お寺プロレス

今日は朝からいい天気です。何より風がないのがうれしいです。この1週間は、強風との戦いを子どもたちは強いられました。今年は暖冬でしたが、冬らしい寒さを今になって感じますね。

 

さて、寺の境内でプロレスラーが宙を舞い、激しい技を繰り出す「お寺プロレス」が、昨日、埼玉県越谷市の「安国寺」で開かれたそうです。主催は、安国寺の副住職で現役女子プロレスラーでもある「雫 有希(しずく あき)」さんです。

 

雫さんは、ある時は仏様の前で念仏を唱える僧侶。そしてある時は実力派の女子プロレスラーです。まるで、キューティーハニーのようですね。(笑)

 

実力派と言ったのは、彼女が大学時代に、全日本レスリング選手権大会67キロ級で銀メダルを獲得するという結果を残し、女子プロレスラーへの道を歩み出したからです。中学生の時にプロレス観戦をし、その魅力にはまり、母親に「プロレスラーになりたい」と訴えると、まずは「アマチュアレスリングに挑戦しなさい」と言われます。母親は、厳しい練習に音を上げて、プロレスへの道を断念すると考えたそうですが、結果は、実力派女子レスラーが誕生したのです。現在は、伝説の女子レスラー、長与千種さんの「マーベラス」に所属しています。

 

そして、もう一つの雫さんの顔は僧侶です。親の実家である安国寺はもともと親戚が継いでいたようですが、その方に子どもがなく、雫さんの父が住職を引き継ぐことに。それによって雫さんが18歳の時に寺の後継者となったのです。「仏教のことも知らないし、すごく反発しました。でも好きでもないお坊さんと結婚して継がされるくらいなら自分が僧侶になった方がいいと思って、僧侶の資格を取ったんです」と言います。月に1回行う「念仏会」や法要など、僧侶の務めにも力を注いでいます。

 

お寺プロレスは、チャリティーで行われ、集まった募金は、「きらきら太陽プロジェクト」という事業団体を通じて、乳児院に寄付されています。この慈善事業団体の主宰も雫さんが務めています。3足のわらじを履いているのです。

 

雫さんは、静と動という対極にも思える僧侶とプロレスラーには共通点があると言います。「僧侶は人の悩みや苦しみを受け止めて導くのが役割。プロレスは相手の技を受け止める中で勝機を見出すスポーツ。他者を受け入れるという姿勢は同じなので、私の中では

2つの仕事に違いは感じません」

 

一度、レスラー雫有希のラリアットを境内で観戦したいですね。