントする姿をニュースで見ました。

 

また、最近のテレビドラマや映画は、同性の恋愛や結婚に踏み込むストーリーが多いですね。まさに、「多様性を認めよう!」を訴えているかのようです。今は、「多様性キャンペーン」のような世の中になっていますが、あと数年たてば、「多様性」は当たり前で、議論する余地もなくなっているかもしれませんね。

 

本日、年長の女の子同士が抱き合って「○○ちゃんと結婚するんだ!」と言っていました。6歳の子どもたちが、18歳になった時には、たぶん日本でも同性婚が法律で認められる世の中になっているのでしょう。

 

保育園の子どもたちには、「自分の考えと違う人がいるけど、それは悪いことではなくて、世の中には様々な考えがあるんだよ」を分かりやすく伝えていきたいですね。

2024年

3月

14日

農業で未来をひらくプレーヤー育成

今日は、風もなく、ようやく「あったか屋上遊び」ができました。キタアカリという人気品種のジャガイモの植え付けをし、ビートルハウス横の木に、カマキリのたまごを発見しました。チビちゃんたちは、「えっこれがカマキリなの?」という顔をしますが、寺子屋園児になると、このたまごの中から、赤ちゃんカマキリが続々と生まれてくることを知っています。今まで、何度も保育園で観察してきました。

 

さて、今日は広島県立庄原(しょうばら)実業高校の話です。この高校のキャッチフレーズは、「農業で、未来を拓(ひら)くプレーヤーを創出しよう」です。文科省のマイスター・ハイスクールの指定校でもあります。

 

入学すると、最初に「10年後どんな農業を創りたいか」を問い、3年間を通して、フィールドリサーチやプロジェクト課題などに取り組んでいきます。特色的な活動の一つは、先進的な取り組みをしてる人物による授業です。通常の教員以外に「産業実務家客員」として任命し、より専門的な授業を行っているそうです。

 

例えば、「ドローンでの農薬散布」「GPSを活用して田植えを自動化する」「農業でもテレワーク導入」など、かつての「農業=3Kのイメージを払拭させる」ことも、これからの農業の大きなテーマと捉えています。生徒たちに、農業の世界は大きく進歩しており、多様な能力を持った人が集まって成立していることを伝えます。

 

生徒たちは、こうして最先端の技術を学びながらも、伝統的な農業もきちんと体験するそうです。それぞれの長所と短所を知り、視野を広げ、総合的に物事を考えられるようにしています。

 

3年生の生物生産学科の今年度のテーマでは、「牛舎の暑熱対策」「和牛の調教」「ホタルを増やし、人を集め、庄原のことを知ってもらおう」「激辛トウガラシで庄原をアツくする」などがあがりました。ホタルのグループでは、人が増えるとホタルが住みにくくなるという矛盾も経験します。失敗もまた、生徒たちにとっては大きな財産となるのです。

 

庄原実業高校の生徒たちの多くは、このような環境で学ぶことによって「自分の力で未来を創ることができる」と本気で考える生徒が多いそうです。最近は、就農する若者を取り上げるテレビ番組も多くなり、「自分の生き方」として、他の仕事を経験したうえで、就農を選択する人が多くなりました。過疎化という日本が抱える大きな問題も、「農業」を通じて、打開策が見つかるかもしれませんね。

2024年

3月

13日

フェアトレード拡大

卒園式の練習が進んでいます。卒園児の中には、「泣きそうになっちゃうよ」と言う園児もあれば、年中園児の男の子は、お世話になった先輩との別れがカウントダウンになってきたので、気持ちは複雑のようです。

 

さて、「フェアトレード」という言葉をご存じですか。保育園のあるショッピングセンターのコーヒー売場には、フェアトレード商品が並んでいます。先進国の企業や消費者が、発展途上国の生産者に適正な対価を払って商品を購入する仕組みです。かつては、途上国からの買い付け金額を叩いて、労働者を搾取するようなことが多くの国や企業で行われていました。コーヒー豆はその代表的な商品です。

 

日本のフェアトレードの草分け的な店舗は、1998年に開店した「ピープルツリー自由が丘店」です。店内には、バングラデシュの籠や、ボリビアのカカオのチョコレートなど約1000点が並びます。現在は、18か国の145の生産団体と取引しているそうです。

 

「『収益は、子どもの就学支援に使われます』など、1つ1つの商品にストーリーがあるのが、フェアトレード商品の魅力です」と店主の鈴木さんは語ります。私たちは、買い物で「モノ」を買うわけですが、そこに、購買意欲がそそられるような「コト」があると、買い物が楽しくなりますね。理由もなく(コトがなく)安いだけでは、モノは売れません。

 

フェアトレードの歴史は意外と古くて、1946年、アメリカのキリスト教系のNGOが、プエルトリコの貧しい女性が作る刺しゅう製品を購入し、教会で販売したことが始まりと言われています。途上国の生産者と家族が人間らしい生活を送れるように、公正な対価を支払うのが基本です。

 

日本でのフェアトレードの市場規模は、2022年は196億円です。「少ない!」と思った人が多いと思いますが、それでも、前年比124%で、2015年の倍になったようです。SDGs(持続可能な開発目標)や、環境や社会に配慮した商品を選ぶ「エシカル消費」への消費者や企業の関心の高まりが要因です。

 

しかし、国際フェアトレード機構の本部があるドイツの市場規模は日本の17倍です。欧米でフェアトレードが盛んな背景について「植民地にしていた途上国へのしょく罪意識もあるのでは」と言われていますが、まだまだ日本の市場規模は、大きくなることは間違いなさそうです。

 

名古屋市では、毎月5月に、全小学校で、フェアトレード食材を使った給食を提供しているそうです。神奈川県逗子市も5月に、飲食店約30店と協力してフェアトレード食材と地元の野菜や豚肉を使ったランチを出したそうです。

 

意識の高い人が、少しずつ増えているようですね。フェアトレード商品は、安い価格ではないことが多いです。でも、10回に1回の買い物でもいいので、無理のない範囲で、フェアトレード商品を買ってみてほしいと、関係者は語ります。

 

私が買うのは、コーヒー豆ぐらいですが、さらに意識を高めようと思います。

2024年

3月

12日

断食宿泊体験

今日の寺子屋では、卒園児一人一人の「いいところ・すごいところ・かっこいいところ」をみんなで答えてもらいました。年少園児の中にも、積極的に意見できる子がいました。「スポーツが得意で足が速いところ」「いつも優しくて、助けてくれるところ」「電車のことをよく知っているところ」「三つ編みの髪がかわいいところ」「足が長いところ」「こびとのことが一番詳しいところ」「女優さんみたいにかわいいところ」「着ている洋服がいつもカワイイところ」「お片付けをいつもいちゃんとしているところ」「イケメンなところ」「お絵描きがとても上手なところ」…などなど、たくさんの意見が出てきました。子どもたちが、他の園児のいいところをちゃんと見ていることに、うれしい気持ちになりました。ステージに立つ卒園児に対して、「フレーフレー!」とエールを送って、素敵な「ほめちぎり」時間となりました。

 

さて、みなさんなら、「旅行」での楽しみは何ですか。多くの人が、その土地の料理と酒と答えるのでしょう。しかし、少し理解に苦しむところではありますが、今、断食を組み込んだ宿泊プランが人気のようです。

 

静岡県伊東市にある「ファスティングホテル海の杜」のオーナー吉田さんは、約20年間市内の断食道場に勤務し、多くの人の体が改善されるのを見て効果を確信し、満を持して2020年にこのホテルを開業しました。「東京から適度に離れ、仕事のストレスを忘れられる。近くに飲食店やコンビニもなく、断食に集中できる」環境だそうです。ファスティングの意味は、一定の固形物をとらずに断食することです。水などの水分はOKという考えだそうです。

 

断食中は、食事の代わりに1日3回、インド原産の植物・モリンガの粉末が入ったリンゴジュース2杯と梅干し、レモンを口にします。モリンガは栄養素を多く含む「スーパーフード」だそうです。意外においしいとのこと。

 

ある会社員は、年に4回ほど、3泊4日滞在するそうです。外で飲むことが好きで、食生活が乱れたらリセットしに来るそうです。「胃が小さくなり、少量で満足できるようになる。空腹になると神経も研ぎ澄まされ、脳が若返る感覚になる」と言います。

 

「イスラム教などの宗教的な断食を除けば、一昔前の断食は、やせるために行うことが多かった。しかし、今はデトックス(体の中の老廃物を出す)したい、ストレスを解消したいなど、心を整える目的で行う人が増えている」と専門家は解説します。「現代人は何を作るか、誰と食べに行こうか考えるなど、1日のうちに食に費やす時間が長い。たまに断食し、余った時間で自分に向き合えば、ビジネス上のひらめきにつながることもある」とも言います。

 

どうですか・・・ちなみに、ファスティングホテルの1泊料金は、1万5000円~とのこと。断食明けには、重湯と具なしみそ汁、大根おろし・梅干しの朝食が出るそうです。

 

私の辞書には、今のところ「断食」の文字はありませんが、体も心も良くなるのであれば、一度やってみようかなぁ~と、思えたらいいですね・・・みなさんはいかがですか。

2024年

3月

11日

イエナプラン学習会

今日は、3・11です。2011年3月11日に東日本大震災が発生し、13年が過ぎました。いまだに故郷に帰れず、県外含めて避難生活を送ってる人も多くいます。元日の能登半島地震を受けての交流も見られますね。

 

朝の会では、子どもたちに「2011・3・11 14:46」というタイトルのスライドショーを見せました。ただ数字が並んでいるだけなのに、3月11日がわかった園児が何人かいました。続けて、津波・被災した街や家・レスキュー隊での救助シーン・避難所生活・コンビニの棚が空っぽ・駅で電車を待つ会社員・復興シーン・・・などの画像を観ながら、子どもたちとのやり取りが続きます。子どもたちには、「お家に帰ったら、ママパパに、3・11の時は、何をしていたか聞いてごらん」と話します。戦争と違って、すべてのママパパが経験した3・11です。それぞれの家庭で、親子の会話をすることが大切ですね。

 

さて、昨日は、コロナ禍でずっとできていなかった、イエナプラン学習会に参加し、約4年ぶりに、学習会のメンバーと会うことができました。イエナプランとは、オランダで行われている「学習スタイル」の一つです。このブログで何度も話をしていますので、詳細は、ネットで調べてください。

 

日本イエナプラン教育協会さいたま学習会の取りまとめ役が、何と、長野県にある日本初のイエナプラン校の「大日向(おおひなた)小中学校」で、教員として勤務しているとのこと。男の子3人のママですが、大宮から新幹線通勤でがんばっているそうです。彼女のオランダでのイエナプラン校の視察ビデをを観ながら、「あーだこーだ」語り合います。

 

オランダのイエナプラン校は、日本の学校とは全く違うイメージで、学校内のいたるところに「アート作品」があり、いつでも子どもたちが話し合える、ソファーがたくさんあります。日本の保育園や幼稚園にあたる、幼児クラスの教室は、まるでテーマパークのように、遊べる環境が整っています。日本との大きな違いは、「すべて、子どもたち本人に選択をさせる」という環境です。

 

幼児クラスのには、ボードがあり、自分の名前をそれぞれの遊びのところにセットします。「今日私は、○○で遊ぶ」と、自分で選択するのです。小学生になれば、1週間の時間割は、自分で決めることになります。もちろん、日本の学校で行っていることでいいこともたくさんありますが、オランダでの「自分で決める」という習慣は、小さなころからの積み重ねですので、社会に出て大いに役立つことになります。

 

今回は、小学校教員、高校教員、そして世田谷区の区議会議員が新たに参加されました。議員さんは、教育改革の柱に「イエナプラン」を考えているようです。結局は、教育委員会のトップである教育長のやる気次第のようなので、いかに、教育長に「イエス!」と言わせるプランが出せるかですね。広島県や愛知県では、公立のイエナプラン校がありますので、上手に、他県を参考にすればいいのでしょう。

 

子どもをど真ん中にした話し合いができ、有意義な時間を昨日は過ごすことができました。

2024年

3月

10日

福井県坂井市

いよいよ、3月16日に北陸新幹線が「金沢ー敦賀間」開業となります。能登半島地震で、石川県を中心に復興もままならない地域が多いですが、少しでも明るい方向へ進んで欲しいですね。

 

今日は、そんな福井県にある「坂井市」の話です。福井市のとなり、東尋坊があるところです。人口では、福井市に次いで、福井県第2の都市です。そこには、小玉さんというスーパー公務員がいます。

 

坂井市も「人口減」に直面する地方自治体です。全国の多くの自治体は人口減を食い止めようと、移住者の募集に注力するところが多いですね。住宅や雇用に対する支援を積極的にアピールし、地方への移住を後押しするといったイメージです。

 

しかし、小玉さんは、「地域に定住してもらえる施策を打ち出すのも行政の仕事だ」として、自分たちが暮らす地域の魅力を認識することで、地域への愛着を持ってもらうプロジェクトを提案し、進めています。今年度は、福井県坂井市の魅力を言語化するブランディング推進事業を手がけています。市内に暮らす高校生や大学生など計40人で、地元の魅力についてワークショップ形式で語り合うことから始めます。初回は、一人20個の坂井市の魅力をリストアップすることです。

 

40人×20個で、合計800個の魅力から、もっと深掘りしたい「ヒト」や「モノ」を選び出します。例えば、「竹田地区のキャンプ場の管理人さんが面白いから会いに行ってみよう!」といった具合に、地元の人でも知らないことばかりが出てきます。

 

市民の投票も経て、ブランドメッセージは「らしさ、かがやく。」に決まりました。小玉さんは、坂井市には、自分らしさを大切にして、生き生きと暮らしている人が多い。そんな思いが、この言葉に込められていると言います。そして、ブランドメッセージから派生したロゴマークや公式キャラクター(名探偵をめざす探偵犬のかわいいイラスト)もできあがりました。

 

玉井さんは、入庁4年目でふるさと納税の担当になり、特産品を製造する企業を取材するうちに、地元の魅力を肌で感じるようになったそうです。「坂井市には何もないという人もいるが、それは違う。何でもある。ただ、価値が言語化されていないだけだと気づいたんです。若者が集まり、地元のことを知る機会をどんどん作っていきたい。少なくとも魅力を知らないまま都会に出ていく若者は減らせるはずです」

 

どうですか・・・こんな「まちおこし」もありですね。私たちは、自分が住んでいる町の良さをもっと深掘りできるかもしれません。そして、人口減の最大要因の「若者が都市に出ていく」を食い止めることにつながるのです。

2024年

3月

09日

四国アイランドリーグ

笑わないで聞いてください。卒園児の中には、小学校で「トイレの花子さん」が出るんじゃないかと、心配する園児が数名います。本日登園した小学3年生の卒園児は、何と「3階にある3年3組」です。女子トイレの入口から3番目のトイレに、花子さんが出るというのが物語のストーリーです。卒園児が、「何度も3番目のトイレを使っているけど、今まで一度も花子さんには会ったことがないよ」と言うと、年長園児に笑顔が広がりました。「何だ!トイレの花子さんなんかいないじゃないか!」となったのです。月曜日に、本日登園した年長園児が、伝言ゲームで伝えてくれるでしょう。(笑)

 

さて、連日報道される野球の話題といったら、大谷翔平選手ですが、日本野球機構(NPB)にも属さず、独立リーグという形で、四国4県で4チームが所属するのが、「四国アイランドリーグ」です。3月30日の開幕で、20年目を迎えます。このリーグは、元西武ライオンズの「ミスターレオ」こと石毛宏典さんが主導して発足したので、覚えている人も多いと思います。

 

四国アイランドリーグからは、昨年秋のドラフト会議で、過去最多の9名が指名されました。プロ野球のドラフト会議は、高卒・大卒・社会人という枠がメインでしたが、最近では、育成枠で獲得する制度ができたことにより、四国アイランドリーグに限らず、各地域の独立リーグからドラフトにかかることが多くなったのです。千葉ロッテマリーンズで首位打者になった角中外野手や読売巨人軍の増田内野手も四国アイランドリーグの出身です。

 

しかし、四国アイランドリーグの選手が食べていくには、厳しい現実が待っています。月給は約10万円でオフシーズンは無給です。選手は、大半は2年で入れ替わる厳しさだそうです。それでも、NPBのプロを目指して努力を続けるのです。

 

地域の支えあっての四国アイランドリーグですが、2023年の1試合平均の来場者数は314人です。当然、入場料を柱としての経営は成り立たず、スポンサー費が球団収入の多くを占めることになります。選手は、野球教室やイベントに参加し、オフには飲食店や農家などのアルバイトで人手不足の解消に一役買っているようです。この地道な営業や地域密着で、各球団のスポンサー数は、数百にもなるそうです。

 

高知の選手に寮を提供する高知県佐川町の片岡町長は、「年に40人ほどしか子どもが誕生しない町に、30人の若い選手がおり、大いに活気をもらっている」といいます。また、「応援が生きがいになっている」とう町民も多いそうです。まさに、地域に健全な娯楽として、「野球」が根付いていることがわかりますね。

 

しかし、コロナ禍で、解散せざるを得ないリーグもあり、独立リーグを維持していくことは、資金面では、かなり苦しい環境にあることは間違いありません。それでも、2021年には「九州アジアリーグ」が4チームで開幕し、2022年には北海道フロンティアリーグも設立されました。3チームでのスタートですが、地域に賑わいと与えているそうです。

 

私が小学校6年の時の担任だった星野先生は、大の広島カープファンでした。広島出身ではありません。星野先生はいつも、「いいか。日本のプロ野球球団は、必ずチーム名の最初に会社の名前が付くだろ。でも、広島カープだけは、球団名が『広島』から始まるんだよ。広島の人たちがみんなでカープを応援するのがわかるだろう」と言っていました。

 

どうですか・・・たまには、大リーグのドジャースの話題ではなく、日本のプロ野球でもなく、独立リーグに目を向けてみませんか。きっと、人間臭い、感動の物語があるはずです。

2024年

3月

08日

女性と社会の変化 つづき

今日は天気予報通り、深夜から雪が降りました。火曜日の雪は「聞いてないよ!?」でしたが、今日は「予報通りだな」ですね。1週間で2回も雪が降り、春のような気候だった2月と違って、3月に入ると、春がなかなか来ませんね。

 

さて、昨日の「女性と社会の変化」のつづきです。

 

2003年に、酒井順子さんの著書「負け犬の遠吠え」がベストセラーになりました。「30代以上・未婚・子ナシ」の女性の生き方が肯定的に書かれた本です。一方、少しずつですが、大手企業を中心に、産休・育休制度が充実し、時短勤務の導入も始まってきました。そんな世の中の環境の変化で、女性が働き続けることのハードルは下がり、ワーキングママが多数派になってきました。2015年には、女性活躍推進法が成立し、政府もメディアも待機児童問題、ワンオペ育児問題など「子どもを産んだ女性をどう支えるか」ばかりを取り扱うようになります。

 

保育園ホワイトきゃんばすは、2012年に開園しましたが、まさに、待機児童問題がこれから大きくなっていくというタイミングでした。私は、「子どもに関わる仕事で社会貢献をしていきたい」という気持ちで、保育園ホワイトきゃんばすを立ち上げましたが、現実的なモノサシでは、需要が見込めるという判断がありました。

 

「仕事と子育てを両立させる女性を守る!」に報道が偏ると、その結果、独身や子どものいない女性たちが居場所を失います。「働くママはそんなに偉いですか?」「子なしハラスメント」「子ども=幸せの図式が息苦しい」という意見も出てきました。

 

もうこうなると、産んだ女性も産んでいない女性も、独身も既婚も、すべての女性たちが苦しむような感じになっていたのかもしれません。ただし、この段階では、男性側の意識は、ほとんど変わっていなかったのです。

 

そんな中、2015年に「資生堂ショック」と言われる事件が起きます。女性が働く理想の会社と言われた資生堂が、育児中の女性にも夜間や土日の出勤を促すよう方針転換したことをNHKが報じたことで大きな話題となりました。

 

実は、資生堂はキャリア支援の意義があると考えたのです。「過剰な配慮よりも、働きに対する評価が欲しい」と考える女性が多かったからです。潜在的に、働きながらキャリアを積みたいと考えていた女性たちの支持を得るのです。

 

そして、ようやく、家事育児に男性が主体的に参画すれば、女性はもっと自由に働くことも生きることもできるという、当たり前のことに気づく契機となったのです。保育園ホワイトきゃんばすでは、ここ2年で出産した家庭のパパの多くは、長期育児休暇を取得しています。「子どもが生まれたから、父親も休むのが当然」という意識からです。

 

多様化の時代と簡単に言ってしまえばそれまでですが、女性といってもひとくくりではありません。子育てする人も、シングルを選ぶ人も、働く人も、いまはプライベートを重視したいという人も、いろいろな『自分らしい』選択が柔軟にできるようになれる社会。そして、それは、男性を含めたすべての人が働きやすく、生きやすい社会であるのです。

 

「そんなの理想だよ」と笑うなかれです。私たちは、時代の流れの中で、良い社会を作り続けることが必ずできるのです。

2024年

3月

07日

女性と社会の変化

屋上遊びでは、ドッジボールブームが続いていますが、小学生になっても休み時間には、よく遊ぶスポーツですので、園長は、熱く指導しています。といっても、保育園児のドッジボールですので、逃げ回っている子がほとんどです。きちんとボールをキャッチできる園児は、年長男子の一部だけです。しかし、今日は女子が初めて、男子が投げるボールをキャッチすることができました。試合を中断して、皆で「拍手!」です。こうして、自信を持って、さらに上達していくのです。

 

さて、明日3月8日は「国際女性デー」ですので、ここ、ざっと30年の、女性と社会の変化について、考えたいと思います。かなり深いテーマです。そして、男性である私の話ですので、女性が読むと「ちょっと違う」があるかもしれませんが、おつきあいください。

 

1996年に「インスタントラーメン離婚」が話題になったのを知っていますか。午後10時過ぎに、残業を終えて帰宅した会社員の女性(29歳)は、先に帰宅していた夫から「ラーメン作れ!」と言われ、口を一文字に結んだまま、買い置きのインスタントラーメンを一人分作って、どん、とテーブルの上に置いたのです。そして、「こんなことぐらい、やってくれて当然だ」と思っていた夫に、離婚届が付きつけられるのです。今の時代なら、「モラハラ夫」として、バッシングを浴びるのでしょうが、約30年前では、「インスタントラーメン離婚」という名前まで付くような事件となったのです。そして、この話題以降、「女性の生き方」が語られるようになったのです。今までは、働く女性は少数派で、結婚・出産で寿退社という路線が当たり前の選択肢だったからです。

 

そして、2000年代に入ると、女性の未婚率が上がり始めます。同時に、共働き世帯数が、専業主婦世帯数を上回り、その差がますます広がり、女性が働くことが当たり前になっていきます。

 

そうなると、「働く女性の出産」「働く女性の子育て」「専業主婦VS働くママ」といった、出産や子育てが、仕事をする女性に与える影響が大きく取り上げられます。まだ、保育園の数も今のように多くなかったので、仕事は続けたいけど、会社を辞めざるを得ない女性が出てきます。その後、「35歳以上の出産」など、働く女性に対して、「キャリアか子どもか」という二者択一が迫られるようなるのです。

 

今では、女性の第一子の平均出産年齢は30歳を超えていますが、つい、20年前までは、キャリアのために子どもを諦めるとか、育休が認められないとか、高齢出産で参観日におばあちゃんと間違えられることに怯えるといった、ウソのような本当の話もありました。働く女性の多くが、周囲の心無い言葉や対応に傷ついていました。

 

私が、新入社員研修を受けた時の話です。本社人事部に女性の課長がいました。独身だったので、「○○課長はオールドミスだ!」なんて、私は心無い発言をしていました。私は、1987年入社ですが、この時は、誰一人「おまえ!なんてこと言うんだ!言葉を慎め!」と私を説教する人がいませんでした。私の心ない発言で、女性課長の心に大きな傷を負わせてしまったのです。「白石課長・・・本当に申し訳ございませんでした」

 

ここまで、まだ2000年に入ったばかりです。この後も女性と社会はどんどん変化していきます。つづきは、「国際女性デー」のあした・・・

2024年

3月

06日

頼る者と頼られる者

「えっ!?雪が降るって言ってたっけ?」と、今朝は多くの人が思ったことでしょう。私も、起床して新聞を取りに行こうとすると、外がやけに明るく、玄関を開けると驚きの銀世界です。

 

こうなったら、保育園では、屋上で雪遊びだ!としたのですが、雨が降り続いて、雪はほとんど解けてしまいました。それでも、子どもたちは、畑や草むらから、雪を集めます。感動したのは、こんな天気の中で、菜の花がつぼみを広げて、まさに咲こうとしているではありませんか。植物の生きる力に魅せられました。

 

さて、私はそれなりに人生経験を積んでいますので、リーダー論にも持論があります。「リーダーシップ=影響力」が私の考えです。声が大きくて「俺についてこい!」タイプがリーダーとは限りませんね。リーダーは、周りの人にどれだけ影響力を与えることができるか・・・という考えです。もちろん、どんな行動が影響力につながるかは、その人なりに違いがあるものです。

 

人は、職場などの組織の中で、経験年数を重ねたからといって、すべての人がリーダーになれるというものではありません。どうしても、リーダーに向く人と向かない人がいます。では、その分岐点は何なのか。それは、いざという時に、人に頼るか、人から頼られるかの違いという考えがあります。あくまでも、リーダー論の一つと思ってください。

 

ある企業での中堅社員Aさんは、人の考えをよく聞いた上で、自分の考えをしっかり持って相手に伝えます。常に自分の考えを相手に分かりやすく伝える姿勢は、謙虚ながらも、頼りがいがある人として見られていました。おのずと、仕事やプライベートでも、彼はしばしば相談されたり、考えを聞かれたりしています。

 

それとは反対に、何か問題にぶつかると、その解決のために努力することなく、人に頼る人もいますね。どう考えても、このタイプは、いくら経験を重ねてもリーダーには不向きと言わざるを得ません。

 

どうですか・・・リーダーになることが、組織での存在価値を高めることに、直接つながるわけではありませんが、他人に頼ってばかりの人になるよりも、他人から頼られる人になりたいものですね。

 

このリーダー論・・・なかなか、的を得ていると思っています。保育園の子どもたちを見ていると、頼られる園児は、他人のことやチーム全体のことを見ることができる子です。この春、小学生になる年長園児たちには、「小学生になったら、人から頼られる人」になってもらうように、残り少ない時間を過ごしていきます。

2024年

3月

05日

さよならチェルシー

新年度の6月に予定している、1回目の社会科見学が決まりました。ロッテ「お菓子の学校」です。武蔵浦和にあるロッテの工場見学です。「お菓子の学校」は、とても人気があって、学校などの団体は、3月1日14:00から、令和6年度分の年間予定の受付となっていました。ネットではなく電話受付です。私も電話をかけまくったのですが、「ただいま電話が大変込み合っています。時間を置いてかけなおしてください」が続きます。でも、ようやく予約が取れました。年長と年中園児を連れて、お菓子工場見学です。今から楽しみですね。

 

さて、お菓子といえば、明治製菓から、チェルシーの販売を3月末で出荷終了するという発表がありました。昭和世代にとっては、懐かしいお菓子がまた消えてしまうと、悲しい気持ちになりますね。

 

「チェルシー」は、英スコットランドの伝統的なキャンディをヒントに、1971年にバタースカッチ味とヨーグルト味で発売されました。黒地に花柄の包装も親しまれましたね。そして、何といっても、小林亜星さんが作曲したCMソング「♬ホラ、チェルシー もひとつチェルシー♪」「あなたにも チェルシーあげたい」のフレーズは、広く世の中に浸透し、私も自然と口ずさんでいました。

 

しかし、販売が低迷します。データでは、売上のピークは2002年度の約25億円。しかし、2022年度は約5億円まで落ち込んだそうです。明治製菓は、これでキャンディ事業から撤退となります。時代の流れで、キャンディに代わって、現在売上を伸ばしているのが「グミ」だそうです。あと数年で、市場規模でもグミがキャンディを追い抜く見込みだそうです。

 

昨年6月に、明治製菓の坂戸工場へ工場見学に行ってきました。ここでは、主にアポロチョコレートなどのチョコレート菓子を製造していますが、つい数年前までは、あの「カール」を製造していたのです。坂戸工場には、まだ「カールおじさん」のオブジェが記念撮影用に残されています。

 

カールは、東日本エリアで販売が休止となりました。「何であのカールが!?」と思った人が多いと思いますが、カールもまた同様に売上低迷商品だったのです。1968年に発売が開始されたカールの売上の最盛期は1990年代で、年間190億円も売っていました。ところが、2017年には約60億円と、1/3以下になってしまったのです。特に、東日本エリアは、人口が少ない九州エリアよりも売上額が少なく、工場を四国の1か所に絞ることで、生産性と物流コストを下げ、西日本のみの販売としたそうです。

 

カールの売上低迷の一番の原因は何だと思いますか。

 

カールはトウモロコシから出来ていますが、ジャガイモから作る「ポテトチップス」に大きくシェアを取られてしまったのです。スーパーの棚には、ポテトチップスの種類が、数えきれないほどありますね。

 

菓子業界にとって、発売以来「ずっと愛され売上も落ちていない」商品は、ごくわずかです。ましてや、洋菓子は「ブーム」となって話題に上がることも多いですが、すぐに飽きられてしまうリスクが伴います。

 

ともあれ、昭和の懐かしいお菓子がなくなるのは、寂しいですね。カールは、まだ西日本やネットで購入できますが、チェルシーは、本当に「さよなら」です。私は、今日買って帰ることにします。(笑)

2024年

3月

04日

こどもの本総選挙

今日はあったか屋上でした。園長は久々にノックバットを振ります。外野からの返球を内野へ中継プレーができるようになってきました。ボールを後ろにそらし、返球も暴投ですが、夢中の子どもたちです。まだまだ、野球とは言えないレベルですが、昭和の野球部監督のように「ケツバット」はしません。(笑)

 

さて、先月「こどもの本総選挙」の発表がありました。NPO法人こどもの本総選挙事務局が主催し、全国14万人の小学生が選んだ本です。絵本も含むすべてのジャンルが対象です。見事、1位に輝いたのは、ヨシタケシンスケ作の絵本「りんごかもしれない」です。知っていますか。

 

ある日、男の子が学校から帰ってくると、テーブルのうえにリンゴが置いてありました。

しかし、そのりんごを見て、とある疑問を抱いてしまった男の子。

「もしかしたらこれは、りんごじゃないのかもしれない」

りんごがりんごであることを疑う男の子の想像は、とどまるところを知らずにどんどん大きくなっていきます。

これはりんご型のメカかもしれない!?機能満載、リンゴメカの解剖図!

らんご、るんご、れんご、ろんご!?奇妙キテレツな形のりんご兄弟たち!

ほんとはオシャレがしたかった!?いろんな髪形、りんごのファッションショー!

はたしてこれは本当にりんごなのか??

