大奥

保育園の寺子屋園児が毎週行っている体操教室。ここで、一昨日の秋分の日に、オプションとして、速く走る「走り方教室」が行われました。そこに、なんと5人の園児が参加したそうです。「運動会で速く走りたい!負けたくない!」という子どもたちの気持ちから、全員自主的に「参加したい!」とパパママに頼んだようです。

 

教室では、腕の振り方、足の運びから、スタートの笛にいかに早く反応するか・・・など、実践前の理論的な内容が中心だったそうなので、あとは、子どもたちが練習でどれだけ伸ばせるかですね。「運動会で頑張って勝ちたい!」という目標に向かって、チャレンジする子どもたちです。

 

さて、今日は、NHKでドラマ化にもなった「大奥」の話です。江戸時代の将軍が女性だったら・・・というパラレルワールドを描き、一大ブームとなりました。この作品は、ジェンダー的視点から、海外からも関心が高いようです。本作の最大の魅力は、江戸時代に実在した将軍が女性であり、男女の役割も逆転するという一見奇抜な発想の下、フィクションを交えながら史実に基づいた展開が丁寧になぞられているところです。

 

事の始まりは、赤面疱瘡(ほうそう)という若い男性だけがかかる謎の病気に、男性の人口が激減し、三代将軍徳川家光が発病し亡くなったことから、春日局が、やむを得ず家光の私生児である、少女千恵を家光としてすり替えることを発案。そこから、女性将軍の系譜が始まります。今までの大奥総取締や側室は男性が務めます。

 

家光から15代将軍慶喜まで、多様な将軍たちが数奇な運命に翻弄されるのですが、今までは男性側の視点から描かれることの多かった政治の世界や、地位のある仕事に就く者の苦悩などが、女性の立場から描かれます。

 

「大奥」は、歴史上のエピソードを基にしているので、完全なフィクションではないのですが、結局、男性・女性のどちらであっても、歴史の事実は変わらなかったのかもしれないと想像させられます。

 

「男性らしさ」「女性らしさ」という価値観は、その時代の環境や利害関係によって変化してきました。「大奥」を読むことで、自分の中で固定概念化していた「男性/女性」というくくりを、解き放してくれるのです。

 

「大奥」がこれほどまでに、幅広い世代に称賛されるのは、江戸時代の中の仮想世界を描きながら、現代の私たちの価値観や常識をぶち壊してくれるからかもしれませんね。