時間をやくパン屋さん

保育園も10月に突入し、運動会に向けて子どもたちのやる気が加速しています。朝は、全園児でダンスの練習をし、寺子屋園児は「組体操」の練習を続けます。2人組・3人組のフォーメーションを確認しながらゆっくりと進めます。「ピラミッドで上に乗るのは○○君だよ!間違えないで。馬になったお友達も顔を上げて!」なんて、先生の声が飛びながらの特訓が続きます。その後、西文ひろばに移動して、30メートル走・サーキットレース・紅白対抗リレーを行います。子どもたちは、勝った負けたで一喜一憂しますが、一人一人が確実に足が速くなっています。まさに、継続は力なり・・・です。

 

さて、今日は「時間をやくパン屋さん」という子ども向けの本を紹介します。なんだか興味がそそられるタイトルですね。

 

主人公は、小学校3年生のピーターです。ある日、クラスのライバルと、好きな女の子の前で決闘となったものの、女の子の前で恥をかいてしまいます。傷心のピーターがたどり着いたのは小さなパン屋さんです。看板には「時間をやくパン屋」とあり、おいしそうなパンがずらりと並んでいます。「どきどき初恋ケーキ」など、どのパンも不思議な名前です。

 

実は、この店のパンはオーダーメードです。依頼主が特別に記憶しておきたい時間をパンに込めて焼いています。食べると、その瞬間の味や香りが再現されるといいます。ピーターが店内にいると、次々と依頼主が訪れます。

 

ある男性は、子どもの頃のサッカーの試合の記憶をよみがえらせます。初めてシュートを決めた感激の瞬間が忘れられないと、「しびれる初ゴールのドーナッツ」を注文します。また、ある男性は、初めて赤ちゃんが生まれた時のことを思い出して、「パパデビュー。つめの形のクロワッサン」をオーダーするのです。

 

そして、ピーターにもパン屋のおじさんが、何か一つ焼いてくれるといいます。ピーターは、これまでの人生を振り返り、焼きたい時間を考えるのです。そして、ピーターが選んだんのは・・・・・・・というストーリーです。

 

私の幸せの定義の一つに「想い出がたくさんあること」と思っています。よく考えてみてください。欲しい物は、手に入れるまでは、わくわくしますが、いったん手に入れると、いっぺんに覚めてしまった経験はありませんか。子どもが、泣きながらおねだりしたおもちゃをおじいちゃんおばあちゃんが買ってあげると、とたんにほったらかしになるのと同じです。

 

モノは幸せに必ずしもつながらないことが多いですが、素敵な想い出は、その人の人生をずっと豊かにさせてくれるのです。

 

ここからは、まじめな話ですが、保育園でも、いかに子どもたちの素敵な想い出につながる時間を作っていかないと・・・と思うおやじ園長です。もちろん、日常があって、時々ある非日常をどう演出するかですね。今、運動会の練習を鬼のように行っているのも、運動会の思い出を大きなものにしたいからです。

 

どうですか・・・「なんだよ~過去の思い出に浸ってばかりかよ~」なんて言わないで、年齢を重ねても、ずっと消えることのない、素敵な想い出をたくさん作りたいものですね。