複業先生

連日のプール遊び・・・ボランティアの保護者も日替わりで参加していただき、子どもたちは「○○ちゃんのママ」「○○くんのパパ」とのかかわりも楽しんでいます。子どもたちが成長するにあたって、自分の親と先生以外の大人とのかかわりは、とても大切ですね。

 

さて、保育園の保護者には、小学校の教員がいますが、ある保護者は、昨日今日と民間企業での研修を行ったそうです。研修とは、実際に民間企業での就労体験です。学校の先生は、子どもたちに様々なことを教えるわけですが、学校の勉強以外にも社会のことを教えないといけません。民間企業での研修は、学校組織と違うことを学ぶので意義があります。

 

今日は、「複業先生」を紹介します。学校で外部講師として授業したい人と学校や先生をオンラインでマッチングするサービスです。冒頭の保護者のように、先生が民間企業で学ぶと同時に、学校も教員以外の人を受け入れて、子どもたちに授業をすることで、新しい社会の窓を広げています。

 

「複業先生」の運営責任者は、実際に公立小学校の先生でした。その中で、子どもたちにしてあげたいことがあっても、制度上できないことが多くあったそうです。地域間格差や学校が社会から取り残されている状況を解消したい思い、平成30年に創業しました。

 

教員以外の人が学校で授業をするメリットは生徒にも教員にもあります。そこで、学校とのかかわりがある「学校関係人口」を増やしたいと考えているそうです。現在、先生方は保護者から多くの要求もある中、困っていることを自ら発信できる人ばかりではありません。声を上げられない状況があるので、学校に様々な人の目を入れて、教員が集中したい仕事に意識を向けられるようにするための活動でもあります。

 

以前、高校で社会人やフリーランスの人など複数の人を学校に呼んで仕事の話をする授業をしたそうです。ある生徒は、音楽配信に興味があったのですが、ネット上で配信することは「良くないこと」だと考えていたそうです。その授業での講師に「やってみたらいい」と後押しされて、考え方が変わったそうです。

 

先生の中には、外部の人を呼ぶことを不安に思う人もいるでしょう。しかし、子どもたちが新しい経験をする機会が増えると考えれば、この活動を広げる意味が分かってもらえると思っています。

 

私がPTA会長をしていた時は、「学校関係人口」の一人でした。今は、保育園の園長として、小学校とかかわっています。様々なバックボーンを持っていることが、「学校関係人口」の大きな強みですね。