企業が食育

屋上ファームでは、毎日のように「えんどう豆」の収穫を子どもたちが行っていますが、夕方の自由時間は、給食の先生と子どもたちが、収穫した絹さやのスジとりをしています。意外にも子どもたちは、器用にスジをとります。そして、給食で食べるのですが、これは、立派な食育です。

 

さて、企業が、利益追求以外に社会貢献が求められるように、時代が変わってきています。ホワイトきゃんばすでも、カゴメからトマトの苗やカルビーからジャガイモの種芋を協賛してもらったことがあります。

 

食品会社は、食育を通じて、社会貢献活動を積極的に行っているところが多いですね。今日は、キッコーマンの話です。

 

キッコーマンは、平成16年に「食育プロジェクト」を立ち上げ、「健やかで楽しい食生活をおくるために役立つ『食』に関わる情報、知識、体験を提供すること」という考えで独自の食育活動を行っています。

 

小学校3~6年を対象にしょうゆ工場の見学会を実施し、しょうゆ造りも体験できます。また、出前授業では、小学3、4年生を対象に「キッコーマンしょうゆ塾」を行っています。社員が二人一組で小学校に出向き、クイズや体験を交えながら、しょうゆの原材料や造り方などを子どもたちに講義をするそうです。

 

学校対象の取り組みだけでも、年間200~300コマになるそうです。興味深いのは、講師は登録制で、出前授業のセミナーに参加することで講師になれるそうで、登録者数は約240人もいるそうです。

 

これは、企業が、食育を通じて子どもたちの育成に貢献するだけでなく、働く社員が、社会とのつながりを実感する場になっているということです。いつもは、厳しい仕事を行っている社員が、子どもたちと出前授業を通じて、コミュニケーションをとることは、間違いなく仕事への活力につながりますね。

 

企業の食育は、企業側からの一方的な取組みと思っていましたが、企業に働く社員にとっても、子どもたちから元気をもらっているのです。そして、子どもたちは、学校では教えてくれない「よのなか」を学ぶことができるのです。

 

このような取組みが、さらに広がってもらいたいですね。