神秘の渓谷

2004年に公開された映画で、若き頃の上野樹里さんが主演した「スウィングガールズ」という映画を覚えていますか。東北の片田舎の落ちこぼれ女子高生が、ビックバンドを組んでジャズを演奏する青春映画です。

 

当時は、まだ無名の上野樹里さん主演ということもあり、注目されていなかったのですが、次々と全国でロングランロードショーのヒット作品となり、当時は、楽器店の管楽器の売上がアップするという社会現象までになった作品です。

 

そんな「スウィングガールズ」の舞台は、山形県置賜(おきたま)地方です。山形鉄道フラワー長井線が走る、米沢市、長井市、高畠町などがロケ地となりました。もう15年以上前の作品ですが、私の長女が、小学校の吹奏楽部の活動を始めるきっかけになった作品ですので、よく覚えています。

 

昨日は、山形県長井市にある、ガイドブックには載っていない秘境の地に行ってきました。三淵(みふち)渓谷という所です。山形県で一番大きい長井ダムのさらに上流へ進みます。

 

そこから、救命用ゴムボートに乗って、約1時間の神秘の渓谷への探検が始まります。久々に冒険心に満たされ、ワクワクドキドキになります。

 

断崖絶壁が続く小さな渓谷は。川幅5メートル以下と狭いので、ボートでしか行けません。冬場は大雪で立入り困難な場所となり、雪崩が岩を侵食し、ほぼ直角に近い絶壁へは人が立ち入ることができず、手つかずの野生の動物天国となっています。

 

ガイドの話では、年に数回、ツキノワグマが川を泳ぐ姿を見ることができるそうです。犬かきならぬ「クマカキ」で、上手に泳ぐそうです。カモシカやサルなども時々姿を見せるとのこと。

 

この日は、所々に咲く「山桜」が満開でした。白い花がきれいな「雪ぼたん」も咲いています。新緑が少しずつ広がっています。そして、渓谷にたどり着くと、風景が一変し、静寂で神秘的な空気に包まれます。今風に言えば、マイナスイオンガンガンのパワースポットといったところでしょう。水面には、風景が映り込み宙に浮くような感覚になります。

 

ゴールデンウイークには、有名観光地は人でいっぱいですが、まだ知られていない・・・しかも、神秘の秘境探検に、優越感とドキドキ感が混ざり合って、大満足の一日でした。大自然にさえずる鳥の鳴き声にも心が洗われます。

 

しかし、ここも、ガイドブックに掲載されるようになって、有名観光地になってしまうのかもしれませんね。