シニア専門のタレント事務所

屋上ファームに鬼のように生えている野草を意を決して引っこ抜き、秋のファームの準備を進めました。今日の寺子屋では、ジャガイモと玉ねぎを植えました。あまりにも気温が高いので、種イモが腐ってしまわないか心配ですが、明後日頃から、ようやく秋の気候の予報です。11月に収穫予定のジャガイモは、「いも煮会」(煮込みうどんを屋上で食べる給食)で、ファームで収穫する大根などと一緒に食べます。子どもたちも、目的があると、一生懸命になりますね。

 

さて、今日はシニア専門のタレント事務所を運営する平岡史衣(ひらおかふみえ)さんの話です。まだ28歳です。「アンコールプロダクション」は、大阪市で50歳代から100歳代まで、200人以上が所属するタレント事務所です。タレントたちは、「お金を稼ぎたい」とうよりも「おもしろい体験をしたい」というのが、応募の主な動機だそうです。

 

平岡さんは、大学を卒業後、看護師として京都市内の病院に勤めました。そこで、入院中の高齢者が、こう口にするのをよく聞いていたのです。「家に戻っても、楽しいことがない」と。胸が痛んだそうです。気持ちが弱まったままの状態では、本人の幸せにつながらないのではないか。おじいちゃんやおばあちゃんに、何か生きがいを持ってもらえるお手伝いができないだろうか。色々な人と話しているうちに、タレント事務所の設立を思いついたそうです。

 

事務所に応募してくる人の背景は様々です。長年勤めた会社を退職後、新しいことに挑戦したい人。夫や子どもの世話からようやく解放され、自由な時間ができた女性。また、専業主婦を60年やってきたことも誇れる経験だと考えているそうです。

 

依頼される仕事は、健康食品や化粧品などのテレビコマーシャルへの出演、本の表紙のモデル、訪問介護事業所のホームページに載せる利用者役の写真など、様々です。学校から「戦争体験を語ってほしい」と依頼されたこともあるようです。

 

コロナ禍が落ち着いて、このプロダクションにも、ようやく仕事の依頼が増えてきたそうです。

 

どうですか・・・日本は世界一の高齢化社会です。昨日の敬老の日に、10人に1人が80歳以上というデータが発表されたばかりです。長生きすることは、素晴らしいことですが、体だけでなく心も健康に長生きしたいものです。「アンコールプロダクション」で働く、シニアの方々は、まさに、仕事を通じて元気を取り戻し、さらに輝いているのです。そんなシニアが日本に増えれば、高齢化へのマイナスイメージもなくなっていくのです。