男の子が思い切って、ひとくちかじってみると……

 

たった一つのりんごなのに、男の子の発想が広がっていって、読んでいる子どもが、どんどん引き込まれていくような内容です。これは、作者のヨシタケシンスケさんが10年前に発表したデビュー作です。

 

ヨシタケさんが、「りんごかもしれない」の完成エピソードを語ります。「最初は、りんごをいろんな国の言葉で言いかえてみたり、だれがいつりんごを食べ始めたのか歴史をさかのぼってみたり、教科書みたいな絵本を考えていたんです。でも、それじゃ全然面白くなかった。で、思いついたんです。『りんごに見えているけど、そうじゃないかもしれない』っていろいろ考える話にすれば、面白いなぁ~って。頭のなかで想像するのは、自由ですからね」

 

私たちは、大人になればなるほど過去の先入観にとらわれて、決め込んだり、思い込んだりすることが多くなります。その点、子どもの発想は自由で、大人の想像を超えて、「はッ!」とさせられることが多いですね。

 

小学生14万人の総選挙で、見事に1位になった「りんごかもしれない」を、一度読んでみたらいかがですか。

2024年

3月

03日

お寺プロレス

今日は朝からいい天気です。何より風がないのがうれしいです。この1週間は、強風との戦いを子どもたちは強いられました。今年は暖冬でしたが、冬らしい寒さを今になって感じますね。

 

さて、寺の境内でプロレスラーが宙を舞い、激しい技を繰り出す「お寺プロレス」が、昨日、埼玉県越谷市の「安国寺」で開かれたそうです。主催は、安国寺の副住職で現役女子プロレスラーでもある「雫 有希(しずく あき)」さんです。

 

雫さんは、ある時は仏様の前で念仏を唱える僧侶。そしてある時は実力派の女子プロレスラーです。まるで、キューティーハニーのようですね。(笑)

 

実力派と言ったのは、彼女が大学時代に、全日本レスリング選手権大会67キロ級で銀メダルを獲得するという結果を残し、女子プロレスラーへの道を歩み出したからです。中学生の時にプロレス観戦をし、その魅力にはまり、母親に「プロレスラーになりたい」と訴えると、まずは「アマチュアレスリングに挑戦しなさい」と言われます。母親は、厳しい練習に音を上げて、プロレスへの道を断念すると考えたそうですが、結果は、実力派女子レスラーが誕生したのです。現在は、伝説の女子レスラー、長与千種さんの「マーベラス」に所属しています。

 

そして、もう一つの雫さんの顔は僧侶です。親の実家である安国寺はもともと親戚が継いでいたようですが、その方に子どもがなく、雫さんの父が住職を引き継ぐことに。それによって雫さんが18歳の時に寺の後継者となったのです。「仏教のことも知らないし、すごく反発しました。でも好きでもないお坊さんと結婚して継がされるくらいなら自分が僧侶になった方がいいと思って、僧侶の資格を取ったんです」と言います。月に1回行う「念仏会」や法要など、僧侶の務めにも力を注いでいます。

 

お寺プロレスは、チャリティーで行われ、集まった募金は、「きらきら太陽プロジェクト」という事業団体を通じて、乳児院に寄付されています。この慈善事業団体の主宰も雫さんが務めています。3足のわらじを履いているのです。

 

雫さんは、静と動という対極にも思える僧侶とプロレスラーには共通点があると言います。「僧侶は人の悩みや苦しみを受け止めて導くのが役割。プロレスは相手の技を受け止める中で勝機を見出すスポーツ。他者を受け入れるという姿勢は同じなので、私の中では

2つの仕事に違いは感じません」

 

一度、レスラー雫有希のラリアットを境内で観戦したいですね。

2024年

3月

02日

「うさぎや」のどら焼き

今日の昼時間、運動会を行う西文ひろばで、小学生と年長園児で「鬼ごっこ」などをして遊んでいました。すると、昨日卒業式だった高校3年生のサッカー女子が、一人で練習にやってきました。小学校4年の男の子が、中学生になったらサッカー部に入りたいというぐらいサッカーにハマっているので、指導してもらったのです。彼女に色々と話を聞いていくと、凄い選手であることが分かりました。さいたま市西区の宮前小学校の卒業です。新潟のサッカー強豪校で、高2の時に全国大会にスタメンで出場します。大学はサッカー推薦で、全国を狙う強豪大学に入学が決まったそうです。彼女のポジションは、センターバックです。全体の動きが良く見えるので、司令塔の役割を担っているようです。

 

将来は、指導者の道に進みたいというビジョンを持っていました。言葉遣いもとても礼儀正しく、将来設計もきちんとあって、とても感心しました。小4の男の子は、「ボールの回転がいつも同じで、まっすぐパスを返してくれる・・・凄い」と言っていました。大学でも、大いに活躍してもらいたいですね。

 

さて、今日は「どら焼き」の話です。私は、洋菓子も和菓子も大好きですが、どら焼きと言えば、すぐに思い浮かべるのが、「うさぎや」のどら焼きです。創業100年以上の上野にある和菓子屋さんです。看板商品のどら焼きを求めて、朝から行列ができるお店です。

 

うさぎやには、伝統の味を守る、餡一筋30年の橋本さんという職人がいます。どら焼きは、一日に7千~1万個を作るので、朝6時から4台の釜をフル稼働させ、前日から水に浸しておいた小豆を煮始めます。そこから3時間半、釜から目を離すことはないそうです。火加減、水加減、甘味を調整しながら、木べらから伝わる感覚だけで、ほど良い練り具合へと仕上げていきます。

 

橋本さんは、「すし職人が手袋をつけて、すしを握らないのと同じで、和菓子の味を決めるのは手」と言って、素手で蒸したての饅頭を触るそうです。「煮る時は、支度を万全にする。必要な道具を事前に用意していなければ、取りに行く間に煮詰まってしまう。作る目的を明確にしておかないと、正しい段取りで作れない。どのように煮たかで、正直に結果が出る」とも言います。

 

実は、15年ほど前に、誰でも作れるようにレシピを作ったそうです。しかし、完璧と思われたレシピは意味をなさず、味が変わってしまったそうです。「うさぎや」のどら焼きは、職人による手作業が、伝統の味を守っているのです。

 

1個240円・・・私は、決して高いとは思いません。どうですか・・・「うさぎゃ」のどら焼き、食べたくなりましたか。

2024年

3月

01日

血液型を知らない子

大谷選手の結婚報道で、世界中が大騒ぎですが、2月29日が入籍日なら、結婚記念日は4年に一度ということになりますね。はい、誰も話題にしませんね。(笑)

 

今年は、3月3日のひな祭りが日曜日なので、保育園のおやつの時間は「ひな祭りスイーッ」を楽しみました。ひし餅にちなんで、3層のババロアの上に、生クリームとイチゴをトッピングします。お昼の勉強タイムに、年長園児がパティシエになって、園児全員分のトッピングを行いました。おいしいだけでなく、「自分で作った」ことが、さらに強い思い出につながったようです。

 

さて、「あなたの血液型は何ですか?」に、答えられない子どもが多いのを知っていますか。保育園の入園手続きの際に、母子手帳の血液型の欄が空白の園児が多いです。かつて、病院が行っていた出生時の血液検査を現在は行っていないからです。私の次女も、しばらくは血液型が不明でした。献血をした時に、A型であることが判明し、私と同じということに、意味なくうれしかった記憶があります。(笑)

 

血液型を知らなくても、手術などが必要になった時には医療機関がちゃんと調べるので問題ないのだそうです。

 

ところで、私のような昭和世代は、血液型で性格が決まるとか、血液型占いなどが大好きです。A型は几帳面で、B型はズボラだけど天才肌。AB型は変人が多いと、初対面の人に血液型を聞いて、その話題で盛り上がることも多かったですね。元会社の先輩のSさんは、相手の血液型を当てるのが得意でした。並んだ順番に、次々とA型・B型・O型と当てていくのです。正解率は99%くらいで、ビックリするくらい凄かったです。

 

例えば、アナウンサー教育では、「血液型で性格が決まるという、いわゆる血液型占いには、科学的根拠がないにもかかわらず、広く信じられている。わかままとかおおらかとか血液型で性格を決めつけてかかったり、仲間はずれにすることもある。放送で誤った情報を拡散しないように」と教育されています。学校の先生なども、子ども同士で血液型の話になったら、耳を傾けないといけませんね。

 

それでも、血液型と性格は関連性があると信じる人は少なくないような気がしますね。こればっかりは、時代の流れの中で、今の子どもたちが大人になる頃には、「ねぇ、何型?」なんて言う会話は、死語になっていくのでしょう。

 

でも、やっぱり血液型が気になる、昭和世代の私です。(笑)

2024年

2月

29日

昭和がうらやましい

3日続いた台風並みの強風が落ち着いて、今日は思いっきり屋上で遊びました。畑仕事にも子どもたちは参加します。長ネギを植えました。「ネギ大好き!」という園児は、皆無ですが、6月ごろに、この長ネギが収穫となり、子どもたちへのお土産になると、おうちでバクバク食べてしまうのです。収穫体験などが、子どもの「食べたい」につながることは、ホワイトきゃんばすでは、日常茶飯事です。(笑) 

 

さて、「不適切にもほどがある!」のドラマの影響もあって、にわかに「昭和」にスポットが当たっているようです。体罰やセクハラを経験した人は、「昭和なんて嫌だ!」と思うかもしれませんが、いいところがたくさんあって、「懐かしく」思えてきたという人が増えています。私もその一人です。

 

困った時には助け合い、徹夜もいとわず仕事に打ち込む人がそこら中にいたあの頃の「昭和」・・・令和の現在は、コンプラコンプラと言うわりには、「勝ち負け」がすべて。格差も拡大し、ネットの世界では「自分がやられて嫌なことは人にはしない」という最低限のルールさえ守られない。

 

こう考えると、当時は少し窮屈と思った昭和社会の雰囲気も「むしろよかったかも」と感じるのは、私だけではないようです。

 

昭和と令和の違いが顕著なのが「大阪万博」に対する国民の反応です。来年2025年(令和7年)に予定されている大阪万博は、「パビリオンの建設が間に合わない」「インフレと円安で経費が膨れた」「アンバサダーの松本人志が活動休止」など悪い話ばかりで、国民の反応も鈍いままです。一方、1970年(昭和45年)の万博は違いました。日本国民の大勢が、万博に行きたいと夢を見ました。私も、記憶にないですが、新幹線に乗って大阪万博に行ったそうです。岡本太郎さんの「太陽の塔」が象徴的な存在で、政治家だけでなく、あらゆる職種の人が懸命に協力し合ったのです。

 

時代が流れ、当然、人にとって「良かれ」と思う方向に進んでいるはずですが、どうも、昭和は「困った人がいたら助ける」と心の底から多くの人が思っていたのに、令和では「人の役に立つ仕事に就きたい」と言っておきながら、どこまで本心なのか?と思ってしまいますね。

 

もう一度、昭和のいいところを探してみませんか。

2024年

2月

28日

保健室

3日連続で、屋上は強風です。しかし、多くの園児が「子どもは風の子」になって、風を切って走っている姿に、なんだか、うれしくなりますね。

 

先日、小学校1年生の授業参観に出席し、卒園児の男の子のクラスに行ってみると、「○○君は、給食の時に具合が悪くなって、保健室にいるよ」とクラスの子が教えてくれた。保健室を訪れると、男の子は、ベッドで静かに寝ていました。保健室には、3つベッドがあり、ソファでは、子どもの話を聞いている養護教諭の姿がありました。

 

学校の中で、保健室は子どもたちにとって、欠かせない「居場所」ですが、今日は、東京都足立区にある小台橋(おだいばし)高校の保健室の話です。保健室の役割は、心身の不調で駆け込む生徒の訴えに耳を傾け、校内で共有。教員らと一緒に、生徒の成長を話し合う場ともなっているようです。

 

小台橋高校の保健室には、毎月延べ約100人の生徒がやってきて、二人の養護教諭が対応します。「他の高校と比べて、人数は多くない。けれど、対応に時間が必要な生徒が多い」と言います。

 

「教室に入れなくて、話を聞いてもらえますか」と一人の生徒がソファにぐったり座り、小さな声で切り出します。「朝、どうしていいかわからなくなって。また朝からやっちゃった」・・・手首に、刃物で傷つけた痕があります。二人の養護教員は傷を確認し、包帯を巻きながら「それで、落ち着いたの?」と尋ねます。家族や友人との関係、将来への不安、など生徒の話を丁寧に聞いてから言葉をつなぎます。「しんどいのは分かるけど、下手すると取り返しがつかなくなることもあるからね。そのことだけは、わかってほしいな」と、否定せずに諭すように語ります。生徒は落ち着いて30分ほどで保健室を後にしました。

 

もはや、養護教諭の役割は、傷の手当にとどまらず、心理カウンセラーでもありますね。二人の教員は、「私たちの対応は、先回り過ぎでは」「面倒を見るだけでは学校として不十分ではないか」と生徒たちへの接し方を意識します。「少し休んでいく?」と生徒に提案するのではなく、「あなたはどうしたいの?」と聞いて、生徒が自分の考えをまとめて言葉にし、自発的に動くのを辛抱強く待つようにしているそうです。

 

保健室には、生徒だけでなく教員も相談にやってくるそうです。ある教員は、「何でもやってあげて『優しい先生』と思われたい気持ちはある。でも、そのまま社会に送り出すのは、教員として無責任かもしれない。だから生徒が成長できるよう、背中を押したい」と言います。

 

心に傷を負ってしまった生徒の対応は、とても難しいですね。一人一人、かける言葉も違います。しかし、最後は、「自分で考えて自分で答えを出す」ことにつながるような対応ができれば、生徒の前に立ちはだかる壁が、1枚かもしれませんが開かれたことになります。保健室の先生の役割は大きいですね。

2024年

2月

27日

火災報知器点検の仕事

昨日の寺子屋は書道だったのですが、年長園児の課題は「そつえん」です。保育園の壁面に、子どもたちの「そつえん」の作品が並ぶと、いよいよだなぁ~と思ってしまいます。特に、卒園児の保護者にとっては、卒園式迄の日々は、感慨深いものになると思います。

 

さて、保育園の教室内には、ちょうどキッチンの上の天井部分に、火災報知機が設置されています。幸い、保育園が開園してから、この火災報知機が反応して、天井にある複数のスプリンクラーから放水されたことはありません。保育園の火災報知機は、年に2回ほど、長い棒のような機器で定期点検が行われます。皆さまも、オフィスなどで見たことがある人も多いのかと思います。

 

火災報知機がきちんと作動するかどうかの定期点検は、消防法で義務付けられています。そして、定期点検ができるのは「消防設備士」の資格がある人です。私は、誰でもできると思っていましたが、資格がないといけないそうです。消防設備士は、建物の管理者の依頼を受けて、火災報知機だけでなく消火器などの設備もチェックします。マンションやオフィスのほか、劇場やごみ焼却施設なども対象だそうです。

 

保育園ホワイトきゃんばすが入る、ショッピングセンターのような施設は、当然、グループ内の関連業者できちんと行われていますが、その他の施設では、「火の気がないから大丈夫」と点検をしないところも多いそうです。少し古いデータですが、2010年度の全国の点検報告率は、わずか40%だったそうです。6割が定期点検を怠っていたのです。

 

実は、この消防設備の定期点検をする業界は、もともと、大手デベロッパーや管理会社の下請けとして点検をする、多重下請け構造だったのです。6割も定期点検されていないというのは、大手デベロッパーに属していないビルや企業が、定期点検をどこに頼めばいいのか、わからなかったのです。

 

これをビジネスチャンスにしたのが、テックビルケア社長の茶橋(ちゃばし)さんです。もともと父の経営する会社は、ビルクリーニングでしたが、メイン事業を防災インフラ事業に変えたのです。

 

業界のからくりと、どこに需要が眠っているのかが分かれば、行動は見えてきます。まずは、自社のホームページを充実させると、全国の法人や建物オーナーから依頼が舞い込みます。下請けではないので、中間マージンなどがカットできて適正価格を設定でいるようになります。そして、10年で利益を10倍にしたそうです。

 

2023年の全国点検報告率が、55%にアップしたのもテックビルケアの受注が増えたからです。でも、45%が定期点検をしていないので、まだまだ需要がありそうですね。

 

もし、あなたが「起業」を考えているのでしたら、一番は「やりたいこと」を追求すべきでしょうが、こうして、業界のすき間を調べるのもありですね。そう簡単ではありませんが、ふと身近なところにチャンスが転がっているかもしれません。

2024年

2月

26日

セルフレジ使っていますか?

今日は、昨日よりも間違いなく気温が上がっているはずですが、北風が強く、屋上遊びは、「寒~い」中で行われました。それでも、北風に向かって自転車を走らせる寺子屋園児やファームに咲いているホトケノザの花を摘むチビちゃんたち・・・本当に、子どもは風の子ですね。そして、今日は連休明けでしたが、体調を崩して欠席する園児は、一人もいませんでした。

 

さて、スーパーやコンビニ、100円ショップなどで導入が進むセルフレジですが、みなさんは、どのようにかかわっていますか。

 

私などは、昭和の古い人間ですので、「店が人員削減のために、客に作業をさせるのだから、値引きやポイントアップもなくて、有人レジと同じだなんて、納得いかないよ」と、セルフレジが登場した頃には、こんな風に思っていました。

 

しかし、人間はすぐに慣れてしまう生き物ですね。そして、2023年のスーパーマーケット統計調査によると、回答があった283社のうち、セルフレジを設置している店舗があると回答した企業は31.1%だそうです。私の感覚では、もっと多いような気がしますが、年々セルフレジが増加傾向にあるのは事実です。また、「スーパーでふだん使うレジの形式は?」の問いに、「セルフレジ」と答えた人が66%もあったそうです。

 

「並ばずに支払いが早くできて便利。導入はうれしいですね」「レジには近所の知り合いパートで入っていることも多い。買った商品を見られたくない気持ちもあるので、セルフレジはありがたいです」というのが、賛成派の意見です。

 

ある100円ショップでは、従業員4人でまわしていましたが、有人だとレジに3人とられてしまうそうです。忙しすぎて、品出しが追いつかず、倉庫に品物があるにもかかわらず、棚がスカスカでお客様にお叱りを受けることも。しかし、セルフレジ導入で、お客様の買いたいものが売り場にないという状況がなくなったといいます。

 

こう考えると、セルフレジ投入は、人件費削減や人員不足対応という、企業側の利点だけでなく、サービスアップに、少しはつながっているようです。

 

セルフサービス化に追いついていかないお客様は、高齢者だけでなく、それぞれの年代で一定数存在すると言います。苦手な人にとっては、買い物するのに、「努力」を求められるということになるのです。さっさと買い物を済ませたい人もいれば、ゆっくりしたい人もいます。どちらにしろ、買い物とは楽しくあるものだと思うのは、私だけではないでしょう。そう考えると、「複数の速度」に寛容な場所が理想なのでしょう。でも、そうすると、企業側の論理では、セルフ化のメリットがないということにもなるし・・・

 

セルフレジ問題・・・あなたならどう考えますか。

2024年

2月

25日

災害で消えるローカル線③

只見線の「下」部分、線路や駅舎の維持管理費の負担が、福島県や沿線自治体の負担になるのであれば、「上中下分離方式」がいいのではないかという専門家の意見があります。「上」はJRなどの鉄道事業者が行うのは変わりありませんが、「下」を二つに分け、「中」として車両の保有を地元の自治体が担い、「下」の線路や駅舎などの施設を国が引き受けるという考えです。

 

国に費用を押し付ければいいのか。と思われるかもしれませんが、鉄道は道路と同じで交通インフラと考えると、国に関与してもらおうという考えです。例えば、バス会社であれば、バス会社が買うのはバスだけで、道路をつくるお金を払うわけでも、信号機の維持費を払うわけでもありません。鉄道会社は、現状すべてを負担する構造なので、赤字、廃線に追い込まれることが多いのです。

 

2011年の東日本大震災で、燃料不足になった東北にガソリンや灯油などを運んだのは鉄道です。鉄道の優位性は、少ない人数で大量の輸送ができることです。貨物列車は最大26両編成で10トントラック65台分の貨物を運べます。トラックなら65人の運転手が必要のところ、鉄道なら運転手1人です。

 

2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた「三陸鉄道」は、NHKの連続ドラマ「あまちゃん」のモデルになったことで全国的に有名なローカル線です。しかし、あまちゃん効果がなくなってくると、再び危機に陥ります。「こたつ列車」「お座敷列車」そして、「震災学習列車」などを走らせ、何とか打開策を考えます。2021年からそのガイドを務めるのが2019年入社の若い社員千代田さんです。

 

彼女は、今月1月に、初めて企画から当日の運行までを手がけた「女子が楽しむ日本酒列車」を成功させます。三陸鉄道には、「三陸鉄道で仕事がしたい」という「若い力」が、毎年入社しているそうです。現在、三陸鉄道の「自慢」は、沿線で農作業中の人や歩いている人たちが、走る列車に向かって自然と手を振ってくれる日常の光景だそうです。なんだか、いいですね。

 

日本のローカル線は、これから、ますます高齢化や過疎化で苦境に追い込まれます。鉄道の在り方をどう考えるか?を見直さないと、経営困難という理由で、時刻表から鉄道路線がなくなっていきます。

 

国鉄が、民営化してまもなく40年を迎えようとしています。私が高校時代に使っていた「JTB国鉄時刻表」には、まるでクモの巣のように鉄道路線が日本中にありました。特に私がハマった北海道には、魅力ある路線がたくさんありました。でも、それは旅人にとっての魅力で、地域の人たちにとっては、どうだったのか・・・この問題は、私の頭の中でぐるぐるまわって、すっきりしません。三陸鉄道のように、若い力に頼るしかありません。

 

結局は、納得できるような結論は出ませんが、3日間ローカル線の話にお付き合いいただきありがとうございました。

2024年

2月

24日

災害で消えるローカル線②

今日のお昼の課外授業は、「演劇鑑賞」です。第18回東大宮演劇祭に子どもたちを連れて行きました。劇団レインボウ城!や演劇ワークショップの演劇2本を観ました。普段は、公務員・会社員などの仕事をしているメンバーが、大好きな演劇を通じて、「もうひ一人の私」を演じ、楽しんでいます。テレビドラマや映画に出演するような劇団ではありません。しかし、子どもたちにとっては、インパクトが大きかったようです。コメディ作品を2本観たのですが、子どもたちはストーリーは、なかなか理解できないものの、役者のセリフやリアクションが面白ければ、大笑いです。客席で、役者のセリフを真似して大声でオウム返しするので会場がどっと笑いに包まれました。いい経験になったようです。

 

さて、昨日の「災害で消えるローカル線」の続きです。只見線は、2011年の集中豪雨で、会津川口ー只見間でバス代行となったのですが、2022年、約11年ぶりに鉄道が再開したのです。俳優の六角精児さんはじめ、只見線を愛する全国の人たちのエールもありましたが、再生の切り札が、「上下分離方式」です。車両の運行を「上」、線路や駅舎などの施設管理を「下」とし、「上」はJRなどの鉄道会社が行い、「下」は自治体が引き受ける方式です。線路や鉄道施設などの維持管理がなくなる分、鉄道会社の経営負担が軽くなるという仕組みです。JR東日本は、この「上下分離方式」でなければ、只見線の廃線区間は、永遠にバス代行か廃線にしたことでしょう。ただし、福島県と沿線自治体が存続を主張し、「上下分離方式」が採用されたのです。

 

私は、バス代行区間も乗りましたが、今年1月の「おやじ旅」で、開通後の雪の只見線に乗車しました。只見ー会津川口間では、台風で流れた3つの橋を渡り、橋が流れた原因となった、ダム放流を行った本名(ほんな)ダムを通過しました。ダムの放流をしなかったなら、橋は流されずにすんだかもしれませんが、ダムが崩壊しもっと大きな被害につながっていたかもしれません。複雑な気持ちで、車窓を眺めていました。

 

この「上下分離方式」は、JR只見線の他にも、茨城県ひたちなか市を走る第三セクター「ひたちなか海浜鉄道」が導入して、経営を立て直しています。しかし、只見線の場合は、毎年3億円とされる「下」の施設維持管理費は、福島県と会津17市町村が負担することになります。鉄道ファンは、「只見線を残して!」と簡単に言えますが、地元住民はこれだけの負担が強いられるので、「只見線を復活させて良かった!」という存在意義が必要になるのです。

 

う~ん・・・なかなか難しいですね。何か、他にいい方法がないものか。つづきは明日です。

2024年

2月

23日

災害で消えるローカル線①

3連休初日は、冷たい雨が降っていますね。さて、元日の夕方、能登半島を襲った最大震度7の地震が、金沢と能登地域を結ぶ「JR七尾線」(金沢ー和倉温泉、全長約60キロ)を襲いました。列車や乗客は無事でしたが、線路や駅が大きな被害を受けました。しかし、ここは観光拠点でもあり、復旧作業が進み、2月15日には全線開通となりました。また、和倉温泉の先、穴水までの「のと鉄道」も4月中旬までには、全線開通する見通しだそうです。私が高校の時に、父が能登半島の工場長として単身赴任していて、夏休みに遊びに行った時に、フグの刺身をたらふく食べた記憶があり(フグ調理の免許を持っていない人が作ったので命がけでしたが・・・)、「良かった!」と素直に思っています。しかし、現在、台風や地震などの災害で不通となっている鉄道区間は、9か所もあります。太宰治で有名な「津軽鉄道」の一部やSLで有名な「大井川鉄道」の一部などです。

 

あの伝説のテレビドラマ「北の国から」を思い出してください。ドラマの初回で、東京から富良野に移住してきた黒板五郎と、兄の純・妹の蛍の3人を草太兄ちゃんが出迎えるシーンの駅が、「布部(ぬのべ)」駅です。富良野駅の隣の無人駅です。

 

私が高校の時に「北の国から」にはまり、この布部駅から黒板五郎さんが移住した「麓郷(ろくごう)」という集落まで歩き出しました。3月でしたので、まだ雪が多く、雪に慣れていない私が歩いていると、地元の人が麓郷村まで車で乗せてくれたのです。そして、五郎さんたちが最初に住んだ廃屋に行くと、たまたま北海道新聞の取材で来ていた、田中邦衛さんと純と蛍がいたのです。私は思わず「ほたる!」と、当時小学生だった中嶋朋子さんを抱きしめていました。(笑)

 

その「布部」駅がある、JR北海道・根室線の富良野ー新得(しんとく)の82キロが、この3月末に廃線となってしまいバスに転換します。ここも、東鹿越(ひがししかごえ)ー新得間の42キロが、2016年の台風で被災し、ずっと不通になっていました。結局、この路線は復旧することなく廃線となってしまうのです。

 

被災した鉄道がそのまま廃線への道をたどってしまうのは、ずばり、金と時間がかかるからです。状況によっては新設と変わらない時間と費用がかかり、利用客も見込めないことから、バス代行となるのです。

 

なんだか、話が重くなってしまいましたが、ここで、鉄道再生の「切り札」として、登場したのが「上下分離方式」です。福島県と新潟県を結び、秘境路線として知られるJR只見線は、2011年の集中豪雨で会津川口ー只見間の約28キロで、3か所の橋が流れてしまったのです。それが、2022年10月に11年ぶりに開通したのです。全国区のテレビニュースでも大きく取り上げられましたね。

 

つづきは、あした・・・

2024年

2月

22日

予習で見通し・安心感

今週は雨続きで、なかなか屋上で遊べません。今日は、マットやトランポリン、とび箱を使って、寺子屋以外の小さい園児も参加した、プチ体操教室を行いました。2歳児、1歳児にとっては、初めてのとび箱体験です。恐怖と勇気と心が揺れ動きます。「大丈夫・・思いきって飛ぶんだ!」が、勇気につながる園児もいれば、不安になってしまう園児もいます。あらためて、子どもたち一人一人の違いを感じました。逆立ち選手権は、別名「負けず嫌い」選手権です。体力よりも気持ちが強い方が勝利します。保護者の中でも、「やるからには勝ちにこだわって欲しい」と考える親もあれば、「楽しくできればそれでよし」の親もあります。もちろん、どちらかが正解ではありません。

 

さて、もう20年以上前の話ですが、私がサラリーマン時代に「ミドルマネジメント研修」に参加させてもらったことがあります。社内ではなく外部研修でした。「住友商事」「日本IBM」など、一流企業で管理職になったばかりのメンバーと一緒でした。

 

この研修は、過去に日産自動車でマーケティングを担当していたなど、実戦経験を持つ講師が、毎回のテーマに合わせて担当します。1コマ2時間の講義内容ですが、事前の予習を行わないと、まったくついていけないスキルの高さでした。講義内容は、グループ討議やテストなどがあり、講師は参加したメンバーの評価を行い、参加企業にフィードバックされました。私の評価は、下から数えた方が早かったようです。落ちこぼれでした。(笑)

 

このように、「予習」は、私たち大人の世界だったり、中学生以上ならば、見通しが立てられるし、何といっても安心して授業に打ち込めることができますね。予習をすることで理解度も高まります。

 

これを小学校で取り入れている先生がいます。たぶん「小学生で予習だなんて、考えられないよ!」と思う先生が多いかもしれません。しかし、この先生は、私たちが認識している予習(学習に先立って行う予備的な学習)だけでなく、答え(結論)も先に与えるそうです。どういうことかと言うと、明日の授業で展開する教科書のページの「まとめ」をノートに書き写させます。その内容を子どもたちは、事前に予習して頭に入れるのです。まずは、算数と理科から取り入れたそうです。

 

私も「小学生で予習なんて早いんじゃないの?」と思ったのですが、冷静に考えると、社会科見学などの校外学習では、見学する施設について事前に調べさせ、予備知識を持たせますね。目的は、見学を充実させるためです。

 

実際に予習を導入した先生たちからは、「子どもの反応がすごくよかった」「答えがわかっているところからスタートする授業っていいね」との意見が出たそうです。

 

もう少し深く考えて見ると、小学校の授業では、一斉授業かつ学力差がある子どもたちが集まっています。授業の入り口で、児童が思考停止してしまうリスクを少なくするには、一人でも多くの児童の「分かる」を保障しなければいけません。

 

予習で、保護者も我が子の授業に関わるかもしれません。そして、何より安心感を持って翌日の授業に入ることができるのです。「はい。教科書の○○ページを開けて!」で、思考停止してしまう児童が減ることは、間違いありませんね。

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、年間最低2回は社会化見学を行っています。工場見学や、先月行ったのは造幣局です。今まで、事前の予習はやったことがなかったのですが、この話を聞いて、保育園の園児も「予習」の効果が期待できることを確信しました。

 

皆さんは、様々な立場でお仕事をされているでしょうが、「予習」を意識してみませんか。

2024年

2月

21日

サンリオ時間

今日の寺子屋園児は、久々に「階段レース」を楽しみました。ショッピングセンター3Fにある保育園ホワイトきゃんばすは、地震や火災などの災害に備えて、階段を利用して避難する訓練をするのですが、これをゲーム化したのが階段レースです。単純に、階段のぼりの競争です。不思議なもので、足が速い園児が必ずしも階段レースでも勝利するわけではありません。今日は、一段とばしにもチャレンジしました。子どもたちの体力強化にもつながったようです。

 

さて、今日は「サンリオ」の話です。保育園の子どもたちからは、ハローキティやマイメロディなどのメジャーなキャラクターはもちろんですが、クロミやこぎみゅんなど、私の知らないキャラクターの名前も出てきます。そんなサンリオですが、ディズニーのように、創業以来ずっと右肩上がりで成長してきたと思われるでしょうが、実は、山あり谷ありの経営を繰り返す会社でした。

 

1960年に創業し、ハローキティという最強キャラクターで、大きく成長しました。しかし、2003年には株式運用が失敗し、193億円もの赤字を出してしまったのです。私が、駆け出しの営業マンだった頃に、銀座松屋百貨店の隣に、サンリオのテーマパーク的なビルが建ったのですが、大赤字の経営で、すぐに撤退したのを覚えています。

 

創業者の息子が、副社長となり、経営を立て直しました。キャラクター販売が中心の売上構成を、「ロイヤリティ」ビジネスに変えていったのです。ハローキティのキャラクターを使ったグッズを作ってもいいけど、売上の〇〇%をロイヤリティとして徴収する仕組みです。私が働いていた洋菓子メーカーでも、ハローキティのチーズケーキを百貨店のサンリオイベントのタイアップで販売したことがありました。通常1000円のチーズケーキが、ハローキティのデザインでデコレーションされると、1200円になります。つまり、200円をロイヤリティとして、サンリオに支払うのです。こうして、サンリオは、自ら販売して売上を作らなくても、効率よくロイヤリティが徴収でき、直接営業利益につながったのです。

 

しかし、2013年に副社長が急死してしまうと、父親である創業社長は、ライセンスビジネスから再び販売重視の会社に戻すと宣言するのです。またまた、サンリオの迷走が続きます。そして、亡くなった副社長の息子(社長の孫)が、2020年に社長となったのです。当時32歳という若社長です。

 

創業者の孫に何ができるのか?という評判の中でのスタートでしたが、前社長の祖父との対話を続ける中で、強行ではなく、理解してもらいながら、改革を進めていったのです。キャラクターの開発には、ファンを巻き込みます。ファン投票でキャラクターのデビューを決める「ネクストカワイイプロジェクト」などを始めます。2022年に営業利益を黒字に転換させ、2023年も増収増益、2024年3月期では268億円の営業利益を見込んでいます。

 

今は、利益だけでなく「サンリオ時間」を増やそうという取り組みを行っているそうです。もちろん、非財務指標ですが、多くの人がサンリオに関わる時間を増やそうという目標です。

 

今まで、サンリオが開発したキャラクターは450種類になるそうです。保育園の子どもたちも大好きなキャラクターが多いので、サンリオが歩む道は、注目していきたいですね。

2024年

2月

20日

マインドセット

今日は、本当に暖かくて、屋上のカメ池を覗くと、何とクサガメが5匹も日向ぼっこをしていました。とても気持ちがよさそうです。ところが、また明日から寒くなる予報です。このまま春になることはないとは思っているものの、こうも寒暖差が大きいと、子どもたちの体調管理が大変です。

 

さて、私たち大人は子どもたちに対してこう言います。「これから君たちが生きる時代は、多様化、グローバル化、電子化、情報化が進み、非連続的で予測困難な世の中です。より良い自分になるために、今、何をしたらよいのかを思考し、道を選び、現状の自分に変化を起こしていく。それを繰り返して、人は成長していきます」

 

すると、賢い子どもがこう言うでしょう。「先生は、そう言うけど、先生だって、パパやママだって、大人たちだって、同じじゃないの?」

 

どうですか。図星ですね。私たち大人だって、固定化された概念や自分の信念に固執して新しいものを受け入れられないなら、これからの世の中を生きていくのは、しんどいかも知れませんね。

 

皆さんは「マインドセット」という言葉を知っていますか。その人の行動のベースとなる、物事の考え方、思い込みや先入観、思考パターンや価値観のようなものを表す言葉です。マインドセットには、ポジティブなものとネガティブなものがあります。よく、ビジネスの世界で使われることが多く、課題に直面した時に、解決策を模索し、即座に行動に移すような前向きなマインドセットを持った人であれば、未知の業務にも積極的に取り組むことができます。一方、新しいことに不安を持ち、失敗を恐れるようなマインドセットを持っている場合には、消極的な取り組みに留まってしまう可能性があるのです。

 

こう考えると、「失敗を恐れずに、どんどんチャレンジしていこう!」と相手を励ましたところで、相手が、ネガティブなマインドセットを持っているなら、効果が期待できないかもしれません。企業の採用では、「人のマインドセットはそう簡単に変えられない」と考え、ポジティブなマインドセットを持っている人を採用することを意識する会社もあるようです。

 

じゃ・・・ネガティブシンキングの人は、ダメなの?

