仲間と課題へ挑む

昨日登園した小学4年男子の母親から、7月に2泊3日で行われる林間学校の説明会の話を聞きました。さいたま市西区の小学校では、5年の林間学校に「舘岩(たていわ)少年自然の家」で宿泊体験を行います。福島県の山奥で、自然以外には何にもないと言っていいくらいの場所です。ここは、さいたま市の教育委員会が管轄しているので、人事異動では、教員が2年限定とかで赴任するのです。小学5年の林間学校と中学2年のスキー教室で、児童生徒を指導するのがメインの仕事になります。

 

全国には、このように教育委員会が管轄する「○○青少年自然の家」のような施設がありますが、今日は岐阜県高山市にある「乗鞍青少年交流の家」に赴任した教員の話です。先生は、愛知県内で20年間保健体育教員をしていました。「生徒の様子は、この20年間で大きく変わってきている。インターネットで欲しい情報を簡単に手に入れることができる一方で、実体験を通した学びの機会が減っているように感じる」と語ります。

 

先生は、ここで多くの体験活動を通じての子どもたちの成長を見てきたそうです。小学校5・6年のアドベンチャーキャンプで、滝つぼに飛び込む活動を実施したところ、はじめは、なかなか飛び込めない子が多かったようです。すると、友だち同士で話し合い、慣れるために低い岩場から飛び込んでいき、徐々に高い岩場から飛び込む工夫で、最後には全員が目標の高さから飛び込むことができたのです。「頑張れ!」と声を出し合いながら、目を輝かせて楽しんでいた姿に感動したそうです。

 

この話を聞いて、保育園ホワイトきゃんばすでのサマーキャンプのあるシーンが蘇ってきました。嵐山渓谷の岩の上から、川へ飛び下りるミッションが、3年位前から定着しているのですが、ここでは、まわりの園児たちが、挑戦する園児に「大丈夫・・・ライフジャケット来ているから、浮き上がってくるよ。俺にもできたから○○君も大丈夫」といったエールが飛び交います。そして、成功すると賞賛の拍手が待っています。水の中から顔を出した園児の達成感に満ちた笑顔は、本当に最高です。

 

土曜日に登園する小学生は、サマーキャンプのことは鮮明に覚えていて、これからサマーキャンプを経験する後輩たちに、目を輝かして体験談を話しています。岩の上から川への大ジャンプは、「怖かったけど・・・1回成功すれば、面白くなるよ」と。

 

自然を通した体験活動で、仲間と協力し、意見を出し合い、挑戦する経験は子どもたちの成長にかけがえのないものを残してくれます。大人になるまでに、積極的に挑戦する心や、仲間と協力して問題解決をしていくような人になっていくのです。

 

保育園でも、さらに体験活動を充実させて、子どもたちが自分で、豊かな未来を切り開いていけるような、そんな力になりたいですね。