保育所保育指針改定

昨日は、台風の豪雨の中、保育研修がありました。「保育所保育指針の改定のポイントと保育実践に求められること」という内容です。

 

今年は、厚生労働省の児童福祉法が基礎となる「保育所保育指針」と文部科学省の学校教育法が基礎となる「幼稚園教育要領」の改訂版が告示され、来年度の平成30年度から実施されます。

 

縦割り行政の弊害とまでは言いませんが、大まかに区分すると、保育園は、子どもを養護する場所で幼稚園は子どもを教育する場所と分けていたところがありましたが、保育園だろうと幼稚園だろうと、子どもを保育し教育する事には変わりないとの認識から、今回の、保育所保育指針と幼稚園教育要領をすり合わせた内容が、反映されています。

 

さらに言えば、保育園と幼稚園の機能を合わせた認定こども園教育・保育要領というのもあります。今回は、平成20年以来の9年ぶりの改訂となります。

 

細かい改訂ポイントは、ここでは省きますが、この1冊に、保育園で行われるべき項目が、総論として述べられています。いわば、保育上の基本スタンスが書かれています。これをもとに、各保育園で、特色ある「各論」を実践するのです。

 

最近、小学校、中学校の「イエナプラン勉強会」の先生と話をする機会が多くなったのですが、「机や椅子を下げて、車座に座って授業をすることや、一人一人の学びのペースに合わせて、授業を進めること」などは、特別な事でも、今までの授業を否定するものでもなく、あくまでも、学習指導要領にある総論に対して、各論にあたる具体的な授業をそれぞれの先生が考えて行っているのです。

 

ホワイトきゃんばすが行っている、一風変わった活動やイベントも、すべては、子どもたちの成長につながる、保育所保育指針の総論からスタートした各論なのです。

 

さて、昨日の講師の話の中で、強く印象に残ったことがあります。「教育は、大人が主語ですが、学びは子どもが主語になります・・・」というコメントです。私たちは、「教育」ということばかりを追いかけ、子どもたちの「学び」の姿を忘れてしまっているのかもしれません。先生の仕事は、子どもたちに「教育」という教えを伝える事よりも、むしろ、子どもたちの学び合いをいかに引き出すアプローチを行うか・・・これが大切であると、あらためて思った次第です。

 

先生の仕事は、舞台に立つ子どもたち一人一人が、それぞれの能力や役割を発揮できるように、その演出をすることが大事です。一流のアスリートのコーチも「教える」ことではなく、「引き出す」ことをしているのです。