 

とんでもありません。人生は、どう転んでも常に「選択と挑戦の連続」です。自分が、ネガティブなマインドセットであると思ったなら、ここは、自分を変えるチャンスと考えるのはいかがでしょうか。人間ですから、180度違うポジティブ人間に変わることはできません。少しだけでもいいのです。

2024年

2月

19日

日韓教育交流

今日は朝から雨でしたので、久しぶりに教室内で大ゲーム大会です。チームに分かれて、雑巾がけレースや玉入れなどで盛り上がりました。2歳児以上は、全員参加できました。1歳児園児は、今まではベビールームでおもちゃで遊んでいたのですが、今日は「やりたい園児」は参加させます。なんと2人が参加しました。ルールを覚えるのが難しいですが、先輩たちを見て頑張りました。

 

さて、先月、日韓の経済団体による共同事業として、「教育交流」が行われました。韓国の高校教師50人を日本に招き、日本の教師や生徒と交流を深めるプログラムが行われたそうです。韓国での参加希望者は定員の4倍の200人だったそうです。観光で日本に来たことがある先生も「日本の学校現場を見たい」と多くの希望があったようです。

 

韓国の先生たちは、都内の中学校や高校を訪問。授業を見学し、韓国でも加速する少子化などをテーマに生徒の討論に参加したり、教師や生徒と昼食を共にし交流を深めたそうです。

 

韓国のある教師は、「保護者への対応が難しいこともあり、教師の志望者が減っている。日本の先生たちと日頃抱える悩みを語り、どのように問題を克服したかを共有したい」と言います。そう、日本と韓国か抱える課題には、共通点が多いのです。

 

韓国では、受験時間に間に合うように、パトカーや白バイで、受験生が会場入りするシーンをよくテレビで見ますね。教育熱心な親が多く、高学歴志向も強い韓国では、学級担任になると受け持った生徒全員を大学へ合格させなければならないという大きな重圧がかかります。ただし、日本以上に、出欠管理や教科指導でデジタル化が進んでおり、授業では、それぞれの教科と社会のつながりを説明するので、「なんでこの授業が大事なのか」を理解して生徒は授業を受けてると言います。日本の教員が学ぶことも多いですね。

 

そして、日韓交流で、避けられないのが「歴史問題」の認識です。もう20年くらい前の話ですが、私は韓国からの留学生と話をしたことがあります。歴史問題については、「日韓のこれからのことを考えることが必要」と未来志向の考え方でした。

 

韓国の若者は、日本のアニメ文化に憧れ、韓国音楽界のレベルの高さに、素直にファンになる日本の若者も多く、文化面では、とっくにお互いをリスペクトする関係になっていますね。韓国の歴史教師は「日韓の歴史認識の差は、双方の努力が不足していたためだと思う。韓国の生徒が日本について正確に理解する機会は少なく、帰国したら、未来志向の日韓関係をあなた方が、日本の若者とつくるんだよ、と呼びかけたい」と言います。

 

一方で、日本の若者だって、日本史の授業は、せいぜい明治維新ぐらいまでで終わってしまい、近現代史を学ぶ機会が少ないのが実態です。

 

8月には、日本の教員が韓国へ訪問して教育交流を図るそうです。こういった、1つ1つの積み重ねで、隣の国同士、理解を深めることができればうれしいですね。

2024年

2月

18日

仲間と課題へ挑む

昨日登園した小学4年男子の母親から、7月に2泊3日で行われる林間学校の説明会の話を聞きました。さいたま市西区の小学校では、5年の林間学校に「舘岩(たていわ)少年自然の家」で宿泊体験を行います。福島県の山奥で、自然以外には何にもないと言っていいくらいの場所です。ここは、さいたま市の教育委員会が管轄しているので、人事異動では、教員が2年限定とかで赴任するのです。小学5年の林間学校と中学2年のスキー教室で、児童生徒を指導するのがメインの仕事になります。

 

全国には、このように教育委員会が管轄する「○○青少年自然の家」のような施設がありますが、今日は岐阜県高山市にある「乗鞍青少年交流の家」に赴任した教員の話です。先生は、愛知県内で20年間保健体育教員をしていました。「生徒の様子は、この20年間で大きく変わってきている。インターネットで欲しい情報を簡単に手に入れることができる一方で、実体験を通した学びの機会が減っているように感じる」と語ります。

 

先生は、ここで多くの体験活動を通じての子どもたちの成長を見てきたそうです。小学校5・6年のアドベンチャーキャンプで、滝つぼに飛び込む活動を実施したところ、はじめは、なかなか飛び込めない子が多かったようです。すると、友だち同士で話し合い、慣れるために低い岩場から飛び込んでいき、徐々に高い岩場から飛び込む工夫で、最後には全員が目標の高さから飛び込むことができたのです。「頑張れ!」と声を出し合いながら、目を輝かせて楽しんでいた姿に感動したそうです。

 

この話を聞いて、保育園ホワイトきゃんばすでのサマーキャンプのあるシーンが蘇ってきました。嵐山渓谷の岩の上から、川へ飛び下りるミッションが、3年位前から定着しているのですが、ここでは、まわりの園児たちが、挑戦する園児に「大丈夫・・・ライフジャケット来ているから、浮き上がってくるよ。俺にもできたから○○君も大丈夫」といったエールが飛び交います。そして、成功すると賞賛の拍手が待っています。水の中から顔を出した園児の達成感に満ちた笑顔は、本当に最高です。

 

土曜日に登園する小学生は、サマーキャンプのことは鮮明に覚えていて、これからサマーキャンプを経験する後輩たちに、目を輝かして体験談を話しています。岩の上から川への大ジャンプは、「怖かったけど・・・1回成功すれば、面白くなるよ」と。

 

自然を通した体験活動で、仲間と協力し、意見を出し合い、挑戦する経験は子どもたちの成長にかけがえのないものを残してくれます。大人になるまでに、積極的に挑戦する心や、仲間と協力して問題解決をしていくような人になっていくのです。

 

保育園でも、さらに体験活動を充実させて、子どもたちが自分で、豊かな未来を切り開いていけるような、そんな力になりたいですね。

2024年

2月

17日

電動キックスケーターは必要?

今日の昼時間は、川越美術館に行ってきました。市内の小中学生の作品展が開催されていたのですが、なんだか、見入ってしまいますね。ちぎり絵で、川越のシンボル「時の鐘」を描いた作品は、本当に素晴らしかったです。

 

さて、保育園の屋上には、電動ではありませんが、キックスケーターがあります。自転車に乗り飽きた園児が、スイスイ走らせたくなるようです。最近では、電動キックスケーターをよく街中でみるようになりました。日本では、昨年7月の改正道路交通法施行で、今までは、「原付バイク」に分類されていたのが、運転免許なしでの走行が可能になり、ますます身近な移動手段になっています。現在国内での保有台数は1万5400台で、2035年には43万台が見込まれているそうです。

 

実は、電動キックスケーターは、ヨーロッパで先駆けて普及しました。ドイツの首都ベルリンでは、欧州で電動キックスケーターの利用が最も多い都市です。2019年にシェアリングサービスが導入されると、瞬く間に普及しました。利用料金は、10分の利用で3.5ユーロ(約560円)で、同じ10分ならタクシー料金の1/4程度だそうです。また、地球温暖化対策にも優れていて、電気が動力なので、温室効果ガスの排出量は自動車の約40分の1とする試算もあるようです。利用者の多くは、20~25歳の若者ですが、今後利用年齢層は、どんどん高くなることが予想されています。

 

しかし、同じヨーロッパでも、フランスの首都パリでは、昨年9月にシェアリングサービスが廃止されました。4月の住民投票で、9割が禁止を支持したのです。理由は、交通マナーの悪さが引き起こす事故です。死亡事故が多発し、社会問題に発展したのです。

 

反対派は、急速な拡大にマナーが追いついていなかったとして、規制強化の必要性を訴えます。反対を訴えるほとんどは中高年で、賛否をめぐる論争は「新しい技術に対する世代間の論争」になっているようです。私も、自動キックスケーターに乗っている人を見ると、「かっこいい!」とは、これっぽっちも思いませんね。「危ないなぁ~」と感じてしまいます。

 

あなたは、電動キックスケーターをどう思いますか。少ない環境負荷で、短い距離では新たな交通手段となることが、メリットですが、交通マナーを守らない若者が多く、事故につながるというデメリットもあります。現実的には、今後増えていくのでしょうから、安全な乗り物にしていかないといけませんね。

 

そう言えば、今日の川越美術館での作品展で中学1年生が、「50年後の川越のまち」を描いていて、蔵の街並みの上空に、空飛ぶ車が描かれていました。電動キックスケーターどころではありません。空中で自動車が衝突したら・・・危険度はさらにアップですね。

 

夢を追いかけるには、安全が保障されないといけません。まさに、私たちの人生と同じで、アクセルを踏みながら、同時にブレーキを踏むことをやらないといけないようです。

2024年

2月

16日

知育玩具を選ぶ

昨日、例年よりも早い「春一番」を観測しましたが、その後夜になって、北風の暴風となりました。私も、夜中に風の音で起こされましたが、「風が凄くて、怖い夢を見たと思って起きちゃった」と言う園児もいました。

 

さて、将棋の藤井聡太さんが、幼少期に遊んだ知的玩具が話題になったことがありました。スイス製の「キュボロ」という木製の玩具です。玉の通る溝のついた5cm四方の立方体のパーツを積み上げて塔を作り、上から落とした玉が下まで落ちてくる道を工夫して作る玩具です。外からは見えない塔の内側に玉の道をつなぐことがキュボロの特徴で、遊びの中で3次元の考え方が自然と身につくということで、世界の多くの国に普及した玩具です。環境に配慮し、計画的に植林された高品質のスイス産ブナ材を使用するところは、スイスらしいですね。セットについている玉は、日本製のビー玉だそうです。

 

値段は、結構高くて39600円もします。それでも、この玩具で遊ばせたら、「藤井聡太のようになれるかも?」と親は、我が子に夢を託すのです。

 

おもちゃ売り場には、キャラクターなどのたくさんのおもちゃがありますが、知的発達を促すとされるものを、いつの間にか「知育玩具」と呼ぶようになりました。もちろん、明確な定義はありませんが、思考力や判断力、問題解決能力などを高めることを目的に開発されているものが多いですね。

 

あるある・・・なのは、親が我が子の知的発達のためによかれと買い与えたのに、子どもがすぐに飽きてしまって、おうちには使わなくなったおもちゃが増えていく。実際に確かめないで、ネットで買うとこうなることが多いですね。また、与えっぱなしにするのではなく、まずは大人が最初に遊び方を楽しそうに見せることが大事だと言われます。そうすれば、子どもに、自分でやってみようという気持ちが芽生えるのです。

 

専門家によると、親は子どもが上手にできたら「褒めないといけない」と思いがちですが、過剰にほめると遊び方がそれに限定されてしまう。「できたね」と認めるだけで十分だそうです。そうすれば、子どもの遊び方が広がり、自由に遊びようになるといいます。

 

これは、通常の子育てと全く同じですね。ただし、褒めると叱る(アメとムチ)のバランスは、子どもによって違ってくるので、親が考えないといけません。

 

おもちゃは、子どもが成長するうえで、欠かせないツールであることは間違いないです。ただし、大事なのは、おもちゃを介しての親子のやりとりだと思います。ゆえに、おもちゃ選びは、親も実際に使ってみることが大切ですね。

2024年

2月

15日

学校まるごと図書館

インフルエンザB型が広がっています。合計7名の感染となってしまいました。早く、元気になって登園できることを祈るばかりです。一方、屋上遊びでは、ドッジボールで汗だくになって盛り上がっています。ルールを覚えていくと、年長リーダー男子は円陣を組んで「作戦会議だよ」なんて言っています。いい感じです。

 

さて、全国の様々な小学校で、「どうすれば、子どもが本好きになるか」を実践しています。今日は、広島県府中町の府中小学校の取り組みを紹介します。全校児童871人のマンモス校です。

 

2時間目の終わりを告げるチャイムが鳴ると、20分の休み時間に入ります。すると、児童たちが勢いよく教室から駆け出し、玄関前の図書コーナーに集まります。このコーナーには約6000冊の本が並び、設置されたソファやベンチ、畳の上など好きな場所で読書を楽しんでいます。ここは図書室ではありません。

 

府中小学校では、2018年から図書室とは別に、校舎内の計7か所に図書コーナーを整備したそうです。低学年向けには絵本を中心に用意し、高学年向けには伝記や小説、学習本をそろえるなど、子どもの読む力に合わせて本を配置しています。保護者や地域住民でつくる「図書ボランティア」が壁の装飾やブックカバーの取り付けなどで協力しています。学校予算で購入した図書に加え、保護者の協力を得て、これまでに約4000冊を購入したそうです。

 

校長は、「本に囲まれ、ページをめくりながら丁寧に思考を深める経験は、集中力や考える力を養える。スマートフォンやタブレット端末が普及する現代こそ、子どものうちに本を読む経験を積むべきだ」と話します。

 

週2回の「朝読書」や、児童同士で好きな本を紹介しあう取り組みなどを進めた結果、校内アンケートでは、1か月に3冊以上読む児童の割合が、19年度の59.6%から21年度は99.9%まで向上したそうです。児童一人当たりの平均読書冊数も月9.9冊になったそうです。

 

買い物では、目的購買の他に、ブラブラしているだけで、とんだ掘り出し物に出くわすことががありますが、校舎内にたくさん本があることで、思わぬ出会いが生まれ、読書習慣につながっていくのです。

 

本を読むことは、集中力・粘り強さ・積極性などの「非認知能力」を鍛えることにつながります。他の園児に、自分が読んだ本を紹介することは、まさにプレゼンテーションの練習にもなります。

 

この「学校まるごと図書館」作戦・・・他の小学校でもマネできますね。

2024年

2月

14日

富士山登山鉄道!?

今日は、久々にドッジボールで汗を流しました。あったかくて風もないので、子どもたちも汗だくです。そんな屋上からは、雪景色の美しい富士山を見ることができます。今日は、そんな富士山の話です。

 

富士山が2013年に世界遺産に登録されてから、10年が経ちました。コロナ前の2019年の来訪者数は、世界遺産登録前の2倍以上に増えています。テレビでは、大渋滞の登山道や、半そでなどの軽装で弾丸登山をする外国人の姿が、たまに放映されていますね。

 

「いま、富士山は悲鳴を上げています!」と、地元関係者は警鐘をならします。世界遺産登録のユネスコからの宿題は、①ひとが多すぎるのを何とかしなさい!②観光大型バスの排気ガス&ごみだらけで、環境負荷が大きすぎる!③信仰の場である富士山の景観が損なわれている!の3つですが、10年たって、解決どころか悪化しています。

 

世界の宝「富士山」を未来に引き継ぐために、「富士山登山鉄道」の構想が動き出しています。「えっ!電車なんか走らせたら、さらに環境破壊につながるんじゃないの?」と思ったあなた。イメージは、ヨーロッパのアルプス登山鉄道です。山梨県が中心になって進めています。

 

新たに鉄道を引く工事をするのではなく、現在、5合目まで、自家用車や大型バスが通行している、富士スバルラインを車両通行止めにして、次世代型路面電車(LRT)を走らせる構想です。宇都宮市内に開通した超モダンな路面電車のイメージです。登山鉄道なら、乗客数や運行本数を決められるので、来訪者数を確実にコントロールできます。冬場についても、悪天候でなければ運行ができ、現在は夏場のみに集中する来訪者を1年通して、魅力的な観光地にできるというわけです。もちろん、5合目から先は、徒歩になります。

 

世界の登山家たちが「いろんな山を登った中で、富士山が一番汚かった」と話すようになってから、富士山は、その美しい姿と裏腹に、「汚い山」の代名詞になっています。登山鉄道を走らせることで、電気と上下水道のライフラインも整えます。現在5合目には、電気と上下水道が整備されておらず、発電機用の重油やトイレの水は、麓(ふもと)からタンクローリーで運んでいるそうです。実現すれば、タンクローリーが不要になるだけでなく、処理が追いつかず不衛生になりがちだったトイレも気持ちよく使えるようになります。

 

山梨県は、昨年11月から富士山周辺の住民説明会を始めたそうです。この構想を進めるにあたっては、予算の問題だけでなく、現在商売などで、生計を成り立たせている人への対応など、クリアすべきことが山ほどあるでしょう。

 

どんな形にしろ、この美しい「富士山」を未来に残していくには、現状のやり方ではいけないことは明白です。屋上遊びの合間に見える富士山を愛でながら、日本人の一人として

考えないといけませんね。

2024年

2月

13日

修学旅行で企業訪問

連休中はバレンタインデーのチョコレート作りをしたという子どもたちが多かったですね。手作りチョコレートは、チョコレートメーカーが作るチョコレートに比べて、とびきりおいしいわけではありません、チョコレートを湯煎してからの温度管理や、トッピングする材料など、素人の域は出ませんね。しかし、「心がこもっている」ので、もらった方は、格段においしく感じるのです。(笑)

 

連休明けの火曜日ですが、体調不良の園児が増えてしまいました。インフルエンザB型に感染する園児もあり、保育園では、子どもたちの体調管理に十分注意しなければなりません。

 

さて、最近は、修学旅行に企業訪問を組み入れる中学校、高校が増えているそうです。都内のベンチャー企業のスパイスファクトリーでは、「企業が教育に参画することで社会全体で子どもを見守る新たな構造を作りたい」と考えます。この会社は、今まで約300人の生徒を受け入れたそうです。「働くとは何か」を生徒に語り、生徒からは「この仕事をやってよかったことは」「今まで一番大変だった仕事は」といった質問が相次ぎます。IT企業への就職を目指すという生徒からは、「高校生のうちにやっておくべきことは」などの具体的な質問もあったようです。

 

スパイスファクトリーは「子どもたちの働くことへのイメージを好転させたい。当社のありのままの姿を公開すれば、大変ながらも楽しくやりがいを持って働けることを伝えられる」と語ります。子どものキャリア形成につては、「今すぐ夢を決める必要はない。働きながら徐々に形づくる楽しさも伝えたい」と話します。企業訪問後のアンケートでは、「将来について明るい見通しを持ってるか」の質問に対し、「明るい・どちらかといえば明るい」と回答した生徒は、企業訪問の前後で44%から96%に上昇したそうです。

 

しかし、学校が直接企業と連携するには教員の業務負担が増えます。実際には、学校と企業をつなぐ、教育系事業を行う企業が間に入ることが多いようです。例えば、3泊4日の行程のうち半日をキャリア研修に充て、「IT・貿易・投資・環境・映像・精密機器・宇宙開発」など多岐にわたる企業との橋渡しが可能になります。

 

学校の先生の中で、民間企業で働いた経験を持つ人はわずかです。先生自身も企業訪問を通じて、子どもたちのキャリア教育に今まで以上に深くかかわることができますね。学校教育の中に、このように、社会を体験できる具体的な取り組みが加わることで、子どもたちの未来が開けることでしょう。

 

修学旅行の形も、時代と共に、多様化しているのです。

2024年

2月

12日

三崎のマグロ

突然ですが、まぐろのことを「マグロ」とカタカナで書くことが多いのはどうしてだか分かりますか。まるで、正解のないクイズのようですね。青森県大間のマグロが、初セリで正月の話題になりますが、実は、日本人が食べているほとんどマグロは、日本の近海で獲れたマグロではありません。地中海やオーストラリアで水揚げされて、冷凍されて日本の漁港に入ってきます。そんな外国から来る「MAGURO」ゆえに、いつの間にかマグロとカタカナ表記されるようになったとか。もちろん、これは、諸説ある中の一つです。

 

そんな、冷凍マグロが日本で最初にやってきた漁港が、神奈川県の三崎港です。「三崎のマグロ」で超有名ですが、三崎港は、マグロの水揚げ量が日本一ではありません。でも、冷凍マグロの扱い量は日本一です。三崎港には、世界中のマグロが集まるのです。

 

ウンチクはこれくらいにしまして・・・昨日は、「三崎のマグロ」を食べに行ってきました。かみさんのリクエストに応えてです。(笑)

 

アルコールは飲まない!として、車で三崎港へ向かったのですが、京急三崎口駅からずっと渋滞です。連休でもあり、コロナ禍の反動で、外国人も多く、とにかく大勢の人で、三崎港は賑わっていました。冬ということもあり、三崎港の海は澄んでいて、魚が泳ぐ姿にずっと見入ってします。生き物を見ていると、それだけで私は何時間でも大丈夫です。

 

人気店には、行列ができていましたが、路地裏の店に入り、マグロを堪能しました。赤身やトロも美味しくいただきましたが、三浦でしか食べられないような、希少部位を堪能しました。マグロの皮はコリコリしていて、たぶんコラーゲンもたっぷりのような気がしました。マグロの卵は、味はほとんどタラコですが、初めて食べました。ほお肉やカマの部位など、マグロは捨てるところがない魚ですね。

 

三崎港がある神奈川県三浦市は、「三浦大根」でも有名ですね。独特の形をした大根ですが、荷崩れしにくいので、煮物でおいしくいただけます。三浦市は、日本の市町村で全国1位の大根収穫量を誇ります。ただし、三浦大根は栽培が難しいので、全体の数パーセントしか作られていません。ゆえに、幻の大根といわれるのです。

 

道沿いに、農家直営の販売店があり、三浦大根・キャベツ・そして、赤大根を買いました。赤大根は、外の皮も中身も真っ赤な種類で、大根おろしにすると辛みがなくほんのり甘いのです。おうちで、真っ赤なからみ餅を食べました。そして、キャベツは獲れたてですので、そのまま食べます。ほのかな甘みが最高です。

 

三浦を走っていると、一面に「キャベツ畑」と「大根畑」が広がっています。キャベツは、収穫時期をずらしながら、この先5月くらいまで収穫されます。その後は、三浦で有名な「スイカ」にシフトするのです。

 

そんな、三崎のマグロと三浦市のキャベツ畑と大根畑に感動した、素敵な1日となったのです。

2024年

2月

11日

おにぎりの可能性

保育園の給食で食べている、地元の農家さんからの米を、昨日小学生と年長園児を連れて、精米しに行きました。30キロ袋には玄米が入っています。子どもたちは、精米を見るのが初めてだったようで、「わ~すごい。お米が白くなっている」と驚きます。給食で食べるコメは、完全白米ではなく7分で精米しているので、栄養を少し残しています。

 

そんなお米ですが、総務省の家計調査によると、2人以上の世帯が1年間に米にかけた金額の平均は、2000年は4万256円だったそうですが、2023年は2万397円とほぼ半減しているそうです。我が家の朝食も、長男以外は全員パン派です。米びつの米がなかなか減らない家庭が多くなっています。

 

ラーメンやパスタ・うどん・そばに目がない「麺派」が増え、ダイエットで炭水化物を取らない人も増えています。「日本人の主食はお米」であると、私たちは認識していますが、すでに平成22年には、パンの購入費がお米を上回っています。日本人のお米離れが加速するということは、日本の食糧自給率の低下や農業の衰退にも拍車がかかっていくことが明白です。農作放棄地も増えていきます。日本の未来にとっては、好ましい状況ではありませんね。

 

そんな「お米」が危機的な状況の中で、救世主が現れました。それは「おにぎり」です。近年、国内外でおにぎり専門店が一大ブームとなっています。保育園の近くにできた「おむすび屋」は大盛況ですし、駅構内には必ずパン屋さんがあるように、おにぎり専門店も欠かせない存在です。昔ながらの「しゃけ・うめぼし・たらこ」といったシンプルな具もおいしいですが、おにぎり専門店ブームのキーワードは「ごちそうおにぎり」です。ある家計調査では、「おにぎり」にかけた金額は2023年は5909円で増加傾向にあるようです。

 

私のサラリーマン時代の話です。新潟出張の夜は、古町(ふるまち)という、昔からある繁華街で飲んだ後に、必ず最後の締めで立ち寄るのが、ラーメンでなく、「おにぎり専門店」でした。米どころ新潟ですので、とにかく米がおいしかったですね。

 

保育園では、朝食が食べられなかった園児が、ママが握ったおにぎり持参で登園し、おいしそうに食べる姿がたまにあります。おにぎりにすると、なぜか食が進むのが不思議ですね。

 

農産物の中で、ほぼ100%の自給率を誇る「米」は、「組み合わせと味付けでの無限大の可能性」を持つ「おにぎり」で、復権をめざします。どんな具を入れるか?どんな味付けのごはんにするか?家族で、「今日の夕食はおにぎりパーティーにしよう!」という日がやってくるような予感です。

2024年

2月

10日

「普通の人」でいること

まだ先日の雪が、屋上に残っていました。砂場側の最後の雪を子どもたちは集めています。さいたまの子どもたちは、年に数回しか雪に触れることがないので、名残り惜しむように、最後まで雪遊びを楽しんでいますが、冬場、常に雪がある地域での子どもたちは、雪をどう思っているのだろうかぁ~なんて思ってしまいます。

 

さて、先日、定年退職を迎えた私の仲間の話をしましたが、彼は、61歳になったからといって、「若いやつらとは話が合わん」などと言って、一人でいることなどありません。常に、彼の周りには、様々な年齢の人たちが集まってきます。その理由は、彼が「普通の人」だからだと私は思っています。何のことだかわかりませんね。(笑)

 

定年間際のある男性の悩みを聞いてください。「あと3年で定年ですが、職場が嫌でたまりません。周囲は30~40代中心で興味のない話題で盛り上がっていて、入る気もしません。向こうもそんな私に距離を置いている感じです。散々身を粉にして働いてきて、バブル期も知っていますし、早く引退したいです。しかし、母の介護もあり、まだ頑張るしかありません。どうしたら平穏に暮らせるでしょうか」

 

どうですか・・・これに似たような経験をしたことはありませんか。相手の対応があまりにもクールで不愛想の時に、こちらから折れればいいものの、「そっちがそんな態度をとるんだったら、絶対にこっちからは話しかけないぞ!」的な感情です。なんだかのボタンの掛け違いから、「あいつとは分かり合えない!」と勝手に決めつけて、ギスギスしたままにすることは、よくあることかもしれません。私もしかりです。

 

こんな時には、「普通の人」でいることが大事だと思っています。普通とは、わからないことがあれば、年下だろうが素直に聞く。相手が困っていたら「どうされたんですか」と聞く。そんな、当たり前のことを普通にするように意識してみると、案外うまくいくのかもしれませんんね。

 

人間には、欲があるので「もっと感謝してほしい」とか「自分が苦労してきたことに気がついてほしい」という気持ちが出てしまうものです。あと3年で定年の男性も、そんな気持ちがあるので、素直になれないのです。

 

「普通の人になる」「普通のことをする」をもっと大事にしたいですね。

2024年

2月

09日

小学生になること

本日、さいたま市立指扇小学校の保幼小連絡協議会があり、これで、年長園児11名が通うすべての小学校への訪問が終了しました。

 

コロナが落ち着いたので、今年は、1年生の授業参観にも出席させてもらいました。保育園ホワイトきゃんばすを卒園した児童が、頑張っている姿を見るのも楽しみですし、授業内容そのものに興味がありますね。

 

コロナの前に、すでに児童一人1台のパソコン端末が与えられており、コロナ禍でのリモート授業でも活躍したのですが、今回の授業参観では、タブレットを活用した授業が目立ちました。あるクラスの授業は、「ワンワン・ニャンニャンなど、2回続く言葉と、それを絵に描いて」という課題が先生から与えられます。子どもたちは、タブレットを簡単に操って、色をつけたり、消しゴムを使ったりして完成させます。それを提出ボックスにドロップアウトすると、黒板横の大きなテレビ画面に30名分に分割された作品が映し出されるのです。子どもたちのタブレットからも、他の児童の作品を見ることができます。

 

ホワイトきゃんばす卒園児の女の子は、キラキラの文字と黄色で星の絵を描いていました。そして、先生から「今から3分間・・・他の友だちの作品を見て」と指示があると、子どもたちは、自分のタブレットで他の子の作品を見ています。

 

なんだか、授業スタイルも時代の流れで変わってきたなぁ~なんて思いながら、教頭先生に、「先生のパソコンスキルの違いで、授業スタイルには差が出てしまうものですか?」と聞きます。「いやいや・・・たいがいさいたま市の共通プログラムを使っているので、どんな先生でもできますよ」とのことでした。

 

また、1年生も3学期になれば、深い学びができるようになっており、「隣の席の子と答え合わせをして」とか「今からグループで話し合って、代表者を決めて発表して」などの、いわゆるアクティブラーニング形式の授業も行われていました。 先生たちは、様々な工夫をしながら、自分の授業スタイルを確立しているようです。 

 

そして、同時並行で、保護者出席の入学説明会が行われています。連絡ノートでの保護者のコメントでは、初めて我が子が就学することに、心配の種はつきません。しかし、昨年のクリスマス発表会で、小学校1年生の担任をしている保護者から話をしてもらったことで、安心して話を聞けたとあります。我が子に「目覚まし時計」を買って、自分で目覚ましをセットして起きる習慣ができた男の子もありました。今までは、ママが叩き起こしてもなかなか起きなかったのに、自分でやるようになるとできるのです。そんな感じで、保護者も我が子への生活習慣をアップデートしているようです。

 

小学校入学まで、あと少し・・・私たちの役割は、「小学生になるのが楽しみだね」と言って、背中を押すことです。小学生になってから起きた問題は、その都度解決すればいいのであって、今は、あらぬ心配をしてはいけませんね。

2024年

2月

08日

いまを生きるアイヌ文化

昨日、社会科見学で行った「造幣局さいたま支局」の話が、連絡ノートにびっしりと書かれていました。子どもなりに、貨幣工場見学の様子を親に伝えることができたようです。電車やバスに、友だちと乗ったことも大きな思い出ですね。

 

さて、今、アイヌ民族とその文化に対する関心が高まっているようです。映画化された「ゴールデンカムイ」が上映中ということもあります。映画は、明治時代の北海道を舞台に、元陸軍兵士とアイヌ民族の少女が金塊をめぐって争奪戦を繰り広げる壮大なストーリーです。映画では、どうしても俳優に注目が集まりますが、アイヌの民具や衣装、宗教儀礼に用いる道具などが、模様ひとつをとっても、かなりリアリティーをもって描かれていることで話題になっています。

 

アイヌという言葉は知っていても、アイヌ民族ってどんなものなの?今でもアイヌ民族は堂々と生活しているの?と、漠然と思っている人が多いと思います。2020年には、北海道白老町に国立アイヌ文化発信拠点「民族共生象徴空間(愛称:ウポポイ)」がオープンしました。

 

ウポポイとは、アイヌ語で「おおぜいで歌うこと」だそうです。国立アイヌ民族博物館や国立民族共生公園などからなり、歌や舞踊など、アイヌの伝統文化や宗教儀式、日常の食べ物等を体験することができるそうです。コロナがあったものの、入場者は延べ100万人を超えました。

 

日本は、様々な国籍の民族が共生する国ではないので、民族差別という実感は、少ないですが、アイヌに対する差別や偏見は今でもあります。「あ、犬(アイヌ)」と呼ばれるのが典型的な侮蔑語です。バスの中で、相手がアイヌだと知っている場合に「あ~犬が座っている~」と歌いながら通り過ぎたり、逆に「アイヌなんていまはもういない」と断言されることも、差別の1つです。

 

アイヌへの差別をやめよう!なんて、簡単には言えません。民族的にマイノリティーであるアイヌは、自分の属性を伏せてる人も多いのです。アイヌ文化への注目が集まる中で工芸や舞踊の分野でメディアに登場する人も増えています。でも、そういう人と、自分との距離を感じ、自身のアイデンティティーに自信を持てず「自分のことをアイヌと言ってもいいのだろうか」と感じる人も、現実的には多いのだそうです。

 

単純に少数民族への差別問題だけでなく、アイヌ民族同士でも「もやもや」を抱える裏の実態があるなんて、私は考えたことがありませんでした。

 

高校生の頃に、「北の国から」で北海道にハマり、アイヌのことも、にわか知識で学びながら、知床半島にある「カムイワッカの滝」の滝つぼにわく温泉につかりながら、「カムイとは神を意味するんだ。俺は今、神の滝につかっているのだ!」とあまりにも軽いセリフを吐いていました。

 

アイヌを語るには、まだまだ知識不足です。日本での少数民族は、アイヌ民族・琉球民族しか私は浮かびませんが、いまを生きている彼らの葛藤は、理解したいですね。

2024年

2月

07日

造幣局に行ってきました

今日は、年長・年中園児19名を連れて、社会科見学に行ってきました。さいたま新都心にある、「造幣局さいたま支局」です。前日まで休んでいた園児も、今日は19名全員元気に登園しました。イベントになると、元気になる子どもたちです。(笑)

 

保育園から西大宮駅まで、ざっと20分歩き、電車に乗ります。大宮駅で乗り換えて、さいたま新都心駅から徒歩10分で造幣局に到着です。今回、初めて電車に乗る子がいましたが、車窓からの景色を楽しむことができたようです。

 

造幣局では、お金を製造しているのですが、紙幣は作っていません。1円から500円までの貨幣と勲章、記念硬貨などを作っています。同じお金でも、紙幣には「日本銀行券」と印刷されており、下の方に小さく「国立印刷局製造」の文字が入っています。日本で発行されるすべてのお札は、用紙製造、印刷ともに国立印刷局が行っています。日本銀行は、国立印刷所から新しい銀行券受け取って、これを本店や地方の支店から世の中に払い出しているのです。

 

しかし、硬貨については、日本に3か所ある造幣局で作られています。「桜の通り抜け」で有名な、大阪の本局と広島支局、そして、今回訪問したさいたま支局です。地震などの天災の被害に遭っても、日本にある3か所のどこかが稼働できるように、東日本と西日本に配置されているそうです。さいたま支局では、通常の硬貨製造の他に、コレクターが集める「ブルーフ貨幣」と勲章の製造を中心に行っています。

 

説明はこれくらいにして、まずは、工場見学からスタートです。最初にビデオを見たのですが、「ニセモノを出さないようにする」というテロップが流れたものの、何がニセモノなのか?につながらないストーリーだったので、5歳男の子が「ビデオの途中で、ニセモノというセリフがあったけど、それがよくわからなかった」という質問をしました。鋭い洞察力にビックリです。

 

工場では、実際に職人さんたちが、ブルーフ硬貨を作っているシーンを見学します。初めて、お金を作っているところを見た子どもたちは、じっと見入っていました。また、勲章を作成する職人のところでは、ほぼ手作業なので、「こんなの作っちゃうんだ」と、思ったことを口に出す子どもたちです。

 

博物館では、子どもたちの興味をそそる展示がたくさんありました。ゲゲゲの鬼太郎やアンパンマン、ドラえもんなどの記念硬貨に目が釘付けになり、都道府県別の記念硬貨では、お正月に遊びに行った、おじいちゃんおばあちゃんの住む、新潟・山形・青森・宮城など、カラフルで美しい硬貨を発見します。

 

一番人気は「体験コーナー」です。千両箱は、子どもたちの力では上がりません。また、1円から500円までの硬貨がいっぱいに詰まった袋は、なかなか持ち上がりませんが、なんだか、大金持ちになった気分になるようです。

 

造幣局見学は、通常は小学生の社会科見学として行われる内容ですが、ガイドの方に、就学前の園児でも分かり易いように解説していただき、楽しく学ぶことができました。子どもたちの感想は「お金のことが勉強できてよかった」です。

 

今回の社会科見学のもう一つの狙いは、公共交通機関を使っての移動です。先回、プラネタリウム見学で、年長園児は経験しましたが、やんちゃ男子が揃う年中園児が、団体行動をきちんととれるか心配でした。しかし、問題なく、電車・乗り換え・バスと安全に行動ができました。年長園児の声がけも頼もしかったです。

 

お弁当は、青空の下、造幣局前の公園で食べました。弟の出産で里帰り中のママに代わって、パパがお弁当作りを頑張った5歳女の子は、パパの愛情を感じながら嬉しそうに完食です。園児たちが、丸くなって会話が弾んだ楽しい時間となりました。

 

来年度の「社会科見学」も子どもたちのワクワクドキドキ・・・好奇心をしっかりと引き出す企画を考えたいですね。今日は大成功です。

2024年

2月

06日

叱れない社会

今日は思う存分屋上で雪遊びをしました。昨夜は東京23区内でも大雪警報が出るくらいに降ったのですが、朝から雨まじりで、屋上は「ぐちゃぐちゃ白銀」です。それでも、雪だるまを作り、雪合戦で熱くなり、ソリも楽しみました。小さい園児は、ただただ雪の上を歩くだけでもテンションアップです。昨シーズンは、積もるほどの雪がなかったので、久々の雪遊びは、子どもたちのいい思い出になったようです。 

 

さて、宮藤官九郎脚本のドラマ「不適切にもほどがある」では、主演の阿部サダヲ演じる中学の野球部顧問が、ノックでしごき、ミスがあれば「連帯責任!」といって「ケツバット」が連発されます。笑ってしまうシーンですが、昭和の野球部では結構あるあるです。監督は「叱って、しごくからこそ、お前たちは競争を勝ち抜ける」と本気で思っていました。

 

令和の今、夏の甲子園で優勝した慶應高校の森林監督は、かなり違います。練習メニューを説明後に、当時の主将が「この練習は必要ないと思います」と言い、監督と対等に会話を交わします。森林監督は、選手の意見を一通り聞くと「試合でこの状況になる確率が低いなら、この練習はやめて、他のことをして構わない」と言うのです。「私はたまたま、慶應の先輩ということで野球の指導をしているだけです。生徒たちも野球に一生懸命ですから、しっかり話を聞くことは大前提です。あそこで、私が話を聞かなかったら、もう主将は提案してくることはないでしょうね」と語ります。

 

ここまで読んで、「やっぱり、令和のやり方が正しいじゃん!」と思いましたか。しかし、昭和の場合も令和のやり方もうまくいく時もあれば、失敗する事もあります。

 

子育てについても、親の悩みは尽きませんね。3歳児男児を育てるママ。外で棒を振り回す息子に穏やかに言い聞かせます。「目に入ると危ないからやめようね」しかし、息子にはまったく気持ちが届かないようで、やめません。コップを倒してママの服がずぶぬれになった時は、本人は楽しそうに笑っています。「床もびしょびしょになって、ママ悲しいなぁ~」と言ってみても伝わりません。外食先で子どもが騒いだ時には「ここはアリさんの声ね」と言っても騒いだままです。

 

子育てマニュアル本には、「頭ごなしにダメと叱っても、怖いという感情だけが残って効果がない」と書いています。しかし、ネットには「叱らない系の人たちが、遊戯施設で子どもを放置」という書き込みもあり、周りの視線が気になります。「放置しているわけじゃなくて、危険がない限りは自由に遊ばせたい。他の保護者と価値観の違いはあると思う」と、そのママは考えるのです。

 

まだ就学前の子ども3人を持つパパは、「叱らない子育てという理想はわかるけど、家事も仕事も育児も忙しい毎日。3人いると叱らないわけにはいかない。でも、感情的になってしまい、なかなか上手に叱れない」と言います。子育てママパパなら、誰もが経験することですね。

 

よく、「命の危険につながるような危険な行為に対しては、しっかりと叱り、そうでないときはできる限り見守るのがいい」と言われますね。多くの子育てマニュアルにも書かれている内容です。でも、子どもといる時間で、命の危険にかかわらない「悪さ」は、山ほどあります。そんな時に、ママパパは困ってしまうのです。現代社会は、子育てはもちろんのこと、学校や会社においても「叱りづらい風潮」が蔓延しています。「虐待」「パワハラ」と簡単に言われる世の中です。

 

このブログでは、マニュアルのように「○○したらいい」とう結論は出せません。叱られる側の性格や叱る側との信頼関係・・・様々な要素を考えると、一人一人違うからです。ただし、これだけは言えます。「相手に本気や必死さをどう伝えるかを実践する」が大切です。鬼のような形相で、大きな声で叱ることが必要な時もあるでしょうし、説得する叱り方だって、すべて、相手に本気が伝われば正解です。

 

そして、叱った時に、「相手が自分で考えられるようになるかどうか」も大切なことですね。「叱られちゃった!次は、叱られないようにしよう」で終わったら、次も同じことをするでしょう。「どうして叱られたのか?では、次はこうしよう」と思ってもらえるような叱り方を実践したいものです。

 

「叱らない子育て」という言い方は、今風で、カッコイイ響きがあるかもしれませんが、

「どうやって叱るかが大事」だと思っています。子どもに限らず、社会人の若者含めて、一人一人違うから難しいのです。

2024年

2月

05日

小さなまちの奇跡の図書館

天気予報通りに、お昼から雪が降り出しました。今日の寺子屋は、屋上で雪遊びです。まだ雪は、多くは積もっていませんが、子どもたちは、雪に触れて、その感触を味わっています。明日のことを考えると、大人たちは「積もらないでくれ!」ですが、子どもたちは「明日は大きな雪だるまを作ろうね!」となります。(笑)

 

さて、地方の小さな自治体で、駅前はさびれているように見えても、図書館に足を踏み入れたら、大人も子どももたくさんいて、それぞれが、読んだり書いたり、調べ物をしたり勉強している姿を見ることがります。今日は、そんな図書館の一つである、鹿児島県指宿(いぶすき)市立図書館の話です。保育園に指宿出身のママがいます。私も、指宿名物砂風呂に入り(砂をかけられて、地熱であたたまる)、「開聞(かいもん)岳」という美しい山に登り、イっシーという恐竜の目撃情報がある「池田湖」にも訪れました。とてもいいところですが、この指宿市立図書館は、数年前までは、すっかりさびれた危機的状況だったそうです。

 

そこで、NPO法人「そらまめの会」が指定管理者として名のりをあげます。そらまめの会が実践したことは、「図書館は、ただ本がある場所ではない。本や情報を介して、人と人をつなぎ、その人生を豊かにすること」でした。

 

図書館で様々なイベントを開催して、地元の小中学生の居場所になっていきます。ジェンダーギャップや地球環境問題など、子どもたちが自主的に学ぶような場所にもなっていきました。クラウドファンディングにより、移動図書館「ブックカフェ号」が誕生します。そんな、小さな取り組みの積み重ねから、大きな改革まで、熱い情熱で進めていくのです。そして、2021年のライブラリー・オブ・ザ・イヤーを受賞したのです。

 

本来の公共図書館は、行政が運営するのが当たり前と考える人も多いでしょうが、こうして、外部委託することで、活性化される事業は多くあります。ここはどちらがいいという話ではありませんね。

 

4月からの新年度を前に、保幼小連絡協議会で、近隣の小学校を訪問することが多いのですが、学校の図書室も、図書館司書による熱い思いが伝わってきますね。「図書室は本がある場所」から、「本を通じて子どもたちの可能性を広げる場所」と考えれば、今以上に、魅力的な図書室に変えることもできますね。図書館や図書室が子どもたちの大好きな場所であって欲しいものです。

2024年

2月

04日

定年お疲れさまでした

私の元会社の仲間が、1月末を持って61歳の定年を迎えました。しばらくは、嘱託社員として仕事を続けるとのことですが、定年はサラリーマン人生の1つの区切りです。世の中の流れとしては、65歳もしくは70歳まで仕事は継続する時代となりましたが、学卒で定年まで1つの会社を全うすることは、本当に凄いことだと思っています。

 

私のまわりの同年代で、定年まで仕事を続けた人は、たった2人しかいません。今の若者が、定年まで1つの会社で務めることはほとんどないのかもしれませんね。生き方の多様性の中に、「仕事を選ぶ」という要素は大きいです。

 

定年を迎えた彼の話をします。保育園ホワイトきゃんばすにも何度も足を運んでくれ、酒を飲みかわす朋友です。(笑)

 

1986年4月に入社した彼は、配属先が神戸の本社となります。当時は、福利厚生が整っておらず、埼玉在住の彼は、会社都合の辞令にもかかわらず、引っ越し費用も家賃も自費となります。家賃38,000円のボロアパートでの生活がスタートしました。そして、初任給でSONYの当時の最上級のビデオデッキを購入します。しかし、ひと月後に空き巣に入られ、ビデオデッキを盗まれてしまいます。その後、阪神淡路大震災があったのですが、このボロアパートは跡形もなく残っていなかったようです。

 

入社4年後の1990年に東京支店配属となった彼は、ずっと事務職として勤務します。会社の制度として、管理職になるには、管理職試験に合格しなければなりません。40歳の時に、彼は管理職試験に合格します。しかし、当時管理部門には、管理職のポストが埋まっていて、「お前は管理職試験に合格したから事務職に置いておくわけにはいかねえんだ」と当時の支店長から、現場経験なしの営業職に異動させられます。

 

私は、ずっと営業の仕事をしていたのですが、この人事に「どうして?管理部門を仕切る人事にしないの?」と、社員の育成よりも、組織の都合による人事に、彼の仕事人生は180度変わってしまいます。次第に彼は、メンタル的に追い込まれてしまいます。

 

約3週間仕事を休むことになります。そして、4月に仕事を復帰した際に、会社が利益確保のためにショッピングセンター専任の営業部門を作りました。そこを私が任され、彼と同じチームとして働くことになったのです。

 

彼と同じ部署で仕事をするのは初めてだったのですが、すぐに自分の営業スタイルを作り上げていきました。彼が担当するグループの売上が、右肩上がりに増えていき、得意先の信頼を大きなものにしていったのです。百貨店と量販店の需要の違いもあり、同じものを販売していては、会社のブランド力も低下してしまうので、目玉になる新商品を作ったのですが、そのネーミング「ハッピーパーティー」は、彼が考えました。いまでも、量販店のロングセラー商品です。

 

そして、営業部門に異動してから14年後、事務職に復帰し、定年間近の昨年4月から再び営業部門に異動します。組織ですので、会社都合での人事異動はやむないところですが、彼の会社人生は、そんな会社都合人事に翻弄された38年間だったのです。

 

でも、仕事をしながら、彼は世界中を旅する趣味を実践してきました。人生を大いに楽しんできたのです。定年退職の日には、入社時の社員証の「若い自分」を眺めながら、ひとりウイスキーを傾けたそうです。

 

バレンタイン・ホワイトデーと今は、忙しい時期ですので、落ち着いたら、彼とじっくり酒を呑みかわします。「おもいで」を語ることは、人生の幸福の一つです。今は、心から、「お疲れさまでした。あなたは、立派な仕事をしてきました」と言いたいですね。

2024年

2月

03日

バレンタインは「自分へ」需要

お昼の園長の課外授業は、川越にある「埼玉県初のクラフトジン蒸留所」のマツザキに行ってきました。「お酒を造っている場所に行ってみるかい?」と誘ってみると、「行きた~い!」と言うのです。パパやママがお酒を飲むので、子どもなりに興味があるようです。マツザキは、もともと酒販店ですが、令和元年にクラフトジンの蒸留所が完成し、ジンを製造販売しています。ジンは、ストレートでもおいしいですが「ジントニック」「マティーニ」「シンガポールスリング」「ピンクレディ」「ブルームーン」など、誰もが耳にしたことがあるカクテルのベースのお酒です。メニューにはないけど「ジンバック」を注文すると、かっこよくて粋だと言われます。 マツザキのジンは、棘玉(とげだま)というブランド名で売られています。子どもたちには悪いですが、今日の晩食で、ストレートからのソーダ割りで楽しむことにします。もちろん、恵方巻がおつまみです。(笑) 

 

さて、今日はバレンタイン商戦の話です。かつては、女性から男性への「愛の告白」という、今の時代では、なんとも恥ずかしいキャッチフレーズが、まさにメインの需要でした。世の男性は、もらったチョコレート数を競い・・・男性自身も「お返しが大変だよ~」なんて言いながら、本音では、チョコレートをもらって大喜びだったのです。

 

今では、日本中に世界のチョコレートが集まるお祭りとなった、バレンタイン商戦ですが、実は、私が勤務していた会社が、このバレンタインデーを仕掛けたのです。戦前の昭和11年に、「バレンタインデーに、チョコレートを」日本で最初に新聞広告に出したのが始まりです。実際に百貨店などのイベントが広がっていったのは、昭和30年代です。

 

今年のバレンタイン商戦の大きな環境変化は、「新型コロナウイルスの5類移行」「円安による海外ブランドの縮小」です。そして、「需要」という点では、「自分へ」の需要が大きく増えているようです。

 

ある百貨店の調査によると、チョコレートを実店舗で購入する人の平均予算は、1万4157円だそうです。昨年よりも1361円も上回っています。実は、旦那さんや恋人へプレゼントするチョコレートの金額よりも自分への金額の方が上回っているとのことです。

 

バレンタインの楽しみ方も多様化の時代です。本命チョコ・義理チョコ・気配りチョコ・友チョコ・逆チョコ・・・そして、右肩上がりで売上が伸びているのが「自分チョコ」です。新たな需要が見つかれば、日本のバレンタイン商戦は、永遠に続くのでしょう。

2024年

2月

02日

「獣医病理学者」って?

明日の節分は土曜日ですので、本日屋上で豆まきを行いました。園児は、紙のボウルとカラーペーパーで作った1本角の鬼の帽子をかぶります。もちろん、手作りですので、色もテイストも微妙に違ってきます。そこに、先生が扮するリアル赤鬼が登場です。チビちゃんたちは号泣するものの、大きい園児は、「○○先生でしょ」とすぐにばれてしまいましたが、楽しい豆まきになりました。豆まきに参加したのは、子どもたちだけではありません。ハトやカラスも参戦です。(笑)

 

さて、獣医病理学者というのをご存じですか。獣医である動物のお医者さんであることが多いですが、それだけではありません。獣医病理学者とは、動物の遺体を預かって、解剖や顕微鏡検査を行い死因を突き止めるのが仕事です。

 

ある朝、ペットとして飼われていた10歳の犬の遺体が持ち込まれました。まずは、飼い主から事情を聞きます。「一年前から疲れることが多く、咳を繰り返していた。やがて散歩にも行きたがらくなった。もう年のせいだろうと思っていた。そして、昨日突然倒れて呼吸困難に陥り死亡した」

 

獣医病理学者が解剖による検査を行います。胸部と腹部を開き内臓を見ると、肺の半分が侵されていた。心臓には「そうめん」状の生物がひしめいていたのです。これはフィラリアです。飼い主には、ちゃんとフィラリアの予防をして、動物病院に連れて行ってさえいれば、苦しまずにもっと延命できたかもしれないことが伝えられます。

 

獣医病理学者は、動物だって、早期発見・早期対応が必要であること。飼い主にも問題があったことを伝える義務があると考えています。「年だからしかたがない」で終わってしまうのはむなしいと言います。生物の死を無駄にせず、そこから学ぶべき教訓を引き出し、同じ過ちが繰り返されないようにすることが獣医病理学者の使命なのです。

 

今度は、小学生から「みんなで有精卵から育てていた鶏が急死したので死因を調べてほしい」との依頼がありました。依頼を受けた、獣医病理学者は、出張解剖を行い、その様子を小学生に見せたそうです。すると、小腸にぎっしり小松菜が詰まっていたそうです。どうやら餌が偏っていて低栄養に陥っていたようでした。子どもたちは、真剣な眼差しで一部始終を見守ったそうです。

 

私たち大人は、子どもたちに、生き物の死をできるだけ感じさせないように、遠ざけることが多いですね。しかし、生があるかぎり死があり、死があるから生の意味がある。死から目をそむけてはいけないのです。

 

保育園では、犬や猫は飼っていませんが、カメをはじめ、多くの生き物を飼っています。今まで、子どもたちは、何度も生き物の死を見てきました。まだ「死があるから生がある」とう意味はわからないですが、生き物には必ず死があることは、ずっと教えていきたいですね。

2024年

2月

01日

藤井聡太の鉄道愛

今日の昼時間。年長園児と小学校についておしゃべりをしている中で、給食の話になりました。小2の兄をもつ女の子が、「園長先生知ってる?給食当番の給食は、自分で配膳すると思う?」と、細かいシチュエーションの問題です。「答えはね・・・当番でない、他の友だちが配膳するんだよ」だそうです。おうちでは、こんな、誰もが気にとめないような話をしているのですね。

 

さて、前人未到の将棋の「八冠」を達成した藤井聡太さんは、大の鉄道好きでも知られています。昨年11月に「ことでん」琴平駅を訪れ、制服に着替えて車掌体験をします。いつも、冷静で物静かなイメージのある藤井聡太さんですが、鉄道のことになると、目をキラキラさせて饒舌になるようです。

 

「ことでんは、レトロな車両が結構多く活躍してるので、最近の車両とは違う雰囲気があって、とても面白かったです」と語ります。「ことでん」とは、香川県内を走る地方鉄道「高松琴平電気鉄道」の愛称です。「お待たせしました。本日はことでんをご利用いただきありがとうございます・・・」と車内アナウンスまで行ったそうです。

 

昨年5月は、岩手県の三陸鉄道宮古駅で一日駅長に就任しました。宮古市で開催された対局に臨んだ際です。昨年12月には、竜王の防衛を祝う会に出席するために秋田県を訪れ、JR大曲駅で、白い駅長制服に着替えて「こまち」の出発合図を出したそうです。

 

藤井聡太さんの鉄道好きは有名で、自他ともに認める「乗り鉄」で、子どものころの夢は「電車の運転手」だそうです。棋士にならなければ鉄道の運転手になりたかったとあちこちで公言しています。5歳で将棋を覚える前から鉄道好きで、近所の踏切で電車を1時間見ていても飽きず、電車に乗れば先頭車両の最前部に立ち、運転士の気分になっていたそうです。小学校高学年になると、東海道新幹線や名古屋近辺の私鉄の時刻表をほとんど暗記していたそうです。高校生になると、友人と「青春18きっぷ」で旅に出ます。地元の愛知県から在来線を乗り継ぎ、中央線の小淵沢に向かいます。そこから小海線に乗るのです。八ヶ岳や南アルプスの雄大な峰々やのどかな高原の景色を車窓から眺めて楽しんだそうです。

 

将棋のタイトル戦では、わざわざ遠回りしてでも、乗りたい列車で会場入りすることもあるようです。こうして、藤井聡太さんが鉄道を楽しむ様子がメディアを通して紹介されることで、地方鉄道も盛り上がるというわけです。

 

藤井聡太さんは、若くして、自分は将棋界の『顔』という自覚を持っています。しかも、八冠という立場になれば、色々なところでファンサービスをするのは自分の義務で、それが将棋の普及につながるとも考えているのでしょう。

 

そして、「乗り鉄」を名乗り、岐路に立つ各地の地方鉄道が盛り上がるために、自分も力になれれば・・・と思っているに違いありませんね。藤井聡太さんは、将棋界の救世主であると同時に、地方鉄道の救世主になることを期待したいですね。

2024年

1月

31日

プロレス新時代へ

ここにきて、体調を崩す園児が多くなってきました。近隣の小学校では、インフルエンザやコロナの感染拡大で、学級閉鎖も目立ってきました。保育園では閉鎖はありません。しかし、集団生活ですので、感染リスクはどうしても高くなってしまいます。職員も含めて、感染対策をしっかりと行っていきます。

 

さて、今日はプロレスの話です。また私の趣味の世界ですみません。戦後、街頭テレビで、日本中が外国人レスラーを空手チョップでやっつけた「力道山」に夢中になりました。この時代は、私はよく知りません。その後、日本のプロレス団体と言えば、アントニオ猪木が旗揚げした「新日本プロレス」と、ジャイアント馬場の「全日本プロレス」の両団体が、長くライバル関係にありました。この時代は、両団体が歩み寄って、「プロレス界を盛り上げよう」なんて思う人はなく、外国人レスラーの引き抜き合戦を繰り広げていました。新日のタイガージェットシンが全日に、全日のアブドラザブッチャーが新日に。スタンハンセンとブルーザーブロディの大物外国人レスラーの引き抜きもありました。

 

新日本プロレスに、初代タイガーマスク(佐山聡)が登場した時は、プロレスブームとなりましたが、プロレス業界が盛り上がったのではなく、「新日本プロレスブーム」が実態でした。その後、総合格闘技に押され、プロレスはテレビのゴールデンタイムを外れます。この苦しい時代に、新日本プロレスを支えた一人が、昨年12月26日に社長に就任した、棚橋弘至(たなはしひろし)です。

 

そんな中、プロレス界では興味深い発表が行われました。新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノア、東京女子プロレスなど主要9団体が参加して、業界団体「日本プロレスリング連盟」が設立されたのです。初代会長には、新日本プロレス相談役の坂口征二が就任しました。

 

この団体が設立されたことにより、業界が抱える課題の解決に向けた意見や情報交換の場ができたのです。かつて、バチバチに対立していた新日本VS全日本のような図式は、時代とともになくなりました。

 

新日本プロレスの棚橋社長は、日本プロレスリング連盟の意義や役割について、こう答えます。「今はプロレス団体がたくさんありますが、ファンのためにはなるべく開催地が集中せず、全国の人が見られる方がいいですよね。また興行日程が重なるのもファンのためにはならないので、そういった部分も話し合っていきたいですね」と、お客様目線です。

 

各団体がそれぞれの個性を出し合って健全な競争を展開することは必要です。しかし、人々の娯楽に対する価値観も多様化しています。プロレス文化を継承していくために、業界全体で取り組むべき課題は山ほどあります。これからのプロレス界は、新たな時代をむかえようとしているのです。

 

まだまだ、言いたいことは山ほどありますが・・・コアな話は、これくらいにして、みなさんも趣味を深掘りする生活を大事にしましょう。(笑)

2024年

1月

30日

週1回・1日丸ごと「探究の日」

今日は、屋上で「何でも30メートル走」を行いました。別名を「多様性レース」です。参加は自由で、自転車・ストライダー・キックスケーター・三輪車・かけっこなど、何で参加してもかまいません。優勝は、どの乗り物だったでしょうか?

 

はい。かけっこです。30メートルの距離だと、自転車が加速する前に、かけっこはゴールです。園長は、自転車で一緒に走りましたが、本気でペダルをこがないと、かけっこには勝てません。(笑)

 

さて、今日は東京都中野区にある「新渡戸(にとべ)文化高校」の話です。そうです、1984年~2007年まで5千札になった、新渡戸稲造が初代校長だった学校です。この学校は、教員の事をデザイナーと呼び、教員は多様な経験がある方が生徒に還元できるものが大きいとの考えから、副業を認めています。教員の約半数が、他の肩書をもっているそうです。

 

注目すべきは、毎週水曜日に「1日まるごと探究の日」を設定しています。生徒の自律的な活動を目指しています。自ら考え、判断し、行動する学習者を育てるために、5年前にカリキュラムを一新し、他の学校では、なかなかできない革命的な取り組みを続けています。

 

これは、学年や教科と言った枠を取り払って、生徒自らが学ぶ内容を選択する時間となっています。現在、「空き家の再生」や「古着を利用した卒業証書制作」など、年間で100を超えるプロジェクトが同時進行しているようです。いずれも、生徒自らが立ち上げた内容です。

 

このプロジェクトで、学校が重視していることの一つに「100人の大人につながる」というコンセプトがあります。生徒がさまざまな現場の大人と出会うことを重視し、学校が意図的に機会を創出します。例えば、全国20か所から自分で行き先を選択する「スタディツアー」では、山村地域での森林管理や地方病院でのインターンを体験させ、現地の大人との交流を通じて、探究テーマを生徒が見つけます。

 

これも、教員畑一筋ではない、民間企業出身や副業を行う教員たちの多彩なバックグランドが生かされます。生徒の興味に応じて、外部の大人を直接紹介することもあるようです。そして、従来の期末テストに代わって、プレゼンテーション・小論文・動画作成などで、学んだ成果を発表するそうです。

 

どうですか・・・期末テストで高い点数を取ることよりも、社会に出るための実践的な学びが行われていると思いませんか。そして、何より、自分で決めたことなので、楽しい学びであることは想像できますね。

 

こんな学びが、ますます増えていけば、日本の学校が「社会に出る」ための、本質的な学びの場所になっていくことでしょう。

2024年

1月

29日

半世紀ぶりにブロッコリーが・・・

先週金曜日、5歳女の子に妹が誕生しました。まだママは病院にいるので、少しの間、パパと娘の二人きり生活を送っています。パパは育休をとっているので、楽しい娘との生活になっているようです。パパが育休を取って、姉とおうちで留守番する。今でこそ、保育園パパが育休を取得するのは普通になりましたが、これも時代の流れですね。

 

さて、今から14種類の野菜を挙げます。「キャベツ」「キュウリ」「サトイモ」「ダイコン」「タマネギ」「トマト」「ナス」「ニンジン」「ネギ」「ハクサイ」「ジャガイモ」「ピーマン」「ホウレンソウ」「レタス」・・・どれも、日常私たちがよく口にする野菜ばかりですね。これらの野菜を「指定野菜」と言います。指定野菜とは、農林水産省が、特に消費量の多い野菜として定めたもので、品目ごとに一定規模の産地を「指定産地」とし、価格が下落した場合に国が生産者に補給金を出して生産量を確保します。このたび、1974年のジャガイモ以来、約半世紀ぶりに、15品目目として「ブロッコリー」が国民生活に欠かせない野菜として「指定野菜」に追加されたのです。2026年度から適用されます。

 

指定野菜を作る農家は、国から守られる形になるので、参入農家も増えて、結果的には、市場に多く出回るようになり、消費者には安く提供されるようになります。

 

皆さんの「ブロッコリー」のイメージはどうですか。保育園の給食でも頻繁に登場します。日本の人口は、減少に転じているので、野菜の生産量もじわじわと右肩下がりになっています。しかし、ブロッコリーは、過去10年で3割も出荷量が増えているそうです。ちなみに、都道府県別生産量ベスト3は、1位北海道で、2位には、我らが埼玉県で、3位には愛知県と続きます。埼玉産のブロッコリーが全国に出荷されているようです。

 

私が小学生くらいの頃に、野菜では「ブロッコリー」、果物では「キウイフルーツ」が、珍しい野菜&果物として、登場した印象があります。母親からは、カリフラワーよりもブロッコリーのほうが、栄養があるので、どんどん食べなさいと、よく言われていましたね。カリフラワーのポジションは、ブロッコリーに取って代わったのです。

 

ブロッコリーは、茹でてマヨネーズで食べるだけでもおいしいですね。高タンパクで、低脂質・そして豊富な栄養素がいっぱいで、野菜の王様と言われています。みなさんは、どんなレシピでブロッコリーを食べていますが。我が家で飼っているネコも、ブロッコリーが大好きです。ダッシュで食べにきます。(笑)

2024年

1月

28日

不適切にもほどがある

宮藤官九郎脚本・阿部サダヲ主演で、史上最低の視聴率とうたわれた大河ドラマ「いだてん」と比較されて、今年の大河ドラマ「光る君へ」は、それに迫る勢いと揶揄されていますが、令和の時代に20%を超えるような高視聴率を求めること自体、無理な話ですね。モノサシが全く違います。まさに、現代は多様性の時代ですので、テレビを観ない若者が多くなりました。1人暮らしをしている私の次女の家にもテレビはありません。YouTubeなどオンラインの配信があれば十分なのです。

 

でも、私を含め、昭和バリバリ世代は、やっぱりテレビを観ます。新番組のドラマ「不適切にもほどがある」では、昭和の迷場面がたくさん出てくるようだったので、楽しみに初回の放送を観ました。100%娯楽作品として笑いに浸ろうと思っていたのですが、とんでもありません。令和の今を考える深い番組だったのです。

 

クドカン&阿部サダヲのコンビが、最も得意とするシチュエーションですね。

 

ファーストシーンから「おい!起きろブス!盛りのついたメスゴリラ」「うるっせいなあ!クソじじい!」「うるせいよ、クソチビ!」と、父と娘の不適切なセリフの応酬です。公共交通機関や学校の応接室で、プカプカとたばこを吸い、野球部のシーンでは、「ウサギ跳び1周」「水を飲むとバテル」「連帯責任のケツバット」と、今の科学的なトレーニング方法とは真逆のシーンに、私は「懐かしい!」と思ってしまいます。昭和のやり方からでも多くのプロ野球選手は生まれましたが、大リーグへの道を切り開いた野茂英雄や、世界の大谷翔平にはあり得ない光景です。

 

設定は1986年です。私は、大学生として就職活動をしていました。学生時代に、先輩に意味なく「個人面談」と呼び出され、意味なく「ケツバットだ!」とバットでケツを強打された恨みを、夏合宿最終日の夜の宴会で酔ったふりをして、その先輩をサソリ固めでやっつけたことは言うまでもありません。長州力の必殺技です。(笑)

 

喫煙については、今では「全車禁煙」が当たり前ですが、当時の電車は、禁煙車両が一両あったくらいです。タバコを吸わない人がカッコイイと言われるのは、まだまだ先の事でした。

 

こんな感じで、笑いながらドラマを見ていたのですが、最後の方で、考えさせるシーンが現れます。阿部サダヲのセリフですが、「頑張れって言われて、会社休んじゃう部下が同情されてさ、頑張れって言った彼が責められるって、何か間違ってないかい?だったら彼は、何て言えばよかったの?」「何だよ寄り添うって、ムツゴロウかよ。そんなんだから時給あがんねーし、景気悪いんじゃねーの?挙句の果てにロボットに仕事取られてさ」「こんな未来のために、こんな時代にするために俺たち頑張って働いてるわけじゃねぇよ!期待して、期待に応えてさ、叱られて励まされて頑張って、そうやって関わり合って強くなるんじゃねの?」

 

時代の流れというのは、過去をすべて否定して、新しいものを作り上げるのではありませんね。過去のいいところを残しながら、新たに変えなくてはいけない部分を作っていくような気がします。そう考えると、このドラマは、ざっと9割くらいは笑って楽しむのですが、1割は、昭和のいいところを令和でも引き継いでいかねば・・・を探す楽しみもありますね。

 

保育園ホワイトきゃんばすの園長は民間企業で働いていましたので保育園畑出身ではありません。でも、過去から続く保育園で決してなくしてはいけないことを保育園畑を経験した先生たちから学びます。でも、「これって本当に必要?」を変える決断をしやすいのは、保育園畑出身でないからです。

 

この「不適切にもほどがある」のドラマ・・・昭和って、本当に変だなぁ?と大いに笑いながら、「昭和から学ぶこともあるんじゃないの」という視点で観てみませんか。

2024年

1月

27日

ケンカは、子どもの成長のチャンス

今日の屋上は、強風です。小学生は、迷わず凧あげをチョイスします。走ることなく、簡単に大空を舞ったのはいいのですが、風が強すぎて、凧が崩壊してしまいました。(笑)

 

さて、2022年の国民生活基礎調査で、初めて全世帯に占める児童(18歳未満の未婚)のいる世帯の割合が20%を割り込み、18.3%となったそうです。今から38年前の、1986年には、児童のいる世帯の割合が、ほぼ半数だったことを考えると、少子化だけでなく、家族の在り方も大きく変わったと言えますね。

 

さらに、きょうだいのいる世帯も大きく減少しています。20年前の2004年までは、一人っ子より2人兄弟の世帯の方が多かったですが、現在は、2人、3人きょうだいを合わせても、一人っ子のいる世帯とほぼ同数の割合だそうです。ホワイトきゃんばすの場合は、一人っ子世帯の割合は44%です。

 

保育園、幼稚園、小学校では、生活空間や時間の共有により、葛藤や軋轢(あつれき)が多く、それがケンカへと発展していきます。同時にそれらの密な関係性の中で、仲直りや解決の方法が作られたり、ルール化されたりしていきます。ケンカをしながら対人関係や人との距離感、そしてケンカしなくても済む方法などが磨かれていくのです。AIなら、最初に「ケンカをしないためには」という結論を出してくれるでしょうが、人なら、まずはケンカを経験してから学んでいくのです。

 

保育園では、それらは承知の上ですので、子どもたちのケンカが始まると、「成長につながるだろう」と安心したりもします。ただし、0~2歳児と寺子屋園児では、ケンカの質が異なります。乳幼児は、おもちゃを取られたり、自分がいた場所に他の人がいたりした時に、自身の欲求や思いが満たされず、手が出るのです。

 

それが、年長クラスになると、自己の思いと相手の思いのズレや違いに対する対立や、正義を貫く戦いです。双方にそれなりの正義が存在することが多いですね。それを、当事者同士で折り合いが着けられるようになると、うれしいですね。保育園では、なかなかこのレベルにはたどり着きませんが、まずは、相手に「イヤ」と伝えることが大事です。

 

「自分が嫌と思ったら、イヤ!やめて!と言うんだよ」とよく子どもたちに言いますが、先日は、ちょっと前までは赤ちゃんだった1歳の女の子が、「やめて!」と叫んだときはビックリしました。

 

大人のケンカは、一歩間違えると取り返しのつかないことになりますが、子どものケンカは「成長のチャンス」と、私たち大人は、肯定的な視点を持つことも必要ですね。

2024年

1月

26日

秘密基地「らぼる」

昨日参加した、「小学校は楽しいよ の会」について、保護者からの反響が大きかったですね。「家に帰るまで、ずっと、小学校での話をしていた」「楽しかったと嬉しそうに話してくれた」「このような企画を考えてくださった宮前小学校に感謝したい」などなど、小学生になる年長園児と同じくらい、保護者も「小学校生活大丈夫かな?」と不安に思っているので、あらためて、有意義な時間となったようです。

 

さて、人間には、偏差値やテストの点数のように数値化できる力だけでなく、協調性やリーダーシップなど数値化しにくい力も備わっています。これらは、「非認知能力」と呼ばれ、他人と関わり合いながら生きていく上で大切な力とされています。

 

最近は、「非認知能力」という言葉が、ずいぶんと浸透されてきました。このブログでも、何度も話をしてきました。そんな非認知能力を伸ばそうと、独自の授業を行っている専修大付属高校の話です。

 

この高校では、非認知能力を高める選択科目があり、その科目の名前は「秘密基地『らぼる』」です。経験したことがないことを実験するという意味を込め、実験室を意味する「ラボラトリー」から名付けられたそうです。ある授業のテーマは「やりたいことを実現させるためには」です。

 

非認知能力の育成に関する著書がある岡山大の中山教授によると、非認知能力とは客観的数値では測定できない能力総称で、向上心や共感性、忍耐力などが含まれる。AI(人工知能)と人間が関わる社会では「人間だから求められる能力」として、幼児教育や学校教育などで関心が高まっていると言います。非認知能力は、AIでは対応できませんね。

 

専修大付属高校で、「らぼる」が始まったきっかけは、卒業生の言葉だったそうです。「高校で学んだことが大学で役に立たない」つまり、高校までは生徒は受け身でも通用するけど、大学生活やアルバイト、就職活動などでは、主体性やコミュニケーション力が求められる。「従順でまじめな『いい子』ほど、卒業後につまずくことが多い」のです。

 

「らぼる」の授業で大切にしてるのは、気兼ねなく意見を言い合える雰囲気だと言います。それがなければ、生徒は批判を恐れて発言しづらくなり、自発的に取り組む意欲がそふがれるのです。そして、その雰囲気作りに大きな役割を果たすのが、卒業生のサポートだそうです。大学生や社会人が参加し、生徒の議論の輪に加わります。教師と生徒は、どうしても上下関係が生じますが、年齢が近い卒業生とは、『斜めの関係』が築けて、発言しやすい雰囲気につながっているようです。

 

この「らぼる」を受けた生徒は、受けなかった生徒と比較して、「考えの違う人とうまく付き合う力」や「トラブル処理力」などで、差が出たという研究結果もあるようです。

 

「らぼる」の話は、高校生の話ですが、非認知能力を身に付けるためには、幼児教育からが大事になってきます。友だち同士でケンカをし、自分の思い通りにならないことをたくさん経験し、また、一緒に遊んで、考えて、協力して、励まし合う経験が大事になってきます。

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、子どもたちに「自分で考えて自分で答えを出せる人」になって欲しいと願っていますが、それには「非認知能力」は欠かせません。そして、社会に出ても自分らしさを発揮し、他者の魅力も引き出せるような人を育てたいですね。

2024年

1月

25日

「小学校は楽しいよ」の会

年長園児が、朝からわくわくしています。「小学校ではどんなことをするんだろう!?」という気持ちでいっぱいです。今日は、さいたま市立宮前(みやまえ)小学校で、年長園児がお招きいただき、「小学校はたのしいよ の会」を開いてくれました。

 

保育園ホワイトきゃんばすを含む近隣の幼稚園、保育園6園の年長園児が集まりました。小学校の生活や学習について、現役の小学校1年生に教えてもらいながら、楽しい時間を過ごすという内容です。

 

ホワイトきゃんばすから宮前小学校までは、園児の足で20分くらいです。散歩にはもってこいの距離です。宮前小学校に到着すると、校庭にある「つきやま」というタイヤを使った遊び場や、ウサギ小屋を見ながら過ごします。すると、休み時間になった1年生が、校庭に出てきました。その中に、ホワイトきゃんばすの卒園児の男の子がいて、園児たちは、いきなり大盛り上がりです。

 

そして、いよいよ1年4組の教室に向かいます。1年生が使用している机に座って、その横には、机の持ち主である1年生が付いてくれました。マンツーマンでのフォローです。まずは、手作りのメダルが首にかけられました。ひまわりのデザインですが、「ひまわりの花びらの数をかぞえてみよう」となります。ここは算数です。そして、「小学校は楽しいよ の会」がスタートしました。

 

「はじめのあいさつ」は、1年生が掛け合いで年長園児たちの緊張をほどいてくれます。司会2名の自己紹介が終わり、「ランドセルを背負ってみよう!」「ランドセルの中の教科書を机の中にしまってみよう!」「体操着をたたんでみよう!」を実際にやってみます。隣の1年生にやり方を教えてもらいながら、園児たちは、とても楽しそうです。

 

1年生から、歌のプレゼントがありました。宮前小学校の校歌と「さいたま市のうた」です。市歌は、さいたま市在住の「タケカワユキヒデ」さんが作曲した曲です。

 

そして、1年生の感想がありました。「体操着をたたむのもしっかりできていて凄かったです」「小学校は楽しい所だから、待ってるね」・・・今度は、年長園児に感想を聞いてみます。何人かの園児が手を挙げます。4人ぐらい連続で「楽しかった!」という感想が続いたのですが、ホワイトきゃんばすの女の子が、「今日は、1年生に色々なことを教えてもらいました。ありがとうございました」と感謝の意を伝えたのです。素晴らしい発言に、私は、心の中でガッツポーズです。(笑)

 

この企画は、宮前小学校の1年生の担任の先生の発案で、昨年末に、わざわざ保育園ホワイトきゃんばすにお越しいただき、案内を承りました。素晴らしい企画に、即決で「是非とも参加させていただきます」となったのです。

 

保育園、幼稚園から小学校入学については、大きな環境の変化に、戸惑う子どもたちが毎年多く発生します。不安いっぱいの年長園児が、「小学校って楽しい所だね」と思うだけでも、今回の取り組みは大きな意義があります。この企画を校長先生にプレゼンした○○先生には、感謝ですね。

 

本日参加した、11名の年長園児たちは、おうちに帰って、マシンガントークのごとく、ママやパパに今日の出来事を話すことでしょう。小学生になる自覚が、ますます大きくなっているようです。

2024年

1月

24日

卵の力

屋上では「やった!○○ちゃんよく頑張った!」「凄いぞ!」「ずっと乗ってる・・・ビックリしたよ」「おめでとう!・・・」などの言葉が飛び交い、大きな拍手が起こりました。3歳の女の子が、自転車に乗れるようになったのです。これで、3・4・5歳児の寺子屋園児25名全員が自転車に乗れるようになりました。今年度末まで、あと2か月を残して、今年度も寺子屋園児全員が、自転車免許証交付という快挙です。今日は、園児全員、麦茶で乾杯です。(笑)

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、異年齢でのかかわりの中で、年少でも自転車に乗れるようになるのが当たり前になっていますが、冷静に考えると、補助なし自転車に乗れるようになる平均は、小学校1年生ですので、いかに凄いことかおわかりいただけると思います。はい。これは、子ども同士の影響力による偉業です。

 

さて、今日の話は、私が子どもの頃から親しんだキューピー人形の、3分間クッキングは今でも続く長寿番組。そうです・・・キユーピーについて語ります。1925年に日本初のマヨネーズを作ったのがキユーピーです。マヨネーズで知られるキユーピーは、年間約42億個の卵を使って様々な商品を販売しています。でも、子どもたちにとって、卵アレルギーは避けられない問題ですね。保育園でも、今まで何人かの園児へ、卵を除去した給食を提供してきました。キユーピーは2013年にアレルギー低減卵の研究を始めたそうです。

 

ここまで読んで何か気がつきましたか。キユーピーのユの字が小文字ではないですね。知る人ぞ知るですが、正式名称は、キューピーではなく「キユーピー」です。デザイン上の理由だそうです。崎陽軒のしゅうまいを「シウマイ」と呼ぶのと似ていますね。

 

私たちの食卓に当たり前にある「卵」ですが、料理をする時に、たいがい殻は捨ててしまいますね。しかし、卵は捨てるところが一つもなく、キユーピーでは100パーセント有効活用しているそうです。黄身はマヨネーズに、卵白はお菓子やかまぼこ、膜は化粧品やサプリメントに使用し、年間2万8千トンも出る殻は、肥料やタイヤの滑り止め、壁などの建築資材に使われます。殻には多くのカルシウムが含まれているので、お米に混ぜて一緒に炊く商品も販売しています。卵の研究を追求するキユーピーでも、卵に含まれる未知なる素材の研究は、まだまだ続くようです。

 

昔、鶏は木の上で生活をしていて、巣から卵が落ちないように、あえて、あの卵形に産んでいると言います。どうですか・・・何だか、今まで以上に、卵を丁寧に扱わないと!と思いましたか。

 

物価安定の優等生として、よく卵が取り上げられますが、昨年は、鳥インフルエンザ問題で卵の値段が高騰しましたね。ここにきて、少し落ち着きましたが、私たちの食生活に欠かせないのが卵です。

 

私がかつて勤務していた菓子メーカーの看板商品の一つが、「カスタードプリン」です。原料は「卵・牛乳・砂糖」だけです。プリンが固まるのは卵の力です。日持ちをさせたり、原価を抑えるために、原材料表示に色々なものが入っているプリンはスーパーなどでは多く見られますね。

 

このシンプルな原料で、抜群においしいカスタードプリンは、全国津々浦々、かなりの数量に及びますので、工場ではライン化していますし、卵の殻を1つ1つ割って作っていません。パックに入ったキユーピーの卵黄を使用しています。この卵がおいしさの秘密でもあります。

 

今日の買い物では、「卵」を意識してくださいね。

2024年

1月

23日

進化するレトルトカレー

今日の年長お昼タイムは、お掃除の練習です。紙のちりくずを床にまいて、実際にほうきとちりとりを持って、ゴミを集めます。小学生になって、ほうきでゴミを散乱させないように、しっかり練習です。

 

さて、みなさんの昨日の夕食は何でしたか?我が家はカレーライスでした。たいがい鍋にいっぱい作るので、今日は2日目のおいしいカレーを食べることになりそうです。もちろん、スパイスにこだわって・・・ではなくて、市販のルーを使います「○○〇バーモンドカレー」ですが、とてもおいしいですよ。

 

お正月のお節料理に飽きたころに、無性に食べたくなるのがカレーライスですね。「おせちもいいけどカレーもね」と昭和の時代に西城秀樹さんがカレーCMで叫んでいました。そんなカレーですが、今ではレトルトカレーがかなり進化しているようです。

 

世界初の市販用レトルト食品、大塚食品の「ボンカレー」が誕生したのが1968年です。もう50年以上前になります。1972年に「3分待つのだぞ」という笑福亭仁鶴さんのCMで一気に食卓に広がりました。最近まで、レトルトカレーと言えば「なんだよ・・・レトルトかよ!」なんて思っていた人が多いかもしれませんが、今では、スーパーや食料品店の棚には、有名店とのコラボ、ご当地カレー、高級食材を使ったもの、エスニック風のものから、近年人気のスパイスカレーまでさまざまな種類のレトルトカレーが並んでいます。こうなると、これまでは保存食、非常食的存在だったレトルトカレーが、今は日常食になっている感覚です。ものによっては、高級カレーです。最近では500円を超えて1000円前後の物が人気で、「あのお店のカレーがレトルトに!?すごい!」という時代になっています。

 

我が家もそうですが、家族で食べるカレーは、鍋でたくさん作ったものをみんなで食べるものでした。それが、2017年にレトルトカレーの購入額とカレールーの購入額が逆転したのです。これは、ルーの需要が減ったのではなく、レトルトの購入額が増えたということです。カレーの孤食化もも進むのですが、家族がそれぞれ好きなカレーを選んでシェアしたり、最近流行のあいがけにしたり、新しい楽しみ方が出てきているようです。

 

やはり、日本人の多くが「カレー大好き」人間なので、これからも、さらにレトルト含めて、カレーの魅力が広がっていくような気がしますね。

2024年

1月

22日

「かるた」は遊んで学べる芸術品

保育園には、「こびとかるた」と「妖怪かるた」があって。子どもたちが自由に使っています。読み手も園児がやるので、読み手も含めて、楽しみながら、ひらがなを覚える、絶好のツールとなっています。

 

今日は、お昼の年長勉強タイムに、新たに「恐竜かるた」をデビューさせて、楽しみました。読み聞かせの絵本にも恐竜はたくさん登場するので、子どもたちは、恐竜の種類をよく知っています。白熱の戦いとなりました。見事優勝した年長女子に「どうしたら、かるたで勝てるようになれますか?」と質問すると、「少し離れたところから、全体をよく見ていれば、取れるようになる」とのことです。大人になると、ヤマを張らないと、すばやく手が動きませんが、子どもの反射神経は大したものです。

 

ある小学校の教員は、かるたが大好きで、気がついたら800種類も集めたそうです。集めたかるたは、小学校の授業などに取り入れ、百人一首以外にも昆虫や食育などの多様なテーマのかるたを教え子に触れさせています。「短くリズムの良い文章で、美しい日本語の響きや、さまざまな知識を楽しく吸収できる」と言います。例えば、歴史を学ぶときは、太平洋戦争中に作られたかるたを使い、戦時下の社会の様子を伝えます。「愛国いろはかるた」の「い」の読み札には、「イセノカミカゼ テキコク コウフク(伊勢の神風 敵国 降伏)」と戦意高揚の言葉が並びます。また、戦時下のかるたは紙質が悪く、厚みもないことも、子どもたちに気付いてほしいそうです。

 

日本のかるた文化は、平安時代からの上流階級の遊び「貝覆(かいおおい)」と、16世紀後半にポルトガルから伝来したトランプに近い「カルタ」が融合して生まれたと言われています。「貝覆」とは、二枚貝を別々に分けて、和歌の「上の句」と「下の句」や挿絵などを書き、ペアを探し出すという遊びです。平安時代末期から鎌倉時代頃に遊びとして始まり、後に「貝合わせ」と呼ばれるようになったそうです。

 

戦後は、復興を目指し、地元の文化などを学べる郷土カルタがブームとなりました。1947年に制作された「上毛かるた」はその代表例です。群馬県の人たちは、老若男女問わず、上毛かるたを暗記しています。

あ 浅間のいたづら・・・とくれば、下の句の「鬼の押し出し」がすぐに出てきます。

い 伊香保温泉・・・なら、下の句「日本の名湯」です。

こんな感じで、群馬県民は、郷土愛が強い県民となったのかもしれません。

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、今後も「遊んで学べる芸術品」である「かるた」をしっかりと学びの手段として活用していきます。

2024年

1月

21日

さいたまヨーロッパ野菜研究会

自分が住んでいる街のいい所を見つけるのは、なかなかいいものですね。埼玉県は、一番ではないけど、讃岐うどんの香川県に次いで、全国2位のうどん県でもあります。そして、私が住んでいるさいたま市は、これまた一番ではないですが、パスタ・チーズ・ワインの一世帯あたりの購入量は、全国平均を大きく上回り、外食での洋食比率も高いのです。

 

そんなさいたま市の自慢の一つに、「さいたまヨーロッパ野菜研究会」があります。さいたま市内で、現在13軒の農家が、年間約70種類のヨーロッパ野菜を生産、出荷しています。さいたま市内のイタリアン・フレンチをはじめとする洋食レストランから「新鮮なヨーロッパ野菜が欲しい!」という声に応え、若手農家グループ、地元シェフ・トキタ種苗(株)、食料品卸会社などが協力して、ヨーロッパ野菜の地産地消を実現しています。2013年に発足したので、かれこれ10年になります。

 

ヨーロッパ野菜は思い浮かびますか。ビーツ・ズッキーニ・ケールなどは、一般のスーパーでも見ることができますね。やけに平らで大きい「平さやいんげん」やカリフラワーをステック状にした「カリフローレ」はよく見ますね。茎の部分はアスパラガスみたいな味がします。「白なす」は、ホワイトきゃんばすファームでもこの夏トライしました。猛暑で、5本ぐらいしか収穫できませんでしたが、『トロナス』と言われるように、とてもおいしかったです。

 

さいたまヨーロッパ野菜研究会の取り組みは、行政も巻き込んでいます。さいたま市内の小中学校では、ヨーロッパ野菜を使った給食が人気だそうです。ミネストローネが出ると完食です。学校菜園でもヨーロッパ野菜を栽培し、給食で食べる小学校もあるようです。また、小学校の社会科副読本にも「ヨーロッパ野菜」が登場します。毎月1月には「さいたま市長杯さいたまヨーロッパ野菜料理コンテスト」が開催され、県内の若手シェフたちの登竜門となっています。今年は、本日最終審査が行われるようです。

 

先日、岩月の人形会館に行った時に、同じ敷地内に「ヨロ研カフェ」というおしゃれなショップでランチを食べたのですが、そこで初めて「さいたまヨーロッパ野菜研究会」の存在を知りました。ヨーロッパ野菜研究会を「ヨロ研」と略すそうです。

 

みなさんが住んでいる街には、まだまだ知らない「自慢できるモノやコト」があるかもしれませんね。

2024年

1月

20日

だでうめぇ!!北のハンバーグ

本日登園した4歳&2歳の姉妹園児のママは、教員で小学校1年生の担任です。今日は、学校公開で授業参観があったそうです。子どもたちの発表会ということで、何と80人の保護者が集まり、教室は大人でギューギューです。土曜日ということで、両親そろってやおじいちゃんおばあちゃんまでも孫の姿を見に来ました。子どもたちの発表に、うるうるする保護者の姿もあったそうで、4月には「小学校生活は大丈夫かな?」で始まった我が子が、大勢の前で発表できるところまで成長した姿を見たのです。

 

私の経験上、1年生の授業参観が、もっともギャラリーが多くて、6年生になるとチラホラにまで数が減っていきます。是非とも、親には、我が子の6年間の成長を見守って欲しいと思いますね。

 

さて、商業高校の生徒らが、地域の特産品を使って企業と開発した商品の全国一を競う「商業高校フードグランプリ」で、昨年見事に最高賞の文部科学大臣賞に選ばれたのは、北海道函館商業高校の商品でした。「だてうめぇ!!北のハンバーグ」です。

 

第10回大会は、全国23校からの応募があったそうです。最高賞を受賞した函館商業高校は、幅広い世代に人気のハンバーグで商品開発を行いました。ジャガイモでボリュームを持たせ、柔らかい食感にするために豆腐を混ぜるなど、独自の工夫があったようです。

 

本選のプレゼンで、綿密な市場調査の結果を発表し、開発経緯を説明します。消費者のコストパフォーマンス重視の傾向などを踏まえて、価格を設定します。廃棄率の削減やフードロスの解消に向け、賞味期限を21日間にしたようです。

 

実は、この北のハンバーグは、先輩たちの代から3年かけて開発した商品で、すでに、1年間で3万7千パックを出荷したそうです。1パック270円です。パッケージはとてもインパクトがあり、写真はステーキのようなイメージです。「函商生コラボ」と明記されているので、何だか応援したくなるような気になりますね。

 

今回23校の商業高校がフードグランプリに参加したわけですが、商品開発には、民間企業の力を借りないといけません。マーケティング含め、高校生にとっては、1つの商品が発売されるまで、多くのことを学んだに違いありません。社会出て、すぐに役に立つスキルですね。

2024年

1月

19日

キャッチボール

今年もいただいた年賀状の「お年玉くじ」の当選番号があるかどうかを確認しました。いただいた年賀状は、お正月に一度読んで、お年玉くじの時にもう一回目を通します。そして、12月の年末に翌年の年賀状を書くときに、もう一度読むので、少なくとも3回年賀状には目を通すことになります。「年賀状じまい」は、今年は2通ありました。年賀状にある一言メッセージが、ずっと会っていない相手との言葉のキャッチボールです。「元気にしているようだな・・」と安心する時間です。

 

さて、昨年末から大谷翔平選手のグローブが届き始めました。3月末までには、全国の小学校に左利き用1個を含めて3個のグローブが届きます。合計約2万個です。各小学校では、この3つのグローブをどう使うかで、話し合いも始まったようです。この話し合いは、まさに言葉のキャッチボールになりますね。

 

大谷選手は、このグローブで「キャッチボールしようぜ!野球しようぜ!」のメッセージを送りますが、子どもたちの中には、初めてグローブをはめた子もいるかもしれません。キャッチボールが続くためには、ボールを相手の取りやすい所に投げることが必要です。とんでもない所に飛んだときは「ごめん」の言葉があると、うれしいですね。

 

昨日、保幼小の会議で訪問した小学校の「ボールクラブ」の顧問と話をしました。ホワイトきゃんばすの卒園児で、小4の男子が「先生・・・ドッジボールで、6年生の顔にボールを当てちゃったんだけど、謝っておいた方がいいかなぁ~」との話があったそうです。「もちろん、○○君の口でちゃんと謝った方がいいなぁ~」と答え、彼はきちんと「ごめんなさい」を伝えることができました。素敵な言葉のキャッチボールができたようです。

 

保育園の年長園児は、お昼の勉強タイム(勉強以外のことをやっている事が多いですが)に、耳を傾けると、様々な言葉のキャッチボールが行われています。勉強を教える声であったり、好きなキャラクターの話だったり、それは色々ですが、子どもたち同士で考えを深め、友だちとの考え方の違いも知ることになります。やがて、この子たちが大人に成長する過程で、SNSがどんな進化になっているかわかりませんが、誹謗中傷がなくなることはないでしょう。相手の顔を見ながら言葉のキャッチボールをする力を育てることが、必要だなぁ~とつくづく思う次第です。

 

子どもたちの会話に耳を傾けながら、その会話に介入しすぎないように、できるだけ子どもたち同士で話し合いを完結させるように見守りたいですね。大谷選手の豪快なプレゼントは、野球のキャッチボールだけでなく、「言葉のキャッチボールもたくさんやって!」というメッセージとして受け止めたいですね。

2024年

1月

18日

キャッシュレス募金

昨日、石川県輪島市の中学生258人が白山市内の県内施設に集団避難しました。また、21日には、珠洲市、能登町の中学生で、保護者が同意した生徒144人が、金沢市内の施設に集団避難するそうです。教員や職員が、施設内で授業を行います。予定は約2か月です。突然、今まで通っていた中学校に行けなくなり、大変な状況ですが、この経験をきっとプラスに活かせるよう、願うばかりです。

 

そして、保育園では、本日から保幼小連絡会議がスタートしました。4月に小学生になる年長園児が通う小学校に行き、1年生の授業参観に出席しました。あるクラスは「せいかつ」の時間で、「もうすぐ2年生になるけど、4月からやってくる新1年生にどうすれば喜んでもらえるか?」の授業でした。「パソコンを教えてあげる」「折り紙でパックンちょを作ってあげる」「学校探検をしてあげる」「一緒にお絵かきをする」「何かプレゼントをする」などの意見がありました。昨年4月に入学した1年生は立派に成長しています。

 

さて、「赤い羽根共同募金」をしたことがありますか。私のイメージでは、子どもたちが箱をもって街頭で募金活動をするイメージです。ところが、神奈川県共同募金会は、スイカなどの交通系ICカードで募金ができるそうです。

 

もともと、寄付金額については、日本と欧米との差は大きくて、2021年寄付白書によると、2020年のアメリカでの個人寄付は約34兆6000億円で、日本の1兆2126億円と比べると28倍です。人口数の違いを考えても、日本の個人寄付額は少ないのが現状です。

 

欧米では、キリスト教によるチャリティー活動が盛んで、幼少期から日常生活における寄付活動が根付いています。また、アメリカでは日本とは異なり、個人所得を個人の責任で確定申告する義務があり、そのための寄付控除制度も浸透しています。

 

日本人は、「寄付金がちゃんと使われているのか?」と疑っている人が多く、寄付が広がらない要因にもなっています。そこで、クラウドファンディングなど、寄付の「見える化」が、寄付金額の増加に効果を発揮しているようです。

 

今回の能登半島地震には、多くの芸能人やスポーツ選手からの寄付がありましたが、一般の人々もデジタル化によって寄付先の活動を手軽に確認できるようになってきたのです。

 

近年、個人寄付の後押しとなったのが、自治体に寄付をする「ふるさと納税」です。私の長女も長男もふるさと納税を活用しているので、「なんかカニが届いたぞ!」と私が大騒ぎすると、返礼品だったりします。現状は、返礼品目当てのふるさと納税が主流ですが、返礼品目当てではない寄付に積極的に取り組む自治体が現れているようです。

 

長野県では、原則として返礼品を送らない直営サイト「ガチなが」を開設したそうです。サイトには、山岳避難防止やライチョウの保護など、長野らしい事業が並び、開始から9か月半で約9000万円を集めたそうです。

 

どちらにしろ・・・時代はキャッシュレス募金にシフトしており、日本人の個人寄付活動も活発になっていくようですね。

2024年

1月

17日

ドムドムバーガー

現在大相撲初場所が行われていますが、昨日の寺子屋では「ホワイトきゃんばす初場所」を行いました。私が小6の時の担任が、大の相撲好きで、年に4回ほど、通常の授業をつぶして、丸々1日「相撲大会」をやってくれました。ちゃんと15日分の取り組みがあります。私は「置大蛇(おきおろち)」というしこ名で横綱を張っていました。(自慢)

 

そして、保育園の子どもたちも相撲が大好きです。年長園児は6歳男の子が絶対王者で、昨日は一度も負けませんでした。元横綱の園長VS子どもたちの戦いは、押し倒しで園長の負けです。(笑)

 

さて、日本で一番古いハンバーガーショップはどこか知っていますか?

 

マクドナルド・モスバーガー・ロッテリア・・・どれも違います。マクドナルドよりも1年早い1970年に、日本最古のハンバーガーチェーンが誕生していました。その名は「ドムドムバーガー」です。ドムドムバーガーを知っている人は、たぶんバリバリの昭和人間ですね。(笑)

 

私が小学生の頃に、近くのダイエーでよく食べました。とにかくポテトがおいしくて、親におねだりして、よく食べていました。ドムドムバーガーは、もともとダイエーの子会社として設立され、当時のダイエー企業理念「安い品をどんどん安く」から最初は、ドンドンバーガーという名前を予定していましたが、ドンドンはすでに商標登録してあったので「ドムドム」になったそうです。

 

1990年代には全国に約400店舗があったそうです。現在マクドナルドは全国に約2900店舗あるので、今のマクドナルドの1/7と考えると、なかなかの店舗数でした。しかし、ダイエーの凋落とともに、経営不振が続き、親会社も変わり、現在は全国に29店舗ほどの、超レアなハンバーガーショップです。保育園ホワイトきゃんばすがある埼玉県には店舗はなく、一番近いショップは、赤羽(東京都北区)です。

 

そんなモスバーガーの社長に2018年、藤﨑忍(ふじさきしのぶ)さんという女性が就任すると、流れが変わります。1個900円もする「丸ごと!!カニバーガー」のようなインパクトのある商品が出てきたり、ドムドムバーガーのゾウのキャラクターの商品化などを異業種とタイアップするなど、盛り返しているのです。

 

あのレトロ遊園地、浅草花やしきの中には、この「ドムドムバーガー」があります。浅草コロッケバーガーという限定バーガーが人気だそうです。

 

ドムドムバーガーは、とっくに消滅したと思っている昭和世代のあなた。また、ドムドムバーガーを知らない平成世代のあなた。もう覚えましたか。「ドムドムバーガー」を一度は食べてみてください。私も食べたくなりました。(笑)

2024年

1月

16日

森の教室

今日は、今シーズン初めて屋上に氷が張りました。カメ池に氷を発見した園児が大騒ぎです。「園長先生!大変だ。氷ができている!」また、天然のスケートリンクもできていました。スケートリンクといっても、1.5メートル四方のスペースですが、子どもたちは、氷の上で大はしゃぎです。

 

パソコンやスマホで、氷の映像など、いつでも見ることができますが、今日保育園の子どもたちが見て触った氷は、デジタルでは得られない「本物」です。そんな、本物に触れる教育に関心が高まっています。

 

長野県にある伊那市立伊那西小学校での「森の教室」は、とても魅力的です。

 

野鳥のために準備した、ヒマワリの種などをラードで固めたエサ「バードケーキ」が吊るされています。「バードケーキを食べに、鳥は来ているかな」と理科の先生が問いかけます。「わからないよ~」「じゃあ、鳥が来たか調べよう。刑事になったつもりで、証拠を集めて着て」と促します。木の下にしゃがみこんだ子どもたちは、バードケーキのかけらや、ヒマワリの種を見つけ、「あった、あった」とタブレット端末で撮影し、ピンセットでシャーレに集めます。「種が割れていたのは、中身だけ食べようとしたからじゃないかな」など、子どもたちの推理が進みます。

 

また、「ゴムの力」の授業では、一般的な学校では、「教材キット」を使い、ゴムを何センチ引くとおもちゃが何センチすすむかを測る実験をします。しかし、この学校では、Y字形の木の枝にゴムを張り、パチンコを制作します。弾はドングリです。何度も飛ばすうちに、「ゴムを大きく引いたほうが遠くまで飛ぶ」ことを学びます。デジタル化が進んでも、それが本物かどうかは、本物を知らないと分からない。子どもたちが、本物に触れる価値は、ますます上がると校長は言います。

 

テレビや教科書を見るのではなく、実際に自分の手を使って勉強することで、子どもたちの記憶に深く残ることは間違いないですね。

 

理科室でアルコールランプを使う代わりに、学校林で材木を燃やして湯を沸かしたり、国語の授業の読み物「くじらぐも」は、学校林で雲を眺めながら音読をする。雨が上がった後に、クモの巣についた水滴がキラキラ輝く美しさを感じる・・・まさに、子どもたちは自然にあるものを感じ取る力を育んでいるのでしょう。

 

ホワイトきゃんばすでは、長野県の伊那のようにはいかなくても、屋上遊びで子どもたちの5感は、大きく伸びていると思っています。冬の屋上で、たくさんの自然を子どもたちと感じてみることにします。

2024年

1月

15日

うんち博士

お昼の勉強タイム・・・雑巾しぼり選手権を行いました。絞った水の量が多い園児が勝ち上がっていきます。小学生になると、給食を食べ終わってからの掃除タイムがあります。ここで、まともに雑巾が絞れない子が多いとのこと。理由は簡単で、普段やったことがないからです。勝ち抜き形式にすると、子どもたは燃えるようで、しっかりと絞ることができました。

 

さて、今日は「うんち」の話です。その前に、現在小中学校のトイレにどれだけの和式トイレがあるかご存じですか。文部科学省の調査では、昨年9月時点で、全国の公立小中学校にあるトイレ約133万個のうち、3割に当たる約42万個が和式だそうです。小学校入学までに、和式便所の利用経験が全くない子もいます。約3割をすぐに洋式トイレにするのは難しいので、子どもたちに「和式便所の使いかた」を教える必要がありますね。

 

福島県白河市の市立表郷(おもてごう)小学校には「うんち博士」がいるそうです。正体は、養護教諭の鈴木さんだそうで、うんちから子どもたちの健康を考える面白さにひかれ、排便教育を定期的に行っているそうです。

 

イラストを使って、児童に自分のうんちがどれに近いか尋ねます。体の調子がいい時に出るのは「バナナ」の形に似ているなどと説明します。快便のコツは「朝にコップ1杯の水を飲む」「好き嫌いなく食べる」「体を動かす」とアドバイスします。冒頭の和式トイレの使い方も教えます。

 

こうして、「うんち博士」は、うんちの話題をタブーにしないで、周りの大人が明るく真面目に話すことで、子どもたちに安心感を与えると言います。NPO「日本トイレ研究所」が昨年10~11月、全国の小学校122校児童約1万2000人を対象に、1週間の排便状況を確認したところ、排便が週に0~2回の便秘の児童が、全体の9%だったそうです。

 

保育園や幼稚園と異なり、小学校では、トイレに行ける時間が決まっています。環境の違いによる緊張感は腸の動きを悪くします。そして、私が小学生の頃もそうでしたが、男子がトイレで大便をすると、「○○がうんちしたぞ!」と言われるので、我慢してしまうのです。これも便秘を悪化させますね。

 

学校では、我慢しないでトイレに行ける環境作りが必要ですね。メンタル面での改善が、まだまだ大きいような気がします。

2024年

1月

14日

ビール伝道士

昨日夕方、さいたま市も雪が降りました。お迎えのママが、「みぞれになって寒いですよ」と言いながら、雨がっぱがびしょ濡れでした。積もることはなかったですが、今シーズンは暖冬ですので、次は雪が降るのかなぁ~?という感じです。保育園の子どもたちには、屋上で思いっきり雪遊びをさせたいですが、大人の本音は違います。(笑)

 

さて、お酒の中では「ビール」は最もよく飲まれていますね。「とりあえずビール」です。(笑)

 

そんなビールの中で、今では「クラフトビール」が注目されていますね。前はよく「地ビール」なんて言っていましたが、どう呼ぶかは明確な定義はないそうです。日本では、1994年の酒税法改正により、ビールの最低製造数量基準が、2000キロリットルから60キロリットルに引き下げられたことを機に、全国各地に小規模醸造会社が登場して「地ビール」と総称されるようになったそうです。一時は300社以上の自ビール会社があったそうです。

 

しかし、「地ビール」は、観光土産的な要素が強く、おいしさの追求については、技術者のレベルもままならず、値段が高かったり、味もくせが強すぎで、決しておいしいとは言えないビールもたくさん出てきました。どちらかというと「地ビールブーム」の中で拡大しましたが、ブームはやがて終息します。その後、ビール職人が精魂込めて、品質重視で作られたビールに淘汰され、現在は「クラフトビール」と呼ばれる150社ほどに落ち着いたようです。

 

今日は、そんな埼玉県のクラフトビールを代表する、COEDOビールの話です。埼玉県川越市の特産品のサツマイモなどを使った独自レシピでつくられる、コエドブルワリーという会社のクラフトビールです。COEDOビールも規制緩和の波に乗って、1996年に生まれたのですが、地ビールブーム終焉後は厳しい経営を強いられたようです。

 

そこで、2006年から「ビール伝道士」という専属営業職を作り、地道に飲食店や酒販店との関係を強くしていったのです。飲食店との商談が成立すると、普通なら問屋を通さずに直接取引をして利益率を確保する手法が一般的ですが、酒販店に入ってもらうことで、流通全体のことを考える営業戦略をとったそうです。

 

ドイツのビール職人を招き、その技を受け継ぎ、川越の食材を活用した付加価値で、プレミアムクラフトビールとしての商品力を磨き、そして、「ビール伝道士」が、市場に広めていく・・・・まさに、もの作りと営業力が連携して、日本を代表するクラフトビールになったのです。

 

このビールは、地元川越の多くの人たちの愛情に支えられているのです。川越まつりでは、COEDOビールを提供する店が多すぎて・・・他のビールはないのか?と思うほどです。こんな、広がり方の商品は、いいですね。

2024年

1月

13日

平安時代のリアル

今日は、小学生と年長園児を連れて、近くの公園のアスレチックコーナーで遊びました。年長女の子は、あまり運動が得意ではないのですが、高いところまで登ったり、ターザンロープにチャレンジしたり、最後は「楽しかった!」とチャレンジ成功です。

 

さて、今年の大河ドラマは、平安時代に活躍した紫式部が主人公です。きらびやかな衣装を身に付けて、さぞ華やかな映像になるかと思いきや、いきなり、安倍晴明が出てきて、迷信を信じる人々が描かれていました。

 

どうも、テレビに出てくる平安時代の描き方は、リアル平安時代ではない部分が多いようです。「平安 もの こと ひと辞典」の著者、砂崎良さんによると、平安女性は、何かと「隠す」話が出てきます。牛車の乗り降りで姿が見えないように隠れるとか、部屋にいても顔を見られないように扇子などで隠すとかです。

 

女性が人に姿を見せないなんて、現代の日本では想像しにくいですが、中東圏では、よく似たことを今でも普通にやっている国がありますね。宗教的なこともありますが、中東圏の場合は歴史的に治安が悪かったので、女性は狙われるから奥に隠れていなさいということだそうです。

 

平安時代も、同じように危険だからです。当時は警察もなければ消防もない。それこそ、貴族のお姫様が、男に目をつけられてさらわれて地方に連れていかれてしまっても、「親は泣き暮らしました」で、話は終わってしまうのです。また、同じくらい恐れられていたのが、魔物だそうです。こんな美しいお嬢さん、魔物が見たら魅入られてしまう。「隠せ・・・」となったようです。

 

もう一つ、平安時代は食べるということが、非常に下品だと考えられていたようで、言葉は悪いですが、排泄行為のようなものだと思われていたようです。しかし、不思議なことにお化粧は怠らず、男性も化粧をするのが当たり前だったようです。つまり、見せちゃいけないけど、万が一見えたときには恥ずかしくない姿、というのが基本だったのです。

 

また、テレビなどで出てくる十二単(じゅうにひとえ)は、あくまでも儀式装束で、生活するための服とは違います。平安時代の服はすべて女房の手作りで、洗濯もしないので、きらびやかな日常ではなかったことだけは、間違いなさそうです。

 

さて、大河ドラマでは、この平安時代がどう描かれるのか楽しみですね。紫式部が顔を隠すことだけは、決してないと思いますが。(笑)

2024年

1月

12日

たんぱく質で体重オフ

今週から、お昼寝をしなくなった年長園児は、お昼寝タイム=勉強タイムとなります。日替わりで先生が指導するのですが、小学校1年生が行う勉強の先取りではありません。昨日は、廃材工作で「弓矢」を作り、今日は「洋服のたたみ方」をやりました。集中して取り組む習慣を身につけることや、仲間と楽しい時間を共有することが目的です。

 

12月のクリスマス発表会で、小学校1年生の担任をしている保護者からお話をしていただき、小学1年生の1日の流れや、何が大切かを教えて頂きました。その一つが「自分のことは自分でやる」です。本日の「洋服のたたみ方」などは、まさに大切な学びです。

 

さて、今日は「たんぱく質をとろう」という話です。ダイエットで一番いいのは、バランスの良い食事をとって、毎日の運動で体を動かすことがいいに決まっていますが、それができずに、食事を中心にダイエットを考えた時に、最近よく言われるのは、「たんぱく質から食べなさい」です。

 

ごはんなどの糖質を全くとらないダイエットもありますが、筋肉の維持には、糖質も脂質も必要になるので、食事の最後に回すのです。食べる順番を変えるだけで、ダイエットにつながることが、かなり多くの人が認識するようになりました。私も、最初に肉や魚を食べ、豆腐などの副菜や野菜を食べ、最後に納豆ご飯で〆る。意識的に、こんな感じの順番です。

 

たんぱく質をとることで、筋肉・血管・内臓・肌・髪・爪など、あらゆる部位に好影響をもたらすのです。人は運動をしなくても、体温の維持や臓器の活動のために消費するエネルギーの基礎代謝があります。基礎代謝の20%が筋肉によるものですので、たんぱく質も含めて食事を制限してダイエットすると、筋肉が少なくなり、エネルギーの消費効率が低下します。その結果、逆に太りやすく痩せにくい体になってしまうのです。

 

このような理由で、減量中でも意識してたんぱく質をとらないといけないのです。年齢よりも老けて見えるのもたんぱく質不足が原因です。

 

次は、たんぱく質と一緒に食べたい野菜です。野菜100g当たりの栄養コスパランキングでは、ダントツ1位が「モロヘイヤ」だそうです。しかし、なかなかモロヘイヤを手に入れることはできませんね。そこで、2位以下ですと、にんじん・春菊・ほうれんそう・ニラ・小松菜・かぼちゃ・チンゲン菜・水菜・ブロッコリーの順だそうです。

 

もちろん、ダイエットには、たんぱく質を中心にバランスの良い食事がいいという、教科書的な結論になるのですが、これからの寒い冬に、あえて、肉×野菜の食材2つだけの鍋を食べるとしたら、こんなのがいいようです。①牛肉とニラのすき焼き風パワー鍋 ②豚肉と水菜のさっぱりコク塩鍋 ③鶏肉とほうれんそうの和カレー鍋 ④サバ缶とブロッコリーのピリ辛ごま鍋 ⑤鮭と小松菜の味噌バター鍋

 

いかがでしょうか。

2024年

1月

11日

合格してからが肝心・・・

今日の屋上遊びでは、タイヤと板を組み合わせて、アップダウンのある自転車コースを作りました。勇気ある5人の園児がクリアーしました。怖くてゆっくり走ると、登り坂で止まってしまい自転車ごと転倒します。スピードを緩めないで走り切るには、まさに「勇気」が必要なのです。5歳男の子は、何度も失敗し、5回目でようやく走り切りました。あきらめないでよく頑張りました。

 

さて、今週末は、「大学入学共通テスト」ですね。以前のセンター試験です。いよいよ入試シーズンが到来します。保育園と同じフロアにある学習塾も、なんだかピリピリしているように感じます。今日は中学受験の話です。

 

全国の子どもたちが中学受験をするわけではなく、首都圏などの都市部が中心ですが、年々、スタート時期が低年齢化しているそうです。低学年から塾に通わせる親が増えています。

 

受け入れる学校は、「入学がスタートですから、中学受験合格がゴールのような状態で入ってきてしまうのが一番困るんです」とベテラン教師の本音です。また、私立の中高一貫校に受験する場合「いま頑張れば高校入試がないから楽だ」などと親に言われて中学受験に挑んだ子ほど、注意が必要だと言います。中学受験が終わって楽になると思ったら大間違いで、授業について行けずに、不登校や中退するケースも多いと言います。

 

一方、思った以上に入学辞退者だ出た時に、繰り上がり(補欠合格)の家庭に電話をすることになります。電話口では、涙ながらに喜ぶ親の声がします。繰り上がりの場合は、学力順位は最下位グループであることがわかっています。最下位からの入学で、「頑張らないと!」と思い、やる気に満ちた学校生活を送った生徒もいるようです。

 

要は、当たり前のことかもしれませんが、中学入試で肝心なのは、合格の先ということです。入学してから、どんな学校生活を送るか・・・です。ゴールの見えないマラソンを走り続けることほどつらいことはありません。42.195キロで終わることが分かっているからこそ、どんなペース配分で勝負をかけるかなど、戦略が立てられるのです。

 

とうことは、中学受験での学校選びは、「有名校」「難関校」へのチャレンジよりも、入学後の生活が思い描ける学校かどうか?が大切になると言えるのです。

 

親も受験生も受験を前に緊張しています。親は、我が子に何を声掛けすればいいのか、難しいところですね。いい言葉が見つからないときは、黙って見守るのが、一番いいのかもしれませんね。

2024年

1月

10日

色と言葉

今日は屋上で凧揚げをしました。風がなかったので、子どもたちは全力で走ります。市販のビニール凧ですが、いとも簡単に大空を舞ってくれました。最近は、お正月に子どもが、凧あげや羽根つき、駒遊びをすることも少なくなってきたので、広い屋上で、思う存分楽しめたようです。

 

さて、「草木染め」の話です。人間国宝の染織家(染めることと織ること両方行う)に志村ふくみさんがいます。志村家の染織は、植物染料を使う「草木染め」です。志村家は、その技を伝えるために、アルスシムラという学校を開きました。そこでの生徒たちのエピソードが、とても興味深いのです。

 

新人の生徒は、まず自分の思い描いたデザインがあって、それに合った色を出そうとしますが、たいていうまくいかないそうです。三代目が言うには「それは結局、順番が逆だからです。自分があって、それに植物を合わせるのではなく、まず植物があって、そこに自分を合わせていく。草木の持つ、本来の命の色をどうしたらこちら側に宿すことができるのか。そういう気持ちでないと、染めはうまくいきません」とのことです。

 

これは、学校教師や幼稚園、保育園の先生たちにも言えることで、自分の思いに子どもを合わせるのではなく、子どもには、子どもが持つ本来の命の色があると言います。機織りでは、たて糸をまず計画通りに張り、あとはよこ糸を入れながら織っていきます。そのよこ糸を入れる時に失敗をするそうです。しかし、講師は「何で間違えたんだ」などとは言わず、意気消沈した生徒に「いいのよ、いいのよ」と声をかけます。失敗したところから全体を設計し直し修正していく。そして、全体の設計図が変化していくのだそうです。

 

三代目は「目標は目標としてあっても、途中の出来事によっていつでも柔軟に変えていくことができる。それは、生きた仕事の仕方であり、ひいては生きていることそのものにも当てはまる」と言うのです。なかなか深い言葉ですね。

 

どうしても、伝統工芸の世界は、「先祖代々守りぬいた技」をかたくなに守るイメージがありますが、三代目は、「時代にあわせて変化に対応していけるような生きた思想がなければ、やがてその組織の生命感は失われ、色あせていくに違いないでしょう」と考えています。守ることと変化することのバランスが、絶妙なのですね。

 

志村家の「色と言葉」は、こうして、時代の変化に合わせて、ずっと受け継がれていくのでしょう。

2024年

1月

09日

先生はロボット!?

昨日の成人の日で、若者たちは何を宣言したり、祈ったり、誓ったりしたのだろうか。と、屋上で遊ぶ園児たちを見ながら考えていました。目の前の子どもたちが20歳になるのは、14年~19年後ですが、その時には、世の中が大きく変わっているのでしょう。今の頭では、想像できない変化が起きていることだけは、間違いありません。

 

そして、今日の寺子屋では、なかなかできない珍しい体験をしました。「化石の採集」です。5歳男の子が週末に、栃木県那須塩原にある「木の葉化石園」に行ってきて、葉っぱの化石の発掘体験をしたそうです。ママから化石が入っているであろう原石を5つもらいました。子どもたちで、ハンマーやマイナスドライバー、キリを使って採集です。原石の地層に沿って、きれいに割れて、葉っぱの化石が出てきました。まさに、子どもたちのワクワクが120%くらいになった瞬間です。(笑)

 

さて、広島県三次(みよし)市立青河小学校では、4年生の算数の授業にAIロボットが登場します。分数の計算方法を音声で解説し終えると、子どものような少しぎこちない口調と声で「理解できたかな。問題Ⅰをやってごらん」と指示し、児童に問題を解かせ始めます。

 

三次市教育委員会では2年前から算数の授業で実験的に導入しているそうです。青河小学校は児童数20人の小規模校で、1人の教員が複数の学年を同時に教える複式学級が導入されています。ただし、複式学級では、同じ時間に2つの学年を1人の先生で教えます。片方の先生を思いきってロボットに任せることで、教えることに集中できるようです。

 

ロボットは、算数などの定型的な授業を得意としますが、人間の教員にしかできないことも見えてきたようです。例えば、児童が誤答したとき、ロボットは「正しい解き方」を教えることしかできません。しかし、誤りの原因は「問題文が理解できなかった」「計算を間違えた」など様々です。教員は誤答の原因を子どもたちと対話しながら見つけることができるし、子どもに気づかせることができます。

 

青河小学校の校長先生は、「問題の解き方を教えるだけならロボットにもできますが、私たちには子どもの『いいところ』を見つけ、発揮する場を作り、子ども自身に『いいところ』を気づかせるという役割もあります」と言います。

 

10年~20年先の将来では、現在の約半分の仕事が、AIなどのロボットに代替可能と言われていますが、教員や保育士の仕事は、代替えは難しいです。こうして、補助的な役割として有効活用することで、子どもたちの学びが大きく広がります。要は、AIをどう活用するか・・・を考えることが大切ですね。

2024年

1月

08日

女性の35年年表⑨ ジェンダーギャップ指数

今日は成人の日ですね。成人年齢は18歳になりましたが、式典は、今まで通り20歳の集いですね。振り袖姿を見ましたか。しかし、能登半島では、式典ができる状況ではないですね。何とか、あらためて故郷に集まる機会ができることを願いたいです。

 

さて、今日は続けてきました「女性の35年年表」の最終回です。今では、男女ともに18歳が成人で、結婚できるのも18歳で、選挙権も18歳になってからです。でも、あらゆるところにジェンダーギャップがあるのが現実です。

 

ジャンダーギャップ指数とは、世界各国の男女平等の度合いを数値化したものですが、2023年の世界経済フォーラム(WEF)では、日本は対象146か国中125位と、過去最低の順位となったそうです。私のイメージとしては、昭和の時代ならともかく、日本はジャンダーギャップが大きいとずっと前から言われていたので、改善が進んでいるのでは。と思っていましたが、過去最低となったのは、女性の国会議員の数とか女性管理職が増えていないということなのでしょう。でも、それだけではありませんね。

 

ある父親の息子に対する言葉です。「男の子なんだから泣くな。ぐっと我慢しろ」これは、私も息子によく言っていました。泣きそうになる息子も、この言葉を聞くと「わかった」と素直に応じ、涙をこらえることが多かった記憶があります。しかし、これは、完全に親の価値観を子どもに押し付けていることに他なりません。

 

幼児期に偏った価値観を植え付けられると、どうしても影響を受けやすくなりますね。やはり、我が子には、いろいろな考えがあることを伝えるのが大切です。

 

昨年12月に行った、保育園のクリスマス発表会で、私はこんな話をしました。「卒園児の中1の女の子が、反抗期に入り、親とはまったく口をきかなくなりました。その理由の1つは、親と自分では価値観が違うことです。でも、よく考えれば、愛する我が子であっても、一人の人格者として認めなければなりません。実は、親と価値観が違う子どもの方が、社会に出て新たな活躍をする傾向が高いのです。ですから、『ママと同じ考えだよね』という押しつけは絶対にしないで、『ママはこう考えるけど、○○ちゃんは別の考えを持っていいんだよ』という会話をしてください」と、かつては我が息子に「男の子なんだから」と言っていた園長が、シャーシャーと述べました。今だからこそ、こう思う次第です。

 

現在、教育現場では、ジャンダー平等を授業に取り入れる動きは、男子校で広がっているようです。テレビドラマなどを題材に、女性の働き方や結婚観などを考えさせる授業を展開することが多いようです。女性の生理を取り上げることもあります。「パートナーができた時に、いたわれるようになりたい」と思う若い男性が増えているようです。

 

「夫が外で働き、妻が家庭を守る」とか「男性に養ってもらう」「デート代は男性が払うもの」という無意識の偏見に気付く若者が多くなれば、今の日本も変わっていくのでしょう。

 

昭和世代バリバリのおやじ園長は、「社会に出て、活躍するには、どうしても競争に勝たなければならないことが多い。だから、負けないように頑張ることが必要だ」と考えてしまうことが多いです。でも、理想かもしれませんが、一番いいのは「競争しなくてもいい社会を作れる人間」になるのが、最も求められることです。

 

「自分で考えて自分で答えを出せる」人を育成する、保育園ホワイトきゃんばすですが、「どうしたら勝てる」ではなく「どうしたら競争しないでいけるか」を考える子どもたちが育つようにしないといけませんね。

2024年

1月

07日

女性の35年年表⑧ 保育園落ちた日本死ね!!!

今日明日は、連休となりますので、年末から続けてきた「女性の35年年表」を続けます。2016年に「はてな匿名ダイアリー」に投稿された一文が、当時は社会現象となるくらい、話題となりました。この年の流行語大賞トップ10に入ったのが「保育園落ちた日本死ね!!!」という言葉です。この何とも汚い言葉づかいで、インパクト大となったのは否めませんが、意外と全文が知られていませんので、紹介します。

 

何だよ日本。

一億総活躍社会じゃねーのかよ。

昨日見事に保育園落ちたわ。

どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。

子供を産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに

日本は何が不満なんだ?

何が少子化だよクソ。

匿名(アカウント名:保育園落ちた人)、保育園落ちた日本死ね!!!

 

こんな内容です。この言葉が独り歩きをして、日本全国が待機児童にあふれかえっていると勘違いした人も多かったようですが、この当時も、現在も、日本の約9割の自治体には待機児童はありません。待機児童が解消されない自治体は、首都圏・近畿圏・地方都市といったエリアです。

 

対象となる自治体は、この言葉に影響されるように、「待機児童ゼロ」をやみくもに目指すようになります。市長や区長といった首長が、公約にするには、とても分かりやすい目標になるからです。「子どもの幸せを第一に!」とか「働く女性が活躍できるようにします」という公約は、抽象的であいまいなのに対して、「ゼロにします」は明確です。仮にゼロにできなくても、待機児童数を前年比30%まで下げました・・・と言えますね。

 

といった感じで、2016年以降現在に至るまで、保育園の建設ラッシュになった自治体も多く出てきました。しかし、現実的には少子化は止まらず、そろそろ保育園が余ってくる自治体も出てきています。10年先の保育園を見据えた行政の対応が必要だったのです。

 

「保育園落ちた日本死ね」と言ったママは、おそらく4月から職場復帰をして、子育てと仕事を両方頑張ろうと思っていた矢先に、「入れる保育園がありません」と2月に通達されたのでしょう。気持ちは痛いほどわかるし、汚い言葉にもなるでしょう。しかし、この言葉が予想外に独り歩きしてしまったことは、保育園を経営する園長としては、複雑な気持ちになるのです。

2024年

1月

06日

一時保護所

今日は、ショッピングセンターの1Fイベントスペースに「白バイ」がやってきました。1月10日が110番の日ということで、埼玉県警の警察官がアピールです。本日登園した12名の子どもたちが、目をキラキラさせて白バイにまたがります。ただし、2歳男の子だけが、女性の警察官に抱っこされながらも、かたくなに拒否です。(笑)

 

さて、今日は少しショッキングな話です。「一時保護所」という場所をご存じですか。ここは、児童相談所に付設し、虐待通告などを受けて、保護が必要になった子どもを一時的に保護する施設です。幼児から高校生までが保護を受ける対象です。

 

保育園ホワイトきゃんばすでも、今まで、一時保護を受けたことがある園児が、4名ほどあります。ネグレクト、アルコール依存、その他の理由で一時保護所に入るのですが、私の認識は、精神的にダメージを受けている子どもたちのために、手厚い保護を受けていると思っていました。

 

ところが、実態は「まるで刑務所だよ」とも言うべき環境のようです。狭い部屋で大人数で寝起きする生活。私語は禁止。自分の家庭事情を他の子に話すのは厳禁で、常に職員の目が光る。食事中はひたすら黙食。スマホやお気に入りのぬいぐるみなどの私物は、別保管で一切持てず、学校には通うことができないという、厳しい管理の下で自由を奪われた日常があるのです。「風呂に入りなさい」「早く寝なさい」と命令されるまま、子どもたちは動く。・・・すべてではないでしょうが、こんな環境だそうです。

 

学校に通えない理由は、虐待している親が、子どもを取り戻しに学校に乗り込んでくるのを防ぐためです。一時保護所での学習は、渡されたプリントをやるだけだそうで、学力が身に付きませんね。家庭で虐待を受けている子どもにとっては、学校での時間が唯一の逃げ場所であったのに、一時保護所での生活は、苦痛でしかないようです。

 

刑務所と感じるのは、小学校高学年以上の子どもたちでしょうが、現実的には、一時保護所から出て里親の下で暮らすも、すぐに別の一時保護所にたらいまわしになることが多いようです。

 

なんだか、切なくなりますね。一時保護所の職員への研修は義務ではなく、児童福祉への理解が不十分な職員もいるようです。また、非行の子に対する養育を導入して、厳しく指導にあたるところもあるようです。

 

しかし、今年4月に「改正児童福祉法」が施行されます。一時保護所の設備・運営に初めて基準が策定されるようになります。一時保護所は、子どもにとっては「逃げ場」です。その逃げ場が安心できる場所になるよう、願いたいものです。

2024年

1月

05日

校内にコンビニをオープン

今日から令和6年の保育がスタートしました。さっそく朝の会では、「お正月で楽しかったこと。がんばったことは?」のインタビューを寺子屋園児に行いました。おじいちゃんおばあちゃんのお家に遊びに行ったり、お年玉をもらった話やアイススケートに挑戦した園児もいました。そして、地震の話もありました。保育園ホワイトきゃんばすは、実家が新潟県という保育園ママパパが多いのですが、元日に北陸新幹線乗車中に地震が発生し、4時間車内で過ごした姉妹、新潟のおじいちゃんおばあちゃんの家でくつろいている時に地震発生。翌日何とか動いた上越新幹線で帰ってきた兄妹。とにかく、元気に登園できてよかったです。

 

さて、千葉県にある特別支援学校の「市川大野高等学園」では、昨年11月に、校内にコンビニエンスストアがオープンしたそうです。セブンイレブンやファミリーマートが校内に開店したのではありません。生徒が運営する「スマイルマート」です。

 

農業コースの生徒が栽培した野菜、ソーイングコースの生徒による染織製品といった学校製品が並びます。おにぎりやパン、文房具は、学校から徒歩10分のファミリーマートからあらかじめ用意してもらった商品を引き取って販売します。ここだけ、大手コンビニの商品を活用しますが、商品管理や接客担当は、流通コースの生徒たちです。金銭管理は教員が行います。

 

どうですか、特別支援学校での活動というのが凄いところです。このような形態で、学校内にコンビニがあるケースは、全国でも初めてのようです。きっかけは、「コンビニを作りたい」との声が生徒から上がり、検討スタート。ファミリーマートの接客講座を受講して接客方法を学び、店名は「コンビニに関わるみんなが笑顔になる場所にしたい」と願いを込めて、スマイルマートと名付けられたそうです。

 

コンビニチェーンのように、24時間営業ではなく、火曜日は、午前11時から午後1時20分と短時間で、曜日によって営業時間は異なるようですが、一般の人も来店可能だそうです。お客様も、近所の人たちが、学校で栽培した野菜などを楽しみに買いに来るようで、地域の方々にも見守られて、生徒たちは、やりがいをもって働いているようです。

 

私たちも、応援したくなりますね。

2024年

1月

04日

女性の35年年表⑦ イクメン

昨日は、大宮氷川神社にお参りに行ってきました。埼玉県民としては、毎年初詣は欠かしませんが、1月3日にもかかわらず、大混雑です。午後の時間帯でしたが、本殿まで100メートル以上の行列です。正月用のお賽銭箱は、横20メートルくらいもあったので、お参りの回転率はすこぶる高かったです。大行列をさばくためには、仕方がないのかもしれません。神様にせかされてきました。(笑)

 

元日から、甘酒が飲みたかったので、氷川神社の屋台で「300円もするか!?」と思いながらも、おいしくいただきました。そして、大宮公園方面をブラブラ歩いていると、いつもの売店があって、甘酒が200円で売られていました。「やられた!100円も高い甘酒を買ってしまった!」と思う私です。人間が小さいですね。(笑)

 

さて、今日は「イクメン」の話です。ご存じのように、子育てに積極的に関与する父親、男性を指す言葉です。顔がいいイケメンが転じてできた俗語ですね。2000年くらいから使われるようになったようです。私も、子どもが小さいころには、子どもたちをいろいろなところに連れていくお父さんでした。(自分が行きたかったからですが)自称「イクメン」でした。(笑)

 

こんな感じで、自称イクメンが増え始め、今では、イクメンという言葉も使われないほど、男性が子育てにかかわるのが当たり前になったのです。保育園では、送り迎えにパパが来るのも日常ですが、時々ママの愚痴も耳にします。

 

今年は、辰年ですね。龍に似ていることで、辰年のマスコットになった「タツノオトシゴ」ですが、これが、超イクメンの生き物だそうです。

 

タツノオトシゴ属のオスの腹部には、育児のうという袋があって、ここでメスが産んだ卵を稚魚になるまで保護します。タツノオトシゴの体は、デコボコで堅いイメージがありますが、育児のうの表面は、滑らかな皮膚に覆われているので、雄雌を判別することができるそうです。

 

他にもイクメンの動物として有名なのは、皇帝ペンギンです。産卵後のメスは、自身の体力回復のために海へエサを獲りに行ってしまいます。その間、オスはマイナス60度の極寒の地で、卵を脚に乗せてお腹で包むようにして4か月も絶食状態で温め続けるそうです。また、エミューのオスは2か月間、飲まず食わずで卵を抱き続け、ヒナが生まれれば、口移しでエサを与え、エサの取り方まで教えるそうです。その間、メスは子育てに関わらないばかりか、他のオスと浮気をするそうです。ということで、イクメン動物のウンチクを今日はインプットしてください。

 

いよいよ明日からは保育園がスタートします。子どもたちのお正月話をたっぷり聞くことにします。

2024年

1月

03日

女性の35年年表⑥ 草食男子・肉食女子

元日に起きた能登地震での被害状況が、続々とわかってきました。珠洲市、輪島市、七尾市など能登半島へつながる多くの道路が分断され、余震も続いています。石川県、富山県、新潟県には、私がお世話になった人たちがたくさん住んでいますので心配です。そして、昨日は、新たに羽田空港で日航機が炎上するという衝撃的な映像が入ってきました。乗客全員が脱出できたことは安心しましたが、海上保安庁機の乗員が5名も亡くなり、言葉がありません。新年早々、悲しい出来事が多いですが、私たちは、元気に新年をスタートさせることが大切です。 

 

さて、2009年に命名された言葉に「草食男子・肉食女子」があります。草食男子は、家庭的で優しく男らしさを求めない男性だそうです。恋愛の優先度が低く、没頭できる趣味を持ち、自分の感情や過去をあまり多く語りません。頑張って女性を追いかけようともせずに、リードするより一緒に歩きたい派で、自分に自信がない男子という意味ではないようです。一方、肉食女子は、恋愛にも仕事にも積極的な女性だそうです。女子の先頭に立ち、外見の良さに惑わされず、相手との距離が近い。ドラマのような色仕掛けをナチュラルに行い、次の約束を取り付けるのが早い。相手の喜びそうなことが自然とできて、自分の意思をしっかりと伝えることができます。そして、酒はガソリン。(笑)

 

今でも、時々使うことがありますね。今日は「肉食女子」について語ることにします。グイグイ押しまくり、派手で恋愛経験も豊富みたいなイメージがあるので、どちらかと言うと、マイナスイメージが先行しますが、日本の女性は、時代とともに、「肉食女子」の比率が多くなってきたのではないか・・・と、私は勝手に思っています。

 

草食女子を定義すると、恋愛は控えめで、おとなしいタイプ。自分から男性に告白することなどあり得ないような、昭和の女性のイメージとしましょう。実際に、当時の社会が求める女性がこうであったかもしれません。

 

そこに登場したのが「肉食女子」です。いいことを挙げてみますね。

 

まずは、気持ちの切り替えがすぐにできること。失恋して落ち込んでも、翌日には新しい彼氏を作っているイメージです。だからといって、物事を真剣に考えていないわけではありません。どうにもならないことは、前向きに諦めます。頭の回転も速く、物事を合理的に考えられます。好奇心が旺盛で、何事に対しても肯定的で偏見を持ちません。気になるスポットがあれば一人でも出かけていき、気になる人には自分から話しかけます。

 

そして、何といっても「ポジティブ」で「明るい」のです。周囲を元気にさせてくれるし、笑顔を絶やさないので、職場でも好感が持たれることが多いですね。

 

「肉食女子」は、自分なりの価値観をしっかりと持っていて、「自分の幸せは自分でつかみ取る」を実践するので、同性からも支持が高いですね。自分が嫌いなタイプは、男女問わずに直感的に判断できるので、自分からは近づきません。 そして、何といってもコミュニケーション能力が高く、職場では目立つし、仕事ができる存在・・・といったところでしょうか。

 

色々と書きましたが、私がサラリーマン時代の話です。バレンタイン商品の企画を担当していた先輩女子の行動パターンが、まさにこれです。社内での打ち合わせ中や、商談中でも、キーマンに携帯で電話をかけて、その場で仕事を解決していくタイプで、「このスピード感は大したものだ!」と、今後の自分の仕事に役立てました。「肉食女子」から学ばせていただきました。

 

さぁ~「肉食女子」がどれだけ素晴らしいか・・・そして、肉食女子の仕事ぶりは、男性も真似すべき点が多くあることを認識する必要がありますね。

 

 

2024年

1月

02日

女性の35年年表⑤ 婚活

昨日の夕方は、ちょうど猪苗代湖の周辺を車で走っていました。すると、緊急地震速報の聞きたくないアラームが一斉に鳴ります。すぐに、ナビの画面をテレビ画面に切り替えると、石川県を中心に、大きな地震があったことを告げています。すぐに、固定カメラやドローンでの映像、そして、一般の人たちからの投稿映像がアップされます。画像での情報が、すぐに伝わる時代になったことを感じましたね。同じ1月に起きた29年前の「阪神淡路大震災」では、携帯も普及していない時代でした。具体的な情報が伝わるまでに、ずいぶんと時間がかかった記憶があります。

 

元日なので、帰省で石川県や富山県、新潟県でのんびりとお正月を過ごす予定の人も多かったと思います。新潟県上越市に実家がある保育園ママがいます。上越市の津波で、川を伝って橋を走行するタクシーを津波が襲う映像には驚きました。すぐにタクシーが動き出したので、本当に良かったです。具体的な被害状況がこれからわかってくると思いますし、新幹線や在来線、高速道路も早く運転運航再開を願います。避難所で過ごす方々の気持ちを察すると、なんとも言いようがありません。

 

さて、私の学生時代は、就職活動を「就活」と略して言うことはありませんでした。2000年に入ってから、言われるようになったようです。同じように「婚活」という言葉が、広がったのが2008年です。結婚をすることを目的に意識的な活動をすることを意味する言葉が「婚活」です。就職活動の略が就活ですが、婚活は結婚活動の略ではないようです。

 

中央大学(家庭社会学)の山田昌弘教授とジャーナリストの白河桃子さんの共著「『婚活』時代」がきっかけで、広がった言葉です。

 

女性の結婚観は、時代ともに変化します。70代後半から80年代前半にかけて、雑誌「クロワッサン」がかかがるシングル賛歌が、一部の女性の支持を集めます。「結婚して子供を産むことだけが、女の幸せではない。仕事を続け、シングルを謳歌しよう」といった考えです。しかし、結果として婚期を逃す「クロワッサン症候群」という言葉も生まれました。結婚するかどうかで女性や社会で議論があった時代から、いつの間にか結婚や妊娠を歓迎するムードに時代が変わっていきます。それを象徴するのが「結婚潮流」という1983年に大阪で生まれた、平均年齢24歳の女性編集者陣の女性誌です。一般的な女性誌は、当時恋愛を多く扱っていましたが、「結婚潮流」は、理想の恋愛と切り離して「結婚」を読者に提示したのです。「恋愛と結婚は違う」「理想の妻と理想の恋人」といった言い方をするようになったのも、この頃ですね。

 

そして、1990年代に女性の生き方を象徴する雑誌が「Hanako」です。会社からも家庭からも解放されバブルの時代を謳歌した女性は、「子どもを産むために結婚はするけれど、それまでは仕事も遊びも楽しむ」それが、「Hanako」の時代の結婚観だったようです。でも、「Hanako」では結婚特集はほとんど組まなかったそうです。1993年に結婚雑誌に特化した「ゼクシィ」が登場すると、どんな結婚式を演出するか…までも注目されるようになったのです。

 

時代は繰り返されるとは言いますが、私の両親は「お見合い結婚」です。おせっかいなおばさんがいたかどうかは聞いていませんが、現代の婚活アプリは、信用できるものを選べば、かつての「おせっかいおばさん」の役割と一緒かもしれません。いや、それ以上に相性がいい組み合わせをAIが考えてくれるのです。

 

ここまで、女性の立場での「婚活」の歴史をたどってきましたが、男性の場合は、このような解説ができません。やはり、「婚活」は、女性がリードしてきたライフスタイルなのでしょう。そして、結論は簡単で、人それぞれ・・・色々な考え方があるので、こうあるべきという押しつけは不要なのです。

2024年

1月

01日

明けましておめでとうございます

2024年、令和6年がスタートしました。今年も、義理の母が住む福島県でお正月を迎えました。初日の出も美しかったですね。今年の元旦は、開運日が3つも重なる日だそうで、何かを始める・チャレンジするにはもってこいの日だそうです。初詣で、今年やりたいことを誓うのもいいかもしれませんね。

 

そして、今年もおやじ園長のブログで、保育園のことや世の中のことを語っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、昨日の大晦日は、いつものように、普通に「紅白歌合戦」をおいしいものを食べ、お酒を飲んで見ていました。

 

昭和世代のおやじとしては、昭和の歌手が出てきて、知っている曲を聴くのがとても心が落ち着くのです。私の高校の先輩でもある「伊藤蘭」さんが、どんな演出をするか楽しみにしていましたが、そのまんまキャンディーズ時代の振り付けで歌っていたのが、ホッとしました。K-POPや若いグループの凄いダンスには、もうついていけません。キャンディーズ時代の振り付けが私には居心地がいいのです。(笑)

 

けん玉を失敗した16番の方には、「自分のせいで大変なことになってしまった!」と落ち込んでいるでしょうから、「失敗したっていいじゃないか。そもそも紅白に何でけん玉なの?気にしないで!」と言いたいですね。

 

画面に歌詞がでてきますね。どうしても歌詞を追ってしまうのですが、昭和の歌は、もちろん知っている歌詞ということもあって、安心して見ることができます。Official髭男dismのチェスボードの歌詞は、「まぁ~よくこんな歌詞が書けるなぁ~」と感心ばかり。YOASOBIのアイドルは、「これが世界のトップになった曲なのか~」とじっくりと歌詞を追いました。ここら辺までは、昭和おやじもついていけたのですが、Adoとanoが、同一人物だと思っていた昭和おやじは、初めて別々という事実を知り、歌詞を追っても、まったく意味が分からないことに、呆れるしかありませんでした。この意味不明の歌詞がネット配信で凄い数字をはじき出すのは、私の理解を超えた世界ですね。

 

年齢を重ねると、特に音楽においては、新しいジャンルの曲を聴くことをしなくなるといいます。私も、昭和の曲にホッとするように、数年前に、自分が聴く曲が固定されてしまったようです。(笑)

 

年が明けて、近くの神社にさっそく初詣に行くと、多くの人で賑わっていました。令和6年は、完全にアフターコロナの年として、コロナ前に戻るのではなく、新たに挑戦を始める年ですね。1つでいいので、「今年は○○に挑戦する」を誓ってみませんか。

2023年

12月

31日

女性の35年年表④ 女性専用車両

昨日あたりから、鉄道は帰省や行楽で混雑がピークとなってきました。報道では、コロナウイルス感染症が5類になった初めての年末年始ということで、前年を大きく上回る人出になっているようですね。今日は、そんな鉄道の「女性専用車両」の話です。

 

私は一度だけ、ぼっ~としていて、先頭車両の「女性専用車両」に乗ってしまったことがあります。鼻につく化粧の匂いと周りの女性たちの白い視線に、すぐに隣の車両に移動しました。(笑)

 

そんな女性専用車両は、2005年に関東ではほぼ全鉄会社で導入されたそうです。関西では、それ以前に導入されています。自動改札や歩く歩道は、関西の方が早く導入されていますね。ちなみに、関西では「女性専用車両」、関東では「女性専用車」と呼ぶことが多いようです。マクドナルドのことを関西では「マクド」と呼び関東では「マック」と呼ぶようにです。(例えが変ですが・・・)

 

女性専用車両と言っても、小学生以下、身体障碍者、介護をする男性も乗車可能です。母親と小さい息子が別々の車両というわけにはいきませんね。女性専用車両ができた理由は、ずばり痴漢対策です。よって、混雑する朝の通勤時間帯や深夜に設けられます。また、先頭車両か一番後ろの車両の場合が多いので、乗り換えには不便という声もあります。関東では、横浜市営地下鉄で、車両の真ん中に女性専用車両を設けていますが、間違える男性客が多いのと、車両を移動する際に一度車外を通らないといけないなど、不便もあるようです。

 

日本で最初の女性専用車両は、明治45年に当時の中央線で、通勤通学ラッシュの時間帯に運行した「婦人専用電車」と言われています。また、戦後は乗車率が300%にも及ぶ状況で、中央線の東中野駅付近で、乗客が走行中の電車のドアから神田川に転落して死亡する事故が起きたのを機に、通勤ラッシュから働く女性と子供を守る目的から昭和21年に「婦人子供専用車」が導入されたそうです。これは、昭和48年9月15日の敬老の日より導入された「シルバーシート」(優先席)と入れ替わる形で廃止されたそうです。

 

現在の形になったのは、2000年12月に京王電鉄で平日深夜帯に新宿駅を発車する下りの臨時電車の最後部の車両に「女性専用車両」の名で試験的に導入され、2001年3月のダイヤ改正で本格導入されたそうです。以後、関西で広がり、2005年には関東のほとんどの鉄道会社が導入したのです。

 

国土交通省はじめ多くの鉄道会社が、「女性専用車両」についてのアンケートを今まで行っていますが、概ね賛成の声が多いので、今後も継続されるものと思われます。一部に「男女差別だ!」とか、そもそもこれは女性を守るという目的ではなく、ある政党の力で導入されたものだ・・・などと、批判もありますが、女性と子供が安心して公共交通機関である鉄道に乗車できる環境は大事ですね。あなたが女性なら、「女性専用車両」を使用していますか。

 

ということで、いよいよ令和5年もおしまいです。保育園ホワイトきゃんばすも大きな事故もなく、子どもたちの元気な姿を継続することができました。この「いつも通り・・・普通に・・・」ということが大切に思えるようになりました。そして、今年も多くの方々に「おやじ園長のブログ」を読んでいただきました。これからも、気軽にいつもの日常の習慣として、目を通していただければありがたいです。

 

では、良いお年をお迎えください。

2023年

12月

30日

女性の35年年表③ ストーカー規制法

大谷翔平選手のランドセルが、年内に届いた小学校では、子どもたちの嬉しそうな笑顔がありましたね。私にとっては、それと同じくらい素敵な話題がありました。かつては、侍ジャパンの4番として横浜ベイスターズで活躍した筒香選手が、自分の出身地の和歌山県橋本市に私財を投じて本格的な球場を作りました。今月、帰国した筒香選手が出席して完成記念式典が開かれました。

 

地元の少年野球チームの子どもたちや保護者を前に「子どもたちの将来を第一に考え、責任を持って世界で活躍できるような人材を育てていきたいです」と語りました。そして、「野球選手になることがすべてではないと思っています。自ら考えて、行動に移せる人材を送り出していきたいです」と言うのです。プロ野球選手になれる人は、ほんの一握りですね。でも、すべての子どもたちの未来への素敵なメッセージです。筒香選手が、もう一度大リーグの舞台で花を咲かせてくれることを期待します。

 

さて、ストーカーという言葉は、今では当たり前に使われていますが、1999年に「桶川ストーカー殺人事件」が発生しました。まだ記憶に残っている人も多いと思いますが、女子大学生が、元交際相手の男を中心とする犯人グループから嫌がらせ行為を受けた末、1999年(平成11年)10月26日に埼玉県桶川駅前で殺害された事件です。

 

この事件を契機に、「ストーカー規制法」が2000年に制定されました。桶川ストーカー殺人事件では、女子大生とその保護者が、所轄の埼玉県県警上尾署に被害相談をしていたにもかかわらず、極めてずさんに取り扱っていたことが明らかになり、警察不祥事としても注目されました。結果、3人の警察官が懲戒免職され15人の処分者が出ました。そして、報道の在り方についても、問題とされました。個人情報があらわになったり、そんな男と関係を持った女性の自己責任といった報道です。

 

この2000年のストーカー規制法を機に、警察も世の中も「ストーカー行為」について、認識を持ち目を光らせるようになったのです。

 

そして、23年が経過した現在では、このストーカー規制法も何回か改正され、時代に合った内容に変わってきました。しかし、現在のストーカー行為は、ネットでの行為も含め、さらに複雑になってきています。

 

なんであんな男と付き合ったの?なんであんな女に?なんて後悔しても、その時はわからないのが男女の関係です。しかし、事件が起きる前に、いかに防ぐか・・・自分一人で抱え込むことだけは避けなければなりませんね。

 

2023年

12月

29日

女性の35年年表② 初めてのセクハラ裁判

今日は、今年最後の「燃えるゴミの日」でした。11月に保育園で行ったゴミスクールの影響で、「火曜日と金曜日は燃えるゴミの日」と覚える園児やゴミ出しをする園児も出てきたり・・・効果が継続しているようです。

 

さて、セクシャルハラスメントという言葉は、今では当たり前に使われるようになりました。私のような昭和の人間にとっては、ついつい失言をしてしまうことがあります。サラリーマン時代は、「今の発言は、セクハラですよ(笑)」なんて、冗談で済む内容でしたが、女性から指摘をされることもありました。

 

1989年に、日本で最初の「セクハラ裁判」が行われたのをご存じですか。当時は、セクシャルハラスメントという言葉はありません。

 

福岡県でライターをしていた当時32歳の晴野さんが、性的な誹謗中傷を繰り返し行い、退職に追い込んだ上司(編集長)と会社(出版社)を相手に、日本初のセクハラ裁判を起こしたのです。3年後には、晴野さんの完全勝訴となりました。この裁判は、日本におけるセクシャルハラスメントの問題を広く認知させる契機となり、1997年の男女雇用機会均等法改正で、セクシャルハラスメント防止のための事業主の配慮義務規定が盛り込まれるきっかけとなったのです。

 

「結婚したら、寿退社だね・・・」「妊娠したから、もう仕事はできないね」といった発言は、現代ではあまり言う人は少なくなりましたが、男女雇用機会均等法の改正により、「完全アウト!」となったのです。

 

私の認識では、このような発言は、男性だけでなく、少なくとも同性の女性からもあったような気がします。セクシャルハラスメントは、男性から女性が一番多く悪質ですが、女性から女性、女性から男性にも起こりうる問題ですね。

 

晴野さんは、当時上司だった編集長が、得意先との約束を破ったり、あまりにも仕事をきちんとしなかったので、自分が尻拭いをし、得意先からの信頼も大きくなったのです。それが面白くない編集長が、性的なことも含め、晴野さんのあらぬ噂を得意先や職場に言いふらし、退職に追い込んだのです。晴野さんは、最初は、諦めずに頑張ったそうです。しかし、会社の専務にこのことを相談すると、衝撃の返答があったのです。

 

『晴野君は確かに仕事はできる。よく頑張っている。でも、男を立てることを知らない。だから、次の職場に行ったときに、まずは男を立てることを覚えろ』と言われたそうです。

 

どうですか・・・これを読んだ多くの女性は、怒り火の玉になりましたか。しかし、当時この発言をした専務は、おそらく何の悪気もなかったのかもしれません。この時代の多くの男性の価値観が、「女は男を立てるもの」だったのです。

 

ほんの34年前の1989年に、日本初のセクハラ裁判があり、セクシャルハラスメントという言葉が生まれたことを働く女性も男性も覚えておきたいですね。

2023年

12月

28日

女性の35年年表① アグネス論争

今日から保育園は、年末年始のお休みに入りました。私は男性ですが、保育園の主役は子どもたちだけでなく、働くママも、もちろん主役です。こうして、保育園に子どもを預けて、普通に仕事をする環境は、少し昔では、普通ではありませんでした。今から、ざっと35年前くらいまで戻って、今日から「女性の35年年表」を扱います。今日は、1988年に世間を大論争に巻き込んだ「アグネス論争」を取り上げます。

 

1987年、歌手・タレントのアグネス・チャンが第一子を出産しました。彼女がその直後に、この乳児を連れてテレビ番組の収録スタジオにやってきたことがマスコミに取り上げられ、今は日本大学の理事長となった、当時作家の林真理子さんからは「大人の世界に子供を入れるな」「周囲の迷惑を考えていない」「プロとして甘えている」と痛烈に批判されたのです。アグネス・チャンは、マスコミから「働くお母さん」の代表格として持ちあげられるのです。

 

私は、1986年に就職活動をしていました。男女雇用機会均等法が施工された年でもあったので、入社試験の面接では「あなたは、男女雇用機会均等法をどう思うか?」の質問がありました。「女性自身がどう考えるかの問題だと思います」なんて、偉そうに答えたのを覚えています。結婚後も出産後も女性の社会進出が当たり前になりつつあった時代でしたので、アグネス・チャンの行動が大きく取り上げられたのです。

 

1988年ということもあり、マスコミからは香港の芸能界の風習である子連れ出勤を批判的に取り上げることが多かったものの、社会学者の上野千鶴子さんは、朝日新聞で「働く母親の背中には必ず子供がいるもの」としてアグネス・チャンを擁護しました。ざっと2年間にわたって、アグネス論争として批判派と擁護派に分かれて、論争が続いたのです。

 

どうして2年も?と思いませんか。当時は、ネットで炎上とかないですから、ちゃんと肩書のある評論家などの著名人が、名前を出して意見を言うのです。今と違って、正々堂々とした論争です。

 

35年前のことですので、今の時代に「どうあるべきだったか」と語るのは難しいですね。実は、当時のアグネス・チャンは12本のレギュラー・準レギュラー番組を抱えており、テレビ局から「早く復帰してくれ。子供を連れてきてもいいから」などと説得を受け、不安に思いつつ職場に復帰したとうのが真相で、アグネス・チャンが自分の判断で子どもを連れてきたわけではないようです。しかし、結果的にはこれを機に、世の中は、職場における男女間の格差や、仕事と子育ての両立をどうするか・・・を考えるようになったと言えます。

 

保育園のママたちは、「アグネス論争」の時には生まれていないか、まだ子どもだったので、知らない人が多いと思いますが、35年前にこんな論争があったのです。

2023年

12月

27日

ルールと自主性の境界線

今日は、令和5年最後の保育園です。明日からの年末年始のお休みに、子どもたちは「○○するんだ」「おじいちゃんおばあちゃんのおうちに行く」などなど、予定もしっかりと頭に入っているようです。

 

そして、今年最後の屋上遊びでは、子どもたち全員で、聖護院(しょうごいん)大根の収穫をしました。普通の大根の他に、毎年保育園では聖護院大根を育てています。柔らかくておいしい大根で、大きなカブのようです。子どもの顔くらいの大きさの大根もありました。今日のお土産です。普段は野菜嫌いの園児も、自分で収穫した大根は、もぐもぐ食べるのです。普通にスーパーで買った大根よりも、付加価値が数倍です。「大根はどんなふううに畑で育ってるの?」「この大根を一人で引っこ抜いたの?」「葉っぱに青虫がいたね。これが何になるの?」・・・などなど、親子の会話は尽きません。そして、一緒に料理をすれば、さらに親子の素敵な時間になりますね。

 

今日は、そんな大根と格闘する子どもたちを見ながら、今年の屋上遊びを振り返っていました。屋上遊びは、ほとんどが見守り保育になります。とは言え、子どもたちがやりたい放題するのをそのままにしていると、ケガにつながることがあります。しかし、「○○してはいけない」と制限ばかりを設けると、子どもたちの創造力を止めてしまうことになりかねません。

 

子どもたちの自主性とルールを設ける境界線をどこに引くかが、保育者として、常に考えなければならない難しいところなのです。保育園での最低限のルールは決めているものの、さらに細かいところでは、職員一人一人で、あんばいが変わってきます。「好きにのびのびと遊ばせたい」けれど、「木のてっぺんから落ちたら大けがになる。制限しないと」の葛藤ですね。

 

小学生の交通事故で最も多いのは、自転車に乗っているときの事故です。極端な話ですが、小学生の交通事故を減らすにはどうしたらいいか。そうです。小学生が自転車に乗ることを禁止すればいいのです。でも、そんなわけにはいきませんね。ホワイトきゃんばすの子どもたちは、寺子屋園児25名中、24名が自転車に乗れます。最低限のルールは、ヘルメット着用と、小さい園児がいない自転車ゾーンで走ることの2つだけです。でも、転んでけがも起きるし、自転車同士で衝突もあります。そんな経験の中で、子どもたちは、次は事故を起こさない運転を心がけていきます。小学生になったら模範運転ができるようになることを祈っています。

 

リスクとリターンは、保育をする上で、どこで線引きをするか迷うところです。保育園ホワイトきゃんばすの屋上遊びは、自由度が高くて、あれしちゃいけない、これしちゃいけないが少ないです。令和5年は、たまたま大きな事故がなかったですが、引き続き、子どもたちの遊びを最大限に引き出してリターンを求める保育をしながら、リスクにも目を向けていきます。アクセルを踏みながら同時にブレーキも踏む・・・矛盾するようで、難しいですが、この難問に来年も挑んでいきます。

 

では、令和5年も多くの方々の力添えで、保育園ホワイトきゃんばすには、いつも子どもたちの笑顔がいっぱいでした。(ちびちゃんの泣き声もありますが・・・)この一年の「しあわせ」をかみしめながら、令和5年の保育園を終了させていただきます。ありがとうございました。

2023年

12月

26日

数学ゴールデン

昨日のクリスマスお楽しみ会は、「最高に楽しかった!」と子どもたちが、ママやパパに話していたようで、プレゼントの景品が豪華だったことが、子どもたちの心を射止めたようです。ぬいぐるみを抱いて寝た園児や、ミニカーでずっと遊んでいる男の子、シルバニアファミリーの人形が増えて大喜びの女の子もありました。これも、クリスマス発表会を頑張ったからこその気持ちです。昨日、保育園からクリスマス発表会のDVDをプレゼントしました。保護者は我が子の撮影にどうしても夢中になりますので、このDVDで他の園児の頑張りもじっくりと見ることができたようです。

 

さて、スポーツのオリンピック同様に、世界レベルの天才たちが、数学の超難問を解き競い合う「国際数学オリンピック」があるのをご存じですか。出場資格は、高校生以下の若者です。「数学ゴールデン」は、日本代表を目指し、突き進む若者を描いた「数学版スポ根」マンガです。

 

舞台は福岡市。主人公の小野田春一は、高校の入学式で「数学オリンピックの日本代表」を目指すと宣言し、一躍注目を集めます。一人で孤独に勉強を続けようとしたものの、講師に導かれ、多くの数学を愛する仲間たちと出会います。次第に他者と協力しながら問題を解いていく可能性と楽しさを見いだしていきます。

 

数学の楽しさは、ただ単に公式や定理を当てはめるだけでなく、自分の先入観や固定概念を乗り越え、視点変化を生みだすことそのものにあると作者は伝えます。自分一人で考えることだけでなく、他者と共同で問題に取り組むことで、自分になかった発想や、アイデアが生み出される。孤独な作業というイメージのある数学に対して、新たな捉え方を示した作品になっています。

 

私は、中学の時に、数学の公式についていけなくなり、迷うことなく文系を選択しました。「数学なんてやっていたら頭がおかしくなるよ!」と間違えた認識を持っていました。数学の大切さを知ったのは、社会人になってからです。営業の仕事で、得意先との商談では、言葉だけの抽象的な話では通用しません。具体的な数字が根拠として必要になります。社内でのプレゼンテーションもしかりです。

 

数字や数学の公式は、世界共通語です。この当たり前のことを考えるだけでも、数学の必要性は高いのです。

 

「数学ゴールデン」は、今までにない形で数学の面白さを伝えていますが、数学だけでなく、新しいことにチャレンジすることは、自分の「好き」や「面白い」という気持ちに従うことから生まれると訴えます。何かに夢中になって取り組むことの楽しさをこの本は教えてくれているのです。数学への苦手意識もなくしたいですね。

2023年

12月

25日

クリスマスお楽しみ会

今日の連絡ノートには、クリスマス発表会のママやパパの感想がびっしりです。1ページまるまるのコメントが多かったですが、2ページびっしりのママもいました。それぞれの保護者の皆様が、我が子の成長を感じ、他の園児の活躍も一緒に楽しんでいただいたようで、子どもたち全員を保護者全員で見守っている感じで、うれしかったですね。おじいちゃんおばあちゃんも孫の成長に涙を流し、パパママも涙が止まらなかったようです。

 

そして、本日3人の園児が体調を崩してお休みです。どれだけ、クリスマス発表会にエネルギーを使ったことか・・・ゆっくり休んでもらって、明日から元気に登園してほしいですね。今日は、そんなクリスマス発表会で頑張った子どもたちに、保育園からのプレゼントは、「クリスマスお楽しみ会」です。

 

まずは、クリスマスとうことで、今朝サンタクロースからのプレゼントを子どもたちに聞いてみます。今回は、事前にサンタにお願いしたプレゼントをもらった園児が多かったようです。ドラえもんが大好きな6歳女の子には、ちゃんとドラえもんが玄関先にあったそうです。「おしゃべりするドラえもん」だそうで、たくさん遊べそうです。4歳女の子は、「まだ、もらっていな~い」と悲しそうな顔で答えます。実は、サンタからのプレゼントは子ども用キッチンで、まだ組み立てていないだけのようです。聞いたことがないおもちゃの名前もあって、サンタクロースはシニア世代なので、ちゃんとわかったの?と心配してしまいました。(笑)

 

「箱の中身は何なの?」ゲーム・「どこが変わったでしょうか?」ゲーム・「私は誰でしょう?」ゲームを子どもたちが出題者になって楽しみました。5月の保育参観で行った「こびと探しゲーム」を今日もやってみました。こびと熱は、まだまだ冷めていないので、盛り上がりました。じゃんけん列車で丸くなって、最後のお楽しみは、クリスマスプゼントをゲットです。番号札を引いて、園児全員にプレゼントが行きわたりました。保育園でストックされている、たくさんのミニカー・おもちゃに、職員のおうちで、捨てられない「ぬいぐるみ」など、子どもたちは大喜びです。

 

最後に、クリスマス発表会で披露した曲をみんなで歌って、ニコニコのお楽しみ会となったのです。「すごく楽しかった!」という子どもたちに、先生たちもホッとしました。

 

運動会、クリスマス発表会と、子どもたちが「目標に向かって練習する」という日々を送りました。今、それを成し遂げた園児たちは、「成長」という大きな財産を自ら獲得したのです。本当に、よく頑張りました。

2023年

12月

24日

令和5年度クリスマス発表会 つづき

今年のクリスマス発表会では、前日にハプニングが起きました。「どんちょう」と呼ばれる、ステージの幕が動かなくなったのです。この週の水曜日・木曜日にリハーサルを行ったのですが、その時から調子が悪くて、ついに動かなくなってしまったのです。仕方なく、業者がどんちょうを取り外し(修理に1か月かかるとのこと)、今回は、どんちょうなしで行うことになりました。演目の切り替えは、場内を暗くして行います。しかし、こんなハプニングにも、子どもたちは冷静に対応できました。変化に強い子どもたちです。(笑)

 

スタートは、園児代表挨拶です。年長女子4人がステージのセンターに立ち、自分たちで考えた挨拶を行いました。「本日はお越しいただきありがとうございました。ピアニカの練習は大変でした。でもできるようになりました。応援お願いします」と、びっくりするくらい立派な挨拶でした。オープニングのうた「赤鼻のトナカイ」「ウィウィッシュユアメリークリスマス」では、2歳児も参加しますが、誰一人泣いていません。大きな歌声が会場を包みました。

 

合奏は、6種類の楽器がシンクロして、素晴らしい演奏となりました。そして、0~2歳のかわいいオバケが登場です。若干2名の動きが確認できませんでしたが・・・(笑)、存在自体がかわいい子どもたちです。癒されました。前半ステージの最後は、園児全員でダンス「やってみよう」です。ノリノリの曲調で、寺子屋園児の衣装は、自らチョイスした私服ですので、自由度200%の素晴らしいダンスとなりました。

 

後半ステージは、忍者になった寺子屋園児からスタートです。忍者の衣装を着るだけで、ピョンピョン飛び回る園児たち・・・「勇気100%」は、パパママたちもよく知っている永遠のヒット曲ですね。忍者たちが躍動する素晴らしい舞台となりました。

 

そして、今回も保護者に方に、講演してもらいました。「小学生になること」が題目です。話をしてくれたママのもう一つの顔は、小学1年生の担任の先生です。そして、2つ目の顔は、バレーボール日本代表を目指した元アスリートです。(笑)

 

先生らしく、紙芝居のようにフリップを用意して「自分のことは自分でやる」などと、小学生になるとやらなければならない3つの大きなことを話します。そして、保育園時代から大きく環境が変わる保護者へのアドバイスもいただきました。具体例を交えた話は、とても分かりやすく、かつ凄かったのは、メモなしで、全部頭の中に言いたいことをインプットしていたことです。通勤時に学校まで自転車で走らせながら、独り言練習をしていたそうです。来年4月に小学生になる年長園児だけでなく、多くの保護者の心に刺さったメッセージでした。ありがとうございました。

 

いよいよ、劇「こびとのくつや」「王様の耳はロバの耳」を残すのみです。応援に駆けつけてくれた13名の小学生は、自分もかつてはこの舞台で演じたことを思い出します。そして「劇が一番楽しみだよ~」と開演前に言っていました。

 

練習では、なかなか大きな声が出なくて、子声だった年少女の子が「はげてる」という笑いをとるセリフで、今まで見せたことがない大声で、大爆笑を誘いました。まるで女優の演技力を見せてくれた、年長女子を見てると、本当に子役のオーデションを受けた方がいいと思ったものです。園児全員が、しっかりと自分のセリフを自分の声で表現できました。練習の厳しさを本番では、自分の力で喜びに変えたのです。

 

ステキな発表会となりました。子どもたちの「素晴らしい」「かわいい」「凄い」「頑張った」「かっこいい」・・・そのすべてが詰まっていました。応援していただいた保護者の皆様のあたたかい気持ちも十分に伝わました。小学生が後輩を応援する姿も、ホワイトきゃんばすの名物ですね。

 

今年もたくさんの応援の中で、子どもたちの笑顔が輝きました。これが見たくて、先生たちも頑張ってきました。子どもたちを支えていただきました皆様に・・・感謝します。ありがとうございました。

2023年

12月

23日

令和5年度クリスマス発表会

寒い朝・・・でも青空が広がり、すがすがしい朝となりました。西部文化センターの大ホールでクリスマス発表会を行うのは、今日で10回目です。保育園ホワイトきゃんばすが開園した翌年に、保育園内でクリスマス発表会を行い、次は、もっと大きな舞台で子どもたちを輝かせよう!と、小さな保育園の挑戦が始まったのです。

 

そして、運動会が終わり、11月に入ってから毎朝の練習がスタートしました。ダンスは、子どもたちが大好きですので、早い段階で覚えてしまいました。後は、ひたすら完成度を上げていきます。うたは、教室内に歌詞プリントがいたるところに貼ってあって、先生たちも一緒に歌いながら覚えていきました。

 

合奏の楽器は、年長がピアニカ・年中がスズ・年少がカスタネットを演奏するのですが、木琴・タンバリン・トライアングルを途中から導入して、さらに楽器の種類を増やしていきました。楽器の担当指名は先生が決めます。新たな楽器「タンバリン」に選ばれなかった年中の女の子から「私もやりたい!」涙の訴えがあります。選ばれる、選ばれないには、ちゃんとした理由があります。女の子は、ここで、自分の思い通りにならないことが世の中にはたくさんあることを学びます。納得して、スズを頑張りました。

 

