20年前の日本の教育

昨日は、JRグループのダイヤ改正がありました。コロナ禍を反映して、終電の時間が前倒しになっていますね。今から30年前のダイヤ改正で、東海道新幹線に「のぞみ号」が登場しました。東京→新大阪間が今まで「ひかり号」で3時間かかっていたのを30分も短縮したのです。あまりにも速くて、私もかつて東京から神戸へ出張する時に、パソコンで仕事をすると、酔ってしまうほどでした。

 

今では、東海道新幹線の6割が「のぞみ号」だそうですが、リニア新幹線が開通する時には、のぞみ号の役割は終わるのかもしれませんね。

 

さて、20年前のある小学校での外国人ALTから見た日本の授業です。子どもたちに「どこの国が好き?」という質問に「スイス」という答えが返ってきます。「なぜスイスなの?」と問い返すと、「だって好きだから」としか答えません。そのALTは「景色がいいから?永世中立国だから?それとも・・・」と、根拠の大切さを伝えようとしたら、英語教師が「やめてください。それ以上問い詰めると英語嫌いになります」とALTを制したそうです。

 

また、その英語教師が修学旅行を英語でリポートさせたいと言ったので、ALTは自分の知っている英文や単語を総動員して文章を書くことは、考える力を付けると大賛成したのですが・・・授業で英語教師は「これを参考に書きなさい」と見本を配ったそうです。子どもたちは、当然、考えることなくみな同じ、見本通りのレポートを完成させたそうです。

 

このALTは、小学生の頃に日本について書いたリポートが特選となり、日本への憧れを抱いてやってきたそうですが、こんな教育現場の現実を見て、「私の価値観は理解されず、ここに存在意義はない」と思い、日本を去ったそうです。

 

私が小学校のPTA会長をやっていた時が、15年くらい前でした。先生インタビューをつないだ企画を「PTA会長つうしん」で、発行しようとすると、当時の教頭先生から「前例のないことはやらないでください」と言われたことがありました。「新しい企画をどんどん繰り出して、現状を変えていきたい」という私の価値観は全否定されたのです。(笑)

 

この20年で、日本の学校は変わっていきましたね。個々が考えることをきちんと共有していこうというスタンスが、当たり前になってきたように思います。イエナプランの勉強会で知り合った先生たちは、その最先端をいっている印象です。

 

保育園の先生の仕事も、「良いこと悪いこと」の判断がつかない園児たちに、教えることが多いですが、やはり、子どもたちの考える力をのばし、「どうして?なぜ?」の根拠を大切にするよう導くことですね。