子どもの長所一覧表

ある中学校の取組みです。家庭訪問の際に、校長から担任へ宿題が出されました。

 

「保護者の皆様からお子さまの良いところ、伸ばしたいところ、特技、夢、希望などを聞いてきてください。そして、学級の名簿に一覧にしてください。欠点は必要ありません。これは、私から担任の皆さんへの宿題です。よろしくお願いします」という課題です。

 

ある若い担任は、家庭訪問の様子をこう校長に報告します。「生徒のお母さんにお子さまの良い点を教えてください申し上げたら、最初は『うちの子に長所なんかありませんよ』とおっしゃったのですが、どんな小さなことでも教えてくださいと頼んだところ、『弟や妹の面倒をよく見てくれるし、優しくて母親思いで家事の手伝いもよくしてくれるんです!』と、うれしそうに答えてくれました」

 

最近では、家庭訪問を行う学校が少なくなってきていますが、保護者面談など、担任が保護者と話をする機会はゼロではありません。この中学校では、担任が保護者の思いを受け止め、保護者と学校が子どもの良さを共有し、その伸長に向けて、ベクトルを合わせることが重要と考えています。

 

そして、生徒の長所一覧表を作成し、冊子にまとめ、全職員に配布するそうです。これは、教科担任制である中学校教員にとって、授業を進める上で、宝物のような存在です。生徒を褒める時ばかりでなく、叱る時にも、生徒の良い側面を踏まえた上で、指導ができるので、担任を持たない教師や部活動顧問には、特に好評だそうです。

 

どうですか・・・もう中学生になれば、大人が発言する「うわべだけ褒める」ことをすぐに見抜いてしまいますね。保護者の本音と担任が一緒になって見つける子どもの長所は、本質をついているだけに、有効に活用できます。

 

一度、我が子の「長所一覧表」を作ってみませんか。もちろん、欠点の記述はなしですよ。(笑)