きょうはおやすみします

昨日登園した卒園児は、3年生~5年生の4人でしたが、新しいクラスの仲間と担任について、今は、様子見といった感じです。この4人は、今まで、不登校になったことはありませんが、保育園ホワイトきゃんばすの卒園児には、不登校経験者もいます。保護者から相談されることもありましたが、「こうすればいい」という効果的な解決策は、簡単には見つかりません。

 

新1年生の11人は、校内のオリエンテーション中で、まだ授業も始まっておらず、「学校がいやになった」という声は、一人も聞いていません。入学にあたって、「学校は楽しいところだよ!」とさんざん話をしてきましたが、新1年生にとっては、やはり「百聞は一見に如かず」で、自分たちの目で、どのように小学校が映っているか・・・気になるところです。

 

今日は、「きょうはおやすみします」という、小学校低学年向きの絵本を紹介します。

 

主人公はコトブキ小学校のてんこちゃん。緊張したり、不安になったりすると頭の中に「どうしようオバケ」が現れます。ある日、てんこちゃんは熱が出て学校を休みました。でも熱があると分かる前から、学校に行きたくないと思っていました。それから、しばらくたったある朝、また「学校に行きたくない」という気持ちになり、勇気を出して両親に言うと、2人とも学校に行きたくないときがあったよ、と思いがけないことを言われます。ある時、授業でみんなと話をしていると、他の子たちも学校に行きたくない日があるという話になり、自分だけではないことに、てんこちゃんはホッとするのです。

 

てんこちゃんの両親や、友だち、担任が「学校に行きなさい」と強要することなく、寄り添う話です。

 

子どもが不登校になった時に、「何が原因で行きたくないのか」という、明確な理由がないことの方が多いのかもしれません。「なんとなく行きたくない」「体が動かなくなる」のです。

 

この絵本に出てくる「どうしようオバケ」は、てんこちゃんがよりよい展開を求めるための葛藤なのです。だから、ここは、まわりがとやかく答えを押し付けるのではなく、てんこちゃんが、自分で考えて、悩んで答えを出せるように、まわりは、寄り添っていることが正解なのです。

 

小学校生活6年間には、いいことがたくさんあるでしょうが、辛くて苦しいこともあります。学校に行きたくないと思うこともあるでしょう。そんな時に、この本を読むと、心が少しは軽くなるのかもしれませんね。