そして、発表会の最大の見どころの劇「こびとのくつや」「王様の耳はロバの耳」は、時間をかけて、練習をしてきました。配役が決まると、読み合わせをします。最初は、先生が言ったセリフを「オウム返し」して覚えます。3日目の練習で、羊飼い役の年長女の子が、セリフを完全に覚えました。なんとか劇らしくなったのは12月に入ってからです。その間「もっと大きな声で!」「早口になると何を言っているのかわからないから、ゆっくり話す!」と先生たちにゲキを飛ばされながら、必死に頑張る子どもたちです。衣装を着て練習をするようになると、子どもたちの集中力が増していきます。

 

今回は、お着替えの練習をしました。寺子屋園児だと、登園時の服装→うた・合奏の服→ダンス「やってみよう」の服→「勇気100%」の衣装→「劇」の衣装と4回もお着替えをします。練習をしたおかげで、スムーズに子どもたちのお着替えが進みました。楽屋で、楽しそうにお着替えをする子どもたちを見ていると、「練習をこれだけ頑張ったから、今日は大丈夫・・・楽しもう!」といった感じで、子どもたちは、とてもリラックスして、笑顔に満ちていました。

 

そんな、1か月半の練習期間を経て、いよいよクリスマス発表会当日を迎えました。出席予定の園児は、全員体調を崩すことなく元気な姿を見せてくれました。

 

いよいよ令和5年度保育園ホワイトきゃんばす「クリスマス発表会」の開演です。

 

つづきは明日・・・

2023年

12月

22日

ジビエ料理を楽しむ

クリスマス発表会前日は、朝からリラックスして練習はやりません。朝の会では、劇で演じる「こびととくつや」「王様の耳はロバの耳」の読み聞かせを始めると、子どもたちが自分のセリフをつないでいきます。寺子屋園児全員が、流れるようにセリフを言えました。朝から「ブラボー!」です。(笑)

 

どうも、保護者の方がソワソワしているようで・・・年長女の子は、「いっぱい練習したので大丈夫。あとは、明日、全力で頑張るだけ」なんて、頼もしいことを言っています。私も、子どもたちの活躍を楽しみにしていますが、実力以上のパフォーマンスを発揮する園児も、緊張で普段の実力を出せない園児も、両方「よくがんばった!」と声をかけるだけです。

 

さて、最近は、住宅街に「熊が出た!」「鹿が出た!」「猪が出た!」という報道が多いですね。それと関係するかはわかりませんが、野生のシカやイノシシなどの食肉を使ったジビエ料理の人気が高まっているようです。

 

牛・豚・鶏肉を食べ慣れている私たちは、どうも、ジビエ料理は味やにおいに独特のクセ

があると思いがちですが、最近は、気楽に楽しめるジビエ料理の提案が増えているそうです。

 

JR東日本グループのカフェ「ベックスコーヒーショップ」では、毎秋ジビエのカレーを展開。1万1000食を2か月で完売したそうです。無印良品でもイノシシやシカの肉を使ったレトルトカレーを限定販売するなど、身近に食べられるようになっています。

 

農林水産省では「全国ジビエフェア2023」を開設して、ジビエ料理を提供する飲食店やジビエ製品が購入できるサイトなど、約1500店の情報を紹介しています。こうして、国がジビエの消費を広げようと力を入れる背景には、野生動物による深刻な農作物被害があるようです。2022年度の被害額は156億円で、全体の6割をシカとイノシシが占めるそうです。「捕獲した野生鳥獣を地域資源と捉え、ジビエ料理に有効活用していきたい」と担当者は話します。

 

シカやイノシシの肉は、ビタミンや鉄分が多く、栄養も豊富とのこと。あと何年かすると、スーパーのお肉コーナーに、あたりまえにジビエ肉が並ぶようになるかもしれませんね。

 

どうですか・・・ジビエ肉、食べたくなってきましたか。

2023年

12月

21日

例年通りで行います

今日は、クリスマス発表会リハーサル2日目です。今年初めて、大ホールを経験する園児も、2日目となると余裕が出てきたようです。大人にも当てはまることですが、「慣れること」「経験すること」は、とても大事なことで、何とか、明後日の本番を楽しんでもらいたいものです。今日の連絡ノートでは、「親の方がドキドキ…ソワソワ…」というコメントもありました。(笑)

 

さて、企業の会議でも、学校の職員会議でも「これにつきましては、例年通りで行います」という言葉がたびたび聞かれますね。そうです、昨年までに経験していることなので、わりと簡単にできるからです。「変更したり、新しいことに取り組むのは面倒くさい」という人間の心理もあるでしょう。

 

おかげさまで、明後日行われる保育園のクリスマス発表会は、毎年行っていますが、園児も変わるし、演目も毎年変えるので、毎回「新たな挑戦!」となります。大変なことが多いですが、子どもたちの成長の姿を見ると、「やってよかった!」と職員一同大満足するのが、毎年継続されます。

 

でも、多くの企業や学校は、「前年踏襲型」で進められることが多いですね。しかし、どうやら、今年は「例年通り」が通用しなくなったようです。令和元年末からの新型コロナウイルス感染症の流行により、様々な行事が中止に追い込まれたからです。学校であれば、入学式、卒業式、運動会、家庭訪問、校外学習はどうするか・・・次から次へと改めて考え直さなければならないからです。

 

そして、組織の新人は、コロナ前のことを知らない世代かもしれません。こうなると、「コロナ前はどうやってたっけ?」なんて、以前のやり方を思い出さないといけませんね。

 

そうです。今はまさにチャンスなのかもしれません。コロナ前にやってきたことをそのまま復活させるのか・・・それとも、思い切って見直すのか。それを判断するキーワードは「その行事やイベントは何のために行うのか?」です。その会社や学校の方針や目標に合っているのか?

 

こうして、やめるものがあってもいいですし、新たに加えることがあってもいいですね。コロナ前に戻すことは、決して正解とは言えません。

 

私は、個人的には「前年踏襲型」が大嫌いで、同じことをすることは「何も考えていない」とまで思っていました。今も、その考えは強いですが、コロナ前とアフターコロナと今は、時代の境界線と捉えると、「何のために行うか」をしっかり考えることが大切ですね。

2023年

12月

20日

ドレミファソラシド

今日は、クリスマス発表会のリハーサルを「西部文化センター大ホール」で行いました。本番の会場です。子どもたちにとって、ぶっつけ本番では、実力が発揮できないかもしれないので、こうして本番同様の練習を行うのです。会場の設備スタッフにとっても、今日明日のリハーサルで照明の配色やスポットライトの確認を行います。ちょっとした劇団が行う舞台と比べても、そん色ない演出で子どもたちを舞台に上げます。初めて、この大ホールを経験する園児もいますが、本番に向けて、充実した練習ができました。

 

クリスマス発表会では、歌もうたうし、楽器も演奏します。私の娘は二人とも中学時代は吹奏楽部でした。関東大会に出場する機会があり、親バカの私は、もちろん会場に駆けつけます。演奏を始める前に、それぞれの楽器が音を合わせるためにチューニングをするのですが、一般的に、音合わせの音は「ラ」の音を使います。ドレミファソラシドの「ラ」です。

 

「ラ」の音は、440ヘルツという周波数で表されます。実は、ドレミファソラシドすべての周波数には違いがあります。「ド」は261.626ヘルツ、「レ」は293.665ヘルツと決まっているそうです。ちなみに高い「ラ」は880ヘルツで、低い「ラ」は220ヘルツだそうです。つまり、私たちが聞いているすべてのドレミの音は、それぞれ周波数が決まっていて、その空気の震え方を私たちの耳が捉えて音が聞こえるのです。

 

なんだか、「音楽」の話なのに、算数や理科のようですね。こう考えると、音楽は、その周波数の組み合わせで、メロディーができており、私たちは、その歌を聞いて、うれしくなったり、元気が出たり、時には涙を流すのです。子どもたちが楽器を演奏するのも、周波数の組み合わせでできているだけなのに、どうして、私たちの心をこんなにも揺さぶるのでしょうか。

 

クリスマス発表会では、子どもたちの歌声や楽器の演奏に、周波数だけはでない、人に喜びや感動を与える何かがあるのを探しながら・・・子どもたちの晴れ舞台を見守っていくことにします。

2023年

12月

19日

社会人の学び直し

今日は、明日の発表会リハーサルを前に、子どもたちは、練習はそこそこに、屋上でたっぷりと遊びました。1・2歳児の園児が大根を引っこ抜きます。まだ、一人では抜けませんが、園長が手伝って、大きな大根が出てくると「わぁ~だいこんだ!」と大喜びです。収穫体験は、子どもたちにとっては、スーパーで並んでいる野菜が、畑ではどうなっているのかを学ぶきっかけにもなります。私が子どもの頃は、近所の農家の仕事を手伝ったりしたので、野菜がどう土の中で育っているのか、当たり前に知っていましたが、今の子どもたちは知る由もありません。ホワイトきゃんばすの子どもたちは、屋上ファームで学んでいます。

 

さて、私の大学時代の同期の一人が、かつて50歳を前にして「俺、今大学に通っているんだよ」と、いいおっさんが、笑顔で目を輝かせながら言っていました。リスキリング(学び直し)をやっていたのです。「学生たちは、自分の子どもの年代だけど、しっかりしてるし、とても刺激があるよ」と言っていました。

 

今、社会人向けのリスキリング講座を開設する大学が増えているそうです。大学が持つ専門性や研究成果などの強みを生かし、デジタル人材育成など、企業側のニーズを取り込むのが狙いです。もちろん、その背景には、18歳人口が減少するなか、社会人教育を新たな収益源に育てたいという思惑があります。

 

確かに、少子化で大学運営は厳しさを増しています。文科省の推計では、2022年に約63万人だった大学入学者数は、2050年には約49万人にまで減る見通しです。現在の大学の定員の2割分が埋まらなくなる計算です。よって、社会人向けの履修証明プログラムを開設している大学は、2017年度の163校から、2021年度204校に増加しています。

 

テレビCMでよく目にする、転職サイトを運営する「ビズリーチ」が、30歳以上の会員に行った調査によると、リスキリングに取り組んでいる人の割合は67.6%だったそうです。受講する会社員の目的は、「知識とスキルを高め、会社に貢献したい」が多いそうですが、「自身の市場価値を上げ、転職する際の大きな武器になる」という人も多いのでしょう。

 

「地域イノベーションプロデューサー塾」「マネジメント実践講座」「公共政策リスキリング講座」「社内グリーン推進リーダー育成プログラム」・・・こんなところが、大学が提供するリスキリング講座です。

 

しかし、リスキリングは、わざわざ大学に行かなくたって、民間事業者が提供する講座でいいのではないか・・・私も、民間企業で働いていた時の社外研修では、マネジメントにかかわる研修を受け、仕事にも役立ちました。

 

大学の利点は、知識やスキルを体系的に学べる点だそうです。例えば、インボイス制度の概要を知りたいだけなら無料動画を見た方が早いですが、制度ができた法的な背景や会計について幅広く学び、知識を応用したい人にとっては、関連する講座の多い大学の方が役に立つのです。

 

「終身雇用」という概念が、多くの企業でなくなってきた現代社会では、会社に残る人も、転職して自分をアピールする人にも、付加価値となるスキルが多くあった方がいいのです。社会人の学びのニーズは、絶えず変化しているのですね。

 

あぁ~私たちは、死ぬまで学び続けるのです。

2023年

12月

18日

木こりのジレンマ

保育園では、毎年年賀状を作成して、子どもたちのおうちに届くようにしています。といっても、内容は、子どもたちが描いた作品ですので、保護者のお楽しみですね。現在、職員が手分けをして、宛名を作成しポストに投函していますが、衝撃の事実を知りました。まずは、年賀状を知らない子どもたちの話です。小学校6年男子の18.6%、中学3年男子の22.9%は、前年に一通も年賀状を受け取らなかったそうです。(令和4年度日本郵政調べ)そして、さらに驚くことに、小学6年で自分の住所を正しく言える児童は60.6%しかいないそうです。平成24年には84.5%だったので、2割減です。手紙を書く習慣がなくなったのが大きな要因だと思われます。個人情報の問題で、友だちの住所を知らないこともありますが、なんだか寂しい限りです。

 

さて、今日は「木こりのジレンマ」の話です。必死に木を切っている木こりに、通りかかった人が言います。「斧がひどく刃こぼれしているよ。刃を研いだらどうだい」。木こりは、「分かっているけど、そんな暇はないよ」と答えるというエピソードです。

 

目先のことだけにとらわれて効率を考えられなくなっている。タスク(課せられた仕事・職務)のことで頭がいっぱいでスキル(技能や技術)を磨こうとすることが気にならなくなってしまうこと。の例えです。

 

実は、私たちは、多くの時間を「木こり化」して過ごしているのかもしれませんね。毎年、同じことをして忙しい日々を過ごしてしまう。「じゃ~仕組みを変えてみよう。考え方を変えてみよう」と、働きかけようとしても、多くの人は「負担」と言って、手を止めて刃を研ごうとせずに、刃こぼれしたままで仕事を続けるのです。人間という生き物は、前年踏襲型が楽に感じるのです。

 

でも、そんな中に、新しい風を入れようと意欲を持つ人がいます。風当たりが強くても、手伝ってくれる人がいなくても、ここは辛抱・・・アンテナを立てて、情報をキャッチし、自らもアウトプットする。そうしていると、必ず同士が見つかり、つながりができるものです。

 

もうすぐクリスマスですが、私たち大人は、待っているだけでは「サンタクロース」は来ません。大みそかの夜に「かさじぞう」が小判やご馳走を持ってきてはくれません。誰かに変えてもらうのではなく、当事者意識を常に持っていたいものですね。

 

まずは、「木こりのジレンマ」に自分はなっていないか・・・時々考えることから始めませんか。

2023年

12月

17日

魔法の文学館

数年前に、さいたま市の大宮区役所が移転して、併設された大宮図書館に卒園児の小学生を連れて行ったことがありました。この図書館は、今までの図書館のイメージを一新するようなつくりで、フリースペースがたくさんあって、階段状のステップスペースで、リラックスしながら子どもたちは好きな本を読んでいました。こんな図書館なら、きっと本好きの子どもになるんだろうなぁ~と思ったものです。

 

そんな子どもと一緒に本をのんびり読みたくなるような場所ができたようです。江戸川区に「魔法の文学館」が開館しました。ここには、児童文学作家の角野栄子(かどのえいこ)さんが選んだ約1万冊の本が並びます。

 

角野さんは、ご存じの通り、ジブリの映画になった「魔女の宅急便」の作者です。魔法の文学館の中には、魔女の宅急便に登場する「コリコの町」が再現されています。いちご色の子どもたちがわくわくするような空間です。

 

角野さんは、子どもの頃に読んだ「アラジンと魔法のランプ」で、ランプをキュッキュッと磨いて願いを言えばなんでもかなえてくれる・・・これを「なんか嘘くさい」と思ってしまったそうです。なんでも魔法でできてしまうのは面白くない・・・それは「魔女の宅急便」のキキに反映されているそうです。キキは、ドジで失敗もする魔女ですね。

 

角野さんが終戦後に読んで印象に残っているのが、竹山道雄の「ビルマの竪琴」だそうです。実は、私も中学の時に、この本が読書感想文の課題に出されたので、内容はよく覚えています。ビルマは、現在のミャンマーです。

 

戦闘で多くの兵士が死んでいくのをまざまざと見た水島上等兵は、ビルマで僧侶になります。仲間に、「水島、一緒に日本に帰ろう」と言われるが帰りません。死んでいった者たちをビルマに留まって、その魂を鎮めようと祈り続けるのです。「仲間と一緒に日本に帰ればいいのに」と・・・なんて、悲しい終わり方をするんだろう。と角野さんは思ったそうです。そして、物語は「ハッピーエンドが良い」と言います。

 

「魔法の文学館」には、物語を中心とした本が並んでいるそうです。並べ方はバラバラでジャンルや時代で分類もしていません。「自分の読む本は、自由に見つけてほしい」という思いからだそうです。角野さんは、「お薦めの過ごし方やお薦めの本はありません。お薦めがないというのがお薦め」と笑います。

 

子どもと一緒にテーマパークやショッピングに行くのもいいですが、たまには、子どもに「魔法の図書館にいって、好きな本を探してみよう!」と声をかけて、一日ぼっ~としているのもいいですね。慌ただしい日常の中で、贅沢な時間かもしれません。

2023年

12月

16日

クリスマスケーキの値段は「甘くない!?」

今日は小学生がいるので、「クリスマスケーキは何を食べる?」で話が盛り上がりました。「生クリームが苦手だから、チョコレートケーキにするんだ」「手作りもいいんじゃない?」「えっ!クリスマスケーキって買うもんじゃないの」「保育園では、子どもと一緒に作るママがいるよ」「ピカチューのケーキがいいなぁ~」「それって、小学生になったら、もう卒業しないとね」「ケーキじゃなくてアイスクリームケーキをうちは食べるよ」・・・こんな感じで、子どもたちの甘いケーキの話が止まりません。

 

しかし、今年のクリスマスケーキは、どうやら甘くない値段のようです。昨年も「値上がりしたなぁ~」感が強かったですが、今年も物価高の波が押し寄せています。イチゴは最大50%増、鶏卵30%、砂糖15%、牛乳20%、バター12%と、10月時点ですでに原材料が高騰しているのです。それに加えて、化粧箱やフィルムなどの資材や人件費、電気・ガス代も値上げしているので、いくら企業努力をしても、現状維持ができないようです。

 

洋菓子メーカー・百貨店・コンビニエンスストアなど100社を対象にした調査では、前年よりも価格を引き上げたのは81社もあるそうです。

 

クリスマスケーキをかつては販売する側だった私は、12月24日の夕方、惜しみなく大金を財布から出して、高額なクリスマスケーキを購入するお父さんの姿を目にすることが多かったです。子どものため・・・妻に頼まれて・・・理由はいろいろでしょうが、明らかに、普段からケーキを購入する習慣がないおじさんたちが、列に並んで買っていくのです。

 

そんな今年の、クリスマスホールケーキの平均価格は、何と4468円です。これは、前年の平均価格よりも325年増だそうです。あるデパ地下では、クリスマスケーキにかける平均予算が6077円で、昨年よりも1169円増えたそうです。デパートで売られるクリスマスケーキは、有名パティシエの限定ケーキであったり、付加価値いっぱいですので、どうしても値段が高くなりますね。

 

1年間で、一番ケーキが売れるのが、クリスマスイブの12月24日です。次が25日のクリスマス当日です。どうやら、世間のお父さんたちは、コストパフォーマンスでクリスマスケーキを決めるのではなく、「見た目の良さ」のようです。おうちに帰って、「わー凄い!美味しそう!」と子ども奥様に言ってもらえるように、ガンバレ!

2023年

12月

15日

時代とともに変わる「ヒロイン像」

朝から年長女子を中心に、布でテントを作り、素敵なキャンプ空間を作っていました。保育園の園児の中には、キャンプがライフスタイルになっている家族が多いので、こんな遊びにつながったようです。

 

さて、ハロウィーンパレードでの女の子の仮装一番人気は、「お姫様」です。ドレスを着たいという純粋な気持ちですが、ディズニーのヒロインたちは、時代とともに、その生き方が変化しているのをご存じですか。

 

「白雪姫」「シンデレラ」といった、ディズニー初期の作品にみられるヒロインの法則は、「①プリンセスとプリンスが出会うと恋に落ちる②真実のキスを交わすと呪いが解ける③二人は末永く幸せに暮らしました」というストーリーが基本です。不幸な境遇にいるお姫様だけど、最後には王子様が救ってくれる・・・こんな感じです。シンプルでほのぼのとしたストーリーですね。

 

そして、ディズニールネサンスと呼ばれる作品が登場します。「リトル・マーメイド」「美女と野獣」「アラジン」といった作品です。ここに登場するヒロインは、おしとやかで清楚で王子様を待つ受動的なヒロインではなく、活発で意志の強いヒロイン像が強調されます。美女と野獣のベルは読書家で、アラジンのジャスミンは宮殿を抜け出して町へ冒険に出かけます。それだけでなく「王子となければ結婚できない」という法律を馬鹿げていると改正させもします。ここで登場するヒロインは、王子に頼るのではなく、自分で夢をつかもうと動くし、身分の違いやハンディキャップを乗り越えて恋をするのです。

 

そして、女子の仮装ナンバーワン人気の「エルサ」が登場する、「アナと雪の女王」では、さらに時代を反映させたヒロイン像が描かれます。「王子様は、実は思い描いた人ではなかった」「王子様と結ばれることが最上のエンディングではない」ストーリーとなっています。この作品は、ディズニーヒロインの大きな転換点と言われ、「ありのままで」いる自分を肯定することが示されたのです。恋よりも自由が欲しい。自分を変えるチャンスは、同性を含む他者との対話から生まれ、ありのままの自分を愛することから始まるというメッセージです。

 

最新作の「ウイッシュ」には、ヒロイン・アーシャの友人として、「松葉杖でメガネをかけた」少女や、「存在感の薄い」少女が登場します。これは、ヒロインやヒーローが中心の構成だけではなく、身近なコミュニティーとの関わりだったり、それぞれの登場人物が持つアイデンティティーと向き合う物語になっています。まさに、多様性を認めることが当たり前のストーリーですね。

 

もちろん、ディズニー作品を作り上げるクリエイターは、今までにないものを描写するのが当たり前です。それは、結果的に時代の変化を取り込んだストーリーとなり、ヒロインは、その時代の女性像とかぶるのです。

 

保育園の子どもたちには、まだ難しい話ですが、大人の私たちは、ディズニーヒロインから、各時代における女性像を考えるのも、面白いですね。

2023年

12月

14日

居酒屋新幹線

 連日クリスマス発表会の練習をしっかりと行っていますので、屋上遊びの時間がいつもよりも短くなります。でも、雪化粧した富士山を見ながら、子どもたちは元気に遊んでいます。今日は、30メートル走をしました。自転車でもストライダーでも三輪車でもかけっこでも何でもありの競争です。自転車が一番速いと思ったのですが、何と「かけっこ」が一番です。30メートルでは、自転車が加速する前に、走り抜けるのです。 

 

「僕の仕事は内部監査。日本中を回る日帰り出張の日々。身も心も疲れるが、僕には密かな楽しみがあった。発車ベルがなるまで酒と肴を探してまわる。そして始まる。主は俺、客も俺一人の居酒屋新幹線」・・・毎回決まったこのオープニングで始まるドラマ「居酒屋新幹線」をご存じですか。

 

主人公の進(眞島秀和さん)は、日帰り出張で内部監査の仕事をすませると、新幹線の時間まで、その土地の肴、うまい酒を仕入れて、東京までの新幹線の中で「居酒屋新幹線」が開店します。進は、三人がけの普通席の通路側に陣取り、テーブルクロスを新幹線の小さなテーブルに敷き、持参のおちょこ、箸を整え、手に入れた戦利品を並べます。そして、注いだ酒を掲げて言うのです。「お疲れ様、おれ」と。

 

シーズン1は、東北新幹線を舞台に、新青森・八戸・盛岡・新花巻・仙台・福島・郡山などの駅が舞台となりました。それぞれの駅で、進が街を歩き、人に会い、仕入れた酒と肴の話が展開します。この食材とお酒を手に入れるまでのストーリーが、なんとも味わい深いのです。脚本は4名が担当し、女性の脚本家もいます。酒と肴だけでなく、デザートのスイーツにもこだわることもあります。男性目線だけではないのが、観ていて、グッとくるのです。

 

進は、新幹線で偶然隣り合わせた初老の男(モロ師岡)が、いわば師匠で、彼のスタイルを参考に、「居酒屋新幹線」を思いつくのです。師匠はこんなセリフを言っています。「うまいだけなら東京でいい。流行りのものならネットが教えてくれる。売りたいものなら広告を見ればいい。私はね、自分が味わってみたいものを探して歩く。もちろん当たり外れもあるんですがね、それもこの店(居酒屋新幹線)の味わいの一つなんです」

 

どうですか・・・この感じ、私は大好きです。かつてのサラリーマン時代。関西出張の帰りの新幹線では、さすがに「居酒屋新幹線」の進まではこだわりが深くありませんが、ただの駅弁&缶ビールはNGです。大阪梅田の「阪神百貨店」か「阪急百貨店」のデパ地下をうろうろして、酒と肴を買い求めます。定番の「ネギ焼き」は外せません。そして、キオスクでは売っていない、2個入りの「赤福餅」がデザートです。お金をそんなにかけなくても、至福の時間となるのです。

 

来年1月9日から「居酒屋新幹線」シーズン2がスタートするそうです。今度は、北陸新幹線と上越新幹線の駅が舞台となります。北陸日本海には、うまいものとうまい酒がたくさんあるので、楽しみにしています。

 

興味を持った人は・・・一度見てください。

2023年

12月

13日

不登校は親の責任!?

発表会ダンス「やってみよう」は、子どもたちの私服が衣装です。男子はキャップをかぶり、女子はリボンでオシャレに、派手な格好で踊ります。音楽もPOPなので、子どもたちの自由な衣装が映えます。本番でも楽しいダンスになりそうですね。

 

さて、児童生徒の不登校が増えているという報道は、テレビなどでよく目にするようになりましたが、2022年度に30日以上登校せず「不登校」とされた小中学生は29万9千人と、6年連続で過去最高を更新しています。同時に、親は追いつめられます。10月に滋賀県のある自治体の市長が「不登校の大半は親の責任」と発言し、不登校に悩む多くの親や関係者から、驚きの怒りの声が上がりました。

 

NPO法人「登校拒否・不登校を考える全国ネット」の中村代表は、「いまだに、『不登校は親の責任』『甘やかし』と考える人が一定数います。そうした人たちは、不登校の親の声を聞いたことがないのだと思います」と言います。

 

学校現場の教員は、「学校に来なくてもいいですよ」という対応は、最近のことで、親を責めるつもりはなくても、「頑張って学校に連れてきてください」と働きかけることがあります。その結果、さらに状況が悪化し、親は自分が悪いと自らを責めることになってしまいます。

 

全国ネットは、不登校の子どもを持つ親にインターネットでアンケートを実施し、574人から回答がありました。「不登校がきっかけで親に生じた変化は?」を選ぶ問いでは、「学校や社会への考え方や価値観が変わった」「自分を責めた」「孤独感、孤立感が増した」「家族との関係が悪くなった」など、親自身が追い詰められる状況が明らかになったのです。

 

私のような昭和世代の親は、自分が子どもの頃は学校に行くのが当然と思っていた世代です。多様な生き方が大事だと思いながら、いざ自分の子どもが不登校になると、情報もないため孤立し、どうしていいかわからなくなってしまうのです。

 

そんな中で、全国ネットの中村代表は、「親の居場所」が重要だと言います。居場所になるのは、地元の不登校親の会、教育委員会の教育相談センターや児童相談所、各自治体の教育支援センターなどだそうです。

 

子どもの不登校をきっかけに、親は仕事を辞めざるを得なくなり、経済的にも苦しくなります。子どもの不登校を機に、収入が減った世帯は約34%にもなるそうです。子どもをフリースクールに通わせると、さらに家計の負担が増えますね。

 

不登校新聞の茂手木さんは「不登校の親は繋がりと情報の2点が重要」と言います。つまり、「子どもが不登校になると親が責任を感じ、その先どうなるか不安を抱えるのは、モデルケースがないからです。そのためには、同じ経験をした親同士が集まり、話ができ聞ける場が必要。繋がりをつくり、情報を共有していくことが大事です」と語ります。

 

そして、「不登校の子どもが何に苦しんでいるかといえば、親が自分のことで悩み苦しんでいること。子どもは自分のことで、親を苦しめたくないんです。親が自分の人生を楽しく歩んでいてくれることが、子どもが元気になる一番の近道です」

 

どうですか・・・親が悩む姿を子どもは見たくないことは、間違いないですね。簡単ではありませんが、親は、時には子どものことを考えず、遊んだり趣味に時間を使ったり楽しく生きることも大事だということですね。

 

保育園ホワイトきゃんばすを卒園した小学生が不登校になり、母親の相談に乗ったことがありますが、「無理に学校に行かせることもないし、どうして?と質問攻めも決してやらないように」とアドバイスしましたが、親が楽しい人生を見せることが大事であることを今回学びました。

2023年

12月

12日

開けて楽しいクッキー缶

今日の寺子屋は、「カブトムシの幼虫観察」です。8月に生まれた幼虫が、どこまで大きくなっているか。衣装ケースに腐葉土を入れて飼っていましたが、腐葉土の入れ替え作業をしながら、幼虫観察です。たくさんの糞とともに、約7センチ、太さはちくわぐらいにまで成長した幼虫が、ゴロゴロ出てきました。全部で15匹です。7月にサナギからカブトムシになるところを観察しましたが、久しぶりのまん丸幼虫に、半分の園児が腰を引きます。しかし、半分は、何のためらいもなく触りまくっています。腐葉土を新しくして、土の上に幼虫を置くと、するすると土の中にもぐっていきます。 ということで、ちょっぴりゲロゲロの観察会となりました。

 

さて、今クッキー缶ブームだそうです。昭和世代の私にとって、クッキー缶と言えば「泉屋のクッキー」がすぐに思い浮かびます。昭和27年に創業し、日本で最初にクッキーを販売した泉屋東京店では、創業当初からクッキー缶を取り扱っています。あのシンボルマークの「浮き輪」は、「母が子を守る」「人の輪」を意味しているそうですが、今でも泉屋の象徴ですね。

 

実は、現在のクッキー缶ブームは1970年代に続き2度目だそうです。以前は、贈答用に大きなものが喜ばれたのですが、現在は自分用やちょっとした手土産に向く小さめサイズが主流だそうです。百貨店のデバ地下スイーツコーナーには、クッキー缶を扱うブランドが増えています。クッキーに特化した催事を開く百貨店もあるそうです。それだけ、集客が見込めるマーケットのようです。

 

クッキー缶の楽しみは食べ終わった後にも続きます。カード入れやそのままインテリアに活用されたり、円形の缶は多肉植物の寄せ植えの鉢にしたり、六角形の缶を置き時計にリメイクしたりして楽しむ個性派が増えているようです。保育園の卒園児の一人は、クッキー缶を「宝物入れ」として活用しています。卒園式での「園長からの手紙」も、その缶に入っているとのことです。また、メルカリでは、「お古」のクッキー缶が、高額で取引されているようで、今年の取引は、3年前の2倍だそうです。

 

スイーツは、ご飯やパンなどの主食ではないので、食べなくても人は生きていけますが、スイーツを口にすると、「幸せな気持ち」になります。これが、心を落ち着かせたり、また明日がんばろう!という気持ちになるのです。人生には欠かせないものですね。

 

クッキー缶は、缶のデザインを楽しむのもいいですし、「中にどんなクッキーが入っているのだろうと蓋を開けたときにも驚きや喜びがあります。ベタな言い方ですが、幸せを引き起こす要素がたくさん詰まっているのかもしれませんね。

 

みなさんのおうちにも、お菓子の缶がどこかにあるんじゃないですか。今日おうちに帰ったら、缶が醸す懐かしさを楽しんでみませんか。

2023年

12月

11日

教科書を超えた学び

クリスマス発表会まであと2週間…これまでの練習の成果が出ています。劇では、流れるようにセリフを口にする子どもたちです。年少園児の中には、セリフがすぐに出てこなかったり、声が小さかったりする子もいますが、本番までに完成度をあげます。「王様の耳はロバの耳」の床屋役は、テレビに出てくる子役顔負けの演技力です。

 

さて、今日は、小学校高学年の理科の授業の話です。私が小学生の頃も、理科の実験は、ワクワクドキドキ・・・カエルの解剖など、今思えば残酷な場面も「好奇心200%」でしたね。

 

では、今の子どもたちは?

 

もちろん、どんな結果が出るだろうとわくわくしながら実験に取り組む子もいれば、「よく分からない」「教科書読んだから知っています」「塾で習ったよ」とつまらなそうな表情の子もいます。

 

そこで、電磁石の授業を担当した先生は、実験を通して、「流れる電流を大きくしたり、コイルの巻き数を増やしたりすると、電磁石の磁力が強くなる」と、教科書にあることを教えます。通常の授業なら、この結論をもっておしまいです。しかし、この先生は「では、同じ巻き数で同線の太さを変えるとどうなりますか」と子どもたちに問いかけます。

 

すると、子どもたちの表情は一変します。慌ててノートや教科書を開いて答えを見つけようとしたり、「電流が流れる道がひろくなるから・・・?」「でも、巻き数はおなじだよ?」と、子どもたちが活発に議論を始めます。塾で習ったというこの目付きも真剣です。やがて、「そうゆうことか!」「分かった」という声が聞こえ始め、理科室の空気が生き生きと変わっていくのだそうです。

 

まさに、教科書に掲載されている「答え」の先の問題ですね。教科書を超えた学びは、子どもたちが「自分で考える」という流れになっていくのです。この場合は、「分かる」を引き出す授業ですが、子どもたちが楽しみながら参加している光景が目に浮かびます。こんな授業が、もっとたくさんあるといいですね。