幼児教育140年を振り返る

昨年は、明治9年に東京女子師範学校附属幼稚園(現お茶の水女子大学附属幼稚園)が開園してから、140年でした。

 

この節目の年に、幼児教育の振興に向けて、有効な政策立案につなげることを目的に、幼児教育センターが開設されました。同センターが先月開催したシンポジュウムでは「幼児教育140年の歴史から未来を考える」と題し、幼児教育の将来の展望が示されました。

 

たいがい、こういったシンポジュウムでは、「総論」が、難しい言葉で表現され、なんだか、わかったような・・・わからないような、あいまいな感じで終わるのが、多くのパターンです。私は、このシンポジュウムに参加していないので、憶測で発言しますが、140年の過去の歴史に多くの時間がとられ、最新の研究動向などの現在進行形の話が続き、これからのビジョンや方向性は、ほんの少し・・・と感じます。

 

「幼児教育の質」プロジェクトでは、保育や教育の質について、海外の評価指標を導入することで、客観的に評価する方法を研究しているとのことです。これも、現在進行形の話で、「具体的な結論は、次回の報告会で・・・」となるのでしょう。

 

幼児教育の重要性をうたうのであれば、もっと子育てママにもわかりやすくしなければなりません。ホワイトきゃんばすでは、とても簡単に説明がつきます。

 

「小学校に入学する6歳までに、脳の大きさは大人の90%にまで成長します。体の成長よりも遥かに速いスピードです。この大切な幼児期に、集団生活という環境で、他の園児から多くの影響を受け、様々な成長をし、社会性を身につけていくのです。ホワイトきゃんばすでは、異年齢のタテの人間関係が子どもたちの成長を促し、大人になってから、生きる上でとても大切な『自分で考えて自分で答えを出せる人』になるようにアプローチをします」

 

これは、あくまでも「総論」「コンセプト」にあたる内容ですが、具体的でわかりやすいですね。そして、この内容を実現するために、ホワイトきゃんばすが行っている具体的な活動内容へと、落とし込まれるのです。

 

来年の平成30年度には、「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」が改訂されます。ここに盛り込まれる内容は「総論」です。各保育園や幼稚園は「各論」にあたる具体的な、指針(コンセプト)や活動内容が重要になります。

 

「保育の質」は、1つのモノサシでは、とうてい測ることはできません。利用する保護者の考えや子どもの特性によって、「ここがいい」「あそこがいい」と変わるものだからです。国が取り組むべき内容は、評価方法の研究よりも、利用者である保護者が、「保育・教育の自由」を享受できる環境を作ることです。「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」という保育教育理念を守りながら、その具体的なやり方に「自由」を与えることが大切です。

 

「幼児教育の目的は〇〇だ。ただし、やり方は、できるだけたくさん考えて、すべての子どもたちが、選択できるような幼児教育環境を日本に作っていこう!」これが、理想だと思